「ファイナルファンタジーV」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ファイナルファンタジーV - (2023/09/17 (日) 12:28:58) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーV

【ふぁいなるふぁんたじーふぁいぶ】

ジャンル RPG
高解像度で見る 裏を見る

対応機種 スーパーファミコン
メディア 16Mbitロムカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1992年12月6日
定価 9,800円(税別)
プレイ人数 1人(バトルのみ1~2人)
セーブデータ 4個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年1月18日/900Wiiポイント
【WiiU】2014年3月26日/900円(全て税別)
【New3DS】2017年8月23日/943円(税10%込)
判定 良作
ポイント ジョブチェンジシステムが新要素を引っ提げて復活
王道なストーリーと世界観、キャラクター達
現在でも研究され続ける縛りプレイ
ファイナルファンタジーシリーズ


概要

ファイナルファンタジーシリーズの第5作で、SFC版シリーズの2作目。

『III』のジョブチェンジシステムを発展させ「ジョブ毎の様々な能力を他のジョブ使用時に自由に付加できる」という自由度の高い育成要素、それによる様々な制限プレイの誕生、笑いあり涙ありの感動的なシナリオによって大きな人気を集め、シリーズ初のダブルミリオン(200万本)を記録する大ヒットとなった。


プロローグ

希望は大地に恵みを与え
勇気は炎をともらせ
いたわりは水を命の源とし
探求は風に英知を乗せる

人々に4つの心あれば光は生まれん

世界は、風・土・火・水の4つのクリスタルの力によって、かつてない繁栄を誇っていた。
人々は風の力で船を動かし、火の力で工業を起こし、清らかな水の力で潤いを得、豊かな大地の恵みを享受していた。

ある日、風の異変を感じて風の神殿へと急いだタイクーン王の目の前で、風のクリスタルが砕け散る。
折しもタイクーン城の近くに巨大な隕石が落下し、大地を揺るがす。
船上で風の異変を感じ取った海賊ファリス、隕石落下事故により記憶喪失となった謎の老戦士ガラフ、
父タイクーン王を捜すために城を後にした王女レナと旅浪の旅人バッツの出会い。

そしてクリスタルはなぜ砕けたのか? 行方不明になったタイクーン王の行方は? 落下した隕石は何をもたらすのか?…。
主人公達の出会いと多くの謎をはらみながら、壮大な物語が今始まる。


特徴・評価点

ゲームシステム

  • ジョブ・アビリティ
    • 『III』の要素を色濃く受け継ぎ、22種類の多様なジョブ(職業)を選択できる。戦闘中以外ならいつでも変更できる。
      • 『III』では変更の際に、敵を倒すと得られる「キャパシティ」というポイントが必要だったが、本作ではノーコストで変更可能。
        また、本作では『III』と違い魔法を覚えないジョブにもMPの設定があるため、チェンジしてもMP0にはならない。これによって、魔法使用可能なジョブと不可能なジョブとの切り替えが気軽に行えるようになった。
    • 通常の経験値とは別に、ABP(アビリティポイント)というジョブ経験値が追加された。ABPを貯めてジョブのレベルが上がると、ジョブごとの固有能力「アビリティ」を覚えることができる。
      • 覚えたアビリティは他のジョブにも流用できるため「白魔法の使えるナイト」や「ジャンプが使える黒魔道士」といった自由度の高い戦闘が可能になった。
    • この作品を境に、通常の経験値以外のさまざまなキャラ成長要素を搭載したRPGが増えた。
  • 前作『IV』から引き継がれた戦闘システム「ATB (アクティブタイムバトル)」には、行動開始までの待ち時間を示すバーが追加。各キャラの行動順が視覚的にわかりやすくなり、以後のシリーズにおけるATBの基本形となった。
  • これらのATBとアビリティ習得(ABP)の要素は、以降の多くの同シリーズ作に形を変えて搭載された。結果的にこの作品が戦闘システム面でのFFらしさを確立したと言ってもいい。
  • 補助魔法が掛かった際にキャラに特定のエフェクトが掛かるようになった。
    • プロテスは黄色、シェルは緑といった感じであり、パッと目で見てキャラの状態や効果の切れ目が解りやすくなった。
      • ただし複数の補助がかかっている際の仕様等、後述の通り問題点もある。

収集要素

  • 前作からアイテム鞄の容量が大拡張され、ゲーム中に登場する全てのアイテムを手元で保管出来るようになった。
    • 入手期間限定アイテム・入手困難アイテムの収集を主とする、「アイテムコレクター」といったやりこみプレイを後押しする仕様として、FFシリーズはおろか以降のRPG作品のスタンダードな要素となる。
  • 戦闘を彩る複数のコレクション的な要素
    • 白・黒・時空魔法の主な習得方法が「魔法屋」で購入。という「I」や「III」の面影の強い形式に戻ったほか、
      モンスターが繰り出す一部の特殊攻撃を、青魔道士がその身で受ける"ラーニング"を経て習得する「青魔法」。
      詩人や本から教わり、ジョブ:吟遊詩人で使用する「歌」。
      ボス討伐・専用イベント等を経て取得する「召喚獣」。
      ジョブレベルアップで覚えるアビリティの数々など、
      多種多様な経緯で習得する魔法・特殊技を覚えて集めるコレクション要素として本作は提示しており、加えて、強い個性を放つ特殊な仕様の装備品も大量に登場することも手伝い、本作は歴代FFシリーズ中でも最高峰の「寄り道するほど戦術の幅が広がる」ゲームバランスに仕上がっている。
  • これらの「実利も伴う収集要素」の数々は、プレイヤーの自発的な寄り道・探索・稼ぎ行為を促し、プレイヤーの個性がゲーム内に色濃く反映されると共に、収集物コンプリートまでのプレイ時間の爆発的な増加を生み出した。
    次回作以降もこの姿勢は受け継がれている。
    また、それまでプレイヤーの創意工夫に委ねられていた「制限プレイ」の概念にも本作はいくらかの変化を及ぼしたといえる。

グラフィック

  • グラフィックは前作にも増して大幅に強化されており、キャラクターグラフィックの渋谷にモンスターグラフィックの高橋、野村という当時のスクウェア三大ドッターが参加している。
    • 背景やモンスターの描きこみもより細かくなり、緻密で美しくなった。
  • グラフィック面の大きな進歩として、キャラクターの喜怒哀楽の表現が追加された。
    • 前作よりもマップ上のキャラクターのサイズが大きくなったことによって前作以上に細かい動きをつけられるようになり、ドット絵ならではのキャラクターの演技表現の幅が広がった。
      • 驚いた時はビックリした顔で飛び跳ねたり、悲しい時等はうつむいたりするなど、キャラの心理描写が目に見えてわかるようになっている。
  • 各ジョブにはキャラクターごとに全て異なるグラフィックが用意されており、戦闘中も多彩なアクションを見せる。
  • グラフィックの向上に伴ってフォントサイズも大きくなり、本作から漢字が使われるようになった。

音楽

  • 植松氏の手による音楽は北欧の民族音楽にインスパイアされたという無国籍調の雰囲気の楽曲が多く、単純な西洋ファンタジー的世界観に留まらない独特な世界観を構築している。
    • 民族音楽調からクラシック調、プログレ調のロックなど曲調も幅広く、「ビッグブリッヂの死闘*1」「決戦」「光を求めて」「はるかなる故郷」など数々の名曲が輩出された。
  • マップ上のBGMは、前作までは戦闘終了後には曲の冒頭から再生されていたが、戦闘に突入して途切れた部分の続きから再生されるようになった。

ゲームバランス

  • アビリティシステムや補助魔法、敵・ボスのクセのある行動パターンや耐性により、レベルを上げるよりも装備品やジョブ、アビリティの組み合わせを良く考える方が有効である。
    • とはいえ、単純に攻撃と回復をひたすら繰り返して戦うのも自由である。こうしたプレイスタイルの幅広さがこの作品の魅力の一つ。
    • 戦闘中のメッセージで弱点属性が示唆されたり、ライブラで敵のレベルを知ることができるなど、攻略および必勝法のヒントとなる情報も存在する。
    • アビリティや装備を駆使すれば、ラスボスを含む全てのボスを超低レベル(レベル1~4)で倒すことも可能。ネット時代に入る前から大手ゲーム雑誌に低レベル攻略の記事が掲載され低レベル攻略の始祖として認識されている。
    • その絶妙なバランスにより低レベル攻略にとどまらず、図ってか図らずか非常に豊富なバリエーションの「縛りプレイ」を可能とした。2010年代になっても新たな縛りの攻略法が次々と研究・開発されている。
  • 低レベル攻略が有名な作品だが、通常レベルでの攻略がヌルゲーかというとそんなことはなく、攻略情報抜きでの正面からのゴリ押しプレイではシリーズでも比較的難易度が高い部類である。
    • ジョブ・アビリティを駆使することが推奨されるゲームバランスだが決して必須というわけではなく、解法が思いつかなければ普通にレベル上げをしながら攻略していく選択肢もある。
    • ただ低レベル攻略が出来るからというだけではなく、このような通常の攻略でも十分歯ごたえを感じられるようになっていることこそが本作のゲームバランスが賞賛される大きな理由である。

強力な高難度ボスの存在

シナリオ本筋とは関係ないが、ラスボスより強い」というやりこみ向けのボスが、FFシリーズにおいて初めて導入された。

  • 今でこそ「ラスボスより強い高難度ボス」はゲームジャンルを問わず特に珍しいものではないが、本作発売当時はまだ「ラスボス以上に強いボス」という概念はほとんど確立されていなかった時代である*2
    そんな中、当時のゲーム界で双璧をなした人気シリーズの最新作『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』とほぼ同じタイミングで「裏ボス」が初登場し強烈な印象に残したことは、後のゲーム界全体での「裏ボス」の扱いに大きな影響を与えたと言える。
+ 裏ボスの詳細
  • 本作の高難度ボスは、ラストダンジョンに登場する「神竜」「オメガ」の2体。いずれもその実力(ラスボス以上の強さ)はもちろん、戦闘開始直後から全く容赦の無い初見殺しを披露することでも有名。
  • オメガは凄まじい防御力と回避率を誇る上に常時リフレク状態、ちょっとでも傷がつくとエゲツないカウンター*3を行い何者も寄せ付けない。通常行動のレパートリーも「はどうほう*4」に代表される凶悪なものが多い。
  • 神竜は、無対策ならもれなく全滅確定の最強威力の「タイダルウェイブ」を初手にぶちかまし、プレイヤー達に残酷な洗礼を浴びせかける。なんとか初手を凌いでもオメガ同様に多彩な行動パターンを持ち、そこへ全モンスター中トップクラスの素早さで畳みかけるような猛攻を仕掛けるため全く油断できない。*5
  • しかも戦闘力以前に、オメガは同系統の雑魚モンスターシンボルと同一のグラフィックでラストダンジョンの本線通路をうろついていること、
    神竜は同じくダンジョン内に普通に置かれた宝箱の中に潜んでいることも初見殺しに拍車をかけている。
    • オメガは戦闘中も、通常戦闘のBGMな上に、ザコ敵「マシンヘッド」と全く同じグラフィックなため、一見して超強敵であると気付きづらい。一応、セーブポイント直後なので全滅してもすぐ再開できるのが救い。
  • 一見、理不尽なまでの強さで付け入る隙もないように見えるが、両者とも弱点(というか付け入る隙)は存在しており、対策次第では極限低レベルでの攻略も可能になっている。
  • やりこみ用ボスであることのアナウンス
    • 初見プレイではオメガの強さに面食らい、プレイヤーが急激な難度上昇を錯覚し不安になることもしっかり想定されている。
      • まずオメガは、直前にセーブがあるため敗北してもダメージは少なく、シンボルに触れなければ避けて通り抜けられる。
      • その前後のボスの配置についても「中ボス:カロフィステリ→ほどなくオメガ登場→直後に中ボス:アパンダ」となっているのだが、オメガを避けた先に待ち受けるアパンダは、オメガを見た後では拍子抜けする弱さでプレイヤーを安心させる。イフリート こわいよー
      • この「オメガの前後」に配置されたボスの弱さが、オメガの場違いな強さを演出すると共に、アパンダが待ち受ける図書室内の本にはオメガ・神竜について「12の武器を持つ勇者達でもかなわない」「けして語りかけることなかれ」と記されており、通常攻略の範疇では決して敵わない存在であることを「ボス配置」と「文章」の両面で丁寧にアナウンスしている。
  • 神竜に関してはこの図書室よりも後の登場で、「あのオメガと同格」の存在であることが既にプレイヤーに知らされており、逃走することも可能になっている(とはいえ、大抵は逃走する間もなく押し流されるのだが)。
  • このあたりの丁寧なイベント配置がただ「理不尽に強い」だけでなく、「今は敵わないので先に進んでも大丈夫な敵」とプレイヤーに認識させるつくりになっており、「倒すのが困難な隠しボス」として印象を鮮烈に植え付けることに成功している。
    • オメガ・神竜は、他作品によくある「隠しダンジョンの奥深くに潜む裏ボス」ではないところも秀逸であり、ラストダンジョンまでたどり着いたプレイヤーの多くが一度は遭遇しそして散っていった……という点も彼らの知名度向上に大きく貢献している。
    • オメガ・神竜は撃破すると、説明文に撃破したことを賞賛する文章が刻まれているアイテムをそれぞれドロップする。このことからも明確な「開発者からの挑戦状」であることがわかる。
  • ゲーム中盤の期間限定で侵入可能な「ギルの洞窟」の脇道に出現するボス「ギルガメ」も、期間限定とはいえ同様の立場。
    • 一歩歩くごとにギル(お金)が大量に入手できるという一見ボーナスのような小道があるのだが、そうは問屋がおろさず、シナリオ時期に見合わないほど異常に強いこのボスモンスターと高確率でランダムエンカウントする(「エンカウント」なので、普通に複数回現れる)。
    • 高いステータスと防御能力、強烈なカウンターを持つ。さらに討伐可能時期が限られているためパーティを十分強化しての再挑戦も難しく、相対的な難度はオメガや神竜以上に感じる人も多い。
    • GBA版以降はクリア後にいける追加ダンジョンにも出現するが、その頃の敵と比べても遜色ない強さ。もちろん、弱点(攻略法)は存在する。
  • なお、これらの高難度ボスの知名度に隠れがちだが、本作のラスボス自身もFF歴代シリーズ中で上位に挙げられるほどの強敵である。
  • また、通常エンカウントのモンスターにもかなりクセのあるものも多く、所謂「初見殺し」に遭う場合がある。
    • クリアに必須な地域には出現しないものの、初めて到達したレベルではガチンコで倒すのが困難なステータスを持っている。しかしアビリティの有用性に気づくとかなり簡単に対処できる。これらモンスターも「開発者からの挑戦状」のような意味合いが込められているようにも見える。

その他

  • シナリオは前作や次回作と比べて非常にシンプルかつ王道的なものであるが、ギャグあり感動シーンありでよくまとまっている。キャラの喜怒哀楽表現からくる演出も相乗効果となって評価は高い。
    • 敵軍の将として登場するギルガメッシュというキャラは、その憎めないキャラに彼専用のBGM「ビッグブリッヂの死闘」も相まって非常に人気が高く、後のシリーズにもゲスト出演している。
    • ガラフとエクスデスの一騎打ちや、「次元のはざま」でのギルガメッシュのイベントは根強い人気を誇っている。
  • 装備品の仕様も凝ったものが増え、どれも好評である。『II』以降なくなっていた装備の重さの概念も復活。
    • 装備するだけで補助魔法が自動でかかる装備品(初出は『IV』の「アヴェンジャー」)・たたかうとたまに特定のコマンドアビリティが自動発動してしまう武器が数多く登場。また以前のシリーズとは異なり命中率やクリティカル率、あるいは回避率は装備者のパラメータに関係なく装備品固有の値になっているなど、装備品の個性が出ていた以前のシリーズと比べても特に凝ったものが多い。
      これらの装備も攻略の幅を広め、前述の制限プレイの多彩さへと一役買っている。
  • 前作までは命中判定が攻撃ごとに複数回行われていたが、本作からは特殊なアビリティを除けば全て単発攻撃になった。
    • 具体的な効果としては、全体的にダメージが安定するようになった。
  • 戦闘テンポが良い。エフェクトは『IV』のものと比べスムーズになり、全体的にスピード感がある。
    • シーフ+とんずらの組み合わせでの戦闘抜け出しがとても速く、疑似エンカウントキャンセルとまで称される。こちらも縛りプレイにはもってこいのテクニック。
  • 終盤の自由度は高めであり、12の武器を集めるイベントはある程度任意の順番で進める事ができ、その他のサブイベントも任意の順番で起こす事ができる。
    • また、12の武器集めを無視してラストダンジョンへ行く事も可能である。この辺りも含めて『VI』の仲間集めの前身であると言える。

賛否両論点

システム面

  • 「ぜになげ」「ちょうごう」「みだれうち」「とらえる・はなつ」などの一部優秀過ぎるアビリティが存在し、バランスブレイカーになりうる。
    • それぞれ習得難度や仕様の理解の難しさといった一癖あるアビリティばかりだが、理解が追い付いていないプレイヤーがなんとなくで使用しても十二分に強力な効果を誇り、縛りプレイではよく封印される。
      • 「ぜになげ」は、極めて手軽にコマンドの用意ができる上に敵全体に強烈なダメージを叩き出すが、発動の度に多額のギルを消費する。
      • 「みだれうち」はその名前とは裏腹に、威力半減の通常攻撃を必中かつ防御力無視の4連撃で繰り出す(二刀流・格闘攻撃ならば8ヒット攻撃となる)という凄まじい強さを誇るが、修得の手間に加え満足な威力を出すには相応の武器と戦闘中の下準備が欠かせない。
      • 薬効素材を二つ混ぜて、補助・回復・攻撃と多種多様な特殊効果を繰り出す「ちょうごう」は、特に凄まじい有用性を誇る一方求められる知識も膨大で、しかもゲーム内には一切ヒントが存在しない。
      • 弱らせたモンスターを捕まえる「とらえる」で捕獲したモンスターによる一回使い切りの特殊攻撃を繰り出す「はなつ」もまた知識面での負担が大きく、捕獲・発動のタイミングを見極める戦略眼も要求される。
    • といった具合に、強力無比なアビリティはいずれも情報や準備がないとポテンシャルを引き出しきれない設計となっており、バランスをブレイクするには、ある程度知識を仕入れたプレイヤーであることが求められる。
      • 初心者救済の面(特に「ぜになげ」など)や、それを利用して「難敵を完封する」「戦況を大きく変える」などの遊び方もあるため、完勝方法を選択する楽しみ方も本作ならではである。
      • 類似の例として『VI』のバニシュデス、『ロマンシング サ・ガ2』のクイックタイムなどが挙げられるが、本作は相手によって有効な戦術が大きく違うため、戦法が一辺倒になりづらいのも特徴である。
  • 各パーティキャラの性能差について
    • 本作は『III』と同様、パーティキャラ自体の性能差は(ほぼ)無い仕様となっている。一応『III』と違って素のステータスに若干の差異はあるが、ジョブや装備によるステータス補正の方がはるかに影響力が大きい。
    • このことについて、「キャラクターの個性を活かす面白味が薄い」という否定的な意見もある一方で、「個性が薄いからこそ自由なジョブ編成がしやすい」という肯定的な捉え方もできる。
    • なお、キャラの性能差が薄いとはいえ一概に「キャラの性能差を考慮してジョブを決める必要が無い」というわけではなく、効率重視プレイややり込みでは、各キャラの若干のステータス差をも考慮して最適なジョブを編成する場合もある。
      • 事実、「このキャラはこういうステータスなのでこのジョブに就けると良い」といったキャラごとのジョブ編成方針を指南しているユーザーや攻略サイトも存在する。
      • 敵味方のわずかな「素早さ」の差で、「味方同士の行動順*6」や「敵より先に行動できるかどうか」が変わってくる場合もある。プレイヤーが気付いていないだけで、実際には数ポイントの素早さの差が戦況に影響を及ぼしていることはゲーム全編を通してあり得る。それを意識するかしないかはプレイヤーの自由である。
    • 総括すると、初心者や中級者はキャラのステータス差を気にせず自由なジョブ編成を楽しめるし、上級者はステータス差を考慮したより高度な編成を楽しむこともできる作りになっている、と言えるだろう。
      キャラの性能差が「大きい(キャラの個性を重視する)」か「小さい(キャラ個性以外での自由度を重視する)」かはどちらが正解と言えるものではなく作品の趣旨によりけり*7であり、本作は後者寄りの作りということである。
    • 最終的に全ジョブ・全アビリティを習得した場合のパーティ全員の無個性化を指摘する意見もあるが、今作ではジョブやアビリティ、装備品をどう組み合わせるかということが重要であるため、たとえ全てのアビリティを習得したとしても戦闘ごとに役割分担(物理専門、魔法専門など)をさせることで自分で個性(戦力差)を作っていくことが出来る。またキャライメージや若干のパラメータ差によりに魔道士系ジョブに傾倒させがちなレナをあえて戦士系ジョブマスターにしたりなど、プレイヤー自身の趣味・嗜好でキャラごとの個性をも形成していくという楽しみ方も出来る。もちろん4人とも似たような装備品、全く同じアビリティで攻略することも可能であるがそれはプレイヤー自身が無個性な戦略を自ら選択しているに他ならず、逆に言えばそれ自体もそのプレイヤー自身が形成した個性といえる。
    • 本作では一度だけ仲間キャラの入れ替わりが発生し、離脱したキャラのジョブレベルは代わりに入るキャラに受け継がれるのだが、元になるステータスの特徴については両者で真逆と言える設定となっている。先述の通り、この設定によりそのキャラが他のキャラに比べて極端に性能が劣るような状況は通常のプレイでは起こらない。

シナリオ面

  • 主人公達の行動が全体的に行き当たりばったりで、それに合わせてかシナリオの方もご都合主義的な展開が多い。
    加えてそのご都合展開以外にも、プレイしていて違和感を覚えるような雑で拙い展開・描写も少なくない。いくつか一例を挙げると、
    • 1.飛空艇の強化に「アダマンタイト」が必要だと判明した際、記憶喪失のガラフがアダマンタイトの在処だけを都合よく思い出す。
    • 2.飛竜に乗る際に高所恐怖症と描写されていたはずのバッツが、飛竜より高高度を飛行可能な黒チョコボに乗って意気揚々と飛ぼうとする。
    • 3.隕石に乗って第一世界にやってきたクルルが、遥か上空を飛んでいるロンカ遺跡に現れる。途中で隕石から飛び移ったのだろうか?
      • そのうえ登場直後に、初対面の主人公一行が困惑している緊迫の場面に、瞬時に最適な行動でその場を収めるという急展開に次ぐ急展開。
      • このイベントシーンは、クルルが乗る隕石がロンカ遺跡に衝突するムービーの前に緊迫の会話が済んでしまっているため、「裏から様子を伺っていた」とは言い難い状況であり、クルルの行動というより、製作者の意図で正解の行動を強制されている感が強い演出となってしまっている。
    • 4.シドとミドが黒チョコボを元居た森へ放しに来る展開があるが、この森がある場所は海の孤島である。泳いで帰るつもりなのか?
    • 上記の例はいずれも土のクリスタル関連のイベントであるが、その短い期間だけでもここまでの粗やツッコミどころが散見している。
      また、低年齢層へのわかりやすさを重視したためか、セリフも従来作と比較してあっさりしており、短くまとめられている傾向が強い。
      こういった点も「FF5はシステム重視」、言い換えれば「ストーリー軽視」という意見が挙がる由縁である。
  • ストーリーの骨子が『III』同様のシンプルな勧善懲悪路線に納まっているため、主人公たちは基本的に皆善人であり、前作『IV』やそれ以降の作品のような、善悪両面を併せ持つ複雑な性格付けのキャラや複雑な立場のキャラ、複雑な心情描写や人間模様などの深みのあるキャラ設定や描写がほとんどない。
    • もちろん、決してキャラの魅力が全く無いというわけではないが、過去イベントが意外に多いバッツ、前半で大きなイベントがあって内面をよく掘り下げられているファリス、初登場時の時点から特別な立ち位置のキャラであることを強く印象付けているガラフと比べ、レナとクルルの場合は内面やキャラクターの背景の掘り下げが足りておらず物足りない印象がある。
      • なお勧善懲悪路線の影響かは不明だが、本作の敵首領は歴代でも珍しい「悪意」から生まれた最初から最後まで人外の存在*8である。

問題点

戦闘システム面

当時の水準で見れば致し方無い側面もあるものの、戦闘に関わる不親切な点が散見される。

  • 武具の仕様に関する解説不足
    「属性強化・属性耐性・状態異常耐性」等の特殊能力が、作中では一部を除きその存在を確認する手段がなく、攻略情報がないと積極的運用が非常に難しい。
    • これらの特殊能力は利用するか否かで戦闘バランスが大きく左右されるほど強力なものが多く、本来は攻撃力や防御力のパラメータと同等かそれ以上に装備品の決定要因になる要素である。
      しかし、ゲーム内で数値を確認可能な攻撃力や防御力などのパラメータと異なり、特殊能力の存在は殆どの装備品で示されておらず、存在の認識自体が困難であった。
      また当時の各種攻略情報にもこの特殊能力についての説明は殆どなかったため、折角の練られた要素でありながら発売当時のプレイヤーが戦略に積極的に取り入れる事は少なかった。
    • 作中に登場する「伝説の武器」には「数値自体は低いが付随する特殊効果が非常に優秀で、知った上で運用すれば極めて強力」というものが複数あるが、当時のプレイヤーがそれに気づくのは容易でなく、その真価を知らぬまま「伝説の武器なのに弱い」と落胆して使用しなかったプレイヤーも多かった。
      • 特に伝説の武器の中にはFFシリーズではお馴染みの、強力な武器として登場することの多い「エクスカリバー」が含まれている。シリーズ経験者にとっては頼りになる武器という印象も強い代物なので、とりあえず初めにこの武器を選択した人は多いと思われる。しかし本作の「エクスカリバー」、確かに攻撃力は高いのだが「聖属性を持っている」というところが良くも悪くも大きな特徴となってしまっており、この点が少々曲者になってしまっている。というのも本作の敵は聖属性に耐性を持っている敵が妙に多いため、逆効果になってしまう状況が結構発生してしまう。加えて伝説の武器を解放する為の石板探しに訪れるダンジョンの入り口には、ガーゴイルというボスが必ず登場するのだがコイツがまさに先に述べている様に 聖属性を吸収してしまう という敵キャラなので有効活用するのが難しくなってしまっている。早速試そうとこのボスにエクスカリバーで攻撃してゴッソリ吸収されてある意味衝撃を受けたプレイヤーは結構いるのではないだろうか。最終的には全ての伝説の武器は解放出来るとはいえ、貴重な解放枠を一つ使って入手したのものの…となりかねない一種のトラップの様なものになってしまっている。一応属性に関しては魔法剣をかければ何とかなるところではあるのだが、騎士剣なので装備出来るジョブも限られてしまうのも難点といえる。過去のFFシリーズに比べると使いにくくなってしまっている感は否めないだろう。性質を理解していれば伝説の武器に違わない効果は発揮出来るがシリーズお馴染みの武器がこの様になってしまっているのは厄介なところである。
        ちなみにエクスカリバー同様にシリーズお馴染みの武器である「マサムネ」も伝説の武器の一つとなっている。こちらも装備可能なジョブは刀という性質上限られてしまうが、属性が無いので素直に使える武器となっている。加えてATBが戦闘開始と同時に満タンになるので最初に行動出来るという大きな特徴がある。過去のFFにおいてはよく「最強の武器はマサムネ」と言われていたこともあったが、この辺りもエクスカリバーは水を開けられてしまっているところになってしまっている。
    • 「属性強化」は、該当の武具を装備中のキャラの、黒魔法や召喚などの魔力依存の属性攻撃を威力1.5倍に強化する能力。
      • 代表例とも言える「ほのおのロッド(炎強化)・こおりのロッド(氷強化)・いかずちのロッド(雷強化)」はゲーム序盤から登場する。
        情報を知っていれば序盤から終盤まで攻撃の戦略がガラリと変わるほど強力なのだが、終盤に登場する伝説の武器「ウィザードロッド(炎氷雷地風毒強化)」と「けんじゃのつえ(聖強化)」の2つにしかゲーム内解説が存在せず、通常プレイでははっきり認識する機会がない所謂「隠し効果」となっている。
        ちなみにこのウィザードロッド、ゲーム内解説が「ほのお/れいき/かみなり/どく/だいちのまほうがパワーアップ!」となっており、風強化の表記が抜けている
        GBA版では装備画面に「ぞくせいまほうの いりょくをあげる つえ」という説明が追加されたものの、全属性強化かと誤解を招きかねない(聖・水属性抜け)上にそもそも杖ですらないという、開発側が効果を把握しているのか疑いたくなるものになっている。
    • そして「属性の名前がついたロッドを装備したら同じ属性の魔法だけ強くなった」程度なら自力で気づくプレイヤーもいたものの、「状態異常耐性」などは確率に関わる部分のため目に見えづらい効果で、その全容を自力では正確に判断しようがない。
      • この解説不足の弊害が特に出やすいのは、シリーズお馴染みの状態異常耐性装備「リボン」の仕様。
        本作のリボンは、暗闇・毒・カエル・石化・即死・沈黙・バーサク・老化の8種類の異常を完全に防ぐ効果を持つものの、
        意外にもそれ以外の異常であるゾンビ化・小人・混乱・マヒ・睡眠・スロウ・ストップ・スリップ・死の宣告には耐性を持たない。
        後作と異なり防げない異常の方が種類が多いのだが、ゲーム内で詳細は解説されず、別に情報を仕入れない限り全容把握は困難を極める。*9
    • ブラッドソード以外の騎士剣は両手持ちと魔法剣が使用可能であり、殆どの同種武器ではアイテム欄でもその旨が表示されるが、アイスブランドだけは何故かそれらの表示がない(実際はどちらも使用可能)。
  • 魔法の効果も、ゲーム内では一切説明されない。
    • 多くの魔法については説明書に記載があるが、それもごく簡素な内容にとどまった。また青魔法と召喚は説明書にすら記載がなく、属性や効果などの仕様を把握するには、攻略情報がない限り実際に使用して確認するしかない。
      • しかし効果が単純な召喚はともかく、青魔法は処理・計算が非常に特殊なものが多く、実際に発揮された効果を使用後ですら把握しづらい事が多い。使用者のレベルを使う特殊な計算式でダメージを判定する「ゴブリンパンチ」、使用者や対象のHPで威力が変化する「吸血」「????」「ミサイル」、複数の効果を持つため見た目だけでは効果の全容を認識できない「マイティガード」「タイムスリップ」等、攻略サイト等がなかった当時に一般プレイヤーが効果を正確に把握するのは極めて困難であった。
        そして頼みの綱の「公式攻略本」にすら誤った説明が散見しており、その混乱ぶりに拍車をかけた。*10
  • 上記内容とも少し関連するが、属性攻撃に「名前やエフェクトから来るイメージと、実際の属性がズレている」ものが散見される。
    • 「アクアブレス」は作中でNPCが言及する数少ない青魔法だが、如何にも水属性らしい名前やエフェクトとは裏腹に実際は無属性
      砂漠の敵に使うと大ダメージを与えられるが、これは「砂漠カテゴリの敵に対しダメージ8倍」という説明されない独自の特性によるもの。
      砂漠カテゴリの敵の多くが水属性弱点であった事が災いし、混乱したプレイヤーが多かった。
    • 召喚魔法「サンダーストーム」は、雷属性魔法の代表「サンダー」を冠する名前でありながら、実際は風属性である。
      一応名前に「ストーム」と付いてはいるが、エフェクトが「雷と冷気の複合」にしか見えなかった点も混乱に拍車をかけた*11
  • 説明書や作中のアビリティ説明等に、いくつかの誤りがある。
    • 説明書以外にも、ゲーム中には普通にプレイしていては気づきにくい要素が多々あり、しかも攻略に重大な影響を与えている。
    • 青魔道士のアビリティ「しらべる」はゲーム中で「敵のHPと弱点を調べる」という説明だが、実際は「最大HPと現HP」しか調べられない。*12
    • 侍のアビリティ「みねうち」はゲーム中では「敵1体をマヒさせる」という説明だが、実際は麻痺効果が存在せず、通常攻撃と同程度のダメージを与える物理攻撃になっている。敵の「みねうち」には麻痺の追加効果があるため、味方のものは設定ミスと思われる。
      • 敵に麻痺が発生したのか否か画面上は判断できない*13ため、麻痺の効果が実際にはないと気づかなかったプレイヤーが多数。
      • ただし「睡眠や混乱を解除しない」という隠れた特性があり、武器の追加効果や魔法剣なども発動するので、使い道はある(効果を把握しない限り使おうという発想に至りづらいが)。
      • ちなみにGBA版までずっと修正されず、スマホ版でようやく麻痺効果が付くようになった。
  • 敵の属性や耐性が曖昧で一貫性がなく分かりにくい
    • 本作には「ボス耐性*14」という要素があり、これは「即死・割合ダメージ・瀕死攻撃等を無効化」「状態異常の持続時間が極端に短い」等、言わば正面からHPを削って倒す以外にない、ボスの強さや強敵感を表現するために付与される耐性である。
      • ゲームにおいてこの手の要素自体は珍しいものではないが、本作では普通に出現する雑魚がこの耐性を持っていたり、逆にボスなのに持っていなかったりと、設定に一貫性が全くない。更にこの耐性自体が完全なマスクデータとなっており、ゲーム内での確認は当然不可、各攻略書籍にすら載っていない。
      • 一貫性がない事、マスクデータである事、ボス耐性の効果自体があまりに多岐にわたっている*15事、これらが相まって「掛けたデバフがボス耐性で防がれたのか単なるミスなのか判別できない」「敵Aに有効だった戦法が同種属で色違いの敵Bには何故か効かなった」「この敵だけ何故かすぐに状態異常から復帰される」「マスクデータ故に何故そうなったのからすら把握できない」と、プレイヤーを混乱させる結果となった。事実、この混乱により間違った情報が書かれた攻略書籍も存在する。
      • 一応このボス耐性は前作の時点で存在していた要素であり、「雑魚なのにボス耐性を持つ敵」がいくつか存在していた。
        しかし本作はそれが大幅に増えている他、特に「ボスなのにボス耐性を持たない敵」は前作の比ではないほどに増加している。
      • また、これに近い事例として、どう見てもそうは見えない敵が不死属性*16を持っていたり、その逆もあったりと、やはり一貫性がない。
      • この一貫性の無さは、恐らくプレイヤーに「この戦法ができる」「これが有効」等の様々な戦い方をさせるための調整と思われる。
        それにより戦闘の自由度が飛躍的に増した半面、一貫性の無い調整により、知識の浅いプレイヤーを混乱させやすくもなってしまった。
  • 複数の補助魔法をかけた際にエフェクトが1種類しか表示されない。
    • 物理防御の「プロテス」、魔法反射の「リフレク」に同時になっても、画面上は「リフレク」状態のエフェクトしか表示されない。
      例えば前者の状態のキャラに後者を掛けると、発光エフェクトが後者のものに変わるため、効果が消失すると誤解したプレイヤーもいた。

シナリオ・イベント面

  • シナリオの転換におけるご都合主義な要素「隕石」。
    • 本作の世界では「隕石」が物語を転換させる重要なものとして登場するが、これが物理的に移動する乗り物として使われたり、内部にワープポイントを有するワープ装置になっていたり、壁面に先述のアダマンタイトが埋まっていたり、何故か内部にモンスターがいたり、時にはどこからかクリスタルの在処の近くに落ちてきて一帯を破壊したり…と、シナリオ上の役割があまりに多岐にわたっている。
    • しかし、これらの雑多な役割に一貫性を与えるような説明は作中に一切なく、「隕石とは結局何なのか」は最後までわからないまま。
      場面転換のためにご都合主義的に使われているだけの要素という指摘を免れないものとなっている。
  • イベントでのアイテム入手時、入手したメッセージが無い場面が複数ある。
    • 「ダンジョンで兜が落ちているのを見つけて駆け寄るも、ボス敵に毒矢で射られる」というイベントの際、この兜をミスリルヘルムとして実際に入手しているのだが、手に入れたというメッセージが表示されず、初見プレイヤーの多くはまず気づかなかった。
      • 次に行くことになる町にはミスリルヘルムよりも弱いアイアンヘルムが売られており、買って装備しようとしてようやくミスリルヘルムの存在に気付くことになる。この時点ではどちらの兜もナイトしか装備できず、大抵はアイアンヘルムは買い損になってしまう。
    • ある城を訪問したイベントの際、宝箱の前に立つ大臣が「この国に代々伝わる杖です。お持ちになってください。」と話し立ち去るのだが、そばの宝箱の中身は「ギヤマンのかね」である。
      実はその会話と同時に「いやしのつえ」をちゃんと入手しているのだが、「いやしのつえを手に入れた」などのメッセージ無しにいつの間にか所持品に加わっており、かつ宝箱を開けると中身が別物だったため、混乱したプレイヤーが多かった。
    • 初めてカルナックの町に訪れた際、武器防具が安く売られており買おうとすると、選択不可のSEと共に買い物を中断させられカルナック兵に捕まってしまうイベントがあるが、この時購入できなかったように見える商品は実は購入できている。つまり1つだけは破格の安さで購入できる。*17

キャラクターのネーミングについて

  • 前作『IV』や後作『VI』と異なり、主人公以外の仲間の名前は一切変更することが出来ない。
    • 主人公についても、最初に入力するのが唯一の機会。後から改名することは出来ない。
  • 本作は冒頭において主人公の命名が必須となるのだが、初期状態の名前欄は空欄なため、プレイヤー自身で名前入力をする必要がある。
    • 主人公は設定上「バッツ」というデフォルト名が存在するのだが、SFC版本作の説明書に登場キャラ紹介は一切なく、説明書内のサンプル画面でも主人公は「スクウェア」という名前である。
      SFC版の本作のみで「バッツ」という名前を知る機会は外箱裏の画面写真(しかも小さい)のみであった。
      • 同じように名前入力がデフォルト空欄だった『II』もあるが、あちらはちゃんとキャラ紹介がある。その点今作は、ゲーム外の情報無しには主人公がどういうキャラクターなのかを知る術が無いまま、いきなり主人公の命名となるため、名付けにこだわるプレイヤーや、デフォルト名をつけたいプレイヤーは名前入力に難儀することになる。
      • ただし、上記のように発売当時はデフォルト名の影が非常に薄かったため、『ドラクエ』シリーズの主人公のようにデフォルト名は無いものと考え、自分の名前といった好きな名前を付けたプレイヤーが多かった。
    • 後に発売された攻略本等でようやくキャラの詳細な紹介がなされ、主人公の「バッツ・クラウザー」というフルネームが明らかとなる。
      • PS版では説明書に「バッツ」の名が載り、GBA版では名前入力時の初期デフォルトネームが「バッツ」になった。
      • Wii VC版の任天堂の紹介ページでは「主人公」として紹介されている。ただし、画面写真では全てバッツになっている。
    • 因みに横から補足させて頂くと、主人公名として「バッツ」が当時のユーザーに認知が低かったかと言うと実はそうでも無い。
      • 当時は今と違いファミコン通信(現・ファミ通)を始めとしたゲーム情報誌全盛期であり、加えて各漫画雑誌に於いても当時話題のタイトルであった本作を取り上げない筈がなく、それらの記載でバッツという名称を把握しているユーザーはそれなりにいたのである。(参考リンク)
      • また、デフォルトネームのないFFナンバリングタイトルは本作が初めてではなく『I』、『III』が先にある事にも留意されたし。

その他

  • 魔法関連の入手時期とゲームバランス
    • 本作の三大魔法はほぼゲーム開始直後に購入でき、ラ系魔法も序盤の半ばである第一世界前半の終わり頃で購入が可能である。
      一方でガ系魔法の購入は中盤の終わり頃、第二世界の終盤手前になってようやくという遅さであり、いくらなんでも間が開きすぎている。
      このため第二世界に入ったあたりから火力不足が響くようになり、例え弱点を突いても両手持ちの物理攻撃に劣る事が多くなる。
      • この間の繋ぎとなる黒魔法はバイオとドレインのみ。またドレインは全体化不可で弱点も突けず、黒魔法をダメージソースにしにくくなる。
        一応バイオで弱点を突く事はできるのだが、そもそも毒属性を弱点に持つ敵が片手で数えるほどしかいない*18ため殆ど意味がない。
        また、一応ラ系魔法もバイオもロッドの属性強化で火力の底上げが可能だが、前述の通りそれには解説不足というまた別の問題が存在する。
      • そもそもの話として、第一世界終盤からガ系魔法登場までの間は、黒魔法どころか魔法全般が不遇・弱い傾向にある。
        その理由は忍者が使用可能な術系アイテムにあり、なんと攻撃力はラ系の2倍以上、バイオどころか全体化したガ系をも上回る火力を誇る。
        効果は敵全体が対象、火水雷の3種類があり、1個あたり僅か200ギル…と、投げる専用である事を考慮してもあまりに使い勝手が良すぎる。
        忍者の魔力を底上げするだけで簡単にラ系魔法やバイオを上回るダメージを叩き出せてしまうため、これでは各攻撃魔法の立つ瀬がない。*19
        せめて術系アイテムの価格がもう少し高いか、ガ系魔法の購入時期がもう少し早ければ、このような事態にはならなかったのだが。
    • 今作のエアロの攻撃力は三大魔法のそれより高い20であり、エアロラについても高くはないが他ラ系攻撃魔法と同等の50である。
      • 一方で上位魔法であるエアロガの攻撃力は140。他ガ系の攻撃力は185なので、何故かエアロガだけが低く設定されている。
        青魔法は強力な反面全体的に癖が強く、使い勝手のいいものが少ないため、これが他ガ系よりも弱いのは地味ながら痛手となる。
  • 隠し要素の二択武器「チキンナイフ」「ブレイブブレイド」の内、後者があらゆる面で不遇
    • チキンナイフは逃げるほど強くなり、ブレイブブレイドはその逆という特性を持っており、それ自体はユニークで意欲的な要素である。
    • しかしブレイブブレイドは「下がった攻撃力は二度と元に戻らない」という厄介な特性があり、活用にはプレイがかなり窮屈になる。
      しかも、仮にゲーム開始時から一度も逃げなかったとしても、ダメージ計算式の都合で与えるダメージ量はチキンナイフに劣ってしまう。
      更にチキンナイフは殆どのジョブが装備可能な一方で、ブレイブブレイドはすっぴんとナイトのみ…とあらゆる面で使いづらさが目立つ。
  • 先述した伝説の12の武器は、いずれも高い攻撃力や優れた特殊効果を持つ優秀な武器であるが、「大地のベル」だけは話が別。
    • 攻撃時に1/4の確率で地震攻撃が発動する効果を持つが、この効果は市販品の「大地のハンマー」と同じ、しかも攻撃力はたったの35。
      力28の風水士が攻撃力35のベルで殴るぐらいなら、地形を使うか何らかの魔法系アビリティを付けてそれで攻撃した方が普通に強い。
      特殊効果である地震攻撃も、1/4の確率をアテにするくらいならタイタンを使った方が確実…というかタイタンの方が攻撃力が高い
      そもそも風水士自体が容易にマスター可能なジョブであり、そのために大地のベルが優先して解放される事はまずないと言ってよい。
    • こうなった理由として、ルーンアクスと名前が被るからルーンのベルの代わりに伝説の12の武器にしたのではと推測されている。
      ルーンのベルの特殊効果は、先述のウィザードロッド以上である炎氷雷地風毒強化であり、伝説の武器に相応しい性能を誇っている。
      また、伝説の武器の売値は例外なく10000ギルか5ギルであり、ルーンのベルがそれと同じ5ギルである事も、この説の信憑性を高めている*20
  • 取り返しのつかない時限要素の多さ
    • 本作はストーリーを進めると再訪できない場所がかなり多く、それにより時期を逃すと二度と入手できない要素が多い。
    • 中堅クラスの装備品なら取り逃してもさほど困らないが、この時限要素にはなんと歌や召喚獣等のアビリティまで含まれている。
      シヴァやカーバンクルは比較的取り逃しにくいもの、裏道のような場所に行かないと入手できないカトブレパスは被害報告がかなり多い。
      歌に至っては期間限定のものが3つもある上、「魔力の歌」は入手方法がわかりにくく期間も極めて短いため特に取り逃しやすい。
    • 黒・白・時空の非買魔法については、道中で取り逃しても最終盤の「蜃気楼の町」で買えるという救済処置が用意されている。
      しかしこれは逆を言えば、道中で見逃してしまうと最終盤までその存在に気付けず、その間ずっと使用できないという事でもある。
      特に「レビテト」は、有用な効果のわりに少々分かりにくい入手方法なため、入手するか否かで一部戦闘の難易度が大きく変わる。
  • いくつかの気付きにくい不親切な要素
    • 一部の町・村の道具屋が、宿泊施設の中に併設されている場合があり、初見プレイでは道具屋の存在に気付きにくい場合がある。
    • その宿泊施設についても、船の墓場におけるファリスの海賊船の船室や、第二世界の潜水艇等、一泊できる事に気付きにくい。
    • 飛竜の谷では一見行き止まりに思える場所で落とし穴に落ちる必要があるのだが、目印やヒントに乏しく突破方法に気付きにくい。
    • 「世界地図」が少々わかりづらい位置に配置されており、序盤で拾い損ねると入手時期に大きな差が出てしまう。*21
    • 古代図書館地下ダンジョンの冒頭「本棚を動かす部屋」において、ダンジョンを引き返し脱出を試みる場合に、入口へ戻る手順が解りづらい。*22
  • 一部演出について
    • 1993年1月にゲーム内の映像表現*23によって、プレイした児童がてんかんを起こしたという事件が全国各地で発生した。
    • ポケモンショックほど激しくはないが、一部地域かつ一度きりではなかったために報告が多くなったと推測される。
    • そのため、全国の小中学校では本作を所有している生徒に対し、異例の症例アンケート調査と指導を行ったという逸話がある。
    • 当然というべきかVC版およびPS版以降の移植では修正された。

総評

ストーリー重視で育成面の自由度が低かった前作『IV』の評価を踏まえ、本作ではシステム面での充実が図られることとなった。

上級職としての意味合いが強かった『III』のジョブチェンジシステムを受け継ぎながらも再構築し、ジョブごとの個性を高めアビリティの付け替えを可能とすることでカスタマイズ性を高めた本作のジョブシステムは、現在をしても高い自由度を誇っている。

様々なアビリティはプレイヤーのシナリオ攻略の幅を大幅に広め、プレイヤーの工夫次第で低レベル攻略や様々な縛りプレイを可能とするまでになった。
またアビリティが絡むコレクション要素も追加され、これまでコレクション要素といえばアイテム収集くらいしかなかった当時のRPGに新しい風をもたらした。これも本作を語る上では欠かせない要素であろう。

様々な新要素を詰め込んでいるが、評価はされどそれらによる目立った欠点もなく、システム以外にもシナリオ・BGM・グラフィックも高い評価を受けている。シリーズのノウハウをうまく還元し作られたといえる本作は、まさに名作と呼ぶにふさわしく、『FF』シリーズの中でも特に根強い人気を誇っている作品のひとつである。


移植・リメイク・関連作

PS版

  • 1998年3月にコンビニエンスストア(デジキューブ販売網)限定で発売された。
  • その後、1999年3月に発売された『ファイナルファンタジーコレクション』にも同作品が収録されている。
  • 内容はSFC版を移植したものであり、SFC版とほとんど違いはないが、いくつかの部分が変更されている。
  • 2011年4月からゲームアーカイブスで配信されている。

GBA版

  • 2006年10月、『ファイナルファンタジーV アドバンス』が発売された。キャッチコピーは「風が、変わる。」(TGSPV)「純度を超えた透明感」(TVCM)。
  • SFC版からの追加要素として、ジョブの追加(4種)、ダンジョンの追加、武器防具の追加等がされている。他機種のバグの大半は修正されたが基本システムに変更はないので、制限プレイについてはほぼSFC版と同じ戦術を使うことが出来る。その他にもいくつかの変更点がある。

バーチャルコンソール版

  • Wiiでは2011年1月、WiiUでは2014年3月、3DSでは2017年8月から配信されている。基本的にはSFC版とほぼ同内容だが、問題点でも述べた映像表現が若干修正されている。

スマートフォン版

  • 2013年3月28日配信。GBA版基準の移植でグラフィックが高解像となっており、キャラドット絵やUIはスマホ版FFレジェンズのようになった他、新たにオート戦闘と斜め移動が出来るようになっている。
    • システム自体にテコ入れが入っているため、GBA版までの攻略法が使えなくなっている物がある。またダメージ計算の調整が入り、一部のステータスにおいて100以上の値も正常に計算されるようになった(SFC~GBA版は99扱いだった)。
    • それに伴い、100以上の魔力を設定されていた一部のボスは魔法攻撃の火力が大幅に上昇している。一方、プレイヤー側も「力・魔力・素早さの歌」等の強化上限が255まで上昇している。

Win(Steam)版

  • 海外でのみSteam経由でWin版も配信されている。内容はスマートフォン版準拠の移植。
  • 日本の公式ストアからは残念ながら購入出来ない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)。当然ながら日本語非対応。

ピクセルリマスター

  • 2021年11月11日配信。ピクセルリマスターシリーズ共通のゲームエンジンで作り直されているため変更点が多い。GBA版の追加要素が収録されていない。

ケータイアプリ『ファイナルファンタジーレジェンズ 光と闇の戦士

  • 2010年9月から配信。本作とは直接の関連は無いが、ジョブチェンジやアビリティといったシステム面等、本作からの要素が非常に色濃い作品。
  • 後にスマートフォン版も配信されている。

余談

エンディング分岐・およびそれに付随するバグ

+ ネタバレのため隠し
  • 本作は最終ボスを倒した時のパーティーの状態によってエンディング内容が変化するマルチエンディングを採用している。
    • 具体的にはパーティーメンバーが「戦闘不能・石化・ゾンビ」のいずれかだった場合、そのキャラはラスボスを倒した後に力尽きてしまう。そのため、エンディング開始時は生き残った者だけで進むことになる。
    • 生き残ったメンバーによってメッセージや展開が微妙に変化するため、組み合わせによって多くのパターンを見ることができる。
    • ただしエンディングの内容自体は大筋では同じで、マルチエンディングというほど大きな違いがあるわけではない。パーティの状況に応じてエンディングに至るまでの流れが変わるという程度。
    • 何パターンも存在するエンディングが最長で20分と長いために、全パターンのエンディングを見ようとすればかなり時間がかかる。そのため、ゲーム雑誌の投稿の中には「これが苦痛」というユーザーもいたらしい。
      • ただし上記の通り些細な変化なので、「全部見る」という楽しみ方は想定外であろうと思われる。
  • 特殊なエンディング分岐のためか、フリーズ等に繋がるクリア不能バグがいくつか存在する。各バグの詳細はFF辞典も参照。
    • 【薬師バグ】:主人公(バッツ)以外の誰かのジョブを薬師にした状態で、ラスボスを倒すとエンディングでフリーズする。当時は公にならなかったため混乱もなかった。
      • 見た目がパッとしないせいで薬師の人気がなかった、アビリティは優秀だがジョブ性能は弱かった、エンディングを何度も最後まで見る人は少なかった、たとえ起きても再現性のあるバグだとは気付かなかった…といったことが原因と言われている。バグとして知られるようになったのは2005年頃。
    • 【相打ちエンディング】:他の3人が戦闘不能の状態で残った一人がクイックを使用し、その時間停止効果中に自爆を使ってラスボスと相討ちになって倒した(ラスボス撃破と全滅を同時に起こした)場合、何故か倒した扱いになり全員が死んだままの状態でバグエンディングが進み、エンディング途中の戦闘シーン風に覚えたアビリティの紹介時に「全滅した」の文字とレクイエムが流れてエンディングが止まってしまうというバグもある。
      • こちらは意図的に狙わなければ起こらない。
    • 【エクスデス窒息死】:沈んだウォルスの塔内に壁抜けして強引に脱出できる箇所があり、これを使用して脱出するとタイマーが継続されるバグがあるのだが、このタイマーを残したままラスボスまで行きタイマーを0にすると強制的に勝利してエンディングが始まってしまう。そのままエンディングは通常通り進行するのだが、途中の戦闘シーン風演出の場面で突然BGMが早回しになった後、ゲームがリセットされてしまうため「THE END」は拝めない。
      • こちらも意図的にやらない限りは発生せず、また上記2つとは違いフリーズ自体は起こらない(ただしクリアはやはりできないのだが)。当時雑誌等で裏ワザとして紹介されていたので、それなりに有名な技。

キャラクターデザインについて

  • FC・SFC時代の『FF』シリーズといえば天野喜孝氏のデザインで知られるが、プレイヤーキャラに関しては本作ではゲーム中に一切、天野絵は使われていない。代わりにパッケージや説明書を飾っていたのは、渋谷員子氏のデフォルメ絵。
    • ゲーム中に天野要素が薄い『III』ですらパッケージやカセットに大きく双剣の戦士が描かれていた
      • ただし、タイトルバックの飛竜や一部モンスターグラフィックは天野絵が反映されており、これまでの『FF』シリーズと違和感があるということはない。
    • 他のシリーズにも言えるが、天野絵とドット絵のデザインに乖離がある。たとえば、天野絵では銀髪だったバッツがツンツン頭の茶髪になったり、金髪だったレナがピンク髪になったりなど、デフォルメキャラに準拠したドットデザインとなっている。
    • これは、ドット絵2Dグラフィック制作における制約も絡んでいると思われる。限られたドット・配色でわかりやすい形や色遣いに表現しなければならないため、原画を基に適度にデフォルメを施した上で描画しなければならないためである。
    • 本作では天野絵が前面に出なかったことも影響し、プレイヤーはドット絵&デフォルメデザインのほうが大きく印象に残ることになった。
      • このデフォルメ絵のおかげでキャラクターの取っつきがよくなったという意見もあり、特にジョブごとのイラストはキャラの個性をよく表していた。
    • 一応攻略本では天野絵も使われていたが、雑誌記事や冒険ガイドブックなどではやはりデフォルメ絵を押し出していた。
      石塚祐子氏が攻略記事で描いていたイラストもドット絵の方がベースで、印象に残った人も多いだろう。
    • 上記の要因により、天野絵を再現したPS版CGGBA版の顔グラフィックスマホ版の顔グラフィックなどが、元となった天野絵をベースにしているにもかかわらず「似てない」「誰?」等と言われる事態になってしまった。
      • ディシディア ファイナルファンタジーのバッツは、天野絵をベースにしつつも髪型やカラーにおいてある程度ドット絵を意識したデザインになっている。
      • 後に『ディシディア デュオデシム』にて、渋谷版バッツの衣装がサードフォームで登場。これに歓喜した『V』ファンは非常に多いと同時に、衣装のシンプルさから他の面子と比べてかえって浮いてしまうためか「これなら天野版にしても仕方がない」と納得した人もいた様子。
      • 後に配信されたスマートフォン用RPG『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』では、ガラフ、ファリス、クルルは天野版ベース、遅れて登場したレナはバッツ同様、天野版と渋谷版の中間デザインとなっている。
      • ワールド オブ ファイナルファンタジー』でも『V』のキャラが登場するが、こちらは渋谷版のデザインとなっている。『VI』のキャラも同様。

その他

  • 神話で軍神として名高く、本シリーズではIII以降、召喚獣として活躍してきたオーディンだが、本作でついに彼の本来の武器グングニルを手にすることになる。
    • これまで登場したオーディンはいずれも斬鉄剣のみでグングニルは使わなかった。*24
      • ただ実際には上記の通り「斬鉄剣が発動できなかったときのハズレ補填」という位置付けでしかなく「出ればガッカリ」という扱いになってしまったのは残念ではある。
  • 『V』以後、本作の裏ボスはともにRPG界隈におけるラスボスよりも強い隠しボスの代表的な例となり
    チョコボの不思議なダンジョン」シリーズにも出演し、ラスボスを上回る戦闘力を見せつけた。
    • スクウェア製RPG『ライブ・ア・ライブ』には、これらのオマージュと思われる隠しボス「岩間さま*25」「魔神竜之介*26」が登場。
    • FFナンバリング作品でものちに、裏ボスの名を冠する隠しボス「オメガウェポン」が登場する。
  • 本作で登場したブレイブブレイドは、前々作のブレイクブレイド(徐々に石化という本作での「魔法剣ブレイク」に似た効果)と名前がそっくりで効果を誤解されやすい。
    • 先んじて魔法剣ブレイクの便利さを知っていたプレイヤーは前々作のそれと混同して「攻撃力はゼロでも石化が付いてくるならいいや」と選んでしまったというケースもあっただろう。
  • 本作は海外ではSNES版(日本のSFCに相当)が発売されなかったためにPS版で初登場したのだが、その際に主人公の名前が「Butz (バッツ)」から「Bartz(バーツ)」に変更されている。理由は、Butzと同音である「butts」の意味が「お尻」になるため。
    • DFFUTの英語音声でもバーツと発音されている。
  • 開発当時はスクウェアのロゴの過渡期であったようで、パッケージとタイトル画面でロゴが統一されていない(パッケージおよび説明書は新ロゴでタイトル画面は旧ロゴとなっている)。
  • 『Vジャンプ』にて本作をベースにしたギャグマンガ『チョコチョコボンボン』が連載された。最終回で隕石が落下するため、前日談なのだろうが作中でなぜか竜騎士になっている場面がある。ギャグマンガだから深く考えない方がいいかもしれないが。
    • 物語後半では当時最新作扱いだった『VI』のキャラが登場。単行本の描きおろし漫画には『VII』のキャラも登場する。
  • 危険性が高いバグが存在するものの、発生条件が複雑なものが多いため通常のプレイで遭遇する可能性は低い。
    • 「ジャンプ」か「かくれる」中に戦闘不能になり、その状態から「そせい」で復活するかゾンビ状態になると、その戦闘中は大半の行動でフリーズするようになる。
    • HPが1になると同時にスリップダメージでHP0になり、さらに「カウンター」か「まほうバリア」が発動すると、スリップダメージ以外の戦闘中の時間が進まなくなる(逃走は可能)。
    • 「ちょうごう」を使用すると、その戦闘中は「れんぞくま」の一番目の魔法の効果対象が二番目の魔法の効果対象を参照するようになる。この時にディスペルかホーリーが全体に掛かるとフリーズする。
    • 戦闘中にアイテムとして使える武器を使用し、その行動を「ものまね」した場合、ものまねした側は現在装備中の武器を使用するが、効果対象はものまねされた側のままになる。
      • 効果対象が全体になる武器(炎・氷・雷のロッド等)を使用し、その行動をものまねする側が光の杖(ホーリーの効果)か裁きの杖(ディスペルの効果)を装備していた場合はフリーズする。
    • 「クイック」の効果中に何らかの理由(スリップダメージや戦闘不能等)で使用者のターンが中断されると、パーティーの装備品が変化するなど様々な現象が起こる。
    • ゾンビ状態で「サークル」を喰らうとフリーズする。
    • ゲーム進行不能になるバグもあり、その状態でうっかり上書きセーブすると絶望である。
      • ギードの祠などチョコボに乗ったまま入れるダンジョンに飛空艇で着陸するとそれ以後飛空艇が使えなくなりゲーム進行不能。これは発売数日でゴールデンタイムのニュースでも取り上げられ、ある意味『FF』が国民的RPGにようやくなれた瞬間でもあった。その後、『FF』発売日の行列が朝ニュースで実況される様になっていった。
      • 一部のダンジョンでテレポを使うと変なところにワープし、場合によってはゲーム進行不能となる。
        テレポのバグに纏わるものとしては「ケルブの村」でも何故か使えてしまう。効果自体は「ダンジョンの入り口(フィールドでのシンボル上)に戻る」というもので、ケルブの村はテレポが使えるとはいえダンジョン扱いになっていないため最も直近に入ったダンジョンに対応してしまう。そうなると乗物に乗れなかったりして詰みに直結する場合がある(ケルブの村まで徒歩で移動できる場所なら戻るのがちょっと面倒臭い程度で済む)。
        ムーアの大森林が火災になった直後のモーグリの住み家の地下室でテレポを使うと何故か北にある洞窟(カトブレパスが出現する森の近く)に出てしまう。洞窟の反対側にある潜水艇のコクピットに来てもマップ上で潜水艇はそこにはない(ムーアの村付近に停泊している)ので動かせず、外にも出られないのでコクピットに閉じ込められ詰みとなる。
    • 仕様の穴としては、ガラフとエクスデスの一騎討ちの場面で、ガラフが癒しの杖を装備してバーサク状態になるか、HPが0の時に素早さの歌を歌うと戦闘が終わらなくなるというものがある。
  • 他メディアへの展開
    • OVA『ファイナルファンタジー』
      • 1994年発売。本編の200年後を舞台とした外伝作品。シリーズ初の映像化作品であると同時に事実上シリーズ初の続編作品。
      • バッツの子孫であるヒロインのリナリーと、その幼馴染である主人公の少年プリッツをメインに、ミドの幽霊等の力を借りてクリスタルを守り、破壊神デスギュノスに立ち向かう。
      • ゲームと比べて知名度は低く、世界観や設定が大きく変化したため原作ゲーム版から内容がかけ離れすぎて*27おり、ゲームとは大きく異なる世界設定やキャラクター造形から原作ファンからの評価はあまり芳しくはない。
      • 一方で主要人物には松本梨香氏や皆口裕子氏、平野文氏に千葉繁氏などかなり豪華な顔ぶれの声優陣が名を連ねている。
      • アニメーターの金田伊功氏(故人)のクレジットもあり、本作以降のスクエニ作品に関わっていくきっかけになった作品でもある。
  • ゲームソフト発売前にシングルCDをリリース
    • 『IV』ではBGMをフルに収録したCDをゲームソフト発売前にリリースしたが、『V』はシングルCDで一部の曲を厳選してリリースされた。
      • 『IV』までは「メインテーマ」と題された曲はフィールドマップ曲だったのだが、今回から?はフィールド曲は別で「メインテーマ」とされた曲はタイトルデモ曲であった。先にCDを購入した方は、この曲をフィールド曲と思ってしまった方も多かった。
  • 広告にエンディングシーンを使う
    • 雑誌広告であるが、発売されてまだ間もないファミ通に「チョコボに3人が乗って疾走するカット」を使った広告が掲載された。エンディングシーンは通常ふせるものだが、珍しいケース*28である。
    • タイアップしたジャンプで発売前の読者人気が低く、原因としてビジュアル的に弱かったことが挙げられている(外部リンク))。ビジュアル的に映えるシーンがあるなら、広告に使うのは理に適っている。