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テトリス - (2017/03/20 (月) 10:03:32) の編集履歴(バックアップ)


テトリス

【てとりす】

ジャンル 落ちものパズル

対応機種 IBM-PC、Apple II、PC-8801、PC-9801
ファミリーコンピュータ、ゲームボーイ
アーケード他多数
発売元 Spectrum HoloByte、Mirrorsoft 他
日本版発売元 BPS、任天堂 他
開発者 アレクセイ・パジトノフ他2名
発表日 1984年6月
製品版発売日 【IBM-PC版】1986年
判定 良作
テトリスシリーズリンク


概要

4つのブロックで構成された特定の形のピースを落とし、ブロックの山を消し続けていくゲーム。全ての落ちものパズルの原点にもなった、世界的に超有名なゲーム。
元々は旧ソビエト連邦の科学者「アレクセイ・パジトノフ」他2名が教育用として開発したもの*1だが、やがてアメリカのSpectrum HoloByte社によって最初にゲームとして製品化された。

特徴

  • 基本ルールは非常にシンプルなシステムで構成されている。
    • プレイの舞台は細長い枠で囲われたエリア(標準は横10×縦20ブロック)。その上方からピースが落とされる。落とされたピースはゆっくりと下へ向かう。
    • ピースは4つの正方形ブロックで構成され(通称「テトリミノ」。ゲームタイトルの由来にもなっている)、全部で7種類ある。
    • 操作は左右と回転。そして落下。下のブロックに接地するとピースは固定されてもう動かせない。そして新しいピースが落下してくる。
    • 落下後、横一行の隙間がなくなるとその行が消える。一度に複数揃った場合は同時に消え、さらに高得点を得られる。そして空いた分だけ、上のブロックの山が下へ落ちる。
    • エリア最上段まで落下済みのブロックが到達してしまうとゲームオーバー。そうならないように、ピースを隙間なく組み合わせ、ブロックを消していかなければならないが、時間が経つにつれてピースの自然落下速度が上がっていくため、難易度が徐々に高くなっていく。

評価点

  • パズルにアクション性の導入。
    • ジグゾーパズルにせよ、クロスワードにせよ、パズルとは本来、完成を目指す過程で方法は問われないものだった。それにアクション性を導入する事によって、過程を考えつつ組み上げるという、新たな要素を作り出した。さらにピースの落下時間内に、それを行わなければならないため思考の俊敏性も求められる。パズルに、それまでにないゲーム性を生み出した。
  • 非常にわかりやすいゲーム性
    • デモ画面を見るだけでも分かるシンプルなゲームで、ゲーム自体を全くやった事ない人でもすんなり入れる。
      • それでいてやりこもうとするとブロックの組み方等考える要素もあるので中毒性が高い。

問題点

  • 突き詰めると作業でしかなくなる。
    • 速度が上がった上でも処理できるようになると、後は基本的に同じ事の繰り返しになる。

総評

「落ちものパズル」というジャンルを確立しただけでも充分な評価に値する。シンプルで解り易い基本ルールだが高い中毒性を有しており、様々なメーカーが様々な機種でリリースした。
また、その度にシステムのマイナーチェンジがあるのも本作の特徴である。本質を維持したまま、様々な楽しみ方が増えていくという点はなかなか面白い。


他機種への移植及び追加ルール

  • 本作は様々な機種で発売されたが、その間様々なシステムのマイナーチェンジが行われた。以下はその一例。これらの中でセガアーケード版の操作系統は、国内におけるテトリス関連作品のスタンダードなものとなった。
    • ピースの落下速度を調整できるもの。元々はピースの落下は瞬時だった。
      • 主なものはGB版やセガ製アーケード版の「下キーによる高速落下」。
      • また、セガアーケード版や「テトリス・ザ・グランドマスター」(アリカ)などピースの最大速度が速い作品*2では、下のブロックに接地後した後もしばらく操作ができるものが多い。この場合、下キーを押すと地面ですべらせる時間を飛ばして次のピースに移る。
      • 近年の作品では即設置を上キーによる「ハードドロップ」として標準搭載しており、下キーでの高速落下と使い分けができるようになっている。TGM2/TGM3クラシックルールで実装されたもののみ、瞬時落下させても地面ですべらせる時間が残る独特の仕様。
    • ピースが左右の壁ないしブロックに密着している場合、位置をずらしながら回転できる「壁蹴り」補正。
      • 近年の「ガイドライン」仕様においては、ピースを「駆け上がらせる」床蹴りも可能な、やや複雑な回転補正がある「スーパーローテーション」が採用されている。
  • 落下中のピースをキャンセルして「ホールド」という枠に保管しておけるもの。1つだけホールドしておくことができ、好きなタイミングで使うことができる。
  • 日本で発売されたBPS製ファミコン版は初期システムの流れを組んだ内容であり、「下キーで左回りに回転」「Aボタンで即設置(ハードドロップ)」という、ほとんどのテトリスゲームから見れば異色の操作方法になっているが、実はPC版のキーボード操作をアレンジした内容である。*3
    • しかし下が回転というのは直感的ではなく、ボタン一回で接地というのも初心者には扱いにくかった。一瞬で接地するためゲーム進行のテンポ自体は当時の他のテトリスに比べ速く、本作オリジナル曲である「TECHNOTRIS」など独特の魅力もあった。
    • 上記のファミコン版初代の操作性の不評を受け、続編『テトリス2+ボンブリス』はチュンソフトを主導に業界有志が集って制作され、操作方式がセガアーケード版準拠の「下で速度アップ、ボタンで左右回転」になった上でさらに操作性が大きく向上している。なおこのファミコン版『2』は音楽もすぎやまこういち氏が担当したため、ドラゴンクエストシリーズ風のBGMになっている。
    • アメリカのNESでは上記ファミコン版はどちらも発売されなかった。非公認のテンゲン版と、その後制作された任天堂版(いずれも日本未発売)があるが、これらも下キーで落下・ボタンで回転になっている。
  • 対戦テトリス
    • ただブロックの山をひたすら消していくだけのゲームだったが、ゲームボーイ版で対戦ができるようになると、また違った楽しみ方が増えた。
    • その対戦システムは、「行を消すと相手の下からブロックがせり上がる」というもの。その上がる量は同時に消した行数-1で、累積する。自分が一度に多く消せばそれだけ相手を追い詰めることができる。勝敗は先にゲームオーバーになってしまったほうが負けとなる。このシステムはその後の対戦型落ちものパズルのスタイルを決定づけた。
      • 実は同時期、別の対戦テトリスが出ていた。フリーウェアになるが「KATALITH」というゲームだ。こちらは自分が行を消すと、相手に消した行数に見合ったペナルティが課せられるというもの。勝手に落下させられたり、回転させられたり、いびつなピースが現れたり、果ては真っ暗になったりと、様々なペナルティがあった。ゲームボーイ版テトリスとはまた違った方向性を示したゲームだが、対戦落ちものパズルでこのタイプのシステムを採用している商業作品はいまだに現れていない。
      • 必殺技で直接相手を妨害できる『テトリス武闘外伝』(BPS)や落下ピースの変化・一時操作不能攻撃で邪魔できる『セガテトリス』(セガ/1999/AC,DC)、『マジカルテトリスチャレンジfeaturingミッキー?』が、ややこのタイプに近い。また落ちものではない対戦パズルでは『ヨッシーのクッキー』(任天堂)の対戦モードでそれに近いシステムが採用されている。

余談

  • 概要にある通り共産圏で作られ、しかも最初は教育用に作られたソフトであったため版権がハッキリしなかったが、現在は「ザ・テトリス・カンパニー」というアメリカの会社が版権を管理している。
    • 版権を巡っては、かつては様々な問題が発生していた。有名どころはセガのメガドライブ版テトリスにおける騒動(結局発売中止となってしまった)。詳細はこちら。その後このMD版は、セガが正式にPS2版『テトリスコレクション』へと収録している。
    • この版権問題が作品の有名度に反してマスコミに取り上げられにくい所以でもある(テレビ番組などで画面を使うと即版権に絡むため)。
    • ザ・テトリス・カンパニーは版権管理の他に、開発会社によってバラバラだった細かいゲーム仕様を統一させるためテトリス制作のガイドラインを制定し管理している。
  • アーケード版は、当時セガの生産が追い付かず、また部材も不足してコンバート元の基板も足りないという状況に陥ったため、性能の劣る8ビット基板であるシステムE版、タイトーに移植を許諾したタイトー版(いわゆるクローン)が作られた。
    • タイトー版はソースが提供されたわけではない、いわゆる耳コピに近い環境で作られたクローンであるため、本家に親しんでいるプレイヤーがプレイすれば確実に違和感を感じる出来となっている。
  • 湾岸戦争時、任天堂が米軍兵士達に休憩中の暇つぶしとしてゲームボーイを提供していたが、兵士達は特に本作を好んでプレイしていた。
    • その後、空爆された兵舎から焼けただれたゲームボーイが発見されたが、液晶画面を取り換えたら正常に動作したという逸話は、ゲームボーイの耐久性を物語るエピソードとして有名。現在このゲームボーイはニューヨークの任天堂直営店に展示されており、常時本作のデモ画面が動いている。
  • シンプルながら濃い中毒性を持つ故に「資本主義圏の国の人間を中毒に陥らせ生産性を低下させるために放たれた共産主義国の罠」だの「テトリスはその中毒性で人間の脳を思考停滞状態に陥らせて感情を麻痺させ、殺人マシンにするための道具」だの、いろいろとあらぬ噂を立てられたりした。
  • 現在でも高い中毒性からハマると「テトリス・ハイ」と呼ばれる状態になるとされ「ゲーム脳*4の論拠のひとつになっていたり、逆に「テトリス効果」として心の傷の軽減になると唱える論もあるなど。
  • シンプルながら奥深く、細かい調整もゲーム性に効いてくる、誰でも知っているゲームとして現在でも情報系学生のプログラミング課題としてこのテトリス制作が出題されたりする。
  • 3DSのバーチャルコンソールでGB版が2011年12月28日から400円で配信されていたが、2014年12月31日で配信停止となった。
    • 同じく、バンダイナムコゲームス製の3DS版『テトリス』のダウンロード版も配信終了しており、2015年9月現在3DSでダウンロードできるテトリスのゲームは『ぷよぷよテトリス』のみとなっている。
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