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ポケモンレンジャー - (2013/10/22 (火) 22:13:09) の編集履歴(バックアップ)


ポケモンレンジャー

【ぽけもんれんじゃー】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
開発元 HAL研究所
発売元 ポケモン
発売日 2006年3月23日
定価 4,800円(税込)
レーティング CERO:A
ポイント ポケモンを「ゲット」ではなく「キャプチャ」する新感覚
本編ボリュームが不足気味
マナフィ配信のためのソフトとも
ポケットモンスターシリーズ関連リンク

概要

フィオレ地方での冒険を描くポケモンシリーズ外伝。
本家と異なり、ポケモンを「ゲット」するポケモントレーナーではなく、ポケモンを「キャプチャ」するポケモンレンジャーが主役である。

システム

  • フィオレ地方は、自然との共存を昔から推進しており、ポケモンを手元に持ち続ける「トレーナー」という職種がほとんどおらず(皆無ではないようだが、ゲーム中には出てこない)、その代わりポケモンの力を一時的に借りる「レンジャー」という職種が一般的である。主人公(男女選択可能)が見習いレンジャーとしてフィオレ地方に降り立つところからストーリーは始まる。
    • レンジャーは「スタイラー」という道具を用いてポケモンを「キャプチャ」する。キャプチャしたポケモンはレンジャーと共に行動し、力を貸す。ここまではトレーナーと同じだが、あくまで一時的に行動を共にしているだけなので一度力を借りるとそのポケモンは本来の住み家に帰り、生息地を大きく離れて連れ歩くこともできない。
      • ところでこの設定、ポケモンシリーズ初期から言われていた「野生生物を無理矢理痛めつけた上で拘束具で縛り上げ、動物同士の死闘を強要させている」というツッコミに対する自虐ともとれるのだが…。
  • キャプチャの手順は以下の通り。
    • ポケモンに接触する。本作はシンボルエンカウントを採用しており、まずはポケモンに接触しないとキャプチャできない。中には動きが速かったり逃げ回ったり攻撃してきたりで、この時点で苦労するポケモンもいる。
    • キャプチャがスタートすると、下画面に相手ポケモンが出てくる。このポケモンをポケモンごとに定められた回数タッチペンで「囲む」とキャプチャ成功となる。
    • もちろん相手ポケモンも無抵抗ではなく、動き回ってキャプチャラインに触れるとその時点で囲んだ回数がリセットされてしまう。さらに獰猛なポケモンの場合、積極的にこちらに攻撃してスタイラーにダメージを与えることがある。スタイラーの耐久力がなくなるとゲームオーバー。
    • キャプチャ中は連れているポケモンの力を借りてキャプチャを楽にすることができる。例えばほのおならラインから火が吹き出てポケモンを驚かせて動きを止める、かくとうなら囲んだ回数が2倍としてカウントされるなど、タイプごとに効果が決まっている。もちろん、力を借りたポケモンは帰ってしまう。
      • 本編同様タイプごとに相性があり、相性の良い相手には良く効くが相性の悪い相手には全く効かない。
    • キャプチャする度に経験値が入り、レベルアップするとスタイラーのHPとラインの長さが延長される。
    • マップ上には様々な「ターゲット」という障害物が存在し、これを攻略するためにポケモンの力を借りるのが基本になる。

評価点

  • 新感覚の「囲む」アクションゲーム。「新しいアクションゲームとは、新たな動詞を考えること」という田尻智氏の思想に則った開発コンセプトだと言える。
    • 「囲む」というアクションは最初から最後まで共通なのだが、ポケモンごとに全く異なった動きを見せ、単調さはほとんど感じない。
      • 例えばスイクンは分身してれいとうビームとおぼしきレーザーを放って邪魔してくる。…分身するなんて設定あったけ?かげぶんしんとれいとうビームは覚えるけど…。
      • 大体タイプごとに行動の傾向は決まっている。はがねタイプのハガネールは目立った妨害はしてこないが、単純に身体がデカく囲まなければいけない回数も多いなど。
  • ポケモンの動きが非常に細かく、見ているだけでも結構面白い。
  • クリア後は各地にまだキャプチャしていないポケモンが多数追加され、さらなるやりこみが可能。

問題点

  • タイプごとの格差。
    • でんきタイプの技の効果は「スタイラーを充電してHP回復」。実質薬草かポーションか、本編風に言うならきずぐすりのような扱いであり、もちろんいなければ突破できない仕掛けなどもなく、微妙に扱いが悪い。
      • いまや押しも押されぬ最人気ポケモンであるピカチュウですら、実質バッテリー扱いである。いなきゃボス戦が地獄なので、ボス戦前に無理矢理キャプチャされることが多いのもまた哀愁が漂う…。
      • なお、この特性故かでんきポケモンはいずれも異様にキャプチャが簡単。1~2回囲めばキャプチャでき、攻撃頻度も低い連中が多い。
    • ゴーストタイプはゴース系列ぐらいしかおらず、いわタイプもイシツブテ系統程度。一方で3世代までの御三家が全参戦している関係上、ほのお、みず、くさなどは非常に数が多い。
  • 本編のボリュームが不足している。
    • どれだけ手間取っても10時間はかからない。町もたった4つしかなく、本家ポケモンに比べると極端に薄い。
      • 本編中はメインイベント以外のサブイベントが一切存在しないのも手狭さを感じるところ。
      • ミッションをクリアしていくとレンジャーランクという物が上がっていくが、普通にストーリーを進めるとホイホイ上がっていくので頑張って上げている感覚が少ない。
      • 主人公のライバルポジションとなるキャラ(性別を決定する際、選択しなかった性別のキャラがライバルとして登場)はいるものの敵にやられてばかり(しかも大概はセリフで済まされる)でボスキャラとの対決などでも棒立ちと役立たず同然。パートナーとして連れているプラスルとマイナンが協力するシーンは皆無。敵の足止めをするなど役に立つのは続編の話。
    • 一応クリア後の全ポケモンキャプチャが目標になるが、ここでも悪名高きポケモン商法は健在である。
      • 映画の前売り券を買っておかないと、デオキシスがキャプチャできない。もちろんこのイベントは現在では終了しているので現在正規の手段でのコンプリートは不可能である。
      • さらにこのイベントでマナフィの卵を手に入れることが可能。ダイヤモンド/パールに送ればマナフィを手に入れることが出来るが…。
    • 相変わらずのポケモン商法は健在である一方、「ポケモンレンジャー」同士での通信や対戦などの要素はないのでキャンペーンが終わった今となっては単なるキャラゲー。

総評

タッチペンの機能を活かした新しいシステムを作り出し、ポケモンの力を「借りる」という発想も良かったが、やや練り込みが足らない印象。
とはいえ完成度は決して低くはなく、ポケモンとふれあう感覚も他の作品ではなかなか味わえないものである。
それなりに人気はあったのか、『ポケモンレンジャー』のタイトルでは合計3作発売されている。

余談

  • パッケージにリザードン、ボーマンダ、キングドラ、フライゴンという妙な取り合わせの面子が描かれているがこの理由はシナリオを進めるとわかる。
    • 一応本家ポケモン的に言うとドラゴンタイプ繋がりではある(正確にはリザードンはドラゴンじゃないが)。