「ポポロクロイス物語II」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ポポロクロイス物語II - (2015/11/18 (水) 00:07:15) の編集履歴(バックアップ)


ポポロクロイス物語II

【ぽぽろくろいすものがたりつー】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ジーアーティスツ、シュガーアンドロケッツ
発売日 2000年1月27日
定価 6,800円
配信 ゲームアーカイブス:2007年12月26日/600円
分類 良作
ポポロクロイス物語シリーズリンク


概要

ポポロクロイス物語』の(正式な)続編。
本作との間に発売された『ポポローグ』は、外伝という扱いを受けている。


あらすじ

前作の事件から無事に母親:サニアを救い12歳になったピエトロ。
彼はポポロクロイス王国に代々伝わる王家の試練に挑む。無事試練が終了する中、謎の男が現れ「王の宝・堕落した美しき者」について説いた。

謎の男の存在と台詞を片隅に置きつつ、15歳になったピエトロや成長したナルシアや白騎士。
身も心も風格がついた中…様々な苦難や挫折、そして試練に挑むこととなる…。


特徴・評価点

  • 前作以上に魅力的な温かみのあるキャラ・世界観。
    • すでに時代がポリゴンに移行しつつあるなかあえてドット絵を使用。温かみのある世界観をうまく表現している。
    • ドット絵自体のクオリティも高い。特にキャラクターグラフィックの出来は素晴らしく、キャラの魅力を存分に表現している。
    • メッセージテキストにいくつか絵文字を採用。文章でもコミカルさが表現されるようになった。
  • キャッチフレーズ:「二人の恋に、涙がポポロ」に偽りないストーリー。
    • 家族愛・種族の壁・仲間との絆・恋愛・「本当の美とは?」をあまり説教臭くなくかつ魅力的に演出している。
    • ほのぼの一貫ではなく、中には結構キツイ展開もあり、ラスボスはかなり外道。ゲーム中の強さは置いといて…。
    • ネタバレになるので詳細は省くが、EDの評価は特に高く、感動したという声も少なくない。
  • また、ディスク3枚組の大容量によりイベント時にキャラクターの音声が流れるようになった。
    • 声優陣も折笠愛氏・白鳥由里氏・大塚明夫氏など実力者をそろえており、演技に対する批判はほとんど無い。
      意外な所では、当時まだ無名だった水田わさび氏(現ドラえもん)が出演している。
      • 実はガミガミ魔王以外のメインキャラは前作から声優陣が変更されており、その点で批判されることがまれにある。とは言え今作の声優陣もはまり役であるため、結果として批判意見はそれほど目立つことはなかった。
      • しいて言えばサボーの声が「I」では大川透氏だったのが今作では麦人氏であり、2年で老けすぎであることくらいか。
    • ただしボイスを際立たせる為かイベントに突入する際、特に画面の切り替えを伴う時は暗転が解ける前にBGMの音量が少し小さくなる。
      これを「暗転が解ける前からイベント発生だと分かってしまう」と取るか「突然のイベント発生に驚かなくて済む」と取るかは難しい所。
  • ピエトロ・ナルシア・白騎士といったメインキャラクターも前作から変わらず好評。特にピエトロは前作と比べるとかなり逞しく成長している。ジルバやレオナといった今作からの追加キャラもうまく溶け込んでいる。
    • また、それぞれのキャラにきっちりと見せ場が用意されており、それがキャラクターの魅力を引き出すことにつながっている。特に白騎士は、レオナとの恋愛模様や終盤のとあるシーンでの行動など、印象的な見せ場が多い。
  • Gutsメーターを削除するなど前作以上に操作・システムは単純かつ直感的で、誰でも手軽に楽しめる。
    • 前作では魔法と必殺技・大魔法に分かれていた特殊コマンドも特技という一つのコマンドに統合された。
      • その特技の使用も(「ガミガミミサイル」のような技でも)全て「MPの消費」に統一された。*1
    • また戦闘中もやたら美麗なグラフィックの技やしゃべりまくるキャラのお陰で退屈せずに楽しめる。
    • 戦闘終了時に「敵を倒した」のメッセージと経験値加算の表示が同時に行われるのでテンポも早い。
      また、敵の落とした宝箱は自動的に回収するようになった。
  • 「ゲームを普段やらない人でも楽しめる難易度」のため、難易度は非常に低い。一時間同じ場所で戦えば簡単に適正レベル以上になる。ちなみにクリアはLV45あれば問題ない。
  • 前作同様街の人などの台詞が豊富でゲームの進行によって変わり、中にはちょっとしたドラマが展開されるなど単に情報収集にとどまらない存在となっている。
    • 動物と会話ができるレオナを連れて動物に話しかけると本当に動物達の言葉を翻訳してくれる
  • 同様に物を調べた際のコメントが豊富に用意されており、中盤ピエトロが不在の場合はしっかりナルシアのコメントが用意されている。
  • サブイベントの数も、終盤の仲間再加入イベントやガボの特技修得イベントなど前作と比べて大幅に増加している。
    • ピエトロの趣味のコレクション「おみやげ」や「モンスターカード」も前作と同様に実行可能。
      また、「おみやげ」はポポロ1とポポローグのデータを引き継ぐことが出来る。
    • また、サル型のモンスター「ウッキィ」関連のサブイベントは、レオナを連れていくと彼らのサル語を翻訳してくれる、フルボイスで。しかも意外とシリアスな内容なので、ぜひ彼女を連れていくことをお薦めする。
  • 仲間は今回最終的に7人+1匹の中から好きなメンバーを組むことが出来る。ただし、ピエトロは強制参加。
  • 本作をクリアすると、主要イベント・アニメーションが見れるアルバムモードが閲覧できる。

問題点

  • バランスブレイク要素
    • ガボとジルバがよく挙げられる。
    • ガボは最初こそ使い道がみつからないのだが、ゲーム後半ある要素を発見することでパワーバランスが大きく変わる。又、レベルがある程度上がると防御力がインフレを起こしラスボス相手でも被ダメージ1となる。
    • ジルバは防御力こそ低いが、攻撃力・素早さが軒並み高く、行動順が回りやすい。その上で、全体回復、全体攻撃、周囲攻撃技など便利な技が一通り揃っており、中でもカウンター技は通常攻撃に対してしか発動しないとはいえ、「一度発動すると戦闘終了まで効果持続」「受けたダメージに対して与えるダメージが明らかに大きすぎる」「クラスチェンジすると通常攻撃無効化の効果が追加」など、性能が狂っている。
    • 能力値が全体的に低めに設定されているガミガミ魔王も、アイテムを射出して攻撃する特技が強力。中には9999ダメージをたたき出せる装備品(しかも期間限定ながら店売り)があり、これを用いると四天王的ボスであるはずの「ズール」が一撃で沈む
  • 竜の剣が強すぎる。
    • 「竜の剣はピエトロと共に成長する」という設定にあわせた仕様に変更されたが、その修正値の計算が「ピエトロのLv×3(しかもこれは竜の玉無しの状態での話。最終段階でなんとピエトロのLV×6.5。最終的には600以上にも上る)」といくらなんでもデカすぎる。下手をすれば武器を買い替える機会も減ってくる。(参考なまでに非売品の最強の剣で攻撃力200程度である)
    • 一応今作では序盤に失い、再び戻ってくるまでそれなりに時間がかかるがそれにしても極端。
  • 特技が強力かつ燃費が良すぎるので、戦闘は終始特技の連発になりがち。通常攻撃は縛りでもしない限りスタート直後ぐらいしか使う機会がない。
    • ボスに至ってもHPがただ多いだけで歯応えのない敵が多く、ダメージを受けたらすぐ回復を心がけ、それ以外はただ特技を連発するだけで勝てるほど。あろうことかラスボスまでそれだけで撃破可能。
  • ごく一部のボスが異常に強い。戦法や運が悪いと瞬殺される。ラスボスより強いといわれるボスが多い。
    • 有名なのが、「ガープ」で、味方キャラに変身する技がある。変身するキャラクターのレベルに依存した性能となっており、要はプレイヤーが強ければ強いほど、変身したガープも凶悪化するという流れ。
    • 特に、強力な技が揃ったピエトロに変身されれば終了といわれるほど。そして、ピエトロのレベルが40以上になっていると、広範囲・高火力の非常に凶悪な技を使用するようになる。まさに鬼畜。
      多くの場合一撃で味方がやられる上範囲攻撃なので、陣形によってはその攻撃一回だけで全滅する。パーティ同士の距離を離せばその様な事態は回避できるが、他の対策としては属性攻撃なのである装備をすることで非常に楽となる。
    • 「ブルンバブン」は、ある装備で水属性吸収をしなければ全体3連続攻撃技で瞬殺される(魔法防御力の高いナルシア・ガボ以外はレベル45でも即死する)。その装備を入手すると圧倒的に楽となる極端なバランス。装備なしでは勝てないといわれる。
    • ラスボスより強いといわれる「ウッキーカイザー」。ある技を出されるとHPと防御力が高いピエトロでも瀕死、他キャラだとレベルが高くない限り確実に一撃でやられる。
      こちらは装備などの対策もなく、さらにこのボスは素早さもかなり高いので適正レベルでも運が悪いと連続2回、レベルが低いと連続3回以上攻撃してくる事もあり、一人倒されたらそのまま片っ端から薙ぎ倒される事も多い。
    • 上記3体には劣るものの、初プレイでは「エスペランサ」も厳しい。イベント発生の条件を満たした時点で最も身近におり、傍目にはオブジェが光っているだけなので「何だろう?」と思って調べるとボス戦を強いられる。エスペランサ自体も決して弱くは無く、強力な全体攻撃を連発してくる。
  • 逃げると所持金の一割が丸々無くなるという、少々厳しいバランス。
    • 前作までは逃走によるペナルティは殆ど無かった。
  • 前作経験者からすれば、「ガミガミ魔王」の扱いが悪いことに批判が集中している。
    • 共に大冒険をした間柄であるにもかかわらず、白騎士は最後までガミガミ魔王に対して何の反応もせず、会話すら全く無い。
      また、ナルシアはある場面で「○○や○○の居る、この世界が好き」と数名列挙するのだが、その中にガミガミ魔王の名前は無い。これらに関してはガミガミ魔王は前作中盤までは敵だったということを考えると少しの冷遇はやむなしでもあるが。
    • 終盤における全キャラ共通の再び仲間に加えるイベントを除けば出番が二章後半~三章前半と短く、最後はジャングル奥地の村に置き去りにされる所で出番が終了である。
    • その上HPや防御力を初めとした能力が低いので運用しにくく愛で補う必要がある。(一部の技や上記のアイテム射出技は強力ではあるが)
  • エンカウント率がただでさえ高いのに移動速度が非常に速いため、プレイヤーからすると「少し歩いたらまた戦闘」と感じてしまう。
    • ピエトロの魔法「マジカルロード」でエンカウント率を一定歩数激減させることができるため、それを使えば問題ない。
    • ただし中盤にピエトロが離脱する期間があるため、そこは忍耐するのみ。
    • 戦闘自体は、開始から終了まで非常にスピーディに進むため、エンカウント率の高さの不快度とは相殺されている。
  • 防具の属性防御効果がアイテム説明欄でも説明されず隠し効果扱いといっても良く、攻略本か情報サイトなどでも見ない限り、まず分からない。
    • 『I』では「ほのおのおふだ」「こおりのうでわ」といった分かり易い名前だった上に、説明欄でも「○の属性を30%軽減する」など明記されていた。
  • 長所であるアルバムモードだが、取り逃したものがあると見られなくなってしまう。しかもセーブデータをそれ専用に上書きして使うため、元のセーブデータをプレイできなくなる。
    • しかも1つだけ「特定のボスとの再戦イベント」がアルバムに入っている為、そのボス戦を一度目で勝つと確実に未収録ができてしまう。
  • パーティ編成システムの都合上、ラストダンジョン突入~ラスボス撃破までピエトロ以外のキャラがイベントにほぼ出てこない。台詞もほぼない。突入時のムービーも、ピエトロ以外のキャラは画面に映りすらしない。ナルシアだけはメインヒロインなのでラストのムービーには出てくる。
    こんな調子なので終盤のイベントはかなり寂しい。ストーリーが重要な本作では結構痛い点。
  • ナルシアは森の魔女の掟として「海水に触れると泡になって消えてしまう」というものがあり、その対策として変身アイテム『黄金の鍵』を使ってカイに変身している。時に波打ち際に足がつかる海岸通りを通る際はカイに変身しており、ある事情で黄金の鍵を手放した後はナルシアを連れて海岸通りを通ることができなくなる。また、コトリコ島へ向かうにあたって船に乗る際もカイに変身している。…のだがブリオニアや龍のほこら(どちらも船に乗って海を渡る必要がある)へ行く時は特に気にする様子もなく変身もしない。特に後者は大雨の中*2時代劇に出てくるような手漕ぎの小舟に乗って向かっており、海水厳禁な者としては不自然である。船の上で水に触れていないとはいえ、もし転覆すれば助からない状況である。
  • 一部投げっ放しの設定。
    • 白騎士の最終目的は「キングナイトの剣を手に入れる」こと、これは1作目から語られていたことである。ラストダンジョンのある場所でついにキングナイトと出会うのだが、これといってイベントはない。ずっと引っ張っておいて結局有耶無耶なまま終わる。
      • 戦ってた相手がキングナイトと分かって驚き、駆け寄るも消えてしまって肩を落とすという描写が一応追加されるがセリフが無く、その後も語られる事は無い。ガッカリしただけで終わりである。
    • ガボはイベントで専用の強力な能力を身につけていく。その際意味深な会話があり「何故ガボがそんな能力を使えるのか?」「ガボの正体は?」の答えが自ずと見えてくるのだが、明確には示されない。長々と謎めいたイベントをこなしても最終的に何かがあるということは結局ない。
      • そもそも実際にガボの正体が話に出てくるある人物だったとしても、その人物が具体的に何なのかもわからない為あまり意味がない。謎だけが増える。
  • 序盤でピエトロは敵に騙されて大地の竜を殺してしまうのだが、ラストダンジョンでその敵との再戦時のイベントで怒りをぶつける描写が無いどころか戦わずに素通りしようとした上に失敗すれば「やっぱりダメかな」と軽い口調で会話するという違和感の強い描写になっている。
  • 後のピノン世代に繋がる世界観等の設定の根幹が固まった一方で、前作の設定が有耶無耶になっている部分がある。
    • ピエトロの母、サニア王妃は『I』では「地上世界を守護する為に光の世界の使いとしてやってきた竜」だったのが今作では「竜族の王である老竜神の娘」となっており、竜族であることしか面影が無い。
    • また、光の世界、闇の世界といった設定は『I』でしか登場せず、今作を含めた後の作品においては全くといっていいほど見られない。
    • 『I』の終盤でナルシアは戦闘中カイに変身できるようになったはずだが、何故かガミガミ魔王は今作の本編で再会するまで「ナルシア=カイ」であることを知らない。
    • これは細かい話になるが、今作ではギルダがナルシアの生い立ちを話す回想シーンがあり、その中に『I』第一章の後と思しき場面がある。そこではナルシアがギルダに「ピエトロってポポロクロイスの王子様なんだって」と、まるで初耳のような話し方をする。ピエトロはギルダやナルシアと初めて出会った時にポポロクロイスの王子だと名乗ったはずなのだが…。「王子様であることを認識せず仲良くなれた」というヒロイン性の強調にはなるのだが。

総評

綺麗にまとまった内容やとっつき易さで、シリーズ最高傑作の呼び声が高く、多くの人が楽しめる。
「手軽に遊びたい」「RPGは未経験」という人にはオススメ。


その後の展開

  • 現在ではPSP・PS3のゲームアーカイブスで600円で購入可能。
  • 今回の「ガミガミ魔王」の冷遇っぷりは後の『ポポロクロイス 月の掟の冒険』で解決されている。
    ピノン(ピエトロとナルシアの息子)を終始バックアップするナイスミドルなおじ様になっている。