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ボコスカウォーズ - (2015/08/13 (木) 17:24:02) の編集履歴(バックアップ)


このページはPC版について紹介しています。
家庭用移植に関しては、FC版記事を参照。


ボコスカウォーズ

【ぼこすかうぉーず】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 X1、MSX、MB-S1、PC-6001mkII、
PC-8801、PC-9801、FM-7、ファミリーコンピュータ
発売元 アスキー
開発者 ラショウ
発売日 1983年
定価 【X1】3,800円
分類 良作

概要

第1回アスキーソフトウェアコンテストのグランプリ作品を製品化したもの。RTS的要素を持ち、ユニットの成長、ストーリーの起伏など、シミュレーションRPGの先駆けとも言える作品。*1
プレイヤーはスレン王となって兵士の集団をアクションゲームのように操作しながら進軍し、敵の親玉オゴレスを倒すのが目的。

特徴

  • RTSなんてジャンルがない時代において、RTS要素の色濃いゲーム。
    • 画面はトップビューで、王に合わせて画面が左右にのみスクロールする。
    • 操作は上下左右の移動と操作兵種の切り替えのみ。操作兵種の切り替えは「スレン王のみを動かす」「騎士と重騎士を動かす」「兵卒と重兵卒を動かす」「全員動かす」の4通りと非常に単純。一方で兵士を個別に動かせない。
    • 移動方向に障害物がある場合、当たった兵士は止まる。例えば木が一本立っていると、それにぶつかった兵士は止まるが、当たらない兵士は先に進んで行く事となる。
    • また全員が同じように動く訳でもなく、遅れる者がいくらか発生する*2。つまり上記の障害物により移動が制限される点と合わせ、長距離を動くと集団がバラけてしまうのだ。このため定期的に集団を整えながら、進軍していく必要がある。
      • ちなみに集団を整えるのに使える障害物も、うまく配置されている。この障害物を使って上手く集団を導くのが本作のゲーム性の一つ。
    • 自軍も敵もリアルタイムに動くが、戦闘は自軍から仕掛けない限り絶対に発生しない。一歩も動かない状態では戦闘が始まらないのだ。またステージの区切り(道中の100M毎)には障壁があるのだが、敵がその障壁を抜けて攻めてくることはない。本作は、あくまで自分が動くことでゲームが進んでいくのだ。
      • もっとも敵は通せんぼする様に配置されている為、誘導等をしない限り戦闘は避けられない。一応、全ての敵を回避してオゴレス王のみを倒す事も不可能ではない*3。戦争と言うより暗殺だが。
    • 戦闘もシンプルで、敵兵に自軍が突っ込むだけで勝敗が決まる。ダメージ制ではないため、勝った方は無傷である。

評価点

  • 大軍団vs大軍団
    • 操作にしたがって、一斉にゾロゾロと動いていく様子は、まさに軍団を率いるに相応しい感覚。従来にないその操作感は、大きなインパクトがあった。
    • 王以外は常に集団で動くため、集団が乱れやすい。一方で「兵士を個々に動かす」操作はないため、集団を乱さずに進軍するには少々慣れがいる。もっとも、思い通りに動かない兵士を纏め上げて戦うのが本作品の一番の醍醐味。
  • シミュレーションRPGの先駆け
    • いわゆるファンタジーの世界が舞台となっている。道中は1本道だが、ある程度進む度に風景や敵の配置が変わる。
    • 自軍のキャラクターは敵を倒すと成長する。騎士と兵卒は3連勝すると重騎士、重兵卒へとクラスチェンジし、一気に強くなる。グラフィックも金色に変化。
    • 若干だが、「ユニット間の相性」も存在する。今でこそ当たり前だが、当時は非常に少なかった。
      • 敵の「親衛隊」は戦闘力が250もあり普通に闘うと非常に難敵なのだが、実はこちらの兵卒(重兵卒)と闘う場合、親衛隊の戦闘力は10にダウンして勝率計算される。「自軍最弱のユニットが敵軍最強のユニットを討てる確率が高い」というのは面白い設定であり、とても重宝する。

難点

  • 戦闘結果は純粋に乱数によって決まる。
    • 戦闘力320(最強)まで育て上げたスレン王が戦闘力10の敵兵卒に負けることも稀に良くある。ゲームオーバーの半数は、「スレン王を育てようとしたら返り討ちに遭った」と言う話なので、「王は育てない」と言う攻略法も。
    • オゴレス王はスレン王以外には無敵の為、最終決戦は王同士の一騎打ち。純粋に乱数のみで最終決着がつく。

総評

当時「集団を操作する」というゲームはSLG、それもターン制くらいで、ましてリアルタイムに動かすようなものはなかった。それをアクションゲームのように操作できるというゲーム性は新鮮そのもので、更に「自軍を育てる楽しさ」というRPG的な楽しさを付加していた。
ゲームとしては、操作にややテクニックがいるものの難易度がやや高めという程度。やり応えのあるゲームだった。本作はシミュレーションRPGの先駆けとはなったものの、当時その独特のゲーム性に対する認識がなかったためか、本作に続くものはなかった*4

余談

  • RPGやRTSといった用語がまだ無かった当時、ACTに区分されていた。
  • 一見RTSに見える本作だが、自軍がトリガーとならなければ戦闘が進まない点などから、純粋なRTSとは考えない見方もある。一応敵もリアルタイムに動く為、横をすり抜けようとしたら目の前に飛び出してきて戦闘が始まった、なんてことはある。
  • 本作はやがて多くの機種に移植される事となる。中でもFC版は、最初のプレイヤーキャラが王のみなど、一部ゲーム性が違っている*5。この改悪及び、まだSLGに馴染みの薄いFCユーザーからはクソゲー扱いされている。そしてユーザー数の違い*6から、一般的にはクソゲーとしての知名度の方が高い。当然FC版は本Wikiでは劣化移植として扱われている。