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DEAD OR ALIVE - (2021/06/25 (金) 20:00:18) の編集履歴(バックアップ)
DEAD OR ALIVE
【でっど おあ あらいぶ】
概要
テクモ初の3D格闘ゲームとして世に送り出された『DEAD OR ALIVE』シリーズの第1作。
AC版はセガの業務用基板「MODEL2」を初めてセガ以外の会社が使用した作品。
プレイヤーキャラ8人から一人選び、CPU戦を勝ち抜いて最後の敵ライドウを倒す事が目的。
そのうちの1人であるリュウ・ハヤブサは同社のアクションゲーム『忍者龍剣伝』シリーズの主人公と同一人物である。
評価点
システム面
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このゲームの最大の特徴は打撃・投げ・ホールド(当て身)といった三竦みの構造にある。
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打撃は投げに強く、投げはホールドに強く、ホールドは打撃に強い…という具合にこの三竦みがゲーム中において非常に上手く機能しており、他の格闘ゲームで言う所の「ハメ殺し」に陥る事が事実上無くなっている。
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他にもデンジャーゾーンと呼ばれる床があり、この床でダウンするとダメージを受けて吹き飛ばされる。これらを生かす駆け引きも楽しい。
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これらの独自のシステムは当時としては斬新であり、上手くまとまったバランスから対戦ツールとしての出来は高く評価された。
演出面
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キャッチコピーで「世界で一番美しい格闘ゲーム」と謳っているだけあって、当時としてはグラフィックが非常に綺麗。以降のシリーズの醍醐味にもなっている。
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本作ではキャラの魅力を損なわないよう、キャラに陰影をつけずポリゴン感をなくしているという工夫が見られる。
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そして本作の注目すべき点が何といっても女性キャラクターが動くたびに乳房が揺れる、いわゆる「乳揺れ」である。
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その揺れの激しさは対戦そっちのけで多くの男性プレイヤーの視線を集めた。現在でもこのゲームが3Dにおける乳揺れゲームの先駆けと認知されているほど。また、このように女性を積極的にフィーチャーした格闘ゲームの先駆けという評価もある。
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この点に重きを置いたこともあり、本作の女性キャラクターはいわゆる巨乳しか存在しない。シリーズとしても、シリーズ6作目である『Dead or Alive 5 Ultimate』にて「マリー・ローズ」が登場するまで貧乳のキャラクターが存在しなかった。
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また、家庭用版で追加された隠しコスチュームの豊富さも本作の魅力の1つになっている。
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コスチュームの中にはセーラー服などマニアックな物も多い。女性キャラクターに人気が出たことでギャルゲー的に売り出すようになった格闘ゲームはあるものの、シリーズ当初からギャルゲー的な要素を入れたものは当時まだ少なく、時代の移り変わりを感じさせる。
問題点
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キャラごとのストーリー背景は存在するのだが、本作ではストーリーデモが一切ない為にストーリー性が薄い。ラスボスのライドウもいきなり現れてただ無言で闘うだけ。
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良くも悪くも『バーチャファイター』の影響らしく、他の3D格闘ゲームでも大概は(ゲーム本編では)ストーリー性が薄いのだが。
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AC版にはテキストによる簡単なEDがあるが、何故か家庭用では削除されている。「AC版でEDが無く、家庭用で追加される」というケースはよくあるが逆は珍しい。
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『2』以降はストーリーデモが存在するのだが、唐突な内容や描写不足な場面があるためやはりストーリーが掴み辛くプレイヤーが想像で補完するしかない。
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上記の隠しコスチュームの出現方法が周回プレイでの解禁なため単調な作業の繰り返しになるという不満がある。
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シリーズを通して強いキャラは強いまま(ゲン・フー、リュウ・ハヤブサ、かすみ等)、弱いキャラは弱いまま(ティナ等)という傾向があること。他の格闘ゲームでは調整の結果キャラランクが変動することは珍しくないのだが、このシリーズは比較的それが少ない。これを是と見るか否を見るかは人次第だろう。
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スタッフの板垣氏は「僕の感覚ではプロレスラーが忍者に勝つのはありえない」といった発言をしているので、キャラバランスに関してはそれなりに意図的な調整のようである。
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モデル2基板のROMキットで差替えた場合、フリーズやリセットが多発するものが多々あった。
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改造マニュアルでは全種コンバートOKとなっているが、MODEL2のリビジョンの違いで誤動作しやすいのがあるかも…と問い合わせで回答された事もある。
賛否両論点
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SS版は一見するとAC版の移植版という位置付けに思えるが、「性能に調整が入った技」「AC版にはなかった新技の追加」「一部の技のモーション差し替え」が全キャラにあり、実のところ膨大な差異がある。また、AC版と同環境で遊ぶためのモードは収録されていない。
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AC版そのものに触れてみたかったというユーザーには残念な点となる。
総評
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格ゲーとして高い完成度を誇りながら、美麗グラフィックに魅力的なキャラなども好評を博したことによりシリーズ化されテクモの看板タイトルの1つになった。
その後の展開
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『3』以降のプラットフォームはXboxハードがメインとなり、日本国内でいまいち奮わないXbにおいて人気タイトルの1つになっている。
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ちなみに『3』は国内においてXbで唯一の10万本突破ソフト。後に本体の特別色「かすみちゃんブルー」まで発売された。
余談
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AC版の開発途中でお蔵入りになったキャラクターが判明するだけでも2名存在する。一人はムエタイ使いのケリー、もう一人は名も公表されていないモンゴル相撲のキャラである。
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そのうち、ケリーはグラフィックが一新され現在のザックとして生まれ変わったが、後者のモンゴル相撲の使い手は製品版では削除されてしまい、今に至るまで復活しないままである。
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ケリーは当時の雑誌の記事やAC版の初期のフライヤー等にも大きく紹介されており、その姿を確認出来るが、モンゴル相撲の使い手に至っては雑誌でもあまり掲載されず、当時のインタビューで触れられた程度なので、確認するのは困難である。
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AC版とSS版の時点で、後にシリーズの人気キャラとなる綾音(あやね)の姿はまだ無い。
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…なのだが、SS版のトレーニングモードでは、青色を基調にしたサイバーなヘルメットとスーツを着込み、ニュートラルポーズが綾音という謎のキャラが存在した。ボイスは無し。
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要は、トレーニングモード専用の練習台キャラに、わざわざ専用モーションまで用意していたということ。繰り返しになるがまだ綾音が未登場の頃の話。
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SS版の攻略本(電撃攻略王『デッド オア アライブ 公式攻略ガイド』)には開発スタッフのインタビューと、設定資料集をまとめたページがあり、その中でこのトレーニングモード専用キャラは「トレ子」という愛称があり、シリーズに正式に参戦する計画まで綴られていた。
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「トレ子」=後の「綾音」なのかは明言されていない。
プレイステーション版
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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プレイステーション
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発売・開発元
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TECMO
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発売日
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1998年3月12日
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定価
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6,090円
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判定
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良作
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概要(PS)
SS版ができる限りAC版を再現しようとしたのに対し、半ば続編とでもいうべき方向性の作りになっており、AC版とは大分印象の変わったものとなった。
特徴(PS)
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モデルを一新。関節処理をするなど造形をなるべく自然なものに近づけた。限られたポリゴン数の中で、かなりいい作りとなっている。
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一方でPS特有の光沢があり、肌がテカってる様に見える。
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ステージも一新。基本的に平坦なデザインとなった。背景の建造物などもない。さらにリングアウトもなくなった。もっともこれはポリゴンの節約のため。
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技が大幅に増加。各キャラの特徴がさらに強く出る様になった。もちろん戦い方の幅も広がった。
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多くのBGMがアレンジされている。中には新曲に差し替えられたものもある。
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新キャラクターを2二人追加。ティナの父親プロレスラーのバースと、霞のライバルとなる霞幻天神流の綾音。続編への新規加入予定のキャラクターを、前倒しでPS版に追加したもの。このためよく練り込まれたキャラクターとなっている。特に綾音は霞と共に以後、シリーズを引っ張っていくキャラクターとなる。
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トレーニングモードが充実。入力表示や全ての技をマスターできるモードがあるなど、かなり至れり尽くせり。
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コスチュームも大幅に増加。SS版の倍以上。
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もっともこの増えたコスチュームは、お色気路線をさらに強化。『DOA』のギャルゲー色を強める事となる。
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綾音のコスチュームのうち最後に解禁されるものは、どれだけセクシーなものかと思いきや、露出度ゼロ。なんと、本作で姿を消したあの「トレ子」の衣装である。
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この「トレ子」衣装は解禁まで非常に長いプレイ時間が必要になり、SS版からの経緯を知っているプレイヤーにはニヤリとさせられるものだった。余談として『Dead or Alive 5 ULTIMATE ARCADE』では、チュートリアルデモにてわざわざこの衣装を着た綾音が技の受け役になっている。
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後にこのPS版を元に追加要素等を加えた1作目のリメイクに当たる、AC版『DEAD OR ALIVE ++(プラスプラス)』が1998年9月に稼働開始。基板は自社製のPS互換基板である「TPS-System」が使われている。