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SILENT HILL - (2014/09/02 (火) 13:10:14) の編集履歴(バックアップ)


SILENT HILL

【さいれんとひる】

ジャンル ホラーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 1999年3月4日
定価 6,090円
廉価版 PS one Books:2002年1月24日/1,890円
分類 良作
サイレントヒルシリーズリンク


概要

ジャパニーズホラー的な恐怖演出と、陰鬱ながらどこか切なく心を穿つシナリオ・世界観から、国内のみならず海外でも高い人気を誇るシリーズの第1作。
元々はコナミが「スティーヴン=キングの小説をゲーム化する」という目標の下開発プロジェクトをスタートし、諸事情によりオリジナルゲームとして開発された。
ちなみに作品名は静岡県が由来。静岡(静丘)を直訳したものが怖そうな響きだと海外スタッフに気に入られ、そのままタイトルとなった。


ストーリー

しがないライターのハリー=メイソンは、ようやく取れた休日を利用して、以前より愛娘のシェリルがしばしば行きたがっていた
アメリカ北西部の閑静なリゾート地、「サイレントヒル」へ遅れたバカンスを過ごしに向かった。
サイレントヒルへ向かう途中、ハリーは車の運転をしながらつい睡魔に襲われてしまう。
ふと目が覚めると、中学生くらいの少女が道路の中央へ飛び出してきた。あわててブレーキを踏むも、ハンドルを切り損ねて事故を起こしてしまう。
目が覚めると、シェリルがいなくなっていた。娘を探し、ハリーは季節外れの雪が降り、霧の立ち込めるサイレントヒルへと足を踏み入れる。


特徴・評価点

  • シナリオ
    • 本作のシナリオは、大まかにいえば「町に根付く教団によって娘を奪われた主人公が、娘を取り返すために教団の謎に迫っていく」というものである。しかし、悪の元凶である教団やその手引きをしていた者達もどこか影のある設定があり、娘もそれらの根幹に関係しているなど単純に「勧善懲悪」では括れないストーリーとなっている。
    • 本作には4つのマルチエンドがあるが、そのいずれも少なからず悲しい結末が待っており、所謂「ハッピー・エンド」と呼べるものが無い。
  • 恐怖演出
    • 本作は「ホラーゲーム」であるが、驚かすというよりはどちらかといえば精神的に追い詰めるような邦画ホラー的演出が多く、全体的に静かである。本作のホラーはいわば「静的恐怖」であり、バイオハザードのような「動的」な恐怖とは正反対である。
    • 本作では夜中や地下は勿論のこと、日中も霧が出ている為に非常に視界が悪い。本来見通しの良い開けた場所でも自分の周囲を把握する程度が限界であり、「周りが見えない」という恐怖を演出している。また、PS特有のポリゴンの粗さも恐怖感を煽る要素となる。
    • 「ラジオ」と「ライト」の存在。
      • 「ラジオ」は、敵が近付くと不気味なホワイトノイズを発するアイテムであり、このノイズで前述の視界の悪さを補っていくことになる。また、このノイズ自身も恐怖演出に一役買っている。なお、ノイズの音は敵には感知されない。
      • 「ライト」は、ゲーム中夜になった時や、地下を進む時に使用できるアイテム。勿論点灯すれば視界が良くなるが、敵にも気付かれやすくなるため、使用すると敵との戦闘は避けられなくなってしまう。また、暗闇では点灯時でなければ地図を見ることも調べ物をすることも出来ない。
  • ゲームシステム
    • 本作では定点カメラではなく、可動式の第三者視点カメラを採用しており(一部除く)、カメラワークの悪さによる不意打ちなどに悩まされることが無い。
      • もっとも、定点カメラには定点カメラ特有の演出が可能なため、必ずしもどちらが良いとは言い切れない。
    • 本作は雑魚の数が比較的多いが、全体的に銃器の弾丸の数が少ない(周回プレイではオプションで大幅に増やすことが出来る)ため、各地で拾える打撃武器を活かしながら進めることになる。
      • またそれらが「鉄パイプ」「ハンマー」といった割と身近にあるモノばかりであることがリアリティを生み出している。ちなみに、2種類の攻撃法が用意されている。
      • 銃声だけでなく走る足音や空振りの音でも気付かれるため、やむなく戦う場合はタイマンに持ち込むか、(暗闇では)消灯した上での闇討ちを行うことが好ましい。
    • 「主人公が一般人」という設定。今作の主人公はただのライターであり、戦闘に関しては素人である。そのため、打撃武器による攻撃が隙だらけで屁っ放り腰だったり、銃器の扱いが下手で遠距離や暗所では命中率が大幅に下がる(明るい場所かつ至近距離でさえ稀に外してしまう)などの特徴がある。
    • 敵の復活。本作では、敵を倒してもマップを切り替えて戻ってくると一定の確率で復活する仕様になっている。そのため、敵を全滅させても必ずしも安全に探索できるとは限らないようになっている。
  • クリア後の要素
    • 様々な条件によって、一癖も二癖もある隠しアイテムが手に入る。チェーンソーといった洋ホラー御用達のものから、光線銃のような世界観を崩壊させるものまで。
    • あるアイテムを使用することで、世界観をぶち壊しにするギャグエンディングを見ることが出来る。このエンディングは評判がよく、後の作品にも継承されていった。
    • クリアランクのシステムが複雑になっており、非常に戦略性が高い。最高ランクを取るのはかなりの難易度であり、コアユーザーにも評判が良い。
    • 隠しオプションが設定できるようになる。そこでカメラモードや血の色、弾薬の入手量などが設定できる。
      • 弾薬の入手量は最高で6倍まで増やすことが出来る。各エンディングをクリアする度に加算されるので、ある方法*1を使えばNormalの時点で5倍まで引き上げることも可能。

不評点

  • 第三者視点カメラがあまりにもぐるぐると回るため、3D酔いを起こしやすい。
  • 謎解きの難易度が高い。特に、星座を用いたあるパズルでは多くのプレイヤーの頭を悩ませた。
    • これを受けてか、以降の作品では謎解きの難易度も選べるようになった。
  • クリアすると、次の周回で強制的に難易度がワンランク上がってしまう。
    • 最低難易度のEASYで始めても三周目には最高難易度のHARDになってしまう。本作は全体的に難易度が高いため、アクションゲームに不慣れなプレイヤーからの不満が大きかった。以降のシリーズでは廃止。
  • ソフト自体の問題点というわけではないが、PS3で本作をプレイするとハンドガンを撃った直後にBEEP音のようなものが鳴り続けて止まらなくなるバグがある。本作をプレイする場合はPS1かPS2でのプレイをオススメする。
    • このためか、要望は高いのにゲームアーカイブスで配信されていない。また、過去作品のHDリマスター『HD EDITION』にも収録されなかったので、プレイする方法が限られている。

総評

外国が舞台でありながら日本的な恐怖演出を持ち、シナリオにも力を入れるという、当時のホラーゲームとしては非常に斬新な存在であった。
また、ラジオやライトを組み込んだゲームシステムはアクションとしても非常に個性的なものに仕上がっている。
当初こそ「バイオハザードシリーズのパクリ」という声もあったが、第1作にして他のホラーゲームとは一線を画す独自路線を確立し、
日本を代表するホラーゲームブランドの1つとして成長してゆくこととなる。


映画『Silent Hill』

  • 本作は2006年に、『Silent Hill』として映画化された。
    • 監督がシリーズの大ファンなだけあって、本作の設定やストーリーをリスペクトしたものになっており、ファンからはかなり好評。
    • 特に三角頭(レッドピラミッドシング)・ライングフィギュア・グレイチャイルド(国内版で規制された海外版のマンブラー)・バブルヘッドナース等、原作のクリーチャーが登場したのにはファンの誰もが唸った。
    • ただし結構グロいので、視聴の際は注意されたし。