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スリルドライブ - (2018/08/07 (火) 11:22:42) の編集履歴(バックアップ)
スリルドライブ
【すりるどらいぶ】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード
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販売元・開発元
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コナミ
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稼動開始日
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1998年
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判定
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良作
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概要
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サーキットではなく、一般道、高速道路などの公道をひた走り順位を競うレースゲーム。しかし”スリル”の名の通り「事故」を前面に押し出したゲームになっている。
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シリーズ作品をそれぞれ『1』、『2』、『3』と表記する。
ゲーム内容
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基本ルールは一般的なレースゲーム同様自分含め4台の車でレースを行う。ただし、持ち時間が設定されており、タイムアップになった場合はその時点でゲームオーバーとなる(タイムはチェックポイントを通過することである程度回復する)。ルールはシンプルだが、「事故」によって独特な内容になっている。
事故
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本作で最も特徴的な要素。
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公道を走る故、一般車両のアザーカーが多数走行している。そのアザーカーに自分の車が衝突してしまうと「事故」となり、強烈な悲鳴とともにそのシーンがリプレイされる。
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リプレイは海外レースゲームにありがちな「クラッシュ!!」のようにポップなものではなく「警察24時」のような重い雰囲気。救急車のサイレンも鳴る。
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また、田んぼ・海への転落や、側壁に衝突といった自損でも事故となる。事故を起こした時のショックも大きいが、ゲーム的にもタイムロスとなるため出来る限り事故を起こさずに進めることが重要となる。
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ちなみに、シングルプレイ時は事故の演出の間タイムカウントが止まるが、マルチプレイ時はしっかりタイムカウントが継続されるためクリアはシングルプレイよりも難しくなっている。
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また、内部的にはランクシステムが採用されており、ランク上昇と共に事故が発生しやすくなる(事故と判定される基準が厳しくなる)。
具体的には、事故を起こさずに走り続けると、大型車(トラックやバス)との接触でもミスにならず崖にも見えない壁ができる無敵状態>大型車や電車との接触、崖からの落下のみミスになる>小型車との接触でもミスになる>壁に軽く触れただけでもミスになる、といった具合。
逆走を一定距離行うと赤い三角形の並んだ透明な壁が行く手を阻むが、高ランクである程度以上の速度をだしているとこの透明な壁との衝突でも事故と判定される。なお、バイクや警察車両との接触で事故となることはない。
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事故発生後はBGMが変化する。また、『1』に限り、事故を起こす毎に天気が悪くなり、最終的には雷鳴まで発生するようになる。
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『3』では筐体にシートベルトが備え付けられ装着しないと事故が起こった際に画面が見づらくなる安全運転を推奨するシステムになった。
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事故の重大性により、「事故発生」「重大事故発生」「大惨事!」2以降はもう一つ上に「検挙」の三、四段階に分類される。
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ロケテ時は「プレイヤー軽傷」「プレイヤー重傷」「プレイヤー死亡」だった。
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初代では実際に事故の悲惨さで判定された(横転や列車事故だと「大惨事!」など)が、『2』以降では単純に損害賠償額で決定されている。
損害賠償金
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『2』から導入されたルール(厳密には『1』から存在するが初代では自車のカテゴリによってほぼ金額が固定化されていた)。このゲームのもう一つの特徴でもある。
アザーカーに接触した場合その度合いによって損害賠償金が自分の車に加算される。(『3』では修理費用や改造費用も損害賠償金として計上される。)
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特に事故を起こした場合多額の損害賠償金が加算されてしまい、事故状況によっては数百、数千万の損害賠償金になってしまうこともある。(4台の玉突き事故で2000万超えや列車2台を巻き込み5000万超えも可能)
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ちなみに、国別設定により通貨単位が変化する(標準では円単位だが北米向け設定にするとドル単位になるなど)
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なお、ライバル車や警察車両を巻き込んでもそれらから損害賠償金が発生することはない(また、ライバル車の事故に巻き込まれた場合は損害賠償金0円の事故となる)。
レーダーチャート
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レース中には(『1』ではリザルト画面のみ)画面に六角形のレーダーチャートが表示され、レース中の行動によって各項目が採点されグラフが刻々と変化していく。
リザルトではこれを元に運転テクニックが評価される。
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「モラル」や「体調」などは満点でスタートし増減する。それ以外の項目は減少することはない。
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『2』以降では各レーダーチャートが変化すると「(項目名)が上昇/低下しています」、上限に達すると「(項目名)が満点になりました」とシステムボイスがアナウンスするようになった。
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『3』のみこれとは別に違反点数のシステムがあり、「暴走行為」や「一方通行違反」で点数が引かれ、リザルトでは点数に応じて免許取り消し期間がランク付けされる。
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各作品毎のチャート要素。一番上から時計回りに記載。
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『1』 運動神経 大胆さ かっこよさ I.Q 向上心 モラル
『2』モラル 向上心 カッコ良さ 大胆さ 運動神経 I.Q
『3』運動神経 体調 大胆さ カッコ良さ 好奇心 I.Q
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コース
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コースはアメリカ・日本・ヨーロッパの中から選び、それぞれロケーションなどが変わる。ちなみに基本的はこの順に難易度が高い。
また3からはシチュエーションを選択することができ、(各コースごとに選べるシチュエーションは異なる。事実上の難易度選択)昼や曇りの時は難易度が低く、雨や霧のコンディションでは視界不良だったり、滑りやすくなるなど難易度が大幅にアップする。
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ちなみに『1』でのヨーロッパステージは日本ステージのポリゴンモデルをミラーにし、テクスチャを変えてロータリーを足しただけの手抜きステージだったりする。
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各ステージともスタートは市街地を通り、高速道路→山道→海沿い→都会というルートを通る。
車両
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車両はレース用車両ではなく、セダン、ワゴンといった一般車両を使っている。(ゲーム内容の都合上全て架空。)
トラックやバスなども選択できるが大きさや挙動が上級者向け。さらにはクレーン車、タンクローリーなどの「レースしちゃいけない車」や
あひるちゃん、ホバークラフトなど「公道を走ってもいいのか疑問に思う乗り物(?)」、
牛、人間など「どう考えても車とは呼べないもの」まで選択できる。
こういったバカすぎる車両のチョイスもこのゲームを盛り上げる一因となっている。
評価点
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レースゲームに「事故」を持ち込んだ点
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レースゲームではあってないが如し、あっても自車が壊れるという「クラッシュ」の側面がメインのレースゲームに自車と一般車での「事故」を持ち込んだのは画期的。
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ゲームでのデメリットや重い雰囲気のリプレイによって「事故を起こしてはいけない」という極限のスリルを高めることに成功している。
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この暗い雰囲気が逆にシュールとして機能しバカゲーとしての雰囲気も同時に出ている。
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幅広いプレイスタイル
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レースゲームとしては普通にプレイできるため、タイムアタック、1位を目指すといったレースゲームにつきもののプレイはもちろんの事、
事故、損害賠償金というシステムを生かし無事故プレイ・賠償金0円プレイといったチャレンジもできる。
それとは逆に「どれだけ派手な事故を起こし損害賠償金を稼ぐか」といったプレイも可能となっている。
実際、ランキング画面には通常のゴール時間ランキングの他に損害賠償金のワーストランキングも存在している。
特に仲間内でのプレイでは難易度の高さゆえうまく進むより事故が起きた場合に盛り上がることが多い。
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『3』では先述の罰点の要素から、優良ドライバー(罰点0点)を目指すプレイヤーも。
問題点
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やや高い難易度
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多人数でワイワイ盛り上がる分にはあまり気にならないがゴールを目指そうとすると難易度の壁にぶち当たる。
「カーブで外側に膨らんだところにちょうどやってくる対向車」「赤信号で交差点を横切る」「崖の外側に柵がない」などなど、
あの手この手で事故を誘発するようになっており、初見ではゴールすることはほぼ不可能な死に覚えゲーとしての側面が大きい。
また制限時間はゴールに近づくほど回復量が減り、ゴール付近では数秒しか回復しないこともある。
しっかりと対策を練ればゴールは可能でゲームバランスは決して悪くはないが死んで覚えていかないといけないのは少々厳しい。
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うっとうしい警察
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コース上には警察車両が待ち構えており、目の前を通過すると追いかけてくる。
警察車両はこちらのことなどお構いなしにぶつけにくるのでかなり邪魔。
前述の通り警察車両とぶつかっても事故にはならずデメリットはないが、警察車両を回避しようとして事故になることもあり、うっとうしさが募る。ある程度走れば振り切れるのが幸いか。
『3』では先述の通り、信号無視などの違反行為に対して罰点を取られるのだが、
パトカーに接触したら、向こうからぶつかってきた場合でも「緊急車妨害」で罰点(1点)を取られる。
先述の優良(罰点0点)ドライバーを目指す場合は非常に厄介だが、罰点を気にしない場合はそこまで影響はないのが救い。
総評
レースゲームに事故・賠償金というリアルな表現がスリルと同時にシュールさも演出し、ゲームセンターでも人気シリーズとなった。
1人ではストイックにゴールを目指したり賠償金アタックをするもよし、多人数では事故を起こした様を笑うもよしとどちらも違った楽しさが味わえる。
稼働から年数が経ち、現役稼働している店舗は少ないものの見つけたら是非1度はプレイしてスリルを味わってみて欲しい。
余談
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当たり前のことだが、本体の上部等に「
このゲームに登場する過激な表現は全てフィクションです。実際の運転では、絶対に真似をしないでください
」という注意書きが掲げられている。
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『1』ロケテスト時は対人事故(歩行者やバイクへの接触事故)があり賠償額も人身事故として非常に高額に設定されていたが本稼動時には歩行者は超高速でプレイヤーたちの車を回避するようになり、バイクはランク上昇状態で接触しても決して転ばない驚異の硬さになった。因みにこれに関して『1』の公式サイトのQ&Aの回答曰く、「あの要素の事は忘れてほしい」との事。
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2005年に『3』が出た後、2007年に『4』の開発が行われ、ロケテストまで行われていたが突如として開発中止。理由としてはコース上に置いてあるアイテムでライバル車を攻撃するシステムが『マリオカート』とカブッてしまったからといった説や、日に日に規制が厳しくなるゲーム業界において事故といった表現が引っかかったからといった説がある。時の流れとはいえ規制で良シリーズが消えてしまうのは残念でもある。
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…と思ったら、海外では『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』のタイトルでいつの間にか稼動していた。ただ、内容的に深刻なコンセプト破壊があり、国内稼働しなくてよかったという意見も。
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風営法の改悪と運用基準変更によりコクピットタイプの筐体が規制対象外機から規制対象機に変更されたことは国内発売の中止と無関係ではない。インカムと無関係に発生していたレースゲーム・ドライブゲームの需要が途絶えたことで、実際、この時期を境目に同ジャンルの完全新作が殆どリリースされなくなっている。