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タスマニア物語 - (2015/08/11 (火) 21:09:08) の編集履歴(バックアップ)
タスマニア物語
【たすまにあものがたり】
ジャンル
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アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売元
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ポニーキャニオン
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発売日
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1990年7月27日
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判定
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クソゲー
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ポイント
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原作完全無視の羊頭狗肉ゲー バイ菌みたいなキャラ 少なすぎるBGM
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概要
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同名映画のタイアップ作品。小学6年生の男の子、正一が主人公。原作はオーストラリアにある雄大なタスマニア島で、その美しい自然に生きる父と子の心の対話を描いた映画である。
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…が、後述するように本作は映画の再現どころか適当に名前を拝借しただけの別ゲーとなってしまった。
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本作は主人公の正一少年を操作して、追いかけてくる4匹のタスマニア・デビルをかわし、時には爆弾で気絶させたり真上から踏みつけながら、ステージ内の植物を全て消す事が目的という、映画とは全く関係の無い内容となっている。一応、絶滅したといわれるタスマニア・タイガーを見つけ出すという目的はある。
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それもそのはず、本作は1984年頃にPC-8801やMSXなどの8ビットパソコンで発売された「フルーツパニック」のキャラ替え移植である。しかも内容はそれから少し劣化している。
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『マッピー』と『パックマン?』を合わせたようなドットイート型のゲーム。
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十字キー+Aボタン(爆弾をセット)で正一少年を操作。マッピーのように階層があるフィールド、および左右の端にトランポリンがある。マッピーとは異なり固定画面であり一切スクロールしない。
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各階層の床には、サボテンなどステージに応じた植物がびっしりと生えており、パックマンのドットのように、正一少年が通過する事で刈り取ることができる。
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フィールド上のすべての植物を刈り取ることができればステージクリア。
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各階層には穴が空いており、マッピーと違い下の階層へ飛び降りることもできる。
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Aボタンで正一少年がいる場所に爆弾をセットする。
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爆弾は初期10個所持。1ミスで10個増える。ランダムに出現する菱形状のアイテムを取ることで1個増える。
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爆弾は爆発しないし、タスマニア・デビルが接触するかステージクリアまで消滅しない。さらに、画面上に同時に1つしか設置できない。
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正一少年が下にトランポリンがない穴から飛び降りて上からタスマニア・デビルを踏みつけるか、設置した爆弾とタスマニア・デビルが接触すると、それを一定時間気絶させることができる。
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正一少年とタスマニア・デビルが接触するか、正一少年がトランポリンを連続4回跳躍して突き破ってしまう(これもマッピーと同じ)と、正一少年がじたばたして消えてしまい1ミスとなる。
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マッピー同様、トランポリンのある穴に飛び乗る間、もしくは飛び降りる間は無敵となる。ただし、マッピーやフルーツパニックと異なり、トランポリンへの乗り降りの瞬間に飛び跳ねず、歩行アニメーションが止まるだけなのでタイミングが分かりづらい。
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正一少年の残機をすべて失うとゲームオーバー。コンティニュー機能は無し。
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2面おきにアイテムとして動物が設定されており、全10面なので5種類ある。この2面以内に指定回数(2面ごとに1ずつ増加)のタスマニア・デビルを踏んで気絶させることで画面端に出現する。ちなみに爆弾での気絶はカウントされない。
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10面クリア時点で5種類の動物をすべて取得していれば、エンディングとなりゲーム終了。未達成の場合、何事もなかったかのように1面に戻る。
問題点
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主人公の正一少年のグラフィックは黒丸に目と口がつき手足が生えているというもの。また有袋類である「タスマニア・デビル」は大きな黒いバイキンとして描かれているなど、映画を一切反映していない。
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このゲームに登場するグラフィックは、サボテンやコアラ、OP・EDに登場するタスマニアタイガーなど、背景以外は何もかもすべて黒く塗りつぶされている。とにかく何もかもが黒い。
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正一少年の残り残機を示すマークに至っては、足が生えたパックマンのような絵になっている。これは実はフルーツパニックのそれとまったく一緒である。元々フルーツパニックをベタ移植するつもりだったもかもしれないが、それでもそのままにしたのは理解しがたい。
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段差から飛び降りた正一少年に踏まれたり、セットした爆弾に当たったタスマニア・デビルは一定時間気絶するが、当然ながらこんな事象は映画に一切存在しない。あってたまるか。
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エンディングが見る条件が「動物を5種類全部集める」であることは説明書をよく読まないと分からない。条件を満たさない場合は何の説明もなく1面に戻るので、エンディングがないループゲームと勘違いしてる人がいてもおかしくない。
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「踏みつけ○回で動物が出現」すること、踏みつけた回数と集めた動物の数は画面に表示されているが、特に後者は
JS
00
とぱっと見よく分からない表記である。(Jの下が踏んだ回数、Sの下が動物の種類)
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しかもその肝心のエンディングはタスマニアタイガーが右から左へゆっくり通過したあとにENDと表示されるだけであり、BGMもグラフィックも後述のOPデモの使い回しのみ。「ゲームオーバーの電源を切らないといけないバージョン」との説も。
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正一少年やタスマニア・デビルはマッピーのようにトランポリンでジャンプできるが、ジャンプ中は「1フレーム(1/60秒)ごとに左右の向きを変える」という、すごいのか雑なのかよく分からない、荒ぶったアニメーションをする。
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ゲームボーイの液晶は応答速度が低いので、ぶれてしまいよくわからないが、スーパーゲームボーイなどではそれが可視化されるのでとても奇妙な動きとなる。
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ゲーム中のBGMはOPデモを除くと1種類のみ。しかも1ループが短い。ステージを進めても変わるのは集めるべき植物のグラフィックとボーナスの動物ぐらいで非常に単調である。
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面クリア自体は、2種類ある難易度のうちSLOWモードであれば理不尽な難易度というわけではなく、敵を1カ所に集める、段差をうまく使う、というようにコツがつかめれば攻略できないことはない。しかし、もう一方の難易度であるFASTモードは、タスマニア・デビルの横移動速度が2倍(正一少年と同じ速度)になるだけなのだが、クリアは極めて困難なものとなる。
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タスマニア・デビルは常に正一少年のいる階層に来られるように合わせてくるし、正一少年とタスマニア・デビルがトランポリンから同時に降りるとミス確定、さらに上からの踏みつけも移動方向とタイミングが極めてが限定されるうえ、後半ステージでは袋小路の道があるため簡単に囲い込まれる。そもそも画面が狭い割に速すぎる。正一少年と同じ速度になった影響は計り知れない。
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それでいて、このゲームにはコンティニュー機能は存在しない。動物を集めるどころか、ステージを進めることすら困難である。
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応募者の中から抽選で100名にぬいぐるみが当たるというプレゼントもあったが、応募に必要なキーワードを知るにはFASTモードのエンディングを見なくてはならない。100人も達成者がいたのかは非常に怪しい。
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タイトル画面は、起動後OPデモの前に1度だけ表示され、微妙に長い間がありスキップできないという謎仕様。
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OPデモでは、タスマニアタイガーが走っている絵と、「●タスマニアタイガーは背中に10数本のしまのある有袋類 現在でも森の奥深く、ひそかに生き続けているという…。」という何か続きがありそうなメッセージが表示される。
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しかしOPはこの1画面しかなく、ここまできたらタイトル画面は2度と表示されないし、他に何か画面があるわけもないので、いくら待ってもタスマニアタイガーが走り続けるだけで一切画面が切り替わらないという謎の中途半端仕様。ちなみに、ゲームオーバー後もタイトル画面ではなく、このOP画面に戻る。
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ゲームオーバー表示中も、タイトル画面同様に妙な待ち時間があり飛ばせない。もっとも、何度も挑戦したくなるゲームではないが。
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なんとゲーム中は一切ポーズできない。ステージ開始前にボタンの押し待ちがあるのみである。もたもたしているとあっという間にゲームオーバーになる。
評価点
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オープニングのタスマニアタイガーのデモは当時としては良く出来ている。が、そこで力と容量を使い果たしてしまったようだ。
総評
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原作とは無関係でもゲームとしての出来がよければ高評価だったかもしれないが、単調で高難易度なゲーム内容、デモ以外見るべきところのないグラフィックとまったく評価すべき点が見当たらない。
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原作の映画「タスマニア物語」は、当時の東宝配給映画ラインナップの穴を埋めるために急遽企画され、わずか1年足らずの急ごしらえで制作された映画である。そんな映画と同時期に発売されたこのゲームがそれ以上の急ごしらえであったことは想像に難くなく、それも非常に納得できる出来である。