「STAR CRUISER」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
STAR CRUISER - (2017/06/27 (火) 23:44:34) の編集履歴(バックアップ)
STAR CRUISER
【すたーくるーざー】
ジャンル
|
STG&AVG&RPG
|
写真はメガドライブ版
|
対応機種
|
PC-8801mkIISR以降、PC-9801VM/UV以降、 X1turbo、X68000、メガドライブ
|
発売・開発元
|
【PC各種】アルシスソフトウェア 【MD】メサイヤ(日本コンピュータシステム)
|
発売日
|
1988年5月 【MD】1990年12月21日
|
定価
|
【PC88】7,800円
|
判定
|
良作
|
概要
-
RPG的要素を持った、ADV&3DSTG。当時のポリゴンを存分に生かした作り。
-
正にスペースオペラを具現化したようなゲーム。宇宙の深さを感じる事のできる冒険活劇である。
ストーリー
25世紀。宇宙開拓時代が始まり、人類は近隣の星系にも勢力を広げた。その結果、異性人国家、銀河連合との接触を果たす。やがて人類の連邦政府はこの銀河連邦と同盟を結ぶ事を考えた。しかし、それに異を唱えるものの反乱が起こる。だがそれはあっけなく鎮圧された。ただその主謀者「ガイスト・ニードマン」だけは、その鎮圧から逃れ行方をくらました。
全てが順調に進むかに思われた連邦政府だが、急激な勢力範囲の広がりのため、治安統制力の維持が困難になってくる。やがて辺境星系では治安が悪化。そして謎の犯罪組織「VOID」が現れる。VOIDは瞬く間に連邦全土へ勢力圏を拡大。時代に暗雲が立ち込め始めていた。
そんな中、ハンターと呼ばれる賞金稼ぎ達が活躍し始める。その一人、A級ハンター、ブライアン・ライトはVOIDの末端組織の一つ「太陽風」の基地を襲撃する。しかし逆に撃墜され、基地内に不時着してしまった。
特徴
-
ポリゴン黎明期における、複数の要素が混ざり合った3DSTG。また経験値の概念はないが、RPG的要素も強い。
-
視点は一人称。自機はこのゲームの中では、いいデザインをしているが、ゲーム中にそれを見れるシーンはあまりない。
-
移動方法は、地上と宇宙で異なる。地上では前後左右の移動と方向転換。宇宙では上下左右の方向転換と、加減速。一応、上限速度は遅いながらも、後退もできる。
-
自機はバリアに包まれている。これがなくなると直接ダメージを受け、故障が発生する。やがてダメージが上限を突破すると破壊され、ゲームオーバー。
-
バリアの修復は各惑星の商店でできる。また自機のエネルギーを使って修復も可能。ただし、先述の通りエネルギーは航行にも使うので、その点注意が必要。
-
自機の強化は基本的に装備を購入する事により行う。またイベントによる改造等でも強化される。
-
攻撃は基本的に連射式のレーザー。戦闘機でのバルカンのみの戦闘に近い。
-
一応、他には破壊力のある特殊弾や誘導性能を持つミサイルもある。ただ双方とも単価があまり安くないため、気軽に使えない。
-
敵はボス敵とザコ敵に分かれる。どちらの攻撃も、向きなど関係なく自機を狙ってくる。
-
宇宙にいる敵機は、エンカウントスタイルではなく対象がそのまま展開している。自機を見つけると向かってくる。
-
惑星上にいるものは、シンボルエンカウント。ただしシンボルは動かない。接触するとステージが変わり戦闘となる。
-
ザコ敵は見かけの種類は多いが、動きや攻撃の系統としてはそんなに多くない。
-
各ストーリーのラストで現れるボスは、動きがザコよりはやっかい。ただやはりボスも機体こそ違うものの、系統としてはそんなに多くはない。
評価点
-
宇宙の広さを感じる壮大なスペースオペラ。
-
舞台は複数の惑星系。スタートは太陽系から。各惑星やステーションを巡りVOIDを追う。
-
惑星間の移動は、基本的に巡航航行。文字通り宇宙を駆けるのである。惑星間の距離は結構あり、中にはとんでもなく離れてるものもある。星明りだけが見える中、ひたすら巡航飛行で進んで行く。これが宇宙の深さを感じさせるのだ。また移動できるのは惑星間だけでなく、他の惑星系星域に行くことも可能。この場合の移動は自機の機能ではなく、重力カタパルトというシステムで送り出してもらう事になる。次のステージへという訳だ。
-
宇宙の航行にはエネルギーを消費するのだが、これが途中で切れると当然遭難である。真っ暗な宇宙空間で、進みつつもどんどん減っていくエネルギー。微妙な不安感と宇宙の広大さを覚える。これも宇宙の深さを感じる醍醐味。
-
一応ワープもあるが、入手できるのはかなり後。
-
惑星上には、パーツショップ、酒場、修理工場、エナジー・スタンドなどがある。このスペースオペラらしいのが、エナジー・スタンドだろうか。バリアの修復とエネルギーの補充を行う。少し面白いのが、サービスがその惑星の一店舗でしか受けられないという訳でなく、同じサービスを複数個所でやってる場合もある。しかも値段が違う。その逆で全てのサービスが揃ってる訳ではない惑星もある。また各惑星で、物価も違ってたりする。
-
序盤は搭載エネルギー上限が低いため、たどり着くことのできない惑星がある。しかし、後に追加タンクを入手する事により行動範囲が広がり、新たな惑星へ到達する事ができるようになる。広大な宇宙での新たな発見を実感できる。
-
段階の多い武装によるRPG的要素。
-
自機の強化は購入によって行われるが、ランクが多岐にわたるため、RPG的な成長要素を楽しめる。
-
ストーリーは惑星系によって章が分かれるようなイメージ。もちろん惑星系間を行ったり来たりする事もある。テンポがよくボリュームも十分。内容も多彩で飽きさせない。つい先が見たくなる秀逸なもの。
-
FM音源を最大限に生かしたBGMは秀逸。特にOPは印象的。
問題点
-
敵の系統が少ない。ボスも含め、その攻撃や動きの種類は数えるほど。
-
本作は様々な機種に移植されたが、機種によっては顔のグラフィックの使いまわしがやや多いものがある。
-
PC版のラスボスの巨大戦艦の内部はまさに迷路。ワープポイントが多数用意されており、マッピングがやっかい。
-
それまでマッピングの必要などなかったのに、突然厳しくなるのはさすがラスボスと言うべきなのかどうか。
総評
スペースオペラという現在でもあまり採用されてないテーマを扱った作品。ポリゴン黎明期において、ポリゴンの可能性を、ようやく発揮させる事ができた作品とも言える。
宇宙での移動を基本巡航航行にしたため、宇宙の広さを感じる事ができるのはこの作品の大きな特徴だろう。また、ストーリーも流れやテンポ、ボリュームも、スペースオペラというものを十分味わえるもの。一方でRPG風味にしたのも、単に話を進めるだけではない楽しみを提供した。
まさに宇宙を駆け巡る大冒険と言える作品である。
余談
-
本作はメガドライブに移植された際、家庭用向けにいくつかの変更が加えられた。
-
主人公ブライアン・ライトの名前が自由に変更可能(デフォルトネームは「ブライアン」)。それに伴い完全に無口になり顔グラフィックも存在しない。会話はサポートロボットのフレディが担当。
-
金銭の概念がないため、ドックに行けば無料で全回復が可能。
-
ダンジョン内の戦闘はPC版では戦闘モードに切り替わるのに対し、MD版は完全にシームレスで戦闘が展開する。
-
その他登場人物や施設の設定で細かい差異がある。
-
本作の前身としてアメリカのTVドラマ「スタートレック」を題材にした「スターフリート/B」という作品がある。製作者の吉村功成はこのスターフリート的なものがもう一度作りたくて製作したのが本作「スタークルーザー」である。