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テイルズ オブ イノセンス - (2017/05/28 (日) 22:03:06) の編集履歴(バックアップ)


テイルズ オブ イノセンス

【ているず おぶ いのせんす】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:想いを繋ぐRPG)

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1GbitDSカード
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 アルファ・システム
発売日 2007年12月6日
定価 6,090円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
コンテンツアイコン 暴力、言葉・その他
廉価版 Welcome Price 2800:2008年10月30日/2,940円
判定 なし
ポイント 良くも悪くもシンプルな出来
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク


概要

  • テイルズ オブシリーズのマザーシップタイトル第9弾。略称は『TOI』『イノセンス』。キャラクターデザインはいのまたむつみ。
  • 製作はナムコ・テイルズスタジオではなく『式神の城』や『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2』のアルファ・システムが手掛けている。
  • DSテイルズでは2作目。外注作品としては初のマザーシップタイトル。
    • 1作目の『テイルズ オブ ザ テンペスト』があまりにあんまりな出来だったことも手伝ってか、期待が寄せられた。
    • 1年後に発売されたDS3作目の『テイルズ オブ ハーツ?』と同じ時期に製作がスタートしていることから、『ハーツ』の布石、『テンペスト』の救済措置として発売されたのではないかと言われている。

システム

  • DS LIBS(ディメンショナルストライドリニアモーションバトルシステム)
    • 基本的なグラフィック等のベースはPS2『アビス』の物と同様。フリーランを使用し自由なライン移動が可能。
    • 本作ではPS2『リメイク版デスティニー』と同様の空中コンボ「アサルト」を繰り出せる他、特技系統は『シンフォニア』の3段階制を継承、『レジェンディア』の敵HP表示とパッシングスルーに相当する避け移動も存在。
      • なお、敵HPが表示される事によってシリーズ恒例のスペクタクルズも無意味になると思われがちだが、本作のモンスター図鑑もスペクタクルズを使用したモンスターに完成率が適用される仕様にされている為、スペクタクルズの出番もきっちり用意されている。
  • 覚醒システム
    • お馴染みの「オーバーリミッツ」に相当するシステム。
    • 連続で攻撃を当てたり、敵の攻撃を連続でガードすると上昇し、ゲージがMAXになるとステータスの上昇や秘奥義の使用、インフィニティジャム(後述)の発動が可能になる。
  • インフィニティジャム
    • 『シンフォニア』の「ユニゾンアタック」の発展系とも言うべきシステム。覚醒ゲージがMAXになると発動可能。
    • 発動すると敵が発動者の覚醒ゲージが空になるまで無防備になり、その間に自由に連携攻撃が可能になる。
    • 発動中にLボタンを押すと操作キャラクターを他の戦闘メンバーに入れ替える事も出来、そのまま他のキャラクターの連携に繋げる事が可能。
    • 要するに本作の戦闘は「これまでのマザーシップタイトルのいいとこ取り」とも言うべきシステムだろう。
  • スタイルシステム
    • 『シンフォニア』のタイプセレクトとEXスキルを発展された育成システム。本作では数種類のスタイルから選択してキャラクターをカスタマイズする育成制度を採用している。
      • 基本的なスタイルは物理攻撃重視の「アドバンスト」、術攻撃重視の「ウィズダム」、防御重視の「ガーディアン」、機動力重視の「テクニカル」の4種類で、隠し要素として覚醒重視の「イノセント」と苦行・ボーナスの「ヴァーサス」も存在。
      • 物理攻撃あるいは術攻撃重視のスタイルの存在から、全キャラが近距離系特技を取得していたり、本作では『デスティニー2』以来の全パーティーキャラが術を使用出来る様になっていたりしている。
      • 各種スタイルのレベルを上げていくと「アビリティー」というスキルを取得する事が出来る。アビリティーはキャラクターにセットする事が出来、スタイル共々様々なキャラクターを作る事も可能。
  • ギルド・ギルドダンジョン
    • これまでの「サブイベント」に相当する存在。各街の「ギルド」という施設で依頼を引き受ける事が出来る。
    • ギルドでのクエストは主に各地に点在する「ギルドダンジョン」というエリアにて行う物が殆どだが、終盤戦になると同ダンジョンを界しない物も登場する。
    • ギルドで行うクエストは「行方不明の子猫を探せ」や「特定のモンスターを規定数倒せ」といったありがちな物から、「ステータスダウン効果の付いた防具を装備して一定回数勝利する」という尖った物まで様々。
    • 「ギルドダンジョン」は通常のダンジョンとは異なり入る度にダンジョンの構造や宝箱の中身が変化する他、ダンジョン内の敵も請け負うクエストのレベルに応じて変化する。
  • 絆システム
    • 本作では特定キャラクター間との『絆』というパラメーターが設定されており、一緒に戦闘した回数、イベント、スキットでの選択肢や行動、料理を食べる(後述)によって上昇するようになっている。
    • 要するに『シンフォニア』の「好感度」システムの発展系だが、「主人公に対して仲間からの評価」という物では無く、「特定キャラに対しての周りからの評価」に留まっていて、『シンフォニア』時代の「仲間キャラクターを落とす」ようなシステムでは無い。
  • 料理について
    • 本作の料理は体力回復効果はほぼ無く、一定時間ステータスが変動する物と絆が上昇のみに統合されている。
    • また、料理レシピの取得方法も「各地のワンダーシェフ等から料理のレシピを直接教えて貰う」から「ギルドでグレードと交換する等、レシピアイテムを取得した後同アイテムを使用する」事に変更され、料理も「アイテム」として扱われている関係で作成した料理もコレクター図鑑に登録されるようになっている。
  • 覚醒リスト
    • シリーズお馴染みの「称号」に相当するシステム。
    • 本作では様々な行動を引き起こす事によって、「ライブラリー」内の「覚醒リスト」の項目が埋まっていく。要するに「実績解除」。
  • 通信モード
    • 『テンペスト』同様複数プレイヤーによるマルチプレイが可能となっている。
    • ストーリーの進行からギルドダンジョンへの挑戦まで、戦闘を協力して行うことができる。
      • ただしメニュー操作や場所の移動等は1Pのみ可能で、戦闘中のキャラクターの切り替えやインフィニティジャムの使用は不可能。
      • なお通信プレイ終了後に、2P以降にも入手したガルドやグレード、ギルドポイント等が給付されるほか、全員に「ヴァーサス」スタイルが解禁される。
    • シリーズお馴染みの「ソーサラーリング」に相当する物が存在しない。
      • ただ、本作ではフィールド・ダンジョン移動中に物理攻撃(アサルト)を繰り出す事が出来る。
      • 「アサルト」を敵オブジェクトに当てて戦闘に突入すると、敵の背後に回って戦闘開始した時と同じく、開始時に先制攻撃を繰り出す事が出来る。このシステムは後に『ゼスティリア』でも採用されているが…

評価点

  • グラフィックはDSの性能を考えれば出来が良い。
  • 初めてまともにプレイできる様になったDSのテイルズ オブ シリーズ作品である事
    • 前作『テンペスト』はキャラやストーリーはともかく、開発元のノウハウ不足の関係でシステム面の破綻によりまともにプレーする事すら困難な作品であった。
    • だが、本作は経験のあるスタッフよる制作により、前作と比較してシステム面は通常の作品と遜色の無い程度に進化していて、ひとまず安心といったところだろう。
  • いのまたテイルズ初の完全3D作品
    • これまでのいのまたむつみがキャラクターデザインを担当していたテイルズ オブ シリーズ作品はいずれも2Dで、グラフィック自体は3Dの前作『テンペスト』も戦闘が『リバース』を発展した物だった為「2Dから脱却出来た」とは言いがたい物だった。
    • だが、本作は前作同様『アビス』からの使い回しが多いとは言えど、戦闘も完全3D化が施されていて、これにより真の意味での『3Dによるいのまたテイルズ』と名乗れる様になったとも言える。
    • 残念ながらDSにおける次回作『ハーツ』では2Dに戻ってしまったが、更なる次作『グレイセス』からは藤島同様の3Dに統合される事になる。
  • 戦闘システムも好評。
    • アクション要素を取り入れた戦闘は奥深く、空中でコンボが続いた時はかなり爽快。一体の敵を一定時間戦闘に参加しているキャラ全員で一方的に攻撃し続けられる「インフィニティジャム」や、一定時間攻撃力や詠唱速度が高まる「覚醒」を使って様々な組み合わせのコンボができる。
  • 図鑑要素の充実。
    • 『レジェンディア』以降の本編タイトルではシリーズ長期化に伴うマンネリ防止の為かモンスター図鑑とコレクター図鑑はどちらかが削除される事例が続いていたが、本作でモンスター図鑑及びコレクター図鑑の両採用が復活した為、ファンに歓迎される事になった。
      • 特にモンスター図鑑は以前『アビス』のモンスターモデルを流用していた『テンペスト』よりも更に多くの『アビス』出身のモンスターを自由に閲覧出来る事は嬉しい限りである。
  • いのまたむつみによるキャラクターデザインもこれまでのキャラと異なるなど多少の賛否両論はあるものの、ユーザーからの受けは上々。キャラクター自体も、気弱な主人公・ルカや、それをネタにルカをいじり倒す新機軸ヒロイン・イリアなど、これまでのシリーズにない魅力を持っている(描写が描写なので、賛否分かれるが)。
  • OPアニメーションは、KOKIA独自の世界観とプロダクションI.G製作のアニメーションも相俟ってハイクオリティに仕上がっている。
  • 従来のシリーズ通り、豪華な声優を採用した個性の強いキャラクターは健在。
    • フルボイスではないもののイベントシーンにも声がついている。
    • 女性声優が主人公を演じるのはマザーシップタイトルとしては初である。
    • また、サブキャラにも主要キャラとしての活動も多い若本規夫、杉田智和、沢城みゆきを採用しているほどである。
      • 若本氏が演じるキャラクターの「ガードル」はこれまでの氏のキャラクターがキャラだったせいか、ファンの間から「第二の穴子」と称されている他、真殿光昭が演じる「ハスタ・エクステルミ」は、脱力系かつ電波な言動や声優の狂演もあってか、ファンからも非常にコアな人気を持つキャラクターになっている。

賛否両論点

  • 称号の廃止
    • テイルズ オブ シリーズでは恒例の収集要素としてキャラクター毎の「称号」が存在しているが、本作では廃止されてしまった。称号の無い本編タイトルはPS『オリジナル版デスティニー』以来の事になる。
      • 称号の廃止によりサブイベントの総数も激減していたり、ステータスボーナスも存在していない…と言いたい所だが、本作では称号に代わるイベント要素は「覚醒リスト埋め」で、ステータス増減要素は「スタイル」でそれぞれカバーされていると言える。
  • アクセサリー種類の激減
    • 従来のシリーズ作品では消費TP半減の「フェアリィリング」や詠唱時間減少の「ミスティシンボル」等の豊富なアクセサリー系装備の存在も欠かせないが、本作では「ポイズンチェック」を代表とする状態異常系と「フレアマント」等の属性軽減系の2種類しか存在せず、従来作と比較してバリエーションに欠ける。
      • ただ、本作では各種スタイルを育てて取得する「アビリティ」のセットで詠唱時間減少やHPが徐々に回復などの効果を得たり、術技の熟練度を上げると消費TP量が減少していくシステムになっている為、最終的に従来シリーズ作品と遜色ない程度に収まるだろう。
  • 料理関連
    • 本作での料理システムは概要の通り体力回復効果が廃止されている代わりにステータス上昇の効果のみ、かつ取得方法や料理の扱いも特殊な物に変更されている関係で、これまた従来のシリーズファンから賛否が分かれる事になってしまった。
  • これら本作独特のシステム群は、DSにおける次回作『ハーツ』にて廃止され、従来と同様の仕様に戻る事になるのだが・・・

問題点

  • シリーズ恒例のスキット(フェイスチャット)にほぼ声がついておらず、収録数も少なめ。また、テイルズではお馴染みの劇中アニメーションがない(wiiの『ラタトスクの騎士』にも言えることだが)。
    • スキットに声が付いていない関係上、本作の多くのスキットには内容次第では絆値を上昇させる効果がある選択肢がある物も多いが、ボイス無しかつ選択肢付きのスキットは『シンフォニア』の物とほぼ同一仕様になっている為、既視感を覚えるプレイヤーも多いだろう。
      • この点は携帯機である以上、仕方ないところではある。
  • フィールド画面と世界設定の問題
    • フィールドではこれまでの作品で登場していた宝箱やスキットポイントといった物が存在せず、探索の面白味に欠ける。
      • 一応、フィールド移動中にカスタマイズアイテムや薬草を獲得できる「採取ポイント」が出現する事があるが、1回のみ調査できるフィールドの物よりもギルドダンジョンの同型の物の方が多く調査できる為、わざわざフィールドに採取ポイントを用意した意義が薄い。
    • また「ナム孤島」や「ねこにんの里」といった恒例のお楽しみスポットが存在せず、サブイベントは基本的に町かダンジョン限定になってしまった。シリーズ恒例のおまけダンジョンがフィールドに存在しているのがせめてもの救いか。
      • この「町・ダンジョン以外のフィールドオブジェクトは完全排除」という方針に従ってか、本作のマスコットと本作のねこにんポジションのキャラクターを務めるコーダの種族「ミュース族」の集落が存在してない事で生態系が全く分からず、街の住人との会話で情報が聞ける「鉄道」も序盤のイベントで登場したきりで町中の駅やフィールドで走っている描写が見当たらず、どちらも「ほぼ設定のみの存在」と空気化している感が否めない。
  • ダンジョンが単調な上長く、敵が多い。その上パーツのコピペを多用しているため非常に迷いやすい。
    • 一応、宝箱やセーブポイント等のマップ内オブジェクトの存在を記憶する事で大体のプレイヤーの位置を把握出来るが、それでも迷いやすいと言わざるを得ない。
      • 特に「マムートのギルドダンジョン」はカメラアングルがプレイヤーに近くマップ内オブジェクトの数も少ない上、ダンジョン区分の関係で進入の度にマップ構成が変動する仕様になっている為、只さえも迷いやすい本作のダンジョンの中でも屈指の迷いやすさを誇ると言われており、同ダンジョンでのクエスト達成難易度も非常に高い。
    • 最終ダンジョンに至っては 延々と螺旋階段を上るだけ の構成。その上通路が狭いため敵を避けるのはほぼ不可能。
    • この作品の後に同社が開発したファンディスク『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』でもこの点は同様。
    • また、隠しダンジョンは自動生成ダンジョンであるのだが、裏ボスと戦うためには セーブなしで地下100階 まで潜らなければならない。一応5階ごとに脱出ポイントはあるが途中入場は不可能と、あまりに面倒くさすぎる。
  • シナリオも評価が低い。内容もかなりあっさりしており、全体的に説明不足。
    • 主要キャラクターは前世で知り合い同士で、それが重要な部分を占めているのだが、大抵の敵キャラが前世にとらわれすぎている。チトセに至ってはルカを慕う理由もイリアを憎む理由もすべて前世から引きずっているものであり、「前世のまんまの記憶しかないのか」と批判されるほど。
    • エルマーナ「ウチ前世はヴリトラやってん」ルカ「へー、ぼくアスラ」の会話に代表されるように、まるでネットゲームで知り合った仲間が現実(オフ会)で出会ったかのような描写から「初めてのネトゲオフ会」と呼ばれる事も。
  • 戦闘バランスにもやや難がある。
    • 序盤こそ普通だが、中盤あたりから敵の能力がインフレし始め、プレイヤー側はHPやTPがレベルを上げてもあまり上がらず、こちらの取れる行動の選択肢が限られてしまう。これに耐えかねて投げる人も。
    • 特技・秘儀・奥義の3段階のシステムを採用しているのに、セットできる術技が4つのみと少ない。そのため戦闘がワンパターンになりがち。
      • セットできる術技が少ない分、比較的シンプルな戦闘になっているの救いか。
    • 『アビス』までの3D作品で登場していた「払い」の通常攻撃が廃止され広範囲攻撃が術技限定になっている関係で全体的に攻撃範囲が狭く、通常モンスター戦で袋叩きに遭う率が高い。特に蟹の姿をしたモンスター戦で顕著。
    • 本作での戦闘終了後のガルド及びアイテム獲得は敵を倒すと飛び散るオブジェクトを回収しないと獲得出来ない仕様になっている為、一つ取り逃すだけで取得ガルドが下がる所かアイテム獲得もままならない。
      • 一応、これの対策としてはテクニカルのスタイルのレベルを上げるで取得出来る「吸い上げ」のアビリティをセットする事や、作戦の優先行動で「お金を回収しろ」「アイテムを回収しろ」を設定すれば良いが、前者の場合はアビリティセット容量を圧迫してしまいキャラクター育成の自由度が低下してしまう難点も存在する。
    • 戦闘画面及びモンスターのデザインは『アビス』のほぼコピペ。見た目での新鮮味はほぼ無い。
      • しかも『アビス』で強すぎていた点が指摘されていたフリーランもほぼ未調整で登載され、ON/OFF可能だったアビスとは異なり標準システムとして存在している上に、フリーラン中にも攻撃をくり出せる事から、只さえも強すぎたアビス以上に強さに磨きが掛かっているとも言える。
    • ニンテンドーDSのボタン数の関係かターゲット切り替えとフリーランが同一ボタン(短押しでターゲット切り替え、長押しでフリーラン)に統合されている関係で少しややこしく、3Dテイルズに慣れているプレイヤーは操作に混乱する可能性が高い。
      • また、ボタン長押しがフリーランに設定されている為、従来作で出来て当たり前だった「ボタン長押しで時間を止め、じっくりとターゲットを絞り込む」事が不可能になってしまった。
  • ギルドシステムもかなり不評。
    • 依頼内容も画一的で、ただポイントを稼ぐだけの作業ゲーになっている。
      • 一応フォローすると、依頼の中にはギルドダンジョンでしか戦う事が出来ないモンスターや、特殊アイテムを装備して進める物も存在している事から各種図鑑のコンプリートには必要不可欠であり、クエストで獲得出来るグレード量も戦闘時の物と比べて多く、引き継ぎアイテム(後述)の購入には必須となっている。
    • グレードを消費して各種便利アイテムや2周目引き継ぎ権利を買うことが出来るが、過去の作品に比べて引き継ぎアイテムが高すぎる。ギルドでクエストを破棄しただけでここの消費ポイントを1%値上げされてしまう*1
      • こう書くと「じゃあ諦めずに全てクエストを達成したら別に良くね?」と多くのプレイヤーは思うかも知れないが、クエストの中には「全ステータスが大幅にダウンしてしまうペナルティの付いた防具をパーティー全員が強制装備してストーリー後半戦の敵に10回戦闘で勝利する」という、ライトプレイヤーお断りな物が2つ程存在する為、コレクター図鑑埋め目的のプレイヤーの場合は、図鑑登録後に破棄してしまいやむを得ずギルドアイテムを値上げしてしまう可能性が高いだろう。
      • また、ギルドで交換可能な引き継ぎアイテムの値段も記述では「高すぎる」と言い回しこそネガティブだが、実際は高ランクのクエストの受注を繰り返す事で意外とあっさりと交換に必要なグレードを稼げてしまう事から、引き継ぎ難易度もシリーズの中でも相当低い部類に当り、下手すると1周目の時点で全ての要素が引き継げてしまう
        対して戦闘時のグレード量はいつも通りでクエスト受注と比べると遙かにペースが劣る事から、本作でのグレード稼ぎは最終的にギルド頼みになる点が否めず、要するにグレード関連のバランスが取れてない
  • グレードとは別に戦闘評価がエターニア以来の復活となったのだが、戦闘ランクノーマルでは満点を取るのが非常に困難である一方で、ハード以上だとレベルを上げて序盤の敵を瞬殺しただけで満点が取れてしまう。
    • 高評価のものは5つまで記録されるのだが、同評価のものは古いものから順に消去される。保存は不可能で、コンボが長く続いた記録等も雑魚との戦闘の記録に容赦なく上書きされてしまう。
  • 引継ぎによって一部イベントが起こらなくなり、いくつかの要素がコンプリートできなくなるバグが存在する。
    • その場合引継ぎアイテムを捨てて周回すれば復活するが、引き継がなかった要素をまた集めなおす必要がある。
  • 敵幹部の中にはボイス数が少なく序盤と終盤にしか用意されて無いキャラクターも存在する。
    • しかもそのキャラクターがボイス登場した際のキャラクターモデルは既存の敵からの使い回しで、殆どの敵幹部が取得している秘奥義すら無いという酷い有様。
    • もっとも、該当キャラクターとの戦闘では久々のボイス登場にも関わらず、やたらと喋りまくるのがせめてもの救いか。

総評

グラフィックなどはDSの性能を考えればかなり出来がいいが、上記の問題点が足を引っ張ってしまい、評価は割れ気味である。
ただ、あんまりすぎる出来であった前作である『テンペスト』による前評判の悪さを覆すには十分な出来であり、特に戦闘面にこだわるユーザーには満足できる内容である。
簡単にまとめれば、シンプルさが売りの出かけ先でも気軽に出来るRPGといったところ。


余談・その後

  • 本作はシリーズ恒例の小説版が発売されている他、ジャンプスクエア創刊号からコミカライズ版も連載されていた(全12回)。
  • この作品の後にDSで発売された『ハーツ』(こちらはナムコ・テイルズスタジオ製作)では、今作の問題点をほぼ改善してはいるのだが、斬新過ぎる販売戦略でまたしても評価が割れてしまった。
  • 2012年にPS Vitaで『テイルズ オブ イノセンス R』としてリメイクされた。
    • 戦闘システムの変更、シナリオの一部書き換えおよびマップの追加、フルボイス化、グラフィックと音質の向上、キャラの追加などがされた。