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スーパーマリオランド3 ワリオランド - (2020/06/15 (月) 21:38:42) の編集履歴(バックアップ)


スーパーマリオランド3 ワリオランド

【すーぱーまりおらんどすりー わりおらんど】

ジャンル アクション

対応機種 ゲームボーイ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売・開発元 任天堂
発売日 1994年1月21日
定価 3,900円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年12月14日/400円(税込)
判定 良作
マリオシリーズ・関連作品リンク
ワリオシリーズ

オレだよ、ワリオだよ!



概要

スーパーマリオランド2 6つの金貨』に続く『スーパーマリオランド』シリーズの第3作であると同時に、『ワリオランド』シリーズの第1作。
『6つの金貨』の悪役として登場したワリオの主役デビュー作である。

ストーリー

自分のお城がどうしても欲しくなったワリオは、幼なじみのマリオの城を奪い取ろうとして失敗しました(これは『スーパーマリオランド2 6つの金貨』のお話)。
失敗したワリオはあきらめるどころか、ますますお城が欲しくなったのです。そして、何とか手に入れる方法はないものかと考えていました。

そういえば最近、巨大な黄金像が海賊に盗まれて、あのマリオの奴が取り戻そうと探しているというウワサを聞いたな。
海賊なら、他にも宝やコインをいっぱい持っているはずだ。それを横取りするのだ!
これならラクにお城が手に入るぞ、ガハハハハ…! そうと決まったら、すぐ出発だ!

ワリオは、意気揚揚と出発しました。
……しかし、この海賊はブラックシュガー団といって、キャプテンシロップを中心とする、海賊の中でも1・2を争う荒くれの集まりなのです。
ワリオは島にかくされた財宝やコインを見つけだし、みごと横取りに成功できるでしょうか?
そして、どんなワリオ城が建てられるのでしょうか?
(※バーチャルコンソール版の説明書より引用)

特徴

基本システム

  • 前作と同じく、広大なワールドマップにある7つのエリア内の各ステージをクリアしていく方式。
    • ただ、前作と異なり最初から全てのエリアを自由に行き来することはできず、最初のエリアから順番にクリアしていくようになっている。
    • 普通にプレイすれば6エリアで終わるが、隠しエリアが1つと、各エリアに隠しステージが存在する。分岐のあるステージは◎で示される。
    • 条件を満たすと地形が変化するステージもある。

アクション

  • ワリオの攻撃手段は踏みつけと体当たり。
    • 体当たりで敵を倒したり、ブロックを壊しながら進んでいくパワフルなアクションはマリオにはない特徴であり、かつ本作の魅力の1つ。
    • また、変身(後述)により、新たなアクションを身に付けられる。
  • その他、敵を持ち上げて投げつけたり、持っている10コインを飛び道具に使うこともできる。
  • マリオとは違い、敵に直接触れただけでは基本的にダメージにならない。ただし障害物や敵の装備してるトゲ・敵の攻撃や武器に当たったりするとダメージになる。また、一部の敵の攻撃に当たったり、溶岩などに触れたりするとミスになる。

アイテム

  • コイン
    • ステージのあちらこちらに落ちており、ブロックの中に入っていたり、敵を倒した際にも落とす。手に入れたコインはステージクリア時に集計されて貯まっていく。1枚で10枚分の10コイン、1枚で100枚分の巨大コインもある。
      • コインはステージクリアして初めて貯金に加えられる。それまでにミスしたりスタート地点から脱出したりすると手持ちのコインは全て失われてしまい、また0からのスタートとなる。
    • 後述の「宝」と共に集めた数がEDに大きく関わる。
  • ハート
    • 主にブロックを叩いた際に出現し、1個で10ポイント。また、敵を1体倒す事に1ポイント上昇する。100ポイント貯まると1UP。1個取っただけで3UPの巨大ハートもある。
  • スター
    • 一定時間無敵状態になる。敵を倒すとハートが手に入る。
    • 特定のステージにある、巨大な扉の中に隠されている。全部で15個あり、EDの分岐に関係する。
      • EDでは入手した宝が換金され、それを含めたコインの数によってエンディングで作ってもらえる城が6段階に変化する。最低ランクだと鳥小屋になってしまう。
      • 最高ランクを取るには宝を全て集める必要がある。これは宝に頼らずにコインをカンストさせても変わらない。
    • 宝の部屋の扉だけを見つけても入ることはできず、ステージのどこかにある鍵を持っていかないと入ることができない。
    • 中に入っても宝箱を攻撃する必要があり、チビワリオの状態だと入手できない。

変身

本家マリオシリーズのキノコのように、ワリオもアイテムを取るとパワーアップできる。

  • チビワリオ
    • 普通の状態やパワーアップした状態でダメージを食らうとこの姿になる。『6つの金貨』の最後で、マリオに倒された時の状態。体当たりができないうえ、この状態で敵の攻撃を食らうと1ミスになる。ステージクリアするとワリオに戻る。
  • ワリオ
    • 初期状態か、チビワリオ状態でニンニクを取ることで変身。
    • マリオでいうスーパーマリオにあたるが、一般的なマリオシリーズと異なりこれが通常の状態となっている。Bボタンで体当たり攻撃ができる。
  • ブルワリオ
    • ブルの壺を取るか、チビワリオ以外の状態でニンニクを取ると変身。頭にバイキングの様な角生え兜をかぶる。
    • 体当たりが強化され、ブロックを壊しやすくなる他、↓キーを押したまま着地すると、ヒップドロップができるようになり地震を起こせる。
      • このヒップドロップはパワーアップ制が廃止された『ワリオランド2』以降、ワリオのデフォルトアクションに格上げされた。
    • 天井に頭が触れる時、↑キーを押したままでへばり付ける。敵をやり過ごしたり、天井がベルトコンベアの場合は運ばれる事もできる。
  • ジェットワリオ
    • ジェットの壺を取ると変身。移動速度とジャンプ力が上がる。体当たりを使うとジェット噴射で一定時間飛べる。また、水中でも体当たりができる。
      • タイミングは難しいが、ジェットの切れ目に再度ジェットで繋げば、一切高度を落とすことなく飛行し続けることも可能。
  • ドラゴンワリオ
    • ドラゴンの壺を取ると変身。体当たりが使えなくなる代わりに、炎を噴射して攻撃できるようになる。炎は水中でも使えるが射程が短くなる。炎が消えかけの状態では攻撃判定が無く、完全に消えるまで再噴射出来ないため若干の隙が出来る。

ステージ

  • ゴールの条件はステージによるが、10コインを払って(最初から開いている場合もある)ゴールの扉に入るか、巨大「!」ブロックを叩くことでゴール。
  • 中間ポイントを利用するには10コイン必要。
  • 各エリアの最後にいるボスを倒すことで次のエリアに進める。
  • ボスはシャーベッ島のヒンヤリを除き復活しない。
    • 通常、ボスを倒すと大量のコインを落とすが、ヒンヤリを倒した場合は15UPできる。

ボーナスステージ

  • ステージクリア時、「コインボーナス」「ハートボーナス」のどちらかのボーナスステージに行ける(どちらにもいかずに進むことも可能)。前者はコイン稼ぎ、後者はハート稼ぎが可能だが、後者のみ最低20枚のコインが必要となる。
  • コインボーナス
    • 2つのバケツのどちらかを選び、当たりならコインが2倍に、ハズレなら半分になる。3回まで挑戦できるが、途中でやめることも可能。
  • ハートボーナス
    • 対岸を渡るクリクリ、D・D、グラグラに爆弾を当てるゲーム。難易度ごとに料金が異なり、高難易度ほど入手できるハートが増える。

評価点

  • ハードの限界を感じさせない高品質のグラフィック、サウンド。
  • ステージには特定のアクションを使わなければいけない場所や隠し部屋など、謎解き要素が豊富。
    • 横スクロールでゴール地点に到達するというシンプルなマリオシリーズとは一味違った面白さを内包している。
  • 難易度も遊びやすく安定しており、単にクリアするだけなら初心者でも可能で、やりこみ要素の多さから上級者でも楽しめる内容となっている。
  • 本作のゲームシステムと謎解き要素によってパワフルで良くも悪くもアグレッシブ、自分の欲望のためだけには頭が回るが長続きはしない憎めないやつという、今日のワリオのコミカルな人物像が確立した。

問題点

  • 一部のボス戦における難易度の差が極端
    • 最初のボスにもかかわらず初見殺しのトゲブロス、溶岩に一度突き落せば倒せるポット山のビーフン、ドラゴンワリオの炎で完封できてしまうティーカップ号のボウボウが目立つ。
  • 前作にもあったが、ゲームオーバー時に宝(コイン)を紛失してしまうシステムが厄介。*1
    • 前作と違い失われるのは1つだけで、宝のあるステージは、1度エンディングを見た後ならマップ上で点滅するためどのステージにあるのかは迷わないが、ステージ内でどこにあったかを覚えていないと面倒。
  • ティーカップ号のボスを倒すと強制的に次のエリアに飛ばされてしまい、しばらくの間他のエリアに行けなくなる。
    • 残機を増やす手段が限られる為、ここでゲームオーバーになると辛い。

総評

ゲームボーイのゲームとは思えないほどのボリュームや高いアクション性を誇るだけでなく、ワリオの特徴を大きく引き出したことでマリオのアクションゲームとの差別化にも成功している。
記念すべきワリオの主役デビュー作として申し分ない出来の名作である。

余談

  • 本作で脇役に回ってしまったマリオは、EDに顔見せ程度で少しだけ登場する。その出番は「ラスボスを倒して黄金のピーチ像を見つけたワリオを尻目に、ヘリでピーチ像を持っていってしまう」というもの。
    • ワリオ(プレイヤー)側から見ると完全に悪役であるが、今作のマリオはストーリーの項にある通り盗まれたピーチ像を取り戻すためにブラックシュガー団を探していたため、別に責められるべきものではない(むしろ私欲でピーチ像を横取りしようとしていたワリオの方が悪役っぽく見える)。
    • 「ワリオが主役の場合、マリオは悪役」という印象を避けるためか、マリオは以後のワリオシリーズには『メイド イン ワリオ』のプチゲームの一部を除き、一切登場していない。ただしマリオとワリオの共演自体はパーティー系やスポーツ系のゲーム等で何度も行っている。
    • ちなみにマリオは本作のテレビCMにも登場していた。一言だけ喋るものの、担当声優は不明。
  • 本作の後にワリオランドシリーズがマリオシリーズから完全に独立し、VBで『バーチャルボーイワリオランド アワゾンの秘宝』、GBで『ワリオランド2 盗まれた財宝』といった続編が続いている。
  • 今作でワリオがかぶっている帽子はいつもの帽子ではなく、探検帽である。
    • ゲーム開始前のデータ画面でワリオが画面内に突っ込んでくるが、壁にぶつかった拍子にいつもの帽子を落としてしまい、仕方なく手近に掛けてあった探検帽をかぶり直す。
  • エンディングのランクシステムは『ルイージマンション』でも使用された。
    • シチュエーション的にもマリオシリーズのスピンオフ、集めたお金の総額によって豪華な屋敷になる等本作と似ている。
  • 裏技に、残り人数やコインの数値を変えたり、ワリオを自由に変身させられるデバッグモードがある。任天堂のゲームでこのような技が公式で存在することは稀である。
    • ちなみにこの技の初公開は公式ガイドブック誌上で抽選プレゼントされた『ヒミツの裏技付きワリオステッカー』からと思われる。
    • 当然ながら使用するとゲームバランスが大きく崩壊してしまうが、使用するためには特定の操作が必要であり、救済措置の類に近い。
    • ワリオの姿が変わった直後に再度ジャンプできる仕様とこの裏技を組み合わせて、本来行けない空間に行けるというバグ技もある。
  • コミックボンボンやコロコロコミックでのマリオ漫画でも本作はコミカライズされたが、あくまでマリオ漫画でのワリオランド編であったからかワリオはチビワリオでいることが多かった。
    • ボンボン版の後半はマリオが主役のオリジナルストーリーとなり、マリオ達がワリオのアイテムでパワーアップする(ブルマリオ、ドラゴンルイージ、ジェットピーチ)といった事も。ラストはワリオがあまりの自分の扱いの悪さに嘆くところで締められた。
    • コロコロ版は学年誌でも連載していた関係上、導入部の展開が複数存在したりとややこしい事になっているが、いずれもワリオがマリオ達と共闘するという内容で、最後はシロップ城がモンスター化したようなオリジナルのラスボスが登場した。更に結末は「黄金像は実はタイムマシンだった」という驚愕の展開で、マリオ達はそのまま未来に飛ばされ、残されたワリオがデンプーに城を作ってもらうのだった(但し、犬小屋)。
      • 一方の未来に飛ばされたマリオ達はその後はオリジナルの未来編を経て再び過去に跳び、ヨッシーアイランド編へと続いていく*2
      • 尚、結末も掲載誌の関係で別バージョンが存在するが、そちらはマリオ達が黄金像の事など忘れて逃げ帰るというオチだった。
      • 作品名が作品名だけにマリオが主役なので、作中で扱いがあまりよろしくないワリオがチビワリオ状態で 「オレのゲームなのにオレの活躍が少ないぞー!責任者出てこーい!」 と叫んでいるコマもある
  • 今作でブルワリオが披露しているヒップドロップは、翌年発売の『スーパーマリオ ヨッシーアイランド*3や『スーパーマリオ64』にも逆輸入され、非常に重要なアクションとなっている。
    • 流石に、メタルマリオですら、ワリオのように周囲に地響きを起こせるほどでないが。
    • もっとも、ヒップドロップの入力方法は前作のスピンジャンプと同じである。ワリオらしくアレンジした結果ということか。
  • 90年代末に全国ローソンで販売されていたGB版ニンテンドウパワーでは本作がプリインストールされたGBメモリカセットが販売されていた。
  • プログラマーやミュージックコンポーザーには『メトロイドII RETURN OF SAMUS』の人物が数名見られ、一部のSEはそちらから流用されている。
  • 本作のテストプレイにドラクエの生みの親である堀井雄二氏、とたけけこと戸高一生氏が参加しており、スタッフロールにてクレジットされている。