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クイズマジックアカデミー - (2015/08/19 (水) 08:54:23) の編集履歴(バックアップ)


クイズマジックアカデミー

【くいずまじっくあかでみー】

ジャンル クイズ
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミ
稼働開始日 2003年7月24日
判定 良作
クイズマジックアカデミーシリーズ


概要

コナミからリリースされたクイズゲーム。ネット通信を利用した問題の新規配信や対戦形式、入力デバイスにタッチパネルを利用した出題形式の多彩さなどの新機軸でクイズゲームにありがちだった単調さを払拭し、革命を起こす。
魔法学校を舞台した学園もの風の世界観や登場キャラクターの人気も手伝って人気を呼び、クイズゲームとしてはかなりの息の長いシリーズとなった。

ゲームの基本

  • 基本的な攻略法は「知識を身につけ、誰よりも早く正解のボタンをタッチパネルで押す」ことのみ。
    ただし、上級クラスではそれに加えて「タッチパネルを速く正確に押す技術」「問題文の類推・先読み」も多少要求されてくる。
  • トップランカーとして勝ち続けるためには大学の専攻分野レベルの専門知識も、末代まで役に立たなさそうなトリビアも、遠い異国のミュージシャンの楽曲も、日本では公開されないような映画の出演者も、競技人口の少ないスポーツ選手の名前も、果てはマニアすら知らないアニメの主演声優までも瞬時にかつ正確に答えなければならない。
  • 最上位クラスになると、度重なるプレイで絶えず追加される問題と解答をその都度カメラで撮影して「回収」・丸暗記し、問題文の「決まり字」レベルで瞬時に解答を入力するプレイヤーも多数存在する(中には、調べた解答をノートに書いて持ち込むプレイヤーも存在するが、これは「カンペ」と呼ばれあまりマナーのよくない行為とされる)。
  • と書くと悪い意味でマニアック過ぎてクイズ・知識に自信の無い層がますます寄り付かなくなってしまいそうだが、入門用の救済措置もちゃんと存在する。始めて間もないプレイヤーに対しては普通、まずは簡単な問題で肩慣らしするモードを提示されており、“接待”をするCOMがいる。
    • なお、この“接待”をするCOMも最新作「暁の鐘」ではクラスわけの減少もありいったん廃止されたほか、復活後も旧来の作品よりも数が抑えてあるほか出題形式まで制約があるので、携帯電話やスマートフォンのアプリ並みと揶揄されている。

評価点

本作の革命的な点は、クイズゲームの持つ欠点を根本から改善したことにある。

従来のクイズゲームはROMによって内容が固定されているのが当然であり、稼動後の時間経過で問題の答えが変わってしまったり、問題数が限られていて何度かのプレイで答えを覚えられてしまったりするため、寿命の短いものが多かった。
最終的には電源を入れなおすとすべて同じ問題順になるという物もあり、クイズゲームにもかかわらず「シンクロ連射装置を使うと理論点が達成できるためハイスコア集計打ち切り」というものまで出てしまう始末で、時代の経過毎に何とか基板の容量で誤魔化そうとはするものの、それも頭打ちになってしまう。

本作は以下の様々な新要素の導入により、クイズゲームの単調性・短命性を払拭し、大きな改善をもたらした革命的な作品となった。

ネットワーク接続・タッチパネルディスプレイによるゲーム性の改革

  • ネットワーク接続により『全国規模での最大16人同時対戦』と『プレイ内容の継続的な更新・不具合修正』が実現した。」
    • また、前年に稼動開始した「麻雀格闘倶楽部」と同じタッチパネルディスプレイの採用によって出題形式の多彩化などの新機軸を採用しており、
      1989年当時、クイズゲームというジャンルに新風を吹き込んだ「クイズカプコンワールド」以来ほとんど進化のなかったクイズゲームのゲーム性に大きな改革をもたらした。
    • 今までのアーケードクイズゲームは4択が主体だったため、正確な知識が要求されるタイピング形式のクイズは非常に斬新。
      また、本作以前に新規問題の追加や誤字等の修正を行えるアーケードクイズゲームは皆無であった。
      ネットワーク技術やタッチパネル技術が発達した今の時代だからこそ成し得た利点といえるだろう。

クラス分けによるプレイヤーの腕前の住み分け

  • ある程度の階級分けが成されているために初心者と経験者(上級者)のマッチアップが起こり難く、更に対戦形式であるために「誰も分からないような難問ばかりが出る=即ゲームオーバー」という事態も起こり難い。これによって一見さんからやり込み派まで幅広い客層を得ることに成功した。
    • 従来の業務用クイズゲームでは「ライフ3」形式がほとんどで連続不正解であっという間にゲームオーバーという自体になりがちだった。
      一方の本作では、難問が続出しても予選なら下位4位に入らなければ次へ進める上に、トーナメント前には練習問題が数問できるので、苦手な人でもそれなりに楽しむことが出来るようになっている。
    • なお、最新作の「暁の鐘」ではプレイヤーや設置店舗数の減少を受けてか初代から存在した 16人対戦のストイックなオンライン対戦モードは廃止 され、実況つきで8人でお助け魔法(チートアイテム)を使用しあう「トーナメント☆マジバトル」が導入された。

ジャンル・形式分けの細分化・「オタク」ジャンルの重点化

  • 旧来のクイズゲームは攻略のため得意または伸ばしたいジャンルが出題されなかったり、意図的に捨てることが推奨されることがあった。
    • しかし本作ではトーナメントでの召集の前に好きな形式・ジャンルの問題を一定数予習ができるようになり好きな問題の出題が保障されるようになった。
    • またアニメや漫画、ゲームなどのジャンルを始めて独立させたクイズゲームであるといわれている。
      • クイズ番組や旧来のクイズゲームでは比較的知名度の高い事柄しか出題されないか、オタク等というジャンルわけがされて芸能などと一緒に出題され、パラメーターを伸ばしてもネタ的な攻略対象になることが多かった。
      • しかしQMAではゲームセンターのアーケードクイズゲームということもあり、日本のサブカルチャーという分野か初代より1ジャンルとして独立しており、QMA2からは可愛いらしい「魔法少女」のキャラクターが担当キャラにあてがわれているなど確固たる地位を与えられている。
      • スポーツ等とともに出題範囲の偏りがネタにされるジャンルのひとつでもある。

魔法学園を舞台にした魅力的なキャラクター達

  • 稼動時に流行していた「ハリー・ポッター」シリーズを彷彿とさせる個性的なキャラクター達も人気に繋がった。当初は8名(ロケテ時点では4名)だった生徒(プレイヤーキャラ)も今では新旧あわせて21名(+DS版専用4名)にまで増えた。
    • 更に近年ではキャラクターごとのイベントシーンが増え、キャラゲーとしての側面も強まってきた(この点に関しては賛否両論)。
    • キャラ属性は、巨乳・メガネっ子+おさげ・ツンデレお嬢様(ついでに貧乳)・ロリ+ニーソ・クール不思議系・体育会系・中国娘・メイド・女顔のショタ・半ズボンショタなど幅広くその道のユーザーを楽しませてくれる。誤解を与えているかもしれないが、案外事実である。

モードの豊富さ・一人用やりこみモードや協力要素の導入

  • ストイックに知識力や暗記力を競って対戦するだけにとどまらず、QMA5以降は特定のテーマに関する問題が出題される「検定試験」や、QMA7~10作目の「天の学舎」に導入された協力プレー、全国大会チームバトルなど多数のモードが登場。モードの豊富さと、より手軽に初心者から全国ランカーなどの超上級者までが楽しめることウリとなっている。
    • なお、最新作「暁の鐘」では従来のダンジョン探索タイプの協力プレーは廃止され、代わりに4人がかりで強力なボス敵と戦う「マジック☆コロシアム」を協力モードに据えた。全国大会も開催される気配がないが、これはシリーズ始まって以来である。

問題点・賛否両論点

シリーズ物としての弊害

  • シリーズ物に常に付きまとう、古参との実力差による新規参入のハードルの高さやマンネリ化という問題もあり、新要素の追加やバランスの調整も行われてはいるが、プレイヤー人口は緩やかに減少しつつあることも実情である。
    • プレイヤー数も4作目の頃がピークであった。それ以降、毎回新要素が試みられてはいるが、受け入れられず軌道修正を余儀なくされているものもままある。
    • 例えば2010年稼動開始のVIIでは新キャラクターが6人追加されたが、代わりに旧キャラクター9人や電子マネーPASELIの導入やDS版などの購入で付いた限定アイテム等含むアイテムのほとんどなど色々な要素が削除され、特にキャラクターファンからは不満の声が上がっていた。
      キャラは本作の魅力であり今後の踏ん張りが期待されていたところ、その次のVIIIでは全員復学が決定し、削除されたおびただしい量のアイテム等も時間をかけて復刻されていった。詳細な経緯はこちらを参照。
    • 最新作「暁の鐘」では前述の通り全国大会である16人でのトーナメントバトルを廃止し、8人対戦でお助けアイテムありの「トーナメント☆マジバトル」に入れ替わったのだが、ロケテストなどなくいわば抜き打ち的に既存のモードを打ち切る形で導入されたことやカンニングなどのある種タブーかつバランスブレイカーと呼べるアイテムの存在、
      階級によってアイテムに使用制限があるため実質全部のアイテムを集めるまで消化試合しなければならないこと、やりこみ要素の削除、稼動数ヶ月は検定の他にモードがなかったため半強制的にプレーせざる得なかったこと、実況のパターンが少ない上既存のキャラのせりふを消してまで導入されたこと、簡単に勝てる筈の相手にもマッチング次第ではほぼ負け確定となる等運の要素が強い協力モード、全国

大会の廃止

  • ストイックなクイズバトルはサークル・店内対戦か店舗大会、敷居の高いリアルクイズで行うほかなくなったことなど不満を持つプレイヤーも少なくなく、初代から使われていたロゴまで変更しての尽力も虚しくおそらくQMA7かそれ以上に歴代でもっとも賛否の分かれるシリーズとなっている。

キャラゲーとして

  • シリーズを重ねるごとに、女性キャラの乳揺れ・穿いてない疑惑(パンチラ防止策のつもりだろうか…)といった萌え要素を前面に押し出し過ぎていった。
    • 一番ひどい時期ともなると、女性キャラの描写で力尽きましたといわんばかりに男子生徒は決めポーズを著名なアニメや漫画、他作品から露骨にパクる等どう見ても手抜きだった事も(パロディという見方も出来なくないが)。
      • さすがに、近年は男性キャラを冷遇ぶりは収まってきてはいるが、フィギュア等の販促グッズ化には恵まれないまま(というよりQMAグッズ自体QMA7のキャラクターリストラ騒動をさかいにあまり見かけなくなってしまった)。
      • 現在ではトーナメント☆マジバトルやマジック☆コロシアムで敗北時にキャラクターの脱衣イラストを表示することでてこ入れを図っているが、操作キャラ以外も表示される上表示がOFFにできない。

総評

上記に述べたように、クイズゲームとしてあらゆる面で進化をもたらした革命児。

その後もキャラやモードの追加などプレイヤーを飽きさせない工夫が続いているものの、変化の全てが成功したものとは限らず、「試行錯誤を重ね続けている」という言葉がピッタリであろう。
かつて人気を二分したAn×An無き今こそ本シリーズの正念場、試練の時を迎えたと言える。新作や新モードが出る度に新たな評価点とともに生まれる新たな問題点は、今後のアップデートでどんどん改善されるのか、ファンの期待がかかるところである。