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マリオゴルフ64 - (2016/01/07 (木) 22:24:56) の編集履歴(バックアップ)


マリオゴルフ64

【まりおごるふろくじゅうよん】

ジャンル スポーツ(ゴルフ)
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 256MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 キャメロット
発売日 1999年6月11日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年9月30日/1000Wiiポイント
【WiiU】2015年9月2日/1,028円
判定 良作
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

マリオキャラクターと対戦したり、マリオキャラクターを使ってプレイできるゴルフゲーム。(公式ページより抜粋)
振動パック・64GBパックの両方に対応している。64GBパックを使い『マリオゴルフGB』と連動させる事で、GB版で育成したキャラクターを本作においても使用可能*1

尚、本頁の説明ではゲームジャンルの都合上、ゴルフ用語を多用する。
できれば事前に検索するなどして、ゴルフに関する基礎的な知識を頭に入れた上で閲覧することを推奨しておきたい。

特徴・システム

+ ゲームモード一覧
  • トーナメント(1人用)
    • トーナメントコースを選び、ホールを順番にプレイしてライバル(COM)たちと総合スコアを競うモード。
      • 各ホールでバーディ以内のスコアを出すと「バーディバッジ」が入手できる。このバッジを集めることで隠しキャラクターが登場する。
  • キャラゲット(1人用)
    • 対戦相手のキャラクターを選び、1対1で対戦するモード。
      • シルエットで表示されたキャラクターに勝利すると、そのキャラクターをこのモードや「トーナメント」などでプレイヤーキャラクターとして選べるようになる。
  • リングショット(1人用)
    • ホール内にセットされたリングにボールを通し、そのホールを規定打数以内でクリアするモード。
      • ホールをクリアすると「スター」が入手できる。この「スター」を一定数集めることで次のコースで遊べるようになる。
  • スピードゴルフ(1人用)
    • できるだけ短い時間でコースを回り、18ホールすべてのプレイを終了した時点のタイムとスコアを競うモード。
    • プレイ開始と同時にタイムカウントが始まり、1ホールごとのクリアタイムの合計が最終成績となる。
  • トレーニング(1人用)
    • 好きなコースとホールを選び、自由にショットやパッティングの練習をするモード。
      • ポーズメニューで天候や風力などを変更することも可能。
  • マッチプレイ(2人用)
    • コースを回り、各ホールで打数を競うモード。
    • 1ホール毎に打数が少ないプレイヤーがポイントを獲得する。
      • 負けているプレイヤーが残りすべてのホールで勝っても追いつけなくなった時点でプレイ終了となる。
  • スキンズマッチ(2~4人用)
    • 「マッチプレイ」の複数プレイ版モード。
    • 「マッチプレイ」と同じく、各ホールでもっとも打数が少ないプレイヤーがポイントを獲得する。
    • 最少打数のプレイヤーが複数いる場合は、ポイントが次のホールに持ち越される。
      • ただし「マッチプレイ」と異なり、コースをすべて回り終えるまでゲームは終了しない。
  • クラブスロット(2~4人用)
    • 各プレイヤーがホール開始時にスロットマシンを操作し、使用するクラブを決定するモード。ルールは「スキンズマッチ」と同じ形式。
    • スロットは左のドラムでウッド系のクラブ、中央のドラムでロングアイアン、右のドラムでショートアイアンのクラブを決定する。
      • ☆が3つそろうと、すべてのクラブを使うことができる。
  • ストローク(1~4人用)
    • 任意のコースを選びホールを順番にプレイしてスコアを競うモード。
  • パターゴルフ(1~4人用)
    • 壁に囲まれた専用のコースを使い、パッティングでのみプレイするモード。
    • このモードでは1ホールを9打数以内でクリアできないとギブアップになる。
  • 使用キャラクターは基本的に「キャラゲット」モードでシルエット表示されたキャラクターに勝利する事で、コースは各プレイ後にもらえる「コースポイント」を一定数溜める事で追加される。

評価点

  • 従来から変わらない安定したゲームシステム
    • 現在では定番となっている「タイミングでショットのパワーとインパクトを決める」システムであるため、特殊な操作は少なく、すぐにゲームに慣れる事ができる。
    • パワーが最大の時とタイミングが丁度の時に効果音が鳴るので、ナイスショットが出しやすい。
  • コントローラー回りの利便性
    • ショットのパワーを決める前にBボタンを押すとショットをキャンセルできる。
    • Zトリガーボタンを押しながら3Dスティックを倒すと、ショット前にボールを打つ場所を変更可能*2。これによってボールの弾道を調節し障害物を避けたり、トップスピン*3やバックスピン*4を使い分けることができる。
    • 十字ボタンでも方向が変えられるため、細かく方向を変えたい時に便利。
    • パッティングの時にキャラクターが透明になるので、視点を変えなくてもパットが打ちやすい。
  • 対戦回り
    • 1つのコントローラでも、複数人プレイが可能。
    • 同キャラ対戦もできる。特定のキャラクターに対するこだわりさえ無ければ、能力差を気にせず公平な条件で対戦可能。
    • ノーマルキャラとスターキャラの区別が無いので、複数人でプレイするなら最初から飛距離のあるキャラクターを使う事ができる。
    • キャラクター選択画面でC、L、R、Zの各ボタンを押しながら決定すると設定や色が変更可能。(Rは複数プレイ時、COM操作にできる)
    • COMキャラクターの思考時間がかなり短く、ゲームテンポはなかなか良い。
  • ゲームモード
    • 1人でも複数人でも楽しめるように、ゲームモードが充実している。
      • 特に、スピードゴルフ*5はこれ一つで長く楽しめるモードとなっている。
  • やり直しがきく仕様
    • 救済措置なのかは不明だが、一時中断セーブをおこなうとそのホールの最初からやりなおせる
      ゲームに詰まった場合これを有効活用する事で、困難な状況を乗り越えられる可能性がある。
    • なお、セーブせずにクリアするとスコアボードに☆マークがつくが、コースの途中で中断セーブを行うと○マークがつくようになっている。
      クリアには全く関係無い要素なので気にするか気にしないかはプレイヤー次第。
  • BGM
    • 桜庭統作曲のBGMの完成度が高く、曲を聞いてるだけでも楽しめる。
    • ドラムやシンバルの音が目立たない曲調のため、プレイに集中しやすい。
  • オリジナルキャラクター
    • マリオシリーズだけでは人間系のキャラクターが不足していたためか、このゲームのオリジナルキャラクターが5人登場している。
    • 所詮は穴埋めキャラだからか彼らは3Dイラストでは描かれていないが、とある攻略本における漫画では主人公ポジションに置かれている。
      • その中でもオープニングに登場しているプラムは人気と知名度が高く、GB版ではゴルフ用語の解説役として登場していたり、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは彼女のフィギュアやシールがあったりもする*6
    • 後のパーティゲームでは「マリオファミリー」に属する人間系キャラクター*7を増やしたり、人間体でない敵キャラクターもプレイヤーキャラクターとして使うようになったため、本作のような完全なオリジナルキャラは作られなくなった。現実のプレイヤーに近いルックスは、ある意味Miiの先駆けとも言える。
+ 登場キャラクターについての解説。キャラ毎の飛距離はヤード表示
  • プラム
    • オリジナルキャラクター。ツインテールでちょっとぶりっ子的な可愛いしぐさが特徴の少女。1人用でも最初から使える。208yで低めのストレート。
    • 非力なため全キャラクターの中で最も飛距離が短いが、ミートエリア・コントロール性能が最も高く、最初からいるキャラクターの中では最も使いやすい。
  • チャーリー
    • オリジナルキャラクター。しゃれで始めたゴルフにとっぷりはまってしまった少年。厚い唇が特徴。1人用でも最初から使える。210yで低めのフェード*8
  • ピーチ
    • ミニスカート姿になったお馴染みの姫。1人用でも最初から使える。212yで高めのストレート。飛距離は出ないが、コントロールはプラムやチャーリーに次いで良い。
  • ベビィマリオ
    • 実は大人版との共演は本作が初。1人用でも最初から使える。215yで高いドロー*9。赤ちゃんの割に飛距離が伸びるのは大人版の影響か?
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すとボールが炎を纏って飛んでいく。
  • ルイージ
    • 本作から声が低くなった毎度お馴染み緑のヒゲ緑の人気者。220yで低いフェード。地味にキャラゲットでは最初の相手。
    • パーをとっても満足ではなさそうな顔をする。ボギー以下の際に見せるリアクションは、ある意味必見。
  • ヨッシー
    • 毎度お馴染みスーパードラゴン。230yで普通のストレート。バランスが良く性能が高いため使えるようになると心強い。
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すと虹を描きながらボールが飛んでいく。
  • サニー
    • オリジナルキャラクター。明るく気の良いおじさんゴルファーだが、こう見えてなかなかの理論派。240yで高いドロー。
  • ワリオ
    • お馴染みマリオの自称ライバル。250yで低めのフェード*10だが、ほぼドンキーコングの下位互換。
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すとボールが雷を纏いながら飛んでいくが、このエフェクトが原因で使いづらくなっている。
      • GB版では説明書や公式サイトでシルエットになっているが、どう考えてもバレバレで、果てには自分からワリオであると宣告する始末。
        しかもオープニングでも普通にカットインがある。
  • ハリー
    • オリジナルキャラクター。「自分のゴルフをすれば勝てる」が持論の自信家。そのためかパーをとっても不満そうな顔をする。260yで高いドロー*11
  • マリオ
    • 毎度お馴染み我らのヒーローだが、今回はキャラゲットにおいてクッパの前哨戦の相手として立ちはだかる。
    • だが性能は270yで何故か高めのドロー。主人公がこんな性能でいいのか*12
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すとボールが炎を纏って飛んでいく。
  • メイプル
    • 隠しキャラクターで、オリジナルキャラクター。帽子を被った女の子。
    • 245yで高いストレートと、隠しキャラクターにしては飛距離が無いが、コントロールは良い。
  • ドンキーコング
    • まさかの隠しキャラクターになった、毎度お馴染みのゴリラ2代目。275yで低めのフェード。
    • 実はハリーやマリオと比べてコントロールが良い。更に、スピードゴルフで最も良いタイムを出しやすいキャラクターとしてその名を挙げられる。
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すと虹を描きながらボールが飛んでいく。
  • クッパ
    • 隠しキャラクターにして、キャラゲット最後の相手として立ちはだかるお馴染みの大魔王。280yで高めのドロー。
    • 最高の飛距離を誇るが、アイアンやウェッジでの曲がりがきつく、マリオ以上に極端。
    • キャラゲットで対戦した時のあまりの強さは有名。当時匙を投げたプレイヤーも多いのではなかろうか。
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すと轟音を上げながらボールが飛んでいく。
  • メタルマリオ
    • 海外版のみに登場する隠しキャラ。その名の通り、メタル化したマリオ。
    • トーナメントモードでバーディ以上のスコアを出すと手に入るバーディバッジを108個、即ち本作中の全ホールにおいて獲得すると使用可能になる。
    • 飛距離はクッパをも凌ぐ285yと全キャラ最強。しかし弾道は高いドローで上下の打点変更の影響が大きいので使いこなすのは難しい。
    • 1W~4Wでパワーショットを使用してナイスショットを出すとボールが炎を纏って飛んでいく。
    • 1999年に行われた「任天堂公式第1回ファミ通トーナメント」優勝者には、賞品としてメタルマリオが登場するマリオゴルフ64が贈られたという。

問題点

  • ゲーム内で表示されるキャラクターの能力値
    • 表示される能力値は「飛距離」と「持ち球」だけ。肝心の「ミートエリア」「コントロール性能」については、実際に触って確かめる必要がある。
  • キャラクターに関する問題
    • 対戦では最初から全キャラクターが使えるが、1人用モードで初期に使えるキャラクターの数は4人のみ。1人用で他のキャラを使いたければ、キャラゲットモードを勝ち進んでいく必要がある。
      • その1人用のみの隠しキャラクターには、マリオシリーズを代表するルイージ、ヨッシー、ワリオ、マリオの4名まで含まれている
      • 本作でのマリオは設定上飛距離が出るため仕方が無いのだが、マリオのゲームとしてこれはどうなのか*13
    • また、キャラクターの違いによる能力差がかなり激しい*14。先述の通り、同キャラ対戦ができる為こだわりさえ無ければさほど大きな問題点にはならないのだが…。
  • 風が強い場面が多い
    • ボールの飛距離や方向に大きく影響を与え、実際の軌道を予測しづらくしてしまう「風が強い」場面がかなり多い。
      • 本作ではコースによる補正も無いため、最も簡単なコースであるキノピオランドでも7~9メートルの風が吹く可能性がある。
  • 後半コースの難易度
    • 後半の一部コースの難易度がそれまでのコースと比べかなり高い。慣れないプレイヤーが挑むと泣きを見る。
      • どうしてもダメな場合は一時セーブ機能を酷使すれば、無理矢理突破することもできない訳ではない。
  • 一部COMの意味不明な行動
    • キャラゲットモードにおいて、思考時間の短さのせいなのかCOMが意味不明なミスプレイをやってしまうことがある。
      • 状況にもよるが、明らかに残り距離計算ができていない感じの打ち方(暴走状態)をすることがある。思考LVが低めの設定となっているキャラクターに多く見られる。
      • その反面、思考LVが高い設定のキャラクターは妙にショットの精度が高く、一筋縄ではいかない強さを誇る。
    • ちなみに中断セーブ後に再開するとCPUが距離計算や軌道を修正してより正確なショットを打つようになる。
      • ただしスコア自体はあらかじめ設定されてるので、中断セーブによって難易度が変動したりはしない。
  • GB版との連動に関する問題
    • GBとの連動で連れてきたキャラクターは、電源を切るとキャラクター選択欄に残らない。この為、GB版キャラクター使用時には毎回連動する必要がある。
  • リングショットの難易度
    • リングショットモードの一部ステージの難易度がかなり高い。初心者にとっては手ごたえがあるというよりも骨が折れる類の難しさで、ある程度熟練したプレイヤーでも手を焼くステージまで存在する。
      • 但しリングショット攻略が出現条件に関わっているドンキーコングはその能力の都合上、リングショットを全てクリアできる程度の実力が無ければ使いこなせない。ある意味では仕方ないと言えなくもないのだが。

総評

後のマリオゴルフシリーズでは本作のシステムを基に様々な追加・改良がなされていることからも、本作の完成度の高さが伺える。
また、隠しコースや一部モード後半の難易度の高さもあって、熟練すればするほど更に楽しめる作品となっている。

1人用モードで最初からマリオを使えないという点はさておき、初心者から上級者まで幅広く楽しめるマリオシリーズの名に相応しい名作と言えるだろう。

余談

  • 現在Wii及びWiiUにてバーチャルコンソール版が配信されている。1,028ポイントで購入可能。
    • バーチャルコンソール版ではGB連動機能がオミットされている為、GB版で育成したキャラクターのピーキーな能力を体感できないのが残念なところ。