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R4 リッジレーサータイプ4 - (2013/11/19 (火) 23:03:23) の編集履歴(バックアップ)


R4 RIDGE RACER TYPE 4

【あーるふぉー りっじれーさーたいぷふぉー】

ジャンル レースゲーム
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 ナムコ
発売日 1998年12月3日
定価 6,090円
廉価版 PSone Books
2002年2月14日/2,310円
配信 ゲームアーカイブス
2011年7月6日/600円
分類 良作
リッジレーサーシリーズ

概要

ナムコの定番レースゲーム『リッジレーサー』シリーズの家庭用4作目。
『リッジ』、『レボリューション』、『レイジ』の路線とは少し趣を変えた、ハイセンスなインターフェースデザインと恒例のリッジサウンド、そしてレースゲームとしては珍しいストーリーモードを備えた異色の作品。
随所にレベルの高い演出が盛り込まれており、隠れた傑作として挙げるリッジファンも多い。

略称は「R4」。現在「R4」というと「マジコン」のほうが有名なのが残念。


ゲームの流れ

本筋となるグランプリモードを始め、タイムアタックや対戦モード、グランプリクリア後のエクストラステージなどが用意されている。
条件を満たすことで獲得した新車をドレスアップできるガレージ機能も搭載。

  • グランプリモード
    • 99年5月から大晦日にかけて行われる日米合同のレースイベント「REAL RACING ROOTS '99」に出場し、4つの都市・8コースで行われるレースを勝ち抜いていく。
    • ゲーム開始時に契約するチームを4つから選択する(ストーリーはチームごとに存在する)。選んだチームによってマシンの性能が変わる他、4段階の難易度選択にもなっている。
      • この難易度選択、一番簡単なMMMならマシンも扱いやすく簡単だが、一番難しいDRTでは他車が速くマシンもヘボなため、本当に難しい。
      • 乗る車のメーカーも4種類から選択でき、選んだメーカーによってドリフトタイプかグリップタイプか変わってくる。チームとメーカーの国籍が一致すると若干性能が上がる隠れた要素も。
    • 一次予選・2戦、二次予選・2戦、決勝グランプリ・4戦をそれぞれ3位・2位・1位以内でクリアすると次のレースに進める。各レースは4回までリトライが可能で、クリア順位やリトライ回数によって査定が行われ、一次~二次、二次~決勝、最終戦前に投入される新車の性能に影響する(なお、セーブもこのタイミングで可能)。
      • 好成績を収めると速い車が貰え、反対だと現行車のチューンアップで済まされる妙にリアルな設定。ただし新車を貰うと他チームもそれ相応の新車を投入してくるため、実は好成績を収めた方が難易度は上がる。
  • グランプリモードで乗車した車はガレージに登録できる。好きなカラーリングをしたり、自作エンブレムをペイントすることが可能で、タイムアタックや2P対戦などで使用できる。
    • ポケットステーションに対応しており、収集した車の交換もできる。
  • ディスク2枚組で、ディスク2は「ボーナスディスク」となっており、PS版初代リッジレーサーを60fpsにした「ハイスペックバージョン」と、体験版などがついたナムコのゲームの商品カタログが収録されている。
    • The Best版以降、およびアーカイブス版では(非常に残念なことに)ディスク2は収録されていない。

評価点

  • 『リッジらしい』現実離れした車の爽快な挙動・操作性は健在。ドリフトの快感がたまらない。
  • 敵車の性能や挙動もいい感じに設定されており、適度な強さを持つライバルとして盛り上がれる。
  • ハイセンスかつ卓越した演出力
    • CGムービーによるオープニングは非常にお洒落。ゲーム画面もプレイステーション最高クラスのグラフィックで、路面への光や影の表現には特に力が入っている。
      • 「早朝」「夕方」「夜」といったコースごとの時間帯ごとの表情や、コースの各所に設けられた背景オブジェなども印象的。
      • 『グランツーリスモ』では一枚絵で表現されていた背景はしっかり作りこまれている。
    • ストーリーは主張しすぎず、それでいてゲームを盛り上げるほどよい塩梅。
      • 4チームの中でも人気が高いのが最も難易度の高いDRT。冴えない中年監督がプレイヤーの奮闘から自信と勇気を得ていく様に感動したプレイヤーは数知れず。エピローグは感動を維持したまま、ほろ苦くも温かみのある幕引きとなっている。
      • 日本人中心の新興チームPRCと、イタリアの名門RTSの監督同士の因縁。1人のドライバーの死をきっかけとした過去の悲劇から立ち直り、最後には互いのプライドをかけた激突にまで突き進む一部始終を両者の視点から個別に描いている。
      • 道楽感覚のいい加減な若手女性オーナーが、プレイヤーや監督以下スタッフたちに引っ張られる形で成長するMMM。徐々に自覚と責任に目覚め、最後は「自分の守りたい人は誰なのか」に気づくまでの過程をプレイヤー視点で見ることとなる。
    • BGMは全体的に落ち着いたテイストの楽曲が多く揃い、「YOUR VIBE」「MOVE ME」などを中心にどれも人気が高い。アシッドもしくはジャジーな雰囲気漂うドラムンベースやハウスが中心だが、後発作品に通じるソリッドなミクスチャーサウンドもある。
      • Audio-CDを入れれば好きな音楽で走ることもできる。
      • シリーズの恒例として、レース開始前に選曲が可能だが、このゲームに関してはプリセットのBGMがそのコースと最も合っているように設定されているのがオツなところ。
  • 個性的なマシン達。各メーカーごとにマシンのフォルムの明確な個性付けがされており、格好いいマシンが揃っている。
    • 特にテラジ。日本企業だけあって風変わりな外観ばかり。地上最速の(見た目的な意味で)オート三輪・ワイルドボアや、タイヤむき出しのスターライト、見た目が完全にミニ四駆なデストロイヤーのビジュアルは脳裏に焼き付くこと請け合い。デビルカーはインパクトで他社に後れを取った感が否めないが…。
    • クリア後に入手できるデビルカーはさらにゲテモノ化が進み、ロケットや軽自動車が登場している。ロケットはジェットロケットエンジンで突き進み、軽自動車は並列2気筒で排気量たった500ccなのに500馬力超という超絶高出力エンジンに物を言わせ、ギア1段のみの時速300kmでコースをひっかき回す。リザード社とアッソルート社のデビルカーは完璧にオーパーツ化しており、それぞれ熱核融合炉と対消滅反重力エンジン(!!)という事故ったら大惨事確実の走る危険物を繰り出してくる。

欠点

  • ガレージに入れた車でグランプリのようにレースすることはできない。
  • グランプリの同時出走台数は8台と少ない。内訳は所属チームとして選択できる4チームのマシンが2台ずつで、ゲーム中では気にならないが、よく考えてみると少し寂しい仕様になっている。
  • マシンごとの性能の差が僅か。グレード・チーム・ドリフトorグリップで性能が大体決まってくる。
  • これまでの作品と比べると全体的に車の挙動がダルめに味付けされており、ドリフト時の回頭もゆっくりめ。前作までのキビキビ感はない。
    • 壁に接触した場合の減速も少なくなり、道幅も広めになっているが、このダルさのおかげで緊張感がある程度保たれている面もある。
  • リプレイ画面の出来は『グランツーリスモ』と比べると劣る。カメラアングルも変更できない。
  • 隠し要素「パックマンカー」の入手条件がきつすぎる。
    • その条件は「320台全てのマシンを入手」。320台の内訳は「1メーカー20台×4メーカー×4チーム」で、1回ゲームをクリアすると手に入るのは3台。あまりに作業感が強すぎる。いくらポケステ対応だからって…。
  • 登場車種320台を謳っているものの、チームごとの違いはカラーリングと微妙な性能差しかなく、実際の車両としてのくぎりは80台。当時としては圧倒的な収録車両数を誇った『グランツーリスモ』に対抗するために誇大広告を打ったのだろう。
    • おまけに、成績が振るわなかった場合の現行車のチューンアップバージョンも別バージョンとして数えられている。あえてレースに負けたりタイムを落としたりしなければならない(ちなみにオープニングを飾る「ビゾンテ」も1位を取り続けるともらえない車両)。

総評

「演出重視のレースゲーム」という稀有な存在。しかし、その演出が特に際立って出来が良く、それが一部のファンに「最高のレースゲーム」と言わしめるほどの本作の好評価に繋がっている。
リッジレーサー特有の操作性もあり、手軽に遊べるレースゲームである。