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ジョイメカファイト - (2014/05/29 (木) 16:23:53) の編集履歴(バックアップ)


ジョイメカファイト

【じょいめかふぁいと】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
↑参考画像(クリックで拡大)
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 任天堂
発売日 1993年5月21日
定価 4,900円(税抜)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年3月11日/500Wiiポイント
【3DS】2013年9月11日/500円
【WiiU】2014年5月28日/514円
分類 良作

プロローグ

ある所に「リトル・イーモン博士」と「イワン・ワルナッチ博士」という、仲が良く協力してロボット開発にいそしむ2人の研究者がいました。
ある日イーモン博士の研究所が荒らされ、7体のロボットが盗まれてしまいました。
そしてなんと、ワルナッチ博士がTVに出てきてロボットによる世界征服を宣言。
困り果てたイーモン博士は最後の望みとして、カンサイにお笑い修行に出てたお笑いロボ「スカポン」を呼び寄せ、
戦闘用ロボットに改造しワルナッチ博士のロボット軍団に立ち向かわせるのでした。

概要

  • ロボット達が戦う格闘ゲーム。「ロボットの頭や手足を分離させ宙に浮かす」という大胆な表現のおかげで、ファミコンにも関わらず非常に滑らかに動く。
  • 操作できるキャラは全部で36体。スマブラXが35体である事を考えると(同型高性能キャラが含まれるとはいえ)かなりの数。
    • 一人用モードでは主人公スカポン+第1ステージで奪還した仲間を使用可能。対戦モードではスカポンとその仲間+ステージクリアでロックを解除したキャラが使用可能になる。
  • 練習用のモードがあり、そこで技のコマンドの確認と練習ができる。
    • 画面上部にコントローラの絵が表示され、押したボタンに応じて、コントローラの絵も動く。技を出すと、その技のダメージ量も表示されるので、研究用としても親切な作り。
    • デモで各4つの技の出し方を、テキストと動きで丁寧に教えてくれる。その際にも上部コントローラの絵のボタンが動くため、どのように押せばいいのかが、わかりやすい。
    • また、練習相手となるロボの「ザコ」は、2コンで操作する事も可能。
  • 一人用モードはワルナッチ博士が1ステージにつき8体(ステージ1のみ7体)ずつ繰り出してくるロボを倒して行く。8体を倒す順番は自由に選択でき、その都度どのロボで迎え撃つかを手持ちの中から選択する。8体を全滅させるとワルナッチ四天王のうちの1体との対決になる。全4ステージ。
    • 一人用モードではステージをクリアすると、そのステージの敵達を倒したときの映像が技名つきで流れるため、いかに格好よく倒すか、という遊び方もできる。
  • BGMの出来が非常に良く、ファンは多い。曲数も多く、サウンドテストでは40曲以上のBGMを聴く事が出来る。
  • 多少パターン化される面もあるが、CPUは意外と強く、ストーリーモードのハードともなると、人間が扱いにくいロボットを平気で扱い、必殺技の派生コマンドも多用してくる。さらに、ダウンを奪っていくとアルゴリズムが途中で切り替わるというこだわりぶり。

ルール

  • ラウンド制ではなく、ダウン制。ライフがなくなると1ダウンをとられ、ライフバーの上に表示されたハートを1つ消費し全回復する。同時にダウンをとった側も少しだけ回復する。相手のダウンを3回とる(ハート2つとライフを全てなくす)と勝利。
  • 基本的に単発技が多く、一度ヒットした技は、技を出し終えるまで攻撃判定が消失する。そのため、一見よけられなさそうな技でも、防御してしまえば反撃のチャンスが訪れる。
    • しかし中には連続ヒットする技もあり、そういった技に関しては普通に受けて吹き飛ばされるより、防御している方がかえって削られる場合も。
  • 防御中は通常攻撃はノーダメージ。ただし必殺技は少しだけダメージを受ける。なので、相手の残りライフが少ないときは、必殺技でガードの上から削ってしまうか、的確に通常攻撃を繰り出すかも問われる。
    • 投げ技は防御を無視してつかむ事が可能。
  • 1体が扱える必殺技は、投げ技を含めて4つだけ。必殺技の構成はロボにより大きく違い、中には投げ技を持たないロボットもいる。
    • それゆえに、必殺技を連続で出していくのではなく、必殺技と通常技を組み合わせた戦法も必要になり、相手の動きの読み合いも重要になってくる。
    • 必殺技の中には、通常と違う操作をすると威力や動きが変化する技もある(技を出す際にAとB逆のボタンを使ったり、通常とは違うコマンドを入力したり、ボタン入力を追加するなど)。
  • ステージは全て背景とBGMが違うだけの、実質全く同じステージ(要するに平らな地面があるのみ)。画面端が存在せず、ループする仕様となっている。
  • コマンド入力にナナメ入力が存在しないため、入力に繊細さを必要としない。十字ボタンでもラクに必殺技を出せる。
  • 連続してある一定量のダメージを受けると「気絶状態」になり、首が外れて無防備な隙を晒してしまう。これによる逆転劇もありえ、また駆け引きを熱くさせる。

長所

  • なんといっても、FCの対戦格闘ゲームとしてはキャラ数が破格に多いこと。自分のお気に入りのロボを見つけて精進できる。
    • 上位互換タイプのロボもいるとはいえ、ハードの性能面からすればかなり頑張っている。
    • 技数に関しては通常技6種類、プラス必殺技が4種類でやや少なめだが、ロボによってリーチや隙の大小などはきっちり区別されており、充分許せるレベル。細かい技の使い分けも意外に重要で、対戦攻略の研究にも耐えうる。初作にもかかわらず、ここまで丁寧に作りこまれていることは瞠目に値する。
  • 動きも非常に滑らかで、関節のないロボという見た目にも関わらず視認性も思ったより悪くない。
  • 大ダメージの技を当てた時の「ブワシィ!」というSE、そしてみるみるうちに減るライフゲージの爽快感もなかなかのもの。

短所

  • これだけのキャラ数なので仕方ない面もあるが、ロボによる性能差はかなり露骨。組み合わせによってはほぼまともな対戦にならないくらいの差もある。これはハンデが付けやすいという側面もあるので、経験者と初心者が対戦する際には長所となり得る。
    • ラスボスである「ホウオウ」は泣く子も黙る最強ロボ。高威力の技の数々に誘導高速飛び道具、リーチまで長い…と攻守に渡ってほぼ隙がない。
  • 所謂「ハメ技」が結構多く、一度捕まったら相手がミスらない限りそのままダウンを奪われてしまう連携がある。
    • 本作は、ガード硬直でロボが動けない最中でも投げ技が入ってしまう仕様になっている*1。このため、「隙の少ない技(ジャンプ攻撃や、突進技等)をガードさせる」→「投げ技」の連携が、タイミングをミスらなければずうっと決まってしまう。「投げ技」が1フレーム入力で成立してしまうため、接近戦では高性能すぎるのも拍車をかける一因。
      • 起き上がりにピタリと重ねられると技を出すこともできない*2ため、無敵技で切り返す、という戦法もできない。
    • 「気絶状態」の仕様も一癖あるもので、「ロボにより決められた許容ダメージ*3を一定時間内に超えると即気絶」する上に、気絶中に許容ダメージを超える技を叩き込まれると連続で気絶してしまう*4。一度そういった技を叩き込まれると、これまたダウンまで繰り返されることに。
      • その上、ダメージ=気絶値という単純な設定にしているため、高威力の連打必殺技などを根元からガードした場合、ガードしているのに気絶してしまうということもままある。
  • バッテリーバックアップがかなり繊細でデータが飛びやすい。シテンノウを含めた全キャラを使用するためには、ハードモードでクリア→スペシャルモードをクリアという二度手間を踏むことになるため、その状態を復活させるのは並大抵の苦労ではない。
  • 短所というほどではないが、ストーリーが某ロボットアクションゲームにそっくりである。

余談:幻のソフトからVCへの配信に至るまで

  • 毎年行われている「任天堂ゲームセミナー」の原点である、「任天堂・電通ゲームセミナー」の中で開発されたソフトが本作のはじまりである。
    • このような経緯から、長い間にわたり権利関係が複雑なソフトと言われてきた。そのためか、移植やリメイク、VCへの配信、スマッシュブラザーズシリーズへの出演もなかった。
  • のちに、開発に関わったプログラマの一人、江渡浩一郎の手元に著作権譲渡に関する覚書があることが明らかとなる。
    • それを期に権利関係が整理され、任天堂から『ジョイメカファイト』が商標出願された。
    • スマブラXにはフィギュアに貼り付けるシールとして登場、そしてバーチャルコンソールへの配信へと至った。
    • スマブラXの『マリオブラザーズ』ステージのBGMにも本作のBGMが組み込まれている。
  • 詳しくはWikipediaの本作の記事を参照のこと。