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END OF ETERNITY - (2018/04/27 (金) 15:08:14) の編集履歴(バックアップ)
END OF ETERNITY
【えんど おぶ えたにてぃ】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション3 Xbox360
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メディア
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【PS3】BD-ROM 1枚 【360】DVD-ROM 1枚
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発売元
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セガ
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開発元
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トライエース
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発売日
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2010年1月28日
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定価
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7,980円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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廉価版
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【PS3】SEGA THE BEST 【360】プラチナコレクション 2010年12月9日/3,990円
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判定
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良作
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概要
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トライエースとセガが初めてタッグを組んだ完全新作RPG。
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未来の地球、荒廃した世界にそびえ立つ大きな塔が舞台。戦闘では、主に銃火器を使用して戦う。
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初公開時の登場キャラの厨二全開のセリフの数々から、発売前は「見えている地雷」と揶揄される程のタイトルであった。
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戦闘システムが昨今の「○押してればいいだけのRPG」とは違い、まず戦闘システムを理解するところから始めなければならない為、体験版の段階で面白さを理解する前に投げた者からの多くの批判を受け、まさに発売前の評判としては地の底まで落ちていた。
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しかしながら、その独創的なシステム群や魅力的なキャラクター、熱中出来る武器カスタマイズや着せ替えなどの要素により、前評判とは裏腹に、蓋を開けてみれば実は良作、という評価を下す者が多いという結末に至った。
特徴的なシステム群
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戦闘システム
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ゲーム進行はセミリアルタイムバトル。自キャラが動かなければ時間は止まったまま。
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ターン制であるが敵のターンが存在しない。敵はこちらの行動中に動き、攻撃等の行動を取る。
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敵には本体以外にも破壊可能な部位がある場合があり、その場合はその部位がある方向から攻撃すると部位へのダメージとなる。ジャンプ攻撃の場合、全身に被弾判定が分散する。なお、部位によって別途ドロップが設定されている。
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スクラッチダメージ(仮ダメージ)とダイレクトダメージ(確定ダメージ)という2種類のダメージの存在。
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スクラッチとして与えたダメージは時間と共に回復してしまうが、ダイレクトダメージを与える事で、そのダメージを確定する事が出来る。ダイレクトは大ダメージを与えることができないので、スクラッチで削ってダイレクトで締め、という流れ。
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武器はハンドガン・マシンガン・グレネードの3種。なお、グレネードは所持数が有限なことに加え、「グレネードボックス」というアイテムを武器枠に装備していないと使用出来ない。
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ハンドガンとグレネードはダイレクトダメージを、マシンガンはスクラッチダメージを与える事が出来る。
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また、ハンドガンは攻撃力は低いがHPゲージをクラックさせ、分割することができる。クラックすると敵はスタン状態になる他、ISゲージも溜まりやすくなる。最大クラック数はキャラによって異なるが、上限に到達していてもスタンはする。
攻撃開始するとチャージゲージが上昇していき、それに伴って威力の上昇や様々な効果が付与される。なお、チャージゲージは敵に近ければ近いほど早く貯まる。
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上記3種類の武器以外にも、回復アイテムを使用出来る「ファーストエイドキット」に、銃と一緒に装備する事で特殊な効果を持つ銃弾を発射出来る「マガジンケース」という補助的な装備もある。
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インビンシブル・アクション(以後IA)
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ISゲージを消費することで発動する。発動時に指定した方向にしか移動できないが、移動中無敵で攻撃し放題。基本的にこれを使用して進めていく事となる。体験版ではこれに関する説明が足りなかった。そのため、棒立ちで撃って雑魚になぶられるという流れとなってしまう。
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IAの実行時間とゲージ消費量は関与しないので、できるだけ長い距離移動できるようにするのが基本。ジャンプすれば(タイミングを間違わなければ)大概の障害物や敵を飛び越えられるので、それを踏まえて方向を決める必要がある。
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IA中に他二人を結ぶ直線を横切ると、後述のレゾナンスカウントを貯められる。
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ISゲージは部位破壊や敵の撃破、クラックラインを越えるダイレクトダメージを与えることで回復する。ゲージはIA中でも貯めることができるので、如何に切らさないように攻撃を継続するかが鍵。
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レゾナンス・アタック(以後RA)
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自キャラ3人での一斉攻撃。まさにずっと俺のターン。使用時にはISゲージを一つ消費する。操作キャラはボタン一つで切り替えられ、操作中のキャラのみジャンプや攻撃が実行できる(攻撃中でも切替可能)。
3人が立っている位置を基点とした三角形の形に移動するため、3人の距離が十分離れてないとあっという間に終わる。
一辺を移動するとIAで溜めたレゾナウンスカウントを1つ消費し、カウントが0になると終了。(つまりカウント3の状態で使えば3辺を移動し元の位置で止まる。)
障害物や大型の敵にぶつかるとそこで終了してしまうので、位置取りは非常に大事。途中で引っかかってしまうような場合、タイミングを合わせて操作キャラを変更し、ジャンプで回避する必要がある。
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戦闘開始から中央のキャラが左右どちらかに移動(カウント1)→残った二人の片方が逆方向に移動(カウント2)→RA発動、が基本戦術。ここに如何にクラックや2種のダメージを絡めるかが肝となる。
敵の位置などに余裕があれば最後の一人も中央を移動し、次のターンでRAというのも手である。
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ISゲージ
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IAやRAを使用すると一つ消費し、敵を撃破するか敵の部位を破壊する事で一つ回復する。最大数は「I.S.べセル」と言う呼称となっており、かけらを集めることで増加していく(最大20)。
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自キャラの受けるダメージは基本的にスクラッチダメージだが、HP総量を超えるダメージを受けた場合、これを一定量消費してスクラッチダメージを全回復する。
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ISゲージが全て無くなると「デンジャー状態」となり、敵から受けるダメージが全てダイレクトダメージとなってしまう。当然戦闘継続に必須なIAもできなくなる上に通常攻撃も大幅に弱体化するので、挽回は困難。
また、この際ベセルは破壊されて4つの欠片としてフィールド上に分散してしまう(全部集めれば復活する)。さらにダメージを受ければ都度破壊され、欠片を敵に拾われると回復されてしまうため、デンジャー状態になった直後に復帰できなかった場合は実質全滅待ちに近い。
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宝箱
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本作は戦闘フィールドに宝箱が転がっている。当然と言えば当然のごとく戦闘に巻き込まれて破壊されてしまう可能性があるのだが、破壊されると復活しない。無視できない強力・貴重なアイテムもあるので、見つけたら気を使って戦わなければならない。幸い戦闘後もフィールドを歩き回れるので、速攻で撃破してゆっくり回収するのも手。流れ弾には注意する必要があるが。
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特殊弾
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特殊な弾丸を装填することで、特定のカテゴリの敵に対して大ダメージを与えたり、バッドステータスを付加することができる。当然消耗品なので、使いどころが肝心。
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両手銃
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ストーリーが進むと、両手に二丁の銃を持つことが可能となる。アイテムやグレネードが使えなくなるが、実質与ダメージやチャージ効果の判定が倍になるので圧倒的な攻撃力を持てる。当然、銃が複数必要。なお、2丁同時攻撃出来るのはハンドガンかマシンガンの2丁持ちに限られ、ハンドガンとマシンガンを1丁づつ装備した場合は状況に応じてハンドガンとマシンガンを持ち替えて戦う形となる。
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こんな説明じゃ全然分からん、という人はバトルチュートリアル動画をどうぞ。
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戦闘のリトライ
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(チャプター番号+1)×100ルビーで、バトル直前の状態にもどしてのリトライが可能。
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(チャプター番号+1)×10000ルビーなら、ISゲージも含め全ての状態を回復した状態でリトライが可能。なおこのリトライは1回のバトルで1度のみ。
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マップシステム
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フィールドマップ
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フィールドマップはヘキサ(六角形のマス)で構成されており、通行不可のエリアはエナジーヘキサを使用して開拓して行く。
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また、舞台が大きな塔である為、いくつもの階層からなる世界を、エレベーターなどで移動して歩くこととなる。
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ダンジョンマップ
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探索要素はほぼ無く、戦闘フィールドとなるマップが連続で繋がっている形となっている。(戦闘の無いマップも有り)
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タウンマップ
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カメラ操作不可で、基本的に横スクロールのような視点で街を歩く。イメージ的にはヴァルキリープロファイル2に少し奥行きを足したような形。
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カスタマイズシステム
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本作にはキャラクター自身の「攻撃力」や「防御力」といったパラメータが無いため、武器をカスタマイズして武器の性能を高めることが戦闘の鍵となる。
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決められたマスの中でパーツを組み合わせ、パズルゲームのような感覚で武器の性能を上げていく。
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パーツはバレルやマガジン、サイト(照準器)などで、現実の銃の改造に通じるものがある。
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強化出来るのはチャージ速度や集弾性能、装弾数などで、直接的に攻撃力を上げる様なカスタマイズは出来ない。
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しかしながら、例えばマシンガンはチャージを重ねれば重ねるほどダメージが上がるという特性を持っているため、チャージ速度やチャージ加速度を上げることにより結果的に攻撃力アップに繋がる、という仕組みである。
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ちなみに、カスタマイズの見た目を実際のグラフィックに反映することは出来ない。
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そのお陰で、およそ銃には見えない魔改造を施すという楽しみが出来る。
亀の親子よろしくサイトの上にサイトが乗っているくらいまだ普通で、酷い時はグリップガードから銃身が5本生えている、サイトの前に別のサイトが下向きについている、グリップ下部から延びた銃身がメインの銃口の前を横切っているなど、銃としての機能すら彼方へと消えうせた物体が出来上がる。そして強い。
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自由にパーツをつけられるわけではなく、各部位に設けられたコネクタと噛み合うように配置する必要がある。なお、グラフィックやコネクタの配置などは銃によって異なる。
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着せ替えシステム
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本作は一般的な「装備が見た目に反映される」というシステムではなく、装備とは一切関係なく着せ替えを楽しむことが出来るというシステムを採用している。
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つまり、パラメータを気にせずにいつでも好きな格好にしてプレイ出来るということである。特定の恰好をしていると勝利ポーズが専用のものになったり、着ぐるみがあったりなど、無駄に多彩。隠しコマンドで入手できる、というパターンもある。
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変えられる箇所は、服、ベルト、靴、髪の色、メガネ、カチューシャなど多数。
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変えた服装は、戦闘中はもちろん、イベントムービーでもそのまま反映される。
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これは本編中のムービーを全てリアルタイムレンダリングで行っている恩恵である。
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服の値段が割とリアルなため、カスタマイズの為のパーツ代と着せ替えの為の資金代のやりくりに頭を悩ませたプレイヤーも多いとか多くないとか。
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「現代のゲームだからリアルマネーを毟り取られるのでは…」と心配したそこのあなた、怯えることなかれ。本作に課金要素は一切ない。
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クレアボヤンス
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作中で使用できる、敵ステータス看破のアイテム。ただし、ライブラリがあるので専ら戦闘中で確認する場合に使う。しかし、そんなことはどうでもいい。
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その実体は、味方に使うことでその時のキャラの心情を表示してくれるのである。真面目な内容だったりボケだったりと、非常に多彩。ちょっとしたイベント進行や特定のボス戦で変化する可能性があるので、気になる人はこれを目一杯持ち歩くことになるだろう。
評価点
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オリジナリティの溢れる上記システム群
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かつて体験したことのないプレイ感覚で遊ぶことが出来る。
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戦闘システム
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本作の戦闘システムの魅力は、その独創性だけではない。
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これだけ独創的な要素を搭載しながら、破綻せずに、上手いバランスと高い完成度で成り立っている。
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難しい操作を必要とせずに、カッコいいアクションを堪能出来る。
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RAで「ずっと俺のターン」ができ、更に敵を次々撃破し、綺麗に一掃出来た時の爽快感。
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スクラッチとダイレクトという二種類のダメージを用意したことにより複数の敵をスクラッチで瀕死状態まで持っていきダイレクトで一気に敵を片付ける、という新しいプレイ感を楽しめる。
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手強い敵と遭遇して何度も全滅しても手順や攻め方などを変えるだけで勝つことが出来るというバランス設計。いかにしてISゲージを維持するかが肝である。
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追撃や撃ち落としなどのシステムが爽快感抜群。
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フィールド、カスタマイズなどにおけるパズル的ゲーム性
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本作は、非常にパズル的なゲーム性を持つシステムが多い。
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フィールド
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本作のフィールドは六角形の「ヘキサ」で構築されているのだが、最初は多くが通れなくなっている。そこを、敵を倒すなどして入手した「エナジーヘキサ」で埋めて開通していく。
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マップの開放に使用するエナジーヘキサは1つの六角形のピースではなく5個連なった様々な形のピースとなっており、上手いことマップに合わせたピースを選択し開放していく為、非常にパズル的要素が強い。
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エナジーヘキサには色付きのものが存在し、これによって「ターミナル」という施設を活用できるようになる。ターミナルは隣接する同色のエナジーヘキサの総数が一定以上の場合、そのエリアに特殊な効果を及ぼすというものである。色つきは形状が制限されてしまうため、エリアごとに同色で埋め尽くせるのは一部だけの場合が多い。
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ターミナルの効果は3階層程度をつなぐ「リフト」で連絡することができ、また別のターミナルに同色ヘキサで連絡すれば全ての効果が同時に発揮する。ただし、ドロップ率アップなどの味方にしか効果ないものだけでなく、属性ダメージ上昇など敵にも効果を及ぼすものもあるので無策で繋げるのは危険。
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更にマップには宝箱も隠されている為、開放しようという意欲が非常に沸く。
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カスタマイズ
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前述の通り決められたマスの中でパーツを配置し組み合わせて進める為、上手に隙間を使ったり、上手いこと繋げたりとこちらもパズル的要素が強く、ついつい時間を忘れて熱中する。
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短く纏められたカットシーン、及び整理されたセリフ
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同じ開発会社の某大作の場合、あまりにイベントシーンが長すぎる為にコントローラーの電源が落ちることもあったという程のものであったが、本作はイベントにおけるカットシーンのほとんどが短く纏められたものであり、非常に好感を持てる作りとなっている。
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逆に纏めすぎて説明不足になっている部分もあるが(詳しくは後述)。
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また、そのイベントシーンにおけるセリフが非常に整理・洗練されたものであり、非常にプレイヤー側が深く考えさせられるセリフが多い。
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田中公平、桜庭統という豪華なタッグによる楽曲
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田中公平氏はイベントや街の曲中心で、全て生のオーケストラによる楽曲。
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桜庭統氏はダンジョン、戦闘曲中心で、バンド構成の楽曲が主。
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背景グラフィック
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街の視点はカメラ固定で動く。が、そういう仕様である代わりに背景の描き込みが非常に細かい。
舞台である塔を構成する様々な細かな機械、常に動いている多くの歯車、そしてそれに伴う影や光。
カメラを敢えて固定にしたことにより実現した美しさである。
賛否両論点