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THE HOUSE OF THE DEAD 2
【ざ はうす おぶ ざ でっどつー】
概要
拳銃でゾンビに立ち向かうガンシューティング『THE HOUSE OF THE DEAD』の続編。
前作と基本システムは同様ながら、圧倒的なボリュームアップやマニア好みの新システム追加が行われている。
アーケード版はドリームキャスト互換の新基板「NAOMI」の第1弾としてリリースされ、
本作以降のナンバリング作は新基板の第1弾タイトルとしてリリースされるのが恒例となった。
本作のみ、これまでのSD筐体とDX筐体に加えて、シートに座ってプレイするボックス型のSDX筐体も存在する。
ストーリー
98年12月の「キュリアン邸事件」は「トーマス・ローガン」と「G」の活躍により極秘裏に幕を閉じたが、事件の裏には真の黒幕の存在があった…。
それから約1年後の2000年2月26日、未だにキュリアン邸事件に関する捜査が行われている最中、イタリア・ベニスで捜査を行っていたGが音信不通となってしまう。
AMSエージェントの「ジェームズ・テイラー」と「ゲーリー・スチュワート」、彼らのサポート役である「ハリー」と「エイミー」は、Gと落ち合う為に派遣されたが、
そこで彼らが見たモノは、街に溢れたゾンビによって重傷を負ったGや命を落とした市民達という、キュリアン邸事件をも上回る惨劇であった。
4人は市民の救助や捜査を進めるうち、一連の事件の黒幕はキュリアン博士の出資者であったゲノム研究のエキスパート「カレッブ・ゴールドマン」と知る。
『世界のバランス保持』の為、自らの圧倒的な財力と技術を用いて暗躍するゴールドマンを、ジェームズとゲーリーは止める事ができるのだろうか…。
評価点
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ハードの世代交代に伴い、ボリューム・ポリゴン・テクスチャーが飛躍的に強化された。
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舞台も「煉瓦造りの古びたイタリア風市街地」「ボートに乗って運河下り」「コロッセオ周辺の遺跡」「ハイテクビル内」など物語に沿って様々な様相を見せる。
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特に透明化が可能となったポリゴンは、2・3面の水面や水しぶき、一部敵のエフェクト表現として存分に活かされている。
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前作で批判された残虐描写が幾分かマイルドになった。
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但し、敵の血の色が緑に固定、敵を倒した際の血反吐や目玉の削除、頭や腕は繰り返し撃つとようやくもげて無くなる位になった程度ではある。
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この結果、前作を見た目で躊躇していた人もプレイするようになり、結果的に『バーチャコップ』を押しのけてセガを代表するガンシューティングまで成長することになる。
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因みに、海外用のアーケード版では出血絡みの描写は前作同様の過激さだったりする。恐らく海外では批判が少なかったのだろう。移植版は日本版と共通である。
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本作以降、照準検知は赤外線センサーによる常時読み取り方式へと変更。銃撃時に画面が白く光らなくなり、リロードはガンコンを画面外へ向けるだけで良くなった。
初採用作の『ロストワールド・ジュラシックパーク』と同様、この方式を活かして、うす暗いエリアでは狙った場所がフラッシュライトで照らされる要素も追加された。
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但しWii版以前の移植版のガンコンは旧来の走査線方式である為、銃撃時に画面が白く光り、リロードも画面外で引き金を引く必要がある。
上記の暗闇時のライト機能も、最後の攻撃箇所だけが照らされ続けるようになった為、いささか雰囲気に欠けるかもしれない。
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さすがに前作よりは少なくなってしまったが、ルート選択はガンシューティングの中では多い方。プレイヤーの行動次第で分岐する点も引き継がれている。
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本作ではルート次第でボスの戦闘場所や次のステージの開始場面が変わることも。
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BGM・SEも相変わらず凝っており、前作の曲のアレンジも違和感なく世界に溶け込んでいる。
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前作で特に高い評価を受けていた1面・「マジシャン」戦・ステージクリア・ゲームオーバーBGMは今作でも使用。
何れも新フレーズが追加されているが、基本は前作からの正統派アレンジとなっており、ファンサービスにも配慮されている。
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スコアシステムでは、「連続ヘッドショットボーナス」と「命中率ボーナス」が追加。
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前者はゾンビの頭部にミス無く撃ちこむ事で頭部への撃ちこみ点が10点ずつ上がっていき、後者はステージクリア時の命中率によりボーナス点が入る。
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特に前者は上手くいけば得点が飛躍的に上がるが、頭以外を撃つとリセットされるというシビアなシステムで、現在でもハイスコア更新が報告されている。
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この追加システムはあまりにシビアすぎたようで、『III』では「クリティカルショット」と「ランク決定基準」として形を変えて継承される事となった。
問題点
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難易度の全般的な上昇。
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基本的には前作がベースではあるのだが、こちらの攻撃が大幅に弱体化、一方で敵が非常に固くなるなど、難易度は前作から格段に上昇している。
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まずこちらの攻撃の当たり判定が極小となった。余計な所に当たりにくい面もあるにはあるが、動きの速い敵にはより当たらなくなってしまった。
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その為、前述の残虐描写マイルド化も相まって、振り上げたゾンビの腕を撃って空振りさせ、攻撃を回避するという戦法がほぼ通用しなくなった。
そもそも敵の腕を撃てる場面自体が少なくなり、道中のザコ戦ではヘッドショットしないとプレイヤーへのダメージが確定するような状況も増えた。
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頭の上半分が無くなった場合でも、下顎~首を狙えばヘッドショットのダメージが入るので、高難易度時はそこを狙う必要もある。
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前作ではかなり豊富だったライフアップの機会が明らかに少なくなり、ランクの上昇率も激化した。
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具体的なランクの上昇率は前作の「50秒毎に1ランク上昇」から、今作では「30秒毎に1ランク上昇」とかなり頻度が上がっている。
前述のライフアップ取得機会の少なさもあって、わざとダメージを喰らってランクを落とす、という調整がとてもやりにくくなった。
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市民救助と壊せる背景物から回復アイテム入手が確実にできれば、何とかワンコインクリアへの活路を見いだせるレベルの高難易度である。
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前作よりもボスの脅威度が格段に高い。前作の難度は概ね道中>ボスであったが、今回は難度の上がっている道中全体と、ボス単体での致死率が同程度にまで上昇。
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最も凶悪なのは、前作のラスボスで今作5面ボスの「マジシャン」。高速で飛び回ってプレイヤーを翻弄し、火球を握った拳で直接殴りかかる攻撃は、プレイヤーの間で語り草になるほど厳しい。
攻撃を仕掛けて約1秒の間に、高速に動く小さい弱点(右脛・左太腿・左二の腕の何れか)に当てる必要がある。キャンセル弾数は1発だけだが、1発当てることすら難しいのでダメージを受けやすい。
更にダメージを受けたからといってこの攻撃は飛ばされたりしない。体力を一定まで削らなければ延々と仕掛け続けてくる。この攻撃だけで1クレジット消費させられる光景は珍しくなかった。
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そしてこの攻撃の真の恐ろしさは、2人同時プレイ時に発揮される。1人だと1発当てれば止められたが、2人では2発当てる必要がある。
そもそも1人でも1発当てることの難しい攻撃が、2人になったからといって簡単になるわけがなく、1人プレイ時より格段にダメージを受け易い。
おまけにこの攻撃、1P2P両方にダメージを受ける仕様。つまり2倍の速度でクレジットを消費させられる。2人プレイすること自体がマジシャンの強さを一層引き出しているのである。
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一応強さとしては体力の多い前作の方が強い。しかし本作のこいつはラスボスでなく、後のステージが控えてる事を考慮するとこの強さはとんでもないのである。
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他にも2面ボス「ハイエロファント」の画面上部ギリギリからの攻撃、4面ボス「ストレングス」の連射地獄の初見皆殺しぶりはカプコン級とも称えられる。
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全キャラクターのボイスが日本人でも分かるほどの棒読み。
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前作では海外のホラー映画風の世界観を表現していると高評価を受けていたキャラクターのボイスは、本作では殆どで棒読み演技のオンパレードとなってしまった。
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特に酷いのはジェームズとゴールドマン。具体的な表記は避けるが、日本人には空耳で日本語に聞こえてしまう台詞もあり、シリアスな雰囲気を感じにくいと言う声も。
この2人はネイティブ圏では「社員ボイスでは?」と言われる程の超棒読みらしく、黎明期のYoutubeではそれをネタにした動画がそこそこ人気になっていたほどである。
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この2人の声優の兼ね役であろう市民達の演技も一部で極端な棒読みが散見される。
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エイミー等の女性キャラやゲーリーにも一部で棒読みがあるものの、やはり上記の2人ほど棒読みではなく、異常にネタにもされていない。
総評
グラフィックの格段の向上と残虐描写のマイルド化でシリーズの間口を広げた作品。
反面、前作よりもシビアになった難易度がやや惜しまれる。
余談
移植
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ドリームキャスト版(1999年3月25日発売)
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NAOMI基板の互換機故に移植度はほぼ完璧だが、AC版と違い画面外に向けるだけでリロード可能なシステムは無いので注意。
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ボスごとの練習(難度ランクの設定も完備)以外にも、連射力や精度を鍛える演習というかシュールギャグじみたミニゲームが異様に充実。
ショットガン等の武器や状態変化アイテムをステージ中に収集、ゲーム開始前に選択・使用できるオリジナルモードが追加された。
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Xbox版(『THE HOUSE OF THE DEAD III』、2003年1月30日発売)
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『THE HOUSE OF THE DEAD III』のオマケとして同時収録された。
内容はDC版と同様だが、一部テロップが『III』準拠だったり、若干の処理落ちが見られる。
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Wii版(『THE HOUSE OF THE DEAD 2&3 RETURN』、2008年3月19日発売)
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『THE HOUSE OF THE DEAD 2&3 RETURN』のタイトルで本作と『III』をカップリング移植。
基本的にはXbox版の移植だが、処理落ちやロードが更に多い、アーケードモードのフリープレイ削除、救急箱の外見変更等の差異がある。
派生作品
人気作品である故か、本作をベースにした以下のような派生作品も出ている。
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『THE TYPING OF THE DEAD』
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銃ではなくキーボードでゾンビに表示されている文字を「打つ」タイピングソフト。開発はAM6研(スマイルビット)が担当。通称は「TOD」「ゾンビ打(だ)」。
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2000年初頭にアーケードで稼働し、同年3月にドリームキャスト、12月にWindows PC、その後も携帯・PS2・Macintoshに移植された。
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主人公達が何故か肩掛けキーボードに巨大ドリキャスを背負っている、敵側も武器の斧やナイフがコントに用いるような物に変わっている、
一部の文字・ボス戦で出題される問題はネタ多め…と、シリアスな雰囲気だった原作とは打って変わって、非常にセガセガしいバカゲーへ変化。
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HOD2の難しさとテンポの良さをタイピング用に調整したシステムと訓令式・ヘボン式を問わない文字入力システムが相まり、登場当初から一般層にも練習ソフトとして人気が高い。
その人気から2004年版で大改良が行われて以降、数年毎にタイプする文章を変えたマイナーチェンジ版が低価販売されている(2017年現在の『EX』はWindows 7まで対応)。
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『THE PINBALL OF THE DEAD』
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ピンボールでゾンビをなぎ倒していくデジタルピンボール。
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ジャンルこそピンボールになっているものの、ピンボール台やBGMもHOD2の物をGBAなりに再現しており、ゲームの雰囲気自体は原作に近づける努力が見られる一作。
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『ゾンビ式英語力蘇生術 ENGLISH OF THE DEAD』
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ニンテンドーDSで発売された英語学習ソフト。ゾンビに表示されている英単語をタッチペンで「書いて」戦う。
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ステージ間のデモが一枚絵に変更、ハードの関係でグラフィックが『1』のSS版レベルまで劣化、BGMもフレーズが違うモドキ版・DS音源でややチープと様々な点でダウングレード。
だが、携帯機であるDSでHOD2及びTODを出来る限り忠実に再現している力作とも言える作品である。
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『ゾンビ打 FLICK OF THE DEAD』
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かつてiOS専用で配信されていたアプリ。TODがベースであり、プレイヤーはスマホを持ったジェームズを操作、ゾンビに表示されている文字をフリック入力で「打って」戦う。
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ハードの関係上、グラフィックが少々劣化したものの、ステージ1のみ無料プレイ・ステージ2以降は有料(前ステージで高評価獲得で割引)とアプリらしい作りとなっていた。