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アストロノーカ - (2014/06/08 (日) 17:27:29) の編集履歴(バックアップ)


アストロノーカ

【あすとろのーか】

ジャンル 宇宙作物育成・害獣退治ゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 エニックス
開発元 ムームー
システムサコム
発売日 1998年8月27日
定価 6800円
分類 良作


概要

 「未来の宇宙で宇宙一の農夫を目指す」のが目的となるシミュレーションゲーム。あなたはニッカポッカ星系に住む農家となり、形も模様も味もユニークな多種多様な宇宙野菜たちを育てて収穫し、生計を立てていく。

 それと同時に、定期的に開かれる様々な「宇宙野菜コンクール」に参加し、農夫としての評判を高めていく。好成績を収め、ある程度評判を得ると、より上位のコンクールに参加できるようになる。目指すは宇宙最大のコンクール「全宇宙野菜コンクール」での優勝だ。

特長

  • 野菜の品種改良が楽しい。
    • 全ての野菜は交配を行うことで、「重さ」や「形状」や「匂い」などの属性を少しずつ変化させることができる*1。それらの特徴は野菜に反映され、野菜そのもの価値や、コンクールでの評価に繋がる。種ごとに遺伝情報などのステータスがあり、交配前と交配後でどう変化するかは大きく操作できないため、地味にハマる。たまに失敗してしまうことも。
      • 各属性にはステータスに応じた称号がつくようになっている。例えばサイズなら「大きい」「小さい」から始まって、ラスト一歩手前では「恒星サイズ」「原子レベル」とまでなる。各属性はそれぞれ干渉はしないので、「惑星サイズで空気より軽い」とかも可能。比喩だと信じたい。
      • 通常、高品質であれば値段が高いのだが、ステータスをマイナス方向にひたすら傾けるとある段階から値段が跳ね上がり始める。結果、極低品質の方が高く売れる。こうなるとテロリスト御用達と言って差し支えない凶悪物質と化しているので、用途が心配である。
    • 中ランク以降の野菜には、作中設定で重要度の低さや困難さなどから消失してしまった属性を宿しているものがある。この野菜を交配に使えば、ほかの野菜にもこの特性を発生させることが可能。また、高ランクの野菜はステータスの上限が高くなっている。
    • また、ゲーム中で示される法則性に従うことで、次々と新種の宇宙野菜を作ることができる。新種野菜は手間がかかるものの、収益も大きく、また見た目もかわいい。さらにお助けアイテムとして「強化種」が存在する。同品種の野菜のタネを2つかけ合わせると稀にできるこの種を交配に使用すると、ノーリスクで遺伝子が複数個追加(減少)される。ただしその野菜の「純粋さ(Pマーク)」が失われてしまうというデメリットも存在し、これが後々大きな影響を及ぼしてくる。
  • トラップバトルが楽しい。
    • しかし、そんな農業生活にもお邪魔虫が存在する。それが、かわいくも憎たらしい土着の害獣「バブー」である。畑の前にある広場に上手くトラップを張り巡らせてバブーを撃退し、大切な野菜を守らなければならない。バブーが進むルートを予測してトラップを仕掛け、狙い通りに決まると気分爽快。インパクトのある撃退の仕方をした場合は高得点が得られ、たまにアイテムも入手できる。ただし、バブーも少しずつ進化・学習しトラップに適応してくるので、いつまでも同じトラップ構成ではいずれ突破されてしまう。
  • 情報が豊富
    • ゲーム内におけるインターネットようなものとして「アストロネット」が存在する。閲覧することで情報を得られるのだが、情報更新の間隔が短く、豆知識レベルなものから攻略にかかわる重要情報まで様々な情報を得られるため、見ているだけでも飽きない。また、新しい野菜やトラップが手に入る度にここで詳しい説明が得られる。野菜の起源など攻略とは直接関係のない情報も多々あるが、これが世界観を奥深いものにしているのは言うまでもない。
      • なお、主人公の家にあるのは受信専用のパソコンなのでこちらからネットに投稿することはできない。
  • 多彩なコンクール
    • 休日には、他の星へ出向いてコンクールに参加することができる。コンクールにはそれぞれテーマが決まっており、それに沿ったものでなければならない。審査基準はカレンダーで確認可能。
      • 大抵は特定の野菜を高品質に仕上げればOKだが、上位のコンクールでは一部低品質化させなければならなかったりなど変則的なものが出てくる。最たるものは、特定の称号をピンポイントで9つ求めてくるという条件野菜コンクールである。
      • わざとバブーにかじらせて傷物にしないと評価されないなど、単純なスペックや種類以外の要素が求められるコンクールもちらほら存在する。
    • コンクールなので、当然他の参加者もいる。大概は(野菜の出来はさておき)真っ当に勝ちに来ているのだが、一部こだわりに殉じるあまりコンクールの審査基準を無視して参加してくる猛者もいる。当然評価は最低だが、気にするつもりはない模様。

難点

下記に挙げる2つの要素が、後半の難易度の増加につながっている。

  • コンクールの増加とスケジュール調整
    • まず、野菜は成熟までに最大14日必要とする。上手くスケジュールを組まないと、狙うコンクールに出品できなかったりするといった問題が発生する。また、ある時期を起点にして一気にコンクールの数が激増し、前述の変則的なコンクールや条件野菜コンクールといったものも存在するため、事前の情報がないと年単位のスパンを組まざるを得なくなる。
  • バブーの強化システム
    • 上述のように畑には害獣バブーがやってくる。バブーに畑を荒らされてしまうと、育てていた野菜が傷物になったり枯死してしまう。*2
      バブーはトラップを仕掛けることで撃退することができるのだが、トラップに引っ掛かるたびに"進化"する。トラップで撃退されたバブーは次に出現する時にそのトラップに対する耐性を獲得し、トラップバトルを繰り返すたびにバブーは強くなる。やがてはトラップを看破、破壊しながら進むようになってしまう。
      その結果、トラップバトルの難易度は決して下がることがない。ただし救済策も存在しており、アストロネット内でも示唆されている。つまり公式でも回避方法を用意してある、と言うこと。
      ちなみに、このシステムはムームーが以前に出した育成ゲーム『がんばれ森川君2号』のシステムを流用している。
    • バブーは一部のトラップによって捕獲し、「マイバブー」として保持することができる。また、他プレイヤーとの交換も可能。
      • 交換において注意したいことは、高度に進化したバブーを貰った場合、そのバブーを迂闊に解放してはいけないということ。解放されたバブーは群れに戻り、自身のスペックをバブー全体に反映させてしまうので、進行状況に合わないような高スペックを反映されてしまうと為す術もなくなってしまう。ただし、その逆も可能。

その他

  • メモリーカードを通して、2つのデータ間でタネをやり取りするシステムがある。本来は友人と交換するシステムであるのだが…これを用いると、あるデータで製作した種を他のデータに移動させることが可能。
  • スターオーシャン セカンドストーリー』に、アストロノーカの体験版ディスクが同梱されていた。
    また、本作にも『いただきストリート ゴージャスキング』の体験版ディスクが同梱されている。
  • 出荷数が少なかったのか、通販サイトでも中古にしては高めで売られていた。PSアーカイブスで600円で購入できるようになってからは、相場もややおとなしくなった。
  • BGMにはかなり定評があるようで、現在サントラの値段はプレミアがついている。
    • 作曲者は神保直明氏。マイナーなゲームのBGMを手掛けることが多いため知名度こそ低いが、曲自体の評価は高いことが多い。比較的有名なのは『ウィザードリィ エクス』や『円卓の生徒』あたりか。
  • アストロノーカのシステムをベースに、料理・家具・衣類などの生活要素も取り入れて作られた、『コスモぐらし~オンライン的野菜生活~』というWin用オンラインゲームがあったが、2003年3月28日~2005年4月25日というわずか2年少々でサービスは終了してしまった。
  • 少年ガンガンで連載されていた『ジャングルはいつもハレのちグゥ』には、極稀にバブーがモブキャラとして登場する事があった。