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アクトレイザー - (2017/08/15 (火) 00:59:24) の編集履歴(バックアップ)


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アクトレイザー

【あくとれいざー】

ジャンル アクション+シミュレーション
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 クインテット
発売日 1990年12月16日
定価 8,000円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年3月20日/800Wiiポイント
判定 良作
アクトレイザーシリーズ : 1 - 2
クインテットの神様リンク
アクトレイザー - ソウルブレイダー - ガイア幻想紀 - 天地創造 - ソロ・クライシス


概要

  • 魔王サタンとその僕である魔物達により人間が滅ぼされた世界で、プレイヤーは神として人々が住める世界を作るため魔物と戦う。
  • アクションとシミュレーションの両方のゲーム性を備えている。

ストーリー

神はサタンにより力を封じ込められてしまった。地上は完全に魔物に支配され、全ての人間は消え去ってしまう。神は力を取り戻すため、再び地上を人間が住める土地にすると誓う。彼らの信仰心こそが、神の力の源なのだ。神は悪魔を一掃するため、天空から地上へと向った。

システム

  • 魔物と戦い土地を解放する、または魔物の脅威を完全に取り除くアクションゲームパートと、人々を導き町を作るクリエイション(シミュレーション)パートに分かれる。
    • 基本的に1つのステージはアクションゲームパート→クリエイションパート→アクションゲームパートの3部構成。二つ目のアクションゲームパートをクリアした後でもクリエイションパートの継続は可能である。
    • 各地域は初めに必要なレベルさえ満たしていれば攻略順序は問われない。なのでクリエイションパートでレベルを上げつつ、別の地域を開放したり、じっくりと腰を据えて一つの地域を発展させていくかはプレイヤーの自由である。
      • 住民が訴える問題を放っておいて、他の地域へ向かうのも自由。プレイヤーがいない地域は時間が止まっているので、状況が悪化する事はない。
  • アクションパート。
    • 地上に残された英雄の像に神が乗り移り、神自ら剣を振るって魔物を倒していく。
    • アクションはジャンプとしゃがみ。攻撃は剣によるものと、無敵を伴う魔法がある。魔法はMPを消費するが、MPは豊富とはいえずここぞという時に使う。
    • 時間制限があるものの要所要所でリセットがかかり、トータルの制限時間は意外に多い。
  • クリエイションパート。
    • プレイヤーは神として、人々が生活するための障害を「奇跡」を用いて取り除き、時に彼らの悩みを解決していく。このモードでは神の僕であるエンジェルを操作して人々を導いていく。
    • その結果として町は発展していく。最大の目的は人口を増やすことでレベルアップ(アクションパートにおけるライフの増加)することにある。
      • この世界では信仰心を得る事で神様が失った力を取り戻していくという設定になっている。また、レベルアップ後に人口が減ってもレベルが下がる事は無い。
    • ほかにも様々なメリットが生まれ、アイテムや魔法が手に入ったり、アクションゲームパートでプレイヤーの残機や魔法使用回数が増えたり、他の町が発展する切っ掛けとなったりして、ゲーム進行を助ける。
    • このモードも一筋縄ではいかず、魔物の巣から出現する魔物たちを、エンジェルを使って駆逐しながら町を広げていかなければならない。魔物の巣を片付けるには魔物と戦えるだけの人口を養い、魔物の巣へ町の発展を誘導して巣の封印を行う必要がある。
      • 魔物の巣を封印するには一定の人口が必要。全ての魔物の巣を封印する事で、二つ目のアクションパートのきっかけが発生する。二つ目のアクションパートをクリアすると、その地域の魔物の脅威を完全に取り除いたことになる。
      • どの地域も文化度が3段階に分かれており、特定の魔物の巣を封印していくことで文化度が上昇し、人口密度の高い家を建築できるようになる。
      • 天使のライフが0になってもゲームオーバーになることはない。
  • クリア後にアクションモードのみのSPECIALモードがプレイができる。。
    • ライフはレベル最大時と同等だが、敵が強化され、魔法が使えないなど、かなりの高難易度となっている。

評価点

  • 箱庭ゲームとしての面白さ。
    • 同時期に発売された『シムシティー』、『ポピュラス』に比べればやれる事が少ないものの、やはりプレイヤーの働きかけにより町が発展していくのは見ていて楽しいものがある。
    • 町が発展するにつれちょっとしたイベントが挿入されるが、このシナリオが好評。人間たちが生き、笑い、悲しみ、争い、そして死んでゆく状況が垣間見える。一方的に助けを求めてきたり、信仰を捨てるといった勝手な一面も見せるが、それらをひっくるめ人間を温かく見守ってゆく神としての心情を擬似的に体験することができる。
    • 今まで発展させてきた各地域を振り返るエンディングの展開も高評価である。
  • アクションパートは難しいものの、歯ごたえがある。
    • 基本的に雑魚対策を練り上げ、丁寧に進むゲームではある。だが体力全快アイテムの配置などから、強引に進んだ方がいい場合もある。逆にタイムリセットポイントが近いならば、チマチマと進むのも選択肢の一つ。攻略法を見出すほど、プレイの成長が手に取るように分かる。この辺りの計画的なプレイの面白さがある。
    • また、アクションに自信がない人でもクリエイションモードで丹念にレベルを上げれば(ある程度なら)ゴリ押しで突破することも可能。逆に、最低レベルクリアや魔法禁止プレイといった縛りプレイもやりやすいシステムとなっており、そういったやり込みプレイ動画も多くあがっている。
  • 本作を語る上で絶対に欠かせないのが、古代祐三氏の手による壮大なオーケストラ調のBGM。
    • 特にアクションパートのステージ1「フィルモア」*1や、カサンドラでの「捧げ物」は名曲として名高い。
    • BGMだけでなく、音源の評価も高い。SFC後期レベルの音質を90年で既に実現していることも特筆すべきであろう。
    • サウンドに力を入れた結果、SFC初期としては異例の大容量8Mbit ROMが採用されている。

問題点

  • アクションパートの操作性が独特。
    • ジャンプに制御がほとんど利かない、攻撃判定の把握に慣れが必要。このため軽快に操作するという訳にはいかない。
    • ジャンプ攻撃は上昇中でしかできない。ジャンプ頂点で攻撃しようとしても、わずかに遅れただけで攻撃が出ない。高所からの落下中も、もちろん攻撃できない。
    • 喰らい判定が大きい、ダメージ時の無敵時間が非常に短い。これらの事からダメージを受けやすい。
  • アクションパートのバランスがあまり良くはない。道中の難易度は非常に高い。一方、ボスはその多くが魔法のゴリ押しで突破可能。
    • ミスとするとかなり戻される。ボス戦でもステージ中盤まで戻されてしまう。さらに消費したMPは戻らない。
    • ボス戦においては「星屑の魔法」と「オーラの魔法」がかなり強力。前者は画面内にランダムで星屑を落とす魔法であり、体の大きいボスモンスターほど有効。使えるようになってからは、連発するだけで勝利する事も可能。後者はプレイヤーの周囲に大型光弾をいくつも発生させる。ほとんどのボスを、ほぼ棒立ちで倒せるほど強い。
      • ただし各地域の2番目のボスは、ラスボス戦で動きが強化された上でのボスラッシュがあるため、最終的にはしっかり行動パターンを覚えて回避しながらの戦い方を習得することになる。
    • マラーナの最初のボス「ラフレシア」だけは例外。ボス中最強とも言われるほど。「ボス戦中は破壊不可能な触手が絶えず追跡してくる」+「空中に留まり触手を伸ばす種を撒く」+「ボス本体は一定時間毎にしか顔を出さない」+「本体が小さいので星屑の魔法があまり当たらない」という心折設計。ここばかりはレベルを最大にしてもゴリ押しが通用しない為、辛酸を舐めたプレイヤーは数多い。
      • 前述の「オーラの魔法」はラフレシアを倒さないと手に入らず、大ダメージを与えられる最強魔法「光の魔法」は最後の地域「ノースウォール」を先回りして解放しなければならない。
  • 同時期に発売された『シムシティー』、『ポピュラス』と違い、発展の仕方にバリエーションがほぼ無く何度繰り返しても同じような経緯を辿る。
    • 地域ごとに発展に上限があり、明らかに土地が余っているのに家が建たず成長が頭打ちになる。一見すると1000人以上の人口になりそうなカサンドラも実際には750人程度で成長が止まる。
    • 特に文化レベルが低い建物は人口密度が低いので、残しておくと早々に成長が頭打ちになってしまう。最大の人口にするためには嫌でもレベルの低い建物を壊す必要があり、時には魔物に襲われる住民を見殺しにしたり、地震や雷を落として古くからいる住民を皆殺しにしなければならない*2
    • クリエイションモードの難易度は低いので、作業感が少々強い。

総評

  • BGMがとかく話題になりがちだが、SFC本体から一ヶ月弱で発売されたローンチに近い作品としては、独自性も強くゲーム的にも充分遊べる完成度だ。
    スーパーファミコンという新ハードの可能性を当時のゲームファンに感じさせてくれた、ある意味において記憶に残る作品である。

余談

  • ヨーロッパ版(93年)では、クリエイションパートが存在しないアクション専用モードが追加され、スペシャルモード同様にアクションゲームパート前半終了後そのままアクションゲームパート後半へ進むようになっている。この他に難易度設定も追加された。
  • 元は星の一生を描くRPGをクインテット第1作として開発していたが、7割程できたところでもっとSFCらしい作品を作ろうということになり、そのRPGはボツにしてアクトレイザーを作り始めた。
    • なお、ボツになったRPGのアイデアは後に『天地創造』になった。
  • 発売から3年後に加藤元浩によるコミック版が連載されたが、主人公やストーリーが異なる。