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メタルスラッグX - (2014/03/15 (土) 02:03:29) の編集履歴(バックアップ)


メタルスラッグX

【めたるすらっぐえっくす】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード(MVS)
ネオジオ
メディア 【AC】ROMカートリッジ
【NG】506MbitROMカートリッジ
発売・開発元 SNK
稼働開始日
発売日
【AC】1999年3月19日
【NG】1999年5月27日
定価 【AC】不明
【NG】29,800円
※定価は税別価格
プレイ人数 1~2人
備考 Wii・PS2・PSP用ソフト『メタルスラッグ コンプリート』内に本作が収録
※本概要はソフト単体で発売されているもののみ記載している
※PS移植版に関しては独立ページあり、こちらを参照
分類 良作
メタルスラッグシリーズ・関連作品リンク


概要

SNK(現:SNKプレイモア)より発売されているアクションシューティングゲーム、『メタルスラッグ(メタスラ)』シリーズの第3作目。
ただし、ナンバリングがされていない所からも推察出来るように、本作は『メタルスラッグ2』をベースに、ミッション内構成の変更の他に多くの要素が追加および変更されたリメイク作品となっている。
従って、作品のストーリーなどは『メタルスラッグ2』のままとなっている。

なお、本作はアーケード(MVS)の他、ネオジオとプレイステーションに移植されているが、プレイステーション版に関しては移植度に大きく難があり、一緒にまとめるには些か問題があるため、別ページで紹介している。
プレイステーション版に関しては上記の概要表内の備考にあるリンク先のページを参照いただきたい。


『メタルスラッグ2』からの変更点

+ 長くなるのでクリックで展開

追加武装

武器・スラッグ(戦車)

『X』で新たに追加された武器は下記の通り。
下に触れるビッグ系強化銃は既存武器の強化版になるため、ここでは割愛する。
強化銃と手榴弾の変化アイテムに関してはまとめて一覧にしているため、変化アイテムは解りやすく赤い文字で記す。

名称 概要
追加武器
エネミーチェイサー ロケットランチャーの追尾性能を強化したような小型ロケット弾を発射する。
発射したロケット弾は高速で敵を追尾するが、命中した時の爆風はロケットランチャーと違って小さい。
ただし、攻撃対象が複数いたり、あまりに近すぎると弾が見当違いの方向に飛んでいくことも。
アイアンリザード 地面を疾走する自走弾を放つ。
上方向に発射してもすぐに地面に落ちて疾走するので、対空には向かない。
坂は疾走出来るが、障害物(直角の壁など)があるとそこで爆発してしまう。
ドロップショット 地面をバウンドする爆弾を放つ。
弾速が遅い上に画面内に3つまでしか発射出来ず、おまけに弾道も癖がありすぎるために非常に使いづらい。
そのため、多くのプレイヤーからは要らない武器扱いを受けており、ゲーム情報誌『アルカディア』には「武器の形をした罠」とばっさり一刀両断されている。
スーパーグレネード 巨大な榴弾を放つ。
弾速も早く、命中すると上方向に巨大な攻撃判定を持つ爆風が生じる。
ただし、弾数が少ないので無駄撃ちは禁物。
ストーン 手榴弾が投石攻撃に変化。
威力はあるが、如何せん石なので手榴弾のように爆風が出ず、殲滅には不向き。
追加スラッグ
メタルスラッグ TYPE-R ミッション3で登場する、赤みがかった車体のメタルスラッグ。
機動力が上昇しており、移動速度とジャンプ力が強化されている。

ビッグ系強化銃

『2』までに存在していたヘヴィマシンガン・ロケットランチャー・フレイムショット・ショットガン・レーザーショットに、武器名の頭に「ビッグ」の名を冠した強化銃が追加された。
威力がアップしたり、攻撃判定が強化されていたりするが、ビッグショットガンは攻撃範囲が非常に伸びているが、その代償で弾数は通常版よりも減少してしまっている。
また、ビッグ系強化銃と通常の強化銃では弾数が共有されず、別扱いになってしまう*1

システムボイスの変更

武器取得時やミッション開始・終了時等のシステムボイスが全て入れ替えとなった。
かなりノリの良いものに変わったこともあってこの変更は好評を博した。
『6』以降、再びシステムボイスが入れ替えになったが、その際は批判意見が相次いだほど。
また、『2』ではデブ化してもシステムボイスが無かったが本作での変更に伴って追加されている。
メタボリック」と言っているのだが…アクセントというか、発音自体がかなり独特なせいでこうはまず聞こえない。

その他変更要素

ミッション構成の変更

ミッションの敵配置などの構成が大幅に変更。
目立つ所では、『2』のミッション1のボス「ザ・キーシII」は『X』ではミッション3の中ボスになり、『X』のミッション1では『1』でミッション5のボスだった「アイアン・ノカーナ」が再登場している。

デブ化するミッションの追加

デブ化するのは『2』ではミッション4だけだったが、『X』ではミッション3以降の全ミッションで発生するようになった。


評価点

処理落ちの大幅な軽減

  • 軽減と言うよりも解消と言ってしまって良いほどにプレイ中に処理落ちに見舞われることは無い。
    • ただ、『2』ではその処理落ちがゲームバランスという観点ではむしろ良い方に作用していたという意見もあるため、見ようによってはデメリットになるかも知れない。
  • これはROM容量の増加により、一度に扱えるデータも大きくなった事による恩恵である。

スコアアタックの環境が整えられた

  • 『2』では敵のミサイルや無限に湧いて出て来る雑魚敵などに弾を当てても点数が加算されていたため、点数稼ぎの手段のメインが「時間制限ギリギリまでひたすら敵のミサイルに攻撃を当て続ける」という面白味もクソもないものだったが、『X』では敵のミサイルなどは勿論、ボス戦などに於いて無限に湧いて出て来る雑魚敵も同様に弾を当てても点数が入らなくなった。
    • これにより、純粋に自身のテクニックでより高いスコアを目指すという本来あるべき姿になったと言える。

グラフィック・演出面

  • シリーズのウリである、一種の芸術とも言えるほどの高品質なドットグラフィックはこちらでも健在。
    • 『2』の時点で好評だった演出面も劣化していない。
  • 余談になるが、ミッション2で敵のミイラによってミイラ化させられた鉱夫は『2』では倒すとそのまま消滅してしまっていたが、『X』では人間に戻って大慌てで逃げ出すという演出が加わった。

BGM

  • 『2』のリメイクなため、使われている曲自体は変更がないのだが、BGMもリメイクされており、『2』に比べて重みを感じられるものとなっている。
    • どちらが良いかは人による好みもあるため、一概には言えないが、少なくともリメイクによって台無しになったりしたという訳では無いので、そこは評価出来る。

変更されたシステムボイス

  • 上にも書いたが、プレイしていてテンションが上がってくるようなノリの良いボイスに変更されたため、好評を博した。
    • ただし、『2』までのそれが悪かった・聞くに耐えないものだったという訳ではない点には留意されたし。

賛否両論点

リメイクの方向性が全体的に難易度の上昇傾向な点

  • 『2』に比べて全体的に難易度を上げる方向にリメイクされているため、処理落ちの解消と相まって『2』の方がゲームバランスは良かったとする意見も少なくない。
    • ただし、あくまで『2』と比べての話であり、『X』単体で見た際に「とてもクリア出来そうにないような無茶苦茶な面構成がある」という訳ではなく、むしろゲームバランスはよく練られている方である。
      • また、一部はむしろ『X』の方が難易度が下がっている場面もあるため、難易度の上昇にばかりリメイクの方向性が向いているとも言い切れない所もある。

問題点

武器周り

  • 今作で追加された武器の内、スーパーグレネードはミッション5で1度出て来るだけ。
    • 『2』で指摘された全体的な武器の偏りは確かに改善されているが、折角新規で追加した武器の出番がたったの1回だけというのも寂しいものがある。
  • また、ドロップショットはあまりにも使いづらい武器であるため、「何のために追加したのか解らない」とする意見も目立つ。
    • 余談になるが、PS版ではただでさえ使いづらい物が移植時の劣化の煽りで更に使いづらくなり、使い所を見出せたミッション3でも役に立たないゴミになったとする意見も出るようになってしまった。

総評

『メタルスラッグ2』という土台があるリメイク作品だが、数多くの追加要素により、全くの別作品として見事に生まれ変わった作品である。
また、上では賛否両論点に挙げたが、ゲームそのもので見ればゲームバランス・面構成も十分に練られたものとなっており、やればやっただけ腕の上昇が実感出来る優れたものとなっている。

かつては移植されたのが、ソフト1本あたりの値が張るネオジオと移植度に問題があるプレイステーションしかなかったが、現在では『メタルスラッグ コンプリート』でネオジオ版をほぼ完全に移植されているので、プレイ環境の敷居も下がっている。
手応えのあるアクションシューティングをプレイしたいという人にも、『2』をやり込んだというファンにもお勧め出来る作品である。


余談

ネオジオ(MVS)の起動画面について

前作『2』までは起動画面に表示されていたのは「MAX 330 MEGA」だったのだが、『X』からは「GIGA POWER」となった。

「MAX 330 MEGA」というのは「ROMカートリッジの容量が330メガビットまで扱える」というのを示したもの…ではなく、「本体のROMアクセス速度が最大330メガビットであることを示した」ものである。
「GIGA POWER」の方は、「ROMカートリッジの容量がこの先更に大きくなっていくこと」を示すためのものであるとされる。

参考までに『2』と容量を比較すると、『2』では277Mbitだったのが、本作では506Mbitである。

『メタルスラッグXX』について

2009年12月23日にプレイステーション・ポータブル向けに発売されたシリーズ作品の『メタルスラッグXX(ダブルエックス)』があるが、この作品は本作を更にリメイクしたものではない。
正しくは、2008年7月17日にニンテンドーDS向けに発売された『メタルスラッグ7』に追加要素を加えてPSPへ移植した作品である。
従って、本作とはメタスラシリーズであること以外は全くの無関係なのだが、何故か『XX』のプロモーションビデオなどでは何かにつけ「『X』を越えた!」「『X』以来10年ぶりのコードネームタイトル!」などと本作に絡めてアピールされている。
本作(現状では『コンプリート』か)、あるいは『XX』の購入を検討する際はその点に注意しておこう。