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がんばれゴエモン ~黒船党の謎~ - (2022/01/16 (日) 18:16:56) の編集履歴(バックアップ)


がんばれゴエモン ~黒船党の謎~

【がんばれごえもん くろふねとうのなぞ】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ゲームボーイ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント名古屋
発売日 1997年12月4日
定価 3,980円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2012年3月7日/419円(税10%込)
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
シリーズファンから不評
ポイント 黒船党、強すぎませんか?
連射パッドが無ければ無理ゲー同然
1997年製とは思えない低ボリュームとグラフィック
その他あらゆる点も含めて最悪なクオリティ
がんばれゴエモンシリーズリンク

概要

コナミを代表するアクションゲーム作品『がんばれゴエモン』シリーズの一作品。

非道な盗みを働く謎の盗賊団。黒船から出るため「黒船党」と名付けられたその組織をゴエモン達が懲らしめに向かうトップビューのアクションゲーム。
十字ボタン+2ボタン(攻撃とジャンプ)というオーソドックスな操作のアクションゲームである。
GBでは『がんばれゴエモン さらわれたエビス丸』以来6年ぶりに発売されたシリーズ作品。

……しかしながら、FC、SFC、N64とユーザーから高評価を獲得し続けたゴエモンシリーズしては非常に拙い出来となっていた為、著しく低い評価となってしまった。


特徴・不評点

ゴエモンシリーズらしからぬ、キャラ毎の個性付けの薄さ。

  • ゴエモン(バランス型)、エビス丸(パワー型)、サスケ(スピード型)の中から一人選んで操作することになるが、ゴエモンやサスケの飛び道具がエビス丸と同じ「十字手裏剣」で重複している。
    • 本シリーズは作風の変遷の中で培ってきた「各キャラ(お約束)の個性的な能力・武器・操作性の使い分けによる攻略」を最大の特徴としているのだが、その特徴が薄められてしまっている。
      ハード性能の都合と考えても、手抜きと見られても仕方が無いだろう。

明らかなボリューム不足と、それを誤魔化すかのような高難度。

  • ゲームボーイ本体発売から10年近く経過した頃の作品である割には、ステージ数がたったの5面だけと、明らかに少ない。
    • 面の少なさを誤魔化したかったのか、各面の道中は同じような地形がずっと続く等、異様に長くて変化に乏しい。しかもその癖に、難易度も妙に高い。
      • 残り人数が無い為、体力が無くなるとその時点でゲームオーバー。更には面クリア後にしかセーブできない仕様である故、難所は「死んで覚える」必要がある。
        本作では雑魚敵を倒してもお金やアイテムを落とさなくなり、道中の百両箱を拾うしかお金を得る手段がないのだ。この点も難易度上昇に拍車をかけている。
      • 特に3人1組で出現する雑魚敵の忍者が異常に強く、瞬間移動しながら攻撃してくるのだが出現位置が完全にランダムなので、「プレイヤーキャラに重なって出現してダメージを喰らう」という理不尽なことも起こり得る。
        上記の通り 雑魚敵を倒してもメリットが何一つ無い 為、一番の対処法は相手にしないで逃げる事に尽きる。
        ゴエモンシリーズは道中ステージも大きな売りなのに、全く面白味が無い内容である。

セーブデータの難ありな仕様。

  • セーブデータはこれ程低ボリュームなのにあろうことか、たった1つしか保存できない仕様である。

調整を間違えたとしか思えないミニゲームの難易度。

  • ボス戦の後にミニゲームを行うのだが、このミニゲームが酷く鬼畜。一度でも失敗すると問答無用のゲームオーバー
    • クリアに必要な連打速度が多めに設定されており、連射パッドが無いとクリアはほぼ不可能という鬼畜さ。
      • GB本体に連射機能は存在しない為、他機種の連射パッドで代用せざるを得ない。故に連射パッドでのプレイは『スーパーゲームボーイとSFC本体』か『GBプレイヤーとGC本体』が必須*1
      • それらが無い場合はピンポン玉や定規等、最悪の場合は爪を使った擦り連射をするしか無い。
      • そもそも携帯機に激しいボタン連打はハード本体の寿命を縮めかねない上、本作では尋常でない程の連打が必要な為、「周辺機器などを使わないとほぼ無理」な時点で商品としてどうなのか?という程の話である。
    • 何故か1面と2面のボスミニゲームが両方ともAボタン連打ゲー。差別化が無い為、手抜きと思われても仕方がない。
    • 3面は間違い探し。反射神経が必要だが、連打要素は無い。
    • 4面はなんとミニゲームが3回もある鬼畜仕様。当然ながら一つでも失敗するとゲームオーバー。
      • 1~3面ボスとの再戦という名目。だが、全て新規ミニゲームに差し替えられている。
      • とはいえ最初は神経衰弱、2回目は全て同じにする顔合わせパズルとそこまで厳しいものではない。しかし最後はGBのキー配置を元にしたモグラ叩きで反射神経が必要となり、これはなかなか難しい。
    • ラスボスはインパクトを呼ぶのだが、又してももぐら叩き。ボスが出てくる場所をレーダーが示してくれるのだが、「←(画面左)」「↑(画面中央)」「→(画面右)」の表示のみで、そのレーダーを頼りに勘で攻撃するしかない。
      ボスのHPは30だが、10ダメージ与えてからボスの速度が大幅に上昇し、攻撃が当て辛くなる。
      • そして厄介なのが、こちらにダメージが入る条件が「ラスボスが一定距離を移動する」又は「画面端まで移動する」ことである。これに因り、「出現した瞬間ダメージ」でハメられてゲームオーバーも珍しくない。
      • これまでの道中で「命の水晶*2」を入手してプレイヤーの最大体力ゲージをとにかく上げておかないと非常に苦戦する。
        前述の通りセーブデータは1つしか残せない為、最大体力ゲージが少ないと最悪の場合は最初からやり直して「命の水晶」を集める事になる。
    • それ以外にも道中で吹き矢や3択クイズがあり、それらはクリアに必須である。幸いミスしてもゲームオーバーにはならない。
      • 4面で再び吹き矢を遊べるが遊ぶ意味は無い*3

この時期のGB作品にしては単調なグラフィック。

  • キャラクターセレクト画面のキャラの立ち絵はそれなりによくできているが、肝心のゲーム本編内のグラフィックが単調で、おざなりに感じられる。
    • 91年に同じくGBで発売された『さらわれたエビス丸』と比べても進化に乏しい。

シリーズ屈指の人気キャラ、ヤエちゃんの扱い。

  • ステージ1クリア後にドクロ男爵に捕まってしまう為、プレイヤーキャラとして使用不可能。
  • それだけならまだしも、終盤で「何の脈絡も無くドクロ男爵から逃げてくる」という粗末な展開を迎える。これではストーリーの盛り上げ役にも何にもならない。

好評点

  • BGMは良質である。
    • ステージのBGMは各ステージごとに異なったものが用意されている上、ゴエモンらしい江戸の雰囲気を醸し出しているBGMが多くかなり好評。
  • オートマッピング機能がある。同じような地形が続くが、このおかげでステージ中で迷う事はあまり無い。

総評

シナリオ・システム・グラフィック・ボリュームといった殆どの要素が低レベルで、同年に発売されたゲームどころか「FC時代のゲームと同等未満ではないか」と言われる程であった。
プレイヤーを突き放した理不尽極まりない難易度も要因となり、ゴエモンファンからは即行で黒歴史認定された、ゴエモンシリーズとしては『綾繁一家』と肩を並べる最悪なクオリティの一作である。


余談

  • 開発は本家ゴエモンチーム(KCE大阪)では無く、残念な出来で著名である『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』『パワプロGB?』等を開発したKCE名古屋が担当。『悪魔城ドラキュラ』とは発売日が近い事もあり、当時のゲーム本では2本並んでGBの目玉ソフトとして紹介されていた。
  • コミックボンボンにて帯ひろ志氏によって本作の読み切り漫画が掲載されていたが、ラスボスが袋叩きにされるだけの雑魚になっていたり等、非常にあっさりした内容であった。
    • 同誌の攻略記事では「ピンポン玉がないと連打が苦しい。なのでピンポン玉を用意しよう!」と書かれており、その端でピンポン玉を必死の形相で擦りまくってボタンを連打するゴエモンとサスケという帯氏のイラストが掲載されるといった具合にネタ扱いされていた。
    • また、同誌で本作と『漆黒たる前奏曲』を紹介する記事にて帯氏による両作の短いPRマンガが掲載されたが、本作はというと「ゴエモンとエビス丸が食事を忘れるほど『黒船党の謎』に熱中し、やせ細ってしまう」という何とも言い難いものだった。
  • ゴエモンシリーズは海外で発売されている作品が少ないのだが、この作品は『Mystical Ninja Starring Goemon』というタイトルで海外でも発売されている。他に発売されている作品3作が、『ゆき姫救出絵巻』『ネオ桃山幕府のおどり』『でろでろ道中』と良作揃いの中、何故この作品が発売されてしまったのかは不明である。
    • 因みに『ネオ桃山幕府のおどり』の海外版タイトルも『Mystical Ninja Starring Goemon』で、何故か本作のタイトルと被っている。
  • 更に、あろうことか2012年3月7日にニンテンドー3DSのバーチャルコンソールとして販売開始。『きらきら道中』などを差し置いてのリリースに困惑するファンが多い。これがリリースされた理由は、前述の海外版と同じく不可解極まりない。
    • VC版の評価もやはり見苦しいもので、判定が甘めなeショップの評価ですら3割以上のユーザーに★1を付けられ、3DSのVCソフトとしては最も低い評価を得てしまっている。
    • VC版では追加機能としてAボタンの連射機能が搭載されており、ミニゲームの難易度と3DSのAボタンの負担が軽減されている。基本的に通信機能等を除けばベタ移植のVCでこうした独自のサポートが行われるケースはあまり多くない。