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スーパーペーパーマリオ - (2017/04/13 (木) 22:03:03) の編集履歴(バックアップ)
スーパーペーパーマリオ
【すーぱーぺーぱーまりお】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Wii
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発売元
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任天堂
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開発元
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インテリジェントシステムズ
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発売日
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2007年4月19日
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定価
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5,800円
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配信
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【WiiU】2016年8月3日/2,700円(税8%込)
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判定
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なし
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マリオシリーズ・関連作品リンク
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概要
『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』に続くペーパーマリオシリーズ3作目で、同時にWii初のマリオシリーズ作品である。ちなみにゲームのジャンルは前作と違いアクションアドベンチャー。
舞台がマリオ達の住む世界とは違う次元であるため、世界観も他のシリーズとは大きく異なる点が多い。
なお、前2作の小ネタは出てくるが、直接の繋がりは無い。
あらすじ
ある日キノコ城が襲撃され、またしてもピーチ姫がさらわれてしまう。
その知らせを聞いたマリオとルイージはクッパの仕業だと思い、クッパ城へ侵入。
しかし、クッパはピーチ姫について何も知らない様子。では誰がピーチ姫を?
その時、突如ノワール伯爵と名乗る謎の人物が登場。ピーチ姫は彼にさらわれたらしい。
直後、伯爵は異次元空間への入口を作り、クッパやその部下達、さらにはルイージまでをも吸い込んで行き、去っていった。
ただ1人取り残されたマリオは「アンナ」という蝶のような妖精に出会い、ピーチ姫を助けるため異次元の世界へと向かっていった。
システム
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基本システムを一口で言うなら、「紙(ペーパー)製のキャラを使ったスーパーマリオブラザーズ」と言える。基本は横スクロールアクションゲーム。アクションゲームだがRPG要素も残っており、敵は大雑把に「○発で死ぬ」のではなくしっかりHPが設定されている。
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本作では「スコア=経験値」でありスコアが規定の数値を越える毎にレベルが上がる。
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初代での裏技の代表格「無限1UP」を模した箇所も存在し、高スコアを稼ぐことができる…と思いきややりすぎるとスコアを逆に引かれる。
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レベルが上がるとHPなどが全回復する。100階ダンジョンなどでは重要な回復手段となる。
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当然「紙」らしい演出・システムも健在。
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収集要素として味方や敵キャラのカードを集める事が出来る。
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カードはカード屋で買える他、特定の場所で入手出来る。
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単なる収集要素だけではなく、雑魚キャラのカードは集めた枚数に応じてそのキャラに与えるダメージが増加する。
次元ワザ
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基本的に冒険中のステージは2Dだが、マリオ使用時のみ「次元ワザ」(ステージを2Dから3Dにチェンジさせる)が使える。
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3Dになったステージは敵も障害物もペラペラになって当たり判定が無くなる他、2D時は背景だったものが足場になったりする。
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3Dになっている間はゲージが減っていき、ゼロになるとマリオがダメージを受けるので連続使用はできない。
仲間
本作ではマリオ、ピーチ姫、クッパ、ルイージの4人を状況に応じて使い分けることができる。当然各キャラごとに特技が違い、使い勝手も全然違う。
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マリオ
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前述の次元ワザを唯一使える。能力的には可もなく不可もないと言ったところで、使う機会も多い。
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ピーチ姫
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傘でゆっくり降下するため、滞空時間が長い。傘は防御にも使える為、防御力は高い。但し足がマリオやルイージに比べて遅い。
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クッパ
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攻撃力2倍。炎を吐いて攻撃することもできるが、足が最も遅く、梯子が登れなかったりなど、機動性は低め。
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ルイージ
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スーパージャンプという攻撃力2倍の大ジャンプ攻撃が可能。通常のジャンプもマリオより大きく、そして滑りやすい。4人の中で加入がステージ7と最も遅い。
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スーパージャンプは下から敵をつき抜けてダメージを与えられる。
アンナ
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マリオ達の旅に同行することになる虹色をした蝶型のフェアリン。他のフェアリンと違い、常にプレイヤーに追従するため切り替える必要がない。
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『真実を見通す能力』を持つ。これは所謂『ものしり』の発展系のような能力でWiiリモコンを画面に向けるとスキャン画面に入り様々なものを調べることができる。
フェアリン
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冒険を各々の能力でサポートしてくれる妖精のようなもの。基本的に冒険の途中で仲間になるが、中には条件を満たさないと仲間にならないフェアリンもいる。性格、言動ともになんとも奇妙な奴らだが…。
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今までにもあった「ハンマー」「爆弾」などのアクションは彼らに依存することになる。
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詳細は後述するが、このただのお助けキャラに思えるこのフェアリンたちにも詳細な設定が存在する。
その他
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収集要素は健在。
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キャラクターデータは解析ではなく「カード」というアイテムの収集に変更、基本的にカードショップで購入するかどこかで拾うかして入手する。ちなみにマリオ達のカードを始め、前作のキャラクターのカードもある。
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初代からの収集要素でもある料理は今作でも健在。
敵キャラ「ザ・伯爵ズ」
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旧作キャラのように非常に魅力のあるキャラクターの集まりとなっており、人気も高い。
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一見ただのコミカルな連中にしか見えない彼らだが、それぞれ独自の行動理念・理想が存在し、それぞれに物語や設定が組まれている。またペーパーマリオらしいシリアスな面や裏設定もあり、ただの悪党の集まりではない。
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ちなみに、このザ・伯爵ズという名前はメンバーの一人のドドンタスだけが使っている名称なため、正式なチーム名と決まっているわけでもない模様。
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メインキャラ以外にサブキャラ・モブキャラも濃すぎるくらいしっかりキャラが立っており、ストーリーが進む毎にセリフも細かく変わる。
前作よりさらに増したシリアス度(もといカオス度)
前2作において既にマリオシリーズの中でも異彩を放っていたペーパーマリオシリーズだが、本作は前2作を遙かに上回るシリアスかつカオスな要素が満載。
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本作のテーマはずばり「愛」。この時点でマリオシリーズとしてかなり異質であることが分かる。
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さらにワールド毎に「オタク」「文明と自然の共存」「死後の世界」など様々に焦点をあてたシナリオが展開される。
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例えばフェアリン。元は古代の民によって造られた『生きた道具』生きているので自我を持ち自立行動ができ、各自固有の魔術的な能力を持つ(作中のサポート能力がそれ)。
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その実態は
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実は元人間。故に道具として扱われることに不満を持ったフェアリンたちが反乱を起こしたことがあった。
そのことに危機感を覚えた当時の人間の手によって、2度と逆らえないように手を施された。 彼らの発言、思考がファンキーでクレイジーで奇妙奇天烈なのは前述した通りだが、そうなってしまったのは要するに頭を弄られまともな思考能力を奪われてしまったからである。
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他、ザ・伯爵ズの面々やレギュラー以外のサブキャラクターの来歴や末路なども濃い。
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ただの一般人もアンナの力で調べると中々アレな過去が語られたりする。そのあたりは『マリオストーリー』からの伝統でもあるのだが。
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「コントンのラブパワー」なる暗黒エネルギーがこの物語の始まりを招く切欠となるのだが、そもそもこのゲーム自体が相当混沌としている。
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混沌具合の一例
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冒頭で仙人の所へ行き、次元ワザを教えてもらうのだが、その際「勇者だから武器や技をタダでもらえると思うな」と説教され金を要求される。
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借金まみれになり、地下王国のような場所で借金仲間達と拷問染みた肉体労働をするはめに。
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あるキャラが自身の偽物から逃げるために一時避難する。それはいいのだが、その避難場所がよりによって便器。しかもこのキャラは女性である(なので隠れる場所も女子トイレ)。
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その後、偽物と本物の区別がつかなくなったところで、本物を見分けるという名文でいきなりシリーズ恒例のクイズショーに移行。いくら恒例とはいえ…。
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なお、偽者の変身能力は完璧で、一見するだけではまったく本物と見分けがつかない厄介な代物なのだが、前述のように本物が便器に隠れていたことが伏線となって、本物を見分ける非常に分かりやすいヒントへとつながるという、あんまりなオチ。
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ステージ3-2途中で登場する超巨大ゲッソー。こいつの弱点は一本だけ色の違うゲソである。
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全くの余談だが、イカ系の生物の生態は結構変わっていて、雄のゲソ10本の内1,2本は交接腕と呼ばれる特殊なものになっている。ん?
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更に言えば、そのゲソを攻撃すると「そこはカンニンや」という結構アレな発言をする(初回のみ)。
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カメレゴン。本作最大の迷キャラクター。異常なまでに彼に関する描写が濃い。ピーチとのイベントはある意味本作のカオスさを象徴するイベントである。
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どういうキャラかというと、任天堂のキャラクターでは極めて異質な絵に描いたようなヲタク。ちなみに割と生産的なヲタクらしく、古城を改造して色んなロボットを作ったりもしている。
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その他彼の部屋には過去作の仲間キャラのグッズが並べられている。
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ボス戦前の会話は恋愛シミュレーション風になる。テキストもやたら多い選択肢にそれぞれあるあたり無駄に手の込んだ仕様である。
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なお、ゲームクリア後に会い行くと、とある重要な機能を復帰させてくれる。必ず立ち寄ろう。
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あるワールドでは突然宇宙に放りだされる。酸素が無いので金魚鉢をかぶって宇宙へ……
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さらにその宇宙にある公衆便所では紙が切れて立ち往生したまま数百年そこで過ごすはめになったキャラが登場。しかも、いざ便所から出てきてみれば、そもそも便所という施設自体を必要としそうにないキャラだったりする。
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一向に客が来ないコンビニが登場する(マリオの世界観ではその存在自体が十二分に異質である)のだが、その立地がこれまた宇宙。何故そんなところに…(店員も「そりゃこんなとこじゃ誰も来ねーよ」と言ってたりする)。
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ちなみにこのコンビニ、売り物がお菓子3種類だけ。普通の場所に店を構えたとしても客は来そうにない。
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終盤、とある中ボスに「いざ、往かん」とばかりに意気込んで勝負を挑んだら何故か戦闘がRPG風。
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ゲームの心得を教えてくれる一般人に「困った時は人に聞け」「それが駄目なら攻略本」「それでもダメなら売っちまえ」と言われ、終いには「つまらないゲームをやるのは時間の無駄」と言われる。クソゲーに対する批判だろうか?
…さすがに本作に対する自虐ではないと信じたい
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ちなみに他にも「攻略本を買え」と言う人がいたりする。宣伝?
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本編攻略に必須ではないフェアリンを入手するためのサブイベントがあるのだが、途中「この面倒なお使いイベントを…ゲフンゲフン」というメタなセリフがある。
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もはやお約束の緑のヒゲ。スタッフも相当お気に入りなのか
可愛がりに磨きがかかっている
劇中での描写が濃い。
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過去のペーパーマリオシリーズではそこまで酷い扱いを受けていなかった。ルイージがとにかく酷い扱いをされるのはマリオ&ルイージRPGシリーズの方であったのだが、そちらのノリがこちらに
より凄まじい扱いになって
輸入された格好である(マリルイと違ってこちらはルイージが喋るということも)。
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ただし、敵を踏んで倒すというシステム上、ジャンプ力が高くスーパージャンプも可能なルイージはマリオよりは使い勝手が良い。その点では優遇されている。
と、これだけでは半分にも満たないほど。
この重いんだか軽いんだかわからないシリアスなストーリーとカオスな要素が新たに熱烈なファンを生み、同時に旧作のファンからは首を傾げられることになった。
難点
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相変わらず移動のテンポが悪い。
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移動速度を上げるフェアリンもいるが、入手するには100部屋ダンジョン(表)をクリアしなければならず、中々面倒。
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ステージ2-1クリア後に100部屋ダンジョンに入れるようになるため、頑張ればすぐに入手できる。しかしその間にレベルアップしすぎて本編がヌルくなる恐れもある。
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これまで同様、近道の土管はあるが、街中の移動にしか使えない。
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4人のキャラを操作できるが、クッパが強力すぎて他のキャラが移動時くらいしか使えない。
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冒険中手に入る「ミニみ」というフェアリン(操作キャラを小さくする能力を持つ。小さくなっている間は敵に気付かれない。)を使って火炎放射をしているだけで簡単に雑魚を倒せてしまう(具体的には小さくなる→敵にある程度近づく→火炎放射→炎に触れた敵が自滅)。
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しかしボス戦時に小さくなるメリットはほとんど無く、クッパでは進めない場所や倒しにくい敵も多く存在するため、「ミニみとクッパのみしか使えない」というわけではない。
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ちなみにボス相手にはクッパよりも浮遊して連続で踏めたり、ガードが出来るピーチの方が有利な事が多い。
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新規キャラクターの造形の好みが分かれる。
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異世界が舞台だからか全体的にカクカクした直線的なデザインが多く、丸みのある形をしたキャラクターは全体的に少ない。これだけでも本作の異質な雰囲気を占めているといってもいいぐらい。
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一方でノワール伯爵のように「カッコイイ」と好評なキャラもいる。
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いつものマリオのキャラクターはクリボーやノコノコなどのクッパ軍団を除きほぼ出てこない。冒頭でキノピオが出てくる程度。
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従来のシリーズに比べ金が溜まりにくく、物価が高い。
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特に攻撃アイテムの値段が跳ね上がっており、使うのが躊躇われる。
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敵を倒した際に出す金はだいたい0~4コイン。一方アイテムの値段は基本となるものでも30コインは下らない。
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ただ、きらめくパンジーさんを使って簡単に金を稼げる方法があり、それを使えば金には困らなくなる。
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仕掛けの演出が過剰で、若干イライラする。
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特にタワーに上るエレベーターの演出は長い割にカットできない。モドルドカンを使ってワープした方がエレベーターに乗るより早い。
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難易度が低い。
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敵の体力や攻撃力がかなり低く設定されており、道中に回復が多く配置されているため、よほどアクションが苦手でもない限りそうそう死ぬことはない。
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敵の攻撃力についてはステージ1~3あたりは攻撃力1~2、4~5は3、6~8は4程度。もう少し上げてもよかったのでは…
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また、後半は攻撃力が2倍になるアイテムが店売りで簡単に入手できるため、ボス相手でも瞬殺可能。
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ボスが全般的に弱い。
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前述したように従来のマリオにRPG要素が半端に残っている所為もあるのだが、HPが低く、それに加え無敵時間が無い為、割とすぐ倒せるボスが多い。
特にエルガンダーは演出とステージの都合上、輪をかけて酷いことになっている。一応HPは他に比べ高めに設定されているが、それでも状況的に足りていない。
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ドドンタス(3回目)やノワール伯爵のように比較的強い中ボスやボスもいるのだが、それでも大体ごり押しが通用してしまう。
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クリア後のやり込み要素が少ない。
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表裏含めた100部屋ダンジョンもモノノフ王国100人抜きも前述の方法で簡単にクリアできるため、達成感があまり無い。
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100部屋ダンジョン(裏)は2回クリアしないとボスと戦えない。初回は100部屋目にたどり着いても何も起こらず、もう一回ここまで来いと言われるのみ。
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100部屋ダンジョン自体の難易度は前作『ペーパーマリオRPG』よりもかなり簡単になってはいる。
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一応他にも「カード集め」「宝探し」などのやり込み要素が存在する他、クリア後にしか行けない場所もある。
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サウンドテストの仕様が不便。
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クリア後のハザマタウンのバーに現れる「キュービィ」に話しかけ、10コイン払うことでゲーム内の音楽を鑑賞できるのだが…実質的なサウンドテストであるにも関わらず自分で曲を選択することができないという謎仕様になっている。
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しかもどれが流れるかはランダム。本作のBGMはおよそ80曲以上収録されているため、全て聴こうと思ったら約900枚ものコインを稼いでこなければならない。そもそも何故サウンドテストにコインを払う必要があるのかも疑問である。バーなのだから普通にジュークボックスで好きな曲を掛ける等の方法でよかったのでは…
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一応、全てのBGMを聴き終えるまでは毎回違う曲を流してくれる。またマリオシリーズでは珍しく曲名も付いている。BGM自体も評価が高い。
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この仕様は続編の3DS『ペーパーマリオ スーパーシール』にも更に悪化した形で引き継がれてしまった。
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ラスボス及びクリア後について(ネタバレ注意)
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ラスボス戦でルイージが使用できない。
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これはルイージが洗脳されラスボスとなるからである。
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上記の通りルイージの加入は終盤のステージ7と遅く、ボス戦で活躍出来るのはステージ7とラスボス直前のノワール伯爵戦だけとなる。
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エンディングでのイベントでアンナがノワール伯爵と一緒に離脱してしまい、クリア後の後日談でも復帰することはない。
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よってアンナが担当していたスキャン機能が一時的に使えなくなるが、その復帰方法がノーヒントである。
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ちなみに、復帰のさせ方はカメレゴンに会いに行き、彼がアンナを観察して開発したメカ「ジャスミン2世」を買い取れば良い。
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総評
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やはり前2作を遙かに上回る濃厚かつ感動的なストーリー展開が一番の魅力だろう。前述の内容もあり、人を選ぶゲームであることは確かだが、本筋はしっかりしている(むしろかなり真当)ので安心してほしい。
ゲームジャンルは前作と変わってしまっているものの、ペーパーマリオの「紙」らしいアクションやシステムは健在なので、前作のファンはプレイしても損は無い。
余談
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いままで謎であった「ルイージはおばけが苦手だが、本編のマリオでは全く気にせずお化け屋敷ステージに入れる」理由がフォローされている。