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パネキット - (2015/01/22 (木) 13:34:38) の編集履歴(バックアップ)


パネキット

【ぱねきっと】

ジャンル シミュレーション
対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日 1999年8月5日
定価 5800円
分類 良作

概要

  • キャッチコピーは「無限工作おもちゃ箱」。その名の通り無限に遊べる途方もない自由度を持つ。
  • パネル状のパーツを組み合わせ。自動車や船、飛行機などのモデルを作って動かす物理シミュレーション。
    • 発想次第で何でも作れるという、子供の頃の夢を具現化したようなソフト。
  • どこでもいっしょ』や『Xi』を生んだ公募企画「ゲームやろうぜ」発祥タイトルの一つ。

「自由度」とは?

ゲームを語るときに欠かせない要素の一つとして「自由度」がある。「なんでもできる」ということはそれだけでウリになる事が多く、逆にどんなに名作でも「一本道で自由度が無い」と批判されることがあることからも、その重要性が分かる。自由度の高いゲームの例として同じPS末期の高機動幻想 ガンパレード・マーチをあげると、「生き残る事ができれば何でもしていい」という自由度が大きな支持を得た。

そして現在、自由度を重視したゲームとして前述の「ガンバレード・マーチ」や「グランド・セフト・オート」のようないわゆる「箱庭系ゲーム」が多く発売されるようになっている。しかし、それとは全く異なる方向性で「一生遊べる」とまで言われた自由度を持ったソフトがあった。それが「パネキット」である。


基本的なシステム

  • ゲームの流れ
    • 舞台は個性豊かな5つの島。全ての島はシームレスに行き来可能。
    • 島のあちこちで「競技」に挑戦したり、点在するアイテムボックスを発見することで、後述のパーツやプリセット設計図を入手して、作れるモデルのバリエーションを増やしていく。
    • 色々なモデルを利用して、更に競技をクリアしたり島を探索しつつ、好きなタイミングで次の島へと移動する。これを繰り返して、5つの島を順番に進行していく。
      • 「パーツを組み合わせてモデルを作り、競技をクリアする」。子供のころの積み木遊びがそのまま「ロボコン」のようになったとでも例えれば良いだろうか。
      • 次の島へと渡る前には、険しい坂道を登らなければならなかったり、海を渡る必要があったりといった、何らかの関門を突破しなければならない。ここを越えるためにもモデル作りの工夫が試される。
    • 最後の島の競技「ワールドツアー」のレベル1をクリアすれば一応エンディング。スタッフロールが流れる。が……(後述)
    • 一度訪れたことのある場所なら、メニュー画面上で特定地点へ簡単にワープ(ファストトラベル)できるので、広大な島を割と快適に移動できる。
  • 競技
    • 各島の特徴を生かしたバラエティに富む競技が用意されている。それぞれレベル1、レベル2の二つのノルマがあり、それをクリアすることによってゲームを進めていく。
    • 第一の島「わかば島」からチュートリアルで始まり、レースやラリー、グライダー、射撃などを経て最後には全5島を一周する「ワールドツアー」で締め括られる。
    • 全ての競技は最高成績が記録される。競技の記録の限界に挑戦するという楽しみ方もある。
    • 競技をクリアするためのモデルの組み方は自由。競技のルールから違反しなければ、どんなモデルを使って、どんな風に攻略してもいい。
      • 競技のルール・趣旨に従ってモデルを作るだけでなく、ルールの穴を突くモデルを作って攻略するのもあり。難易度を大幅に下げたり、驚異的な記録を叩き出したり、無操作でクリアといったこともできる。
  • パーツ
    • パネル型の形状をしており、これを組み合わせてモデルを作る。
    • パーツは全7種類。中心となるコア、3軸それぞれの曲げパーツ、車輪、ジェット、モーター、弾丸を飛ばすシューターと必要最低限で重要なパーツばかりである。
  • モデル
    • モデルの組み方は、自分でパーツを組み合わせる「エディット」の他に、「プリセット」という設計図(ゲーム側から用意されているモデル)を読み込む方法もある。
      • もちろんプリセットのモデルをエディットで更に改造することもできる。
      • プリセットのモデルだけでもゲームクリアまで十分遊べるが、そこにプレイヤー独自の手を加えることで、更にゲーム進行を楽にすることができる。
    • パネルの数に応じて得られる電力とパーツが消費する電力のバランス、様々な抵抗、1モデルにつきパーツ100個という制限などを考えなければならず、非常に奥が深い。

エンディング=オープニング

  • スタッフロールが終わってからがむしろ本番と言える。レベル1の「ワールドツアー」まではちょっと長めなチュートリアルと考えてもらっても差し支えない。
  • まずレベル2全制覇を目指そう。かなりシビアな設定となっている競技も多く、モデルの完成度と操作技術が両方試される。
  • そしてレベル2を制覇してもそこで終わりではない。そこからの楽しみ方は人それぞれ。例えば……
    • 20段変形ロボを作ってみる。
    • プログラム上の限界を超えて上昇してみる。
    • 何も操作しないでも勝手に動き、競技をクリアしてくれる全自動モデルを作ってみる。 など様々。もちろん競技の記録を限界まで伸ばすのもいいし、外観にこだわったネタ系モデルを作るのもOK。想像力が尽きない限り一生プレイできる、それがパネキットなのである。

問題点

  • 所々処理落ちする。
    • パーツ数の多いモデルを動かしたり、競技途中で別アングルの小窓が表示されると、その頻度は大幅に上がる。
  • シームレスにマップを行き来できる仕組みのため、細かいディスクアクセスが持続的に発生する。
    • ディスクドライブの弱い本体ではちょっとしんどい。
  • 前述の通り、一モデルにパーツが100枚までという制限がある。
    • 「制限があるから燃える」との意見も。
  • 初期型を除くPS2で起動しない。
    • ただし、SCEに連絡すれば修正版と交換してくれる。

その後の展開

  • PS末期のソフトのため、出荷数はそこまで伸びなかったとされる。
    • その後、インターネットの普及とともに再評価され、ファンサイトが多く立ち上げられた。
      • 検索すれば、モデルのセーブデータや攻略情報を掲載しているサイトが出てくるはずである。中には、バグさえ利用して普通では考えられない動き(一部ではパネキット物理学と呼ばれる)を実現させてしまうモデルもある。一度でもいいので「パネキット」で検索して、その才能の無駄遣いを見て頂きたい。
    • 原作ソフトはプレミア化していて、なかなか触れる機会がないのが惜しまれていた。
  • が、2007年6月28日にゲームアーカイブスで配信。600円という安価な価格も手伝って、再びファンを増やしている。
  • また、気軽に体験したいなら、同じようなコンセプトのフリーソフトで「RigidChips」というソフトがあるので、そちらで体験してみるのも手だろう。
    • もちろんRigidChipsにも別の良さがある。ネットワーク対戦、Luaによるスクリプト制御などが取り入れられていて、さらに自由度の高いモデル作成が可能。
    • 更新マダー?