「ザ・ゲームメーカー 売れ売れ100万本げっとだぜ!」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ザ・ゲームメーカー 売れ売れ100万本げっとだぜ! - (2013/11/18 (月) 15:27:56) の編集履歴(バックアップ)


修正依頼」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。


ザ・ゲームメーカー 売れ売れ100万本げっとだぜ!

【ざげーむめーかー うれうれひゃくまんぼんげっとだぜ】

ジャンル ゲーム会社経営アクションゲーム(公式にはSLG)
対応機種 プレイステーション
発売元 アクセラ
開発元 空想科学
発売日 1998年9月23日
定価 5,800円
分類 良作

概要

  • プレーヤーは、立ち上げたばかりのゲームメーカーの経営者となって、ヒット作を作るのが目的である。
  • ゲームはリアルタイムで進み、企画・プログラム・グラフィック・サウンドの担当者に該当する仕様書を渡すことで作成の指示をすることになる。ジャンルの「アクション」に首をかしげる人も多いだろうが、実際かなりアクション性が強い。これについては評価点で後述する。
    • 仕様書を受け取った担当者は自動で作業を進行していき、これらの仕様書を必要な数だけ仕上げると、めでたくゲームの完成となる。
  • 作成するゲームの内容(というかジャンル)は、企画会議で決める。ゲームのジャンルによって作業量が異なり、必要となる仕様書の数に影響する。
    • 作業量が多いジャンルほど、また仕上がった仕様書のクオリティが高いほど、ゲームの売り上げが伸びる。
  • 各スタッフにはセンスと技術力(それぞれ後述)のほかに、要素ごとに特殊技能という得手・不得手がある(たとえば、2Dグラフィックは得意だが、3Dはからっきし、など)。要素の向き不向きひとつごとにセンスと技術力に20%の修正がかかるので、かなりバカにならない。
    • ほかにも、「負けず嫌い」「失踪癖」「完璧主義」などの性格や、スタッフ間の相性によって、個性付けがなされている。

評価点

  • 本作は、ゲームデザインをモチーフにしたゲームの中では唯一成功したといっていい作品である。他作品は、ベタな経営SLGにしてしまったため、実際の作業も地味なゲーム製作部分の作業感を撤廃できなかったが、ここをアクションゲームにしたことで、地味さという問題を払拭することに成功した。
  • 仕様書は、主人公のパソコンで一度紙束のファイルの形にし、さらに担当者の机に直接置かなければいけない。また、グラフィックソフトやコーヒーなどアイテムの差し入れも効率上昇には必要となる。上記はすべてリアルタイムで進んでいき、こういったアクションの中心点になるのが主人公の机であるため、だれをどこに配置するかというのが非常に重要になる。
    • たとえば、シナリオの作業量が多いRPGを作るときは、シナリオの得意な人材を主人公のそばに配置するなど。
    • また、孤独好きは誰かが同室にいると集中が鈍り、紫煙に巻かれた嫌煙家も集中が乱れるなどの問題があるため、こうした意味でも部屋割りは重要である。
  • スタッフが仕様書を完成させると、経験値が手に入る。これを利用して、何度も完全リテイクを出したり、高い技術力を持つスタッフに完成直前まで作らせてからそれを取り上げ、まだ未熟なスタッフに経験値だけ横取りさせるなどといったテクニックが重要になる。
    • この仕様書をめぐるピストン作業が、本作をアクションゲームたらしめている最大の要因である。完成間近の仕様書を取り上げようとして、一歩足りずに完成されてしまった、などはよくある光景。
  • もちろん、納期そのものとの戦いもある(納期を3カ月過ぎると強制ゲームオーバー)。
  • シナリオ面では、あえて業界のドロドロした部分を描かなかったことにより、爽やかな作風に仕上がっており、好感が持てる。
  • 後述するように、ゲーム業界の有名人のそっくりさんが多数出てくる。元ネタを知っていると、にやりとできる言動も。
    • キャラデザインはイラストを見るとかなりアクが強いのだが、ローポリによって作品内ではかなりマイルドになり好感が持てるようになっている。
  • また、本作には基本的に終りが無い。一応EDはあるものの、その後もゲームを普通に作り続けることができる。ビリオン達成や全種類ゲームを作るなんてことを目指すのもいいかもしれない。

問題点

  • センスの低い人材が使い物にならない。
    • 作品のクオリティは、担当者のセンスという能力値で決まる。一方で、技術力という能力値もあるが、こちらは作業速度を高め、間接的にセンスを安定させるためのものといえる。つまり、センスが低いと、どうやってもクオリティの高いものが作れない。
      • この格差をさらに加速させるものに、セミナーチケットというものがある。これを使うと、その人物は一日出張することで技術力が1上がるが、このようにしてセンスを上げる方法は存在しない(強いて言えば、一部のアイテムを机に置くことで、一時的にセンスをわずかに上げることはできるが…)。
    • こうしたノーセンスキャラに、初期メンバーの「まなみ」と「しげる」が含まれている。特にまなみは恋愛イベントのあるダブルヒロインの片方でもあるため、もっと使えるようにしてほしかったという声が多い。
      • 一応、めったに賃金アップの要求をしないことや仲の悪い人物が殆どいないためスタッフ編成が楽など良い点が無いわけではないのだが、能力の低さはいかんともしがたい。イベントの為のバレンタイン要員と言われることも…
  • 攻略本が1種類しか存在せず、その唯一の攻略本にも、「???」などとして隠してある余計なお世話や、間違いがある。
  • スタッフの一人「くろさきやよい」がなかなか出現しない。やよい以外全員仲間にできてもやよいだけ出ないというプレイヤーが続出し、作品そのもののマイナーさを合わさって未だに明確な出現条件がよく分かっていない
  • 仲の悪いキャラが一緒に出社している場合、部屋割りで別々にしても、わざわざ別室にきてまでいがみ合いをはじめる。
    • 逆に、仲の良いキャラが別室でも良いイベントが起こるのだが…。
      • またスタッフがある程度集まってしまうとイベントも繰り返しになって作業的なものが増える。
  • 一度莫大な本数を売り上げてしまうと、その後の評価のハードルが異常に上がる。例えば1400万本売り上げた後だと1000万本売り上げても文句を言われるようになる。
    • 他にも賃金引き上げの時に妥協案が存在しない。一部のスタッフが任意でなく強制加入となる等かゆい所に手が届かない仕様がある。
  • アクセラ発ということで、同社発の『スタースイープ』がゲーム内に登場するのだが、正直『スタースイープ』はあまり評価が良くないタイトルなため、「どうせなら他の評判の良いタイトル(『ガイブレイブ』、『マリア』など)を使った方がらしいのでは?」との声がある。

余談

  • ここでは、特筆に価すると思われるスタッフを、わずかではあるが挙げてみたい。
    • くどう とうじ
      • 初期メンバーだが、プログラムのセンスが30(高い部類)もあり、企画系の作業もある程度こなせるため、最後まで使っていける。性格面も特に問題なく、頼もしい。
    • はら めぐみ
      • 林原めぐみのそっくりさん(?)。グラフィック担当。まなみと、あや(高いCGセンスを持つが、2Dが駄目なので活かしきれないスタッフ)のハイブリッド。ダブルヒロインの片方で、性格も良いと、かなり優遇されている。まなみが悲惨すぎるレベル。
    • びば あふろ
      • サウンド担当だが、大器晩成型で、低レベルだと苦労する。しかし、育ちきると企画・プログラム・グラフィック・サウンドをすべて一人でこなす化け物と化す。失踪癖が玉に瑕。
    • ひろた でんか
      • 広井王子のそっくりさん。高い企画センスを持つが、技術力はほぼオール1、技能も苦手だらけで失踪癖持ちとかなり残念な人。そのかわり、いろいろな新ゲームの案を持ってくる。
    • ほりいけ かんじ
      • 堀井雄二のそっくりさん。最強の企画能力を持つが、仲間にする条件は厳しい。完璧主義で、ムラっ気が強い。

総評

残念な出来のものが多いこの手のゲームの中では唯一の成功例と言える。
ゲーム技術が進歩した現在なら、もっと細かいところまでこだわって作ることが可能だろうとファンからは本作の血を受け継いだ作品が出ることを期待されているが、既にアクセラは倒産しているため、なかなか難しいと思われる。(一応他作品と違いサクセスが関与しているためサクセス発で出る可能性が無いわけではないが…)
ジャンルとしてもタイトルとしてもかなりマイナーなゲームではあるが、他にはない魅力を持っているゲームであるため、是非一度手に取って遊んでほしい。
2000年3月2日にサクセスから1500円で廉価版が発売されてはいるが、現在では値段に違いはなく、廉価盤はパッケージがかなりしょぼいので出来れば通常版を購入することを薦める。