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ニンジャガイデンΣ2 - (2014/03/01 (土) 17:33:37) の編集履歴(バックアップ)


ニンジャガイデンΣ2(NINJA GAIDEN Σ2)

【にんじゃがいでんしぐまつー】

ジャンル アクションゲーム
対応機種 プレイステーション3
発売元 テクモ
開発元 テクモ(Team NINJA)
発売日 2009年10月1日
定価 7,800円(税抜)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 PlayStation3 the Best:2011年2月17日/3,800円
分類 良作
忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ

概要

  • 3Dアクションの傑作『NINJA GAIDEN 2』をPS3用にリメイクした作品。
  • ディレクター(兼プロデューサー)は現TeamNINJAのリーダーでもある早矢仕洋介
    • 原作である2のディレクターであった板垣伴信は、Σ2の発表前にテクモを退社している。
  • プレイアブルキャラに、ファンから要望の強かった「あやね」『NINJA GAIDEN Σ』に引き続き「レイチェル」『NINJA GAIDEN DragonSword』のヒロインである「紅葉」の3人が追加された。
  • Co-opで2人のプレイヤーが協力して敵の殲滅に挑む「チームミッション」を搭載。

評価点

さらに向上したグラフィック

  • PS3のBDの容量を生かしたことでグラフィックは、より美しく上質な物になっている。
    • 本体設定で出力を1080Pから720Pにした方が綺麗である*1

レーティングの引き下げ

  • 2はCERO:Z(18歳以上のみ対象)であり、18未満のユーザは購入できなかった。本作はCERO:D(17歳以上対象)であり、年齢に関係なく購入できる。

2で不評だった点の削除および調整

  • スイッチを押して道を開く、鍵を入手して扉を開ける等の、いわゆる謎解き・おつかい要素がほとんど削除された。
    • 純粋にアクションのみを楽しめるようになり、ゲーム自体もサクサク進められるように。
  • 爆裂クラゲ、ホバーエクゼター、アマゾニアンデスワーム等の敵が削除された。
  • 人狼の死体投げ削除、9連装ポッド兵の配置数減少等の調整。

R1ボタン(カメラリセット)を長押しすることで次に進むべき方向を示してくれる

  • 初回プレイでありがちな、道に迷う、先へ進むための梯子や扉が見つからないといったことがなくなった。
  • 戦闘中は長押ししても進む方向を示さない。

チャプターチャレンジの搭載

  • ゲームクリア後の話になるが、クリアした難易度なら任意のチャプターに挑戦できるようになった。
  • データを引き継いでの周回プレイはできなくなったが、チャプターチャレンジは最初から全ての装備・忍法が最大強化されているので特に問題はない。
    • ただし開始時の回復アイテムやエッセンスの所持量が固定であるため、一部チャプターは本編よりも難易度が高くなっている。

新武器「破砕牙・閻魔」の追加

  • 『NINJA GAIDEN』の大刀ダビラヒロを彷彿とさせる武器で、攻撃範囲の広さと攻撃モーションの勢いが特徴。
  • 絶技は自分中心の範囲攻撃であり、大量に沸く小型の敵の殲滅等に役立つ。

手裏剣と遠距離武器を同時に装備できるように

  • 手裏剣は従来通り○ボタン。他の遠距離武器はR2ボタンで使用できる。

矢の所持数が無限に

  • 残り所持数を気にすることなく、積極的に使っていけるようになった。

その他

  • 登場人物が増え、プロローグ(吸魔大戦)が追加されているなど、より世界観が掘り下げられている。
  • 敵配置・武器配置等が変更され、一部マップの構造が変更。これにより無印版をプレイしたユーザーでも楽しめる内容に。
    • また、新ボスが数体追加されている。

問題点

新飛び道具「轟砲大筒」の性能が微妙

  • バズーカ砲のような遠距離武器なのだが、弾速が遅くて敵に当たり辛い上に威力もそこまで高くない。しかも撃った直後に長い硬直が発生してしまう。
  • この武器を弱点とする敵も存在しないため、使い道のないネタ武器と化してしまっている。
  • 敵に当たるとなぜかその敵に無敵時間が発生するため、チームミッションで相方が戦っているボス等に撃つとコンボが途切れたりして非常に迷惑をかける。

チームミッションのCPUのAIが酷過ぎる

  • 1人で挑戦する場合、必ずCPUの相方と共闘しなければならないのだが、完全にプレイヤーの足手まといとなっている。
  • どちらか片方の体力が0になるとゲームオーバーという仕様のため、どんなにプレイヤーの腕前が良くてもCPUがいるためにクリアできないというミッションが非常に多い。
    • 一応、体力が0になっても相方に助けてもらえば復活できるシステムが存在するのだが、CPUの場合復活直後にまた死ぬため意味が無い。また、CPUより先に自分の体力が0になった場合でもCPUは助けに来る前にほぼやられてしまう。
    • 「忍の道」「強者の道」程度の難易度であれば何とか突破できるのだが、「悟りの道」以上の難易度となると開始後十数秒でCPUが死ぬ。囮にすらならない。
  • 結果、ネット環境がないプレイヤーは「悟りの道」以上の難易度のミッションを、どう頑張ってもクリアできないことに。

あやね・レイチェル・紅葉で遊べるチャプターが1つだけ

  • ヒロインの参戦を売りにしているにも関わらず、操作できるのはたった1つの専用チャプターのみ。リュウのチャプターを他の3人で遊びたかった、という意見は多い。
  • 一応、チームミッションで操作することはできるが、後述の問題により実際にチームミッションで使うプレイヤーはあまりいない。

調整不足を感じられるあやね・レイチェル・紅葉の弱さ

  • 『NINJA GAIDEN Σ』のレイチェルでもあったが、今作でもその問題は解消されていない。
  • 3人に共通した欠点として、「風路」が存在しない、攻撃力が低い等。
  • レイチェルとあやねは忍法が弱く、あやねに至っては攻撃のリーチが非常に短い上、絶技の威力・欠損率も悲しいぐらいに低い。
  • 紅葉は強力な忍法やリーチの長い武器を持つが、どちらもリュウに劣る。
  • 結果、上記の3人ともリュウに比べ劣る部分が多いため、高難易度のチームミッションにおいて使用するプレイヤーはほとんどいない。
    • 例外として、レイチェルのみ裏風を利用した裏技(通称レイクル)や、エリザベートに有効な絶技、超性能のマシンガン等があるため、特定のミッションでは需要がある。

賛否両論点

大幅な難易度調整・敵配置変更

  • 敵の数がかなり減り、殲滅戦(大量の敵と戦うイベント)も廃止された。
    • アクション初心者・シリーズ未経験者には好意的に受け入れられた一方で、『NINJA GAIDEN Black』や『2』をやり尽くしたプレイヤーからは歯ごたえがなくなったと批判された。
    • ただ、敵の数が減った分、敵の攻撃力・耐久力が強化されており、サクサク進めるほど簡単になった訳ではない。
    • もっとも、その攻撃力の強化という調整自体賛否が分かれるのだが(後述)。

「超忍の道」における敵の実質即死攻撃と化した技

  • 投げ技
    • 敵の投げ技を喰らうと大抵即死、良くても8~9割程度のダメージを受ける。Blackや2の最高難易度でもここまでのダメージは喰らわない。
    • アーチヴァンゲルフや、ボスの投げ技はどんなに体力が高くても即死する。
    • 調整により下がった難易度を引き上げるための処置なのだが、これもシリーズ経験者の間では賛否が分かれている。
    • 「緊張感があっていい」と容認する者もいれば、「そういう難易度の上げ方は求めていない」と批判する者もいる。
  • アーチヴァンゲルフの火炎弾
    • こちらも先述の点と似た内容であるが、問題はそれを画面外から放ってくるということ。
    • 投げ技と違ってガードできる(それでも半分近く体力を削られる)ので、全く対処法がない訳ではないが…。
    • チャプター3の終盤で、アーチヴァンゲルフが複数体出てくる場所があるのだが、この問題によりその場所の難易度が跳ね上っている。
      • 戦闘場所は長く狭い通路でありアーチヴァンゲルフはその通路の両端から出現する。つまり敵全員を画面に映せない。画面外から火炎弾を撃ちまくられてしまう。
      • もっとも、このような画面外からの攻撃は2でも(即死級のダメージではないが)当たり前のようにあったため、シリーズ経験者からすればそこまで問題視するようなことでもないが、シリーズ未経験者からすればこの画面外攻撃は悪質極まりないもの。

高難易度におけるチャプター11(あやねの専用チャプター)が難し過ぎる

  • 出現する敵は地蜘蛛忍者(二刀、爪、妖忍)、人狼、アーチヴァンゲルフ(難易度によって変化)と、いたって普通だが、問題はあやねの弱さ。
    • 今まで紅葉・レイチェル・リュウでならできたことのほとんどが、あやねではできない。
      • 絶技・忍法の威力が低過ぎるのでそれに頼った戦法が使えない。レイチェルは忍法が弱い代わりに絶技が強かったのだが、あやねは絶技も弱い。
      • リュウの飯綱落としに該当する胡蝶飯綱も威力が低すぎるために主力として使えない。また、リュウの首切り投げに該当する闇鴉も、攻撃の起点としては優秀だが威力はかなり低い。リュウのように壁に当てて欠損という戦法も取れない。
  • 結果、弱攻撃や飛燕で欠損させて滅却というスタイルで戦っていくしかなくなるのだが、リーチが短く立ち回りには相当苦労する。
    • ただ、2の「超忍の道」やBlackの「MASTER NINJA」のチャプター1ほど理不尽という訳ではないので、時間を掛けて慎重に戦っていけば突破はできる。飛び道具である閃華クナイ(2でいう爆破手裏剣)は使い放題なので、うまく活用すれば多少楽になる。
    • また、難しいのは雑魚戦だけで、ボス戦は非常に楽。要は雑魚敵の行動パターンや弱点さえ把握してしまえば良い。

チームミッションの「忍びの極み(特に1と2)」の難易度が異常

  • 内容は1が「エリザベート、ヴォルフ、アレクセイの3体(増援でゼドニアスも登場する)を同時に相手にする」、2が「魔神幻心3体を同時に相手にする」。
    • どちらも「超忍の道」基準の強さ。その難しさは理不尽を通り越して、ユーザに対する嫌がらせとも言える。
  • 更に、Σ2のトロフィーの中に「チームミッションを全てクリアする」という物があり、この問題のためにトロフィーコンプできない人が続出。
  • 後に、レイチェルの裏風で常時無敵になれる裏技(前述のレイクル)や、魔神幻心2体を無力化できる方法(通称永久徒歩)が見つかったため、現在では攻略法はある程度確立されている。
    • それでも初~中級者レベルのプレイヤーにはクリア不可能なレベルであり、本気でクリアを目指すなら、上級者同士が前もって打ち合わせをした上で挑戦する必要がある。

爆破手裏剣・風車手裏剣、弓絶技の廃止

  • 2種の手裏剣に関してはあまり問題視されていないが、弓絶技の廃止に関しては批判の声が多い。
    • 代わりに通常撃ちの威力が上がっている等弱体化した訳ではないのだが、弓絶技で敵を粉砕する爽快感が味わえなくなってしまった。
  • 爆破手裏剣に関してはあやねが引き継いでいる。

ゴア表現の緩和・カット

  • 人間系の敵の首が飛ばなくなった他、欠損時のエフェクトが紫色や緑色のモヤになっていたり、血や肉片の飛び散る量がかなり減らされる等の変更があった。
    • より一般向けになったと言えるが、リアリティがなくなったことを嘆くファンもいる。とは言えレーティングの引き下げは評価点でもあるので叩かれることは余り無い。
    • 人間の首の欠損に関しては海外版ではカットされておらず、海外版でもテキストと音声を日本語化できるものもあるので、どうしても規制が気になる人は海外版を輸入するのもひとつの手である。

総評

板垣伴信を始めとするTeamNINJAの主要メンバーのテクモ退社により、発売前から「板垣本人がいないのにリメイクとか大丈夫か」「凡作・クソゲーに改悪されるでは」と、本作に対する大きな不安がファンの間に広がっていた。だが、実際のところ大きく問題視されるような改悪はなく、むしろアクション初心者・シリーズ未経験者向けに改良された部分が多い。

無論、そういった調整・変更はファンの間では賛否両論だが、アクションやテクニック等の肝心な要素は2からそのままの形で継承されており、ニンジャガの持つ本来のゲーム性は損なわれていない。ヒロインの参戦や、チームミッション等の新要素もおまけとして捉えればそこそこの出来である。3Dアクションとしての完成度は依然として良く、ニンジャガシリーズの入門用としては最適である。


余談

このΣ2の発売により、早矢仕洋介を始めとする新生TeamNINJAはシリーズファンから一定の評価を得られたのだが…続編である『NINJA GAIDEN 3』の出来がNINJA GAIDENシリーズにしては良くなかったために、せっかく得た評価を落とすことになってしまった。
また本作をPSVitaに移植した『NINJA GAIDEN Σ2 PLUS』のあまりの劣化移植ぶりからかなりの批判を浴びており、さらに新生TeamNINJAの評価は落ちた。詳しくはNINJA GAIDEN Σ2PLUS参照。