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ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還- - (2016/01/13 (水) 11:31:21) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-

【ふぁいなるふぁんたじーふぉー じ あふたーいやーず つきのきかん】

ジャンル ロールプレイングゲーム
※これは小説版です
対応機種 Wii(Wiiウェア)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 2009年7月21日
定価 本編:800Wiiポイント(フリーシナリオ:300~800Wiiポイント)
プレイ人数 1人(バトル時1~4人)
周辺機器 Wiiリモコン、クラシックコントローラ/同PRO対応
通信機能 ニンテンドーWi-Fiコネクション対応(有料サービス)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 繰り返される歴史(ストーリー的意味で)
玄人向けな難易度
発売前は物議を醸した
発売後は概ね好評
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク


概要

ファイナルファンタジーIV』の17年ぶりの続編。当初は携帯アプリとして発表され、携帯版の全章配信後にWiiウェアとして移植された。
前作の十数年後*1を舞台とし、前作の主人公セシルの息子セオドアを初めとする新世代の面々を中心とした新たなる冒険が展開される。


特徴

  • 前作の直接の続編のためか基本的な作りは『GBA版FFIV(≠DS版)』と同様。
    • グラフィックやBGM、モンスターなども基本的に前作(GBA版)と同様のものを使いまわしているが、一部のグラフィックやBGMは新規に作られている(キャラドット絵には『FFVI』の改造品もあるが)
    • これらにいくつかの新要素がプラスされている。
  • 本作は短いシナリオが複数用意されており、前作で活躍したキャラを主人公として物語が進んでいく。
    • 多数のフリーシナリオがある関係上、各シナリオは基本的に少人数で行動する。
    • 本作の難易度は相応に高いものとなっている。

新要素

  • バンド
    • キャラクター同士の特定のアビリティを組み合わせることによって発動する連携技。
    • バンド技はストーリーを進める事によって覚えるものもあるが大半はプレイヤーが独自に発見しなければならないものである。
      • バンド技を発動させるにはまず発動させたいキャラの行動順が回ってきたときに『バンド』を選択し、相方のキャラを選ぶ。その後、相方のコマンドを選択し発動ボタンを押す。相方の行動順かつバンドの待機時間が経過するとバンドの成否が解り、見事正解すればバンド発動となる。
      • キャラクターそのものの組み合わせは解りやすいがアビリティの組み合わせは一通りやる必要があるため、発見するには骨が折れる事も。特定の武器を装備している事が条件のバンド技もある。
      • なお、一度発動させたバンドは一覧から選択が出来るようになる。
    • 技の種類は幅広く「W黒魔法」や「ふたりがけ」などのロマン技もあれば「ブロークンハート」「パロムインザスカイ」などのネタ技もある。
    • 基本的にハイリスクハイリターンの技であり、場合によっては5人バンド技よりも2,3人程度のものが戦局を優位に進める事もある。
  • 月齢
    • 宿屋やテントなどで一泊すると月齢が変わりパーティのキャラと敵モンスターの攻撃や魔法の威力が増減する。
    • また、特定の月齢にしか出現しないモンスターも登場する。
  • チャレンジダンジョン
    • フリーシナリオクリア後に解禁されるダンジョンであり、何度でも挑戦が出来る。
    • 難易度は高めであり、きちんと準備をしないと全滅する危険が高いが、ここでしか入手できないレアアイテムを手に入れられる事もある。

賛否両論点

  • 人気作の17年ぶりの続編という事もあってか発売前は賛否が絶えなかった(当初は携帯アプリでの販売というのも関係している*2)。
    • 「思い出を壊すな」「公式で同人みたいな事をするな」「テイルズもどき」という声もあったほど。
  • ストーリーの分割商法自体に不快感を覚える人もいる。
    • もっとも全てのシナリオを買ったとしても3,700円程度と比較的安価である。また自分に合わなければ全部のシナリオを買わなくてもいいという、消費者にとっては非常に大きなメリットがある。
    • また、携帯アプリだからといってボリュームがないわけではない(むしろ容量の関係上分割しないといけない)ので価格面は妥当といえる。
  • 各章のストーリーがワンパターン。
    • 基本的にそれぞれの章内のキャラ同志の絡み→ピンチ→ボス登場…の繰り返し。
    • もっとも、オムニバス形式である以上、ある程度似通った作りになるのは仕方が無いとも言える。
  • ラストダンジョンの敵モンスターの攻撃力が高めであり、スロウなどを駆使しなければすぐに全滅する危険が高い。
    • その一方ブレイクが非常に有効的に設定されており、高確率で敵を一掃する事が出来る。
  • キャラクターデザイン・イメージイラストが天野喜孝氏ではなくシリーズ初参加となるオグロアキラ氏。
    • 癖のある絵柄とも相まってどちらかというと不評にもなっている。
      • ポロムやゴルベーザなど一部のキャラは前作と大幅に印象が異なるなどの点もある。
      • ただし、決して絵が下手という訳ではなく、イラストのレベルはかなり高めではある。
      • キャラクタードットは渋谷員子氏制作という事もあってか評判が良い。
  • ストーリー展開や一部のキャラクターの扱い。
    • 劇中でも明言されているが、ストーリー展開は前作によく似ている。
    • 序盤でのセシルの扱いや終盤のセオドアの扱いなど。特にセシルの扱いは一部の前作ファンが難色を示したほど。
      • ただし、真月編(終章)では固定メンバーが存在せず自由にパーティーが編成可能である事などを考えるとこれらは意図的にそうした節がある。
        また、今作におけるセシルの境遇自体が、前作のカインとゴルベーザをなぞらえられている。
  • ラスボスの正体とあるキャラクターの結末。
    + ネタバレ注意
  • 本作のラスボスは真月を宇宙船とし旅をしている。環境破壊により滅亡した異星人の最後の生き残りであり、自分たちがどういう進化を辿るべきだったのか悩んだ末、進化の実験をするため
    生命の誕生しそうな星にその星の進化の経過を記録するクリスタルを設置。実験失敗と見なした星はクリスタルを回収し真月で飲み込むという暴挙を繰り返していた。
    青き星(『FFIV』の舞台)もその一つでありクリスタルを回収する目的のため、目的の代行者として創り出した実験体の少女・マイナスを刺客として放った。
    --失敗作と見なした青き星の者たちを劣等種と蔑み、主人公の訴えにも耳を貸さず抹殺しようと襲い掛かるが、戦闘の影響で肉体の崩壊が進み、暴走を開始。
    主人公たちに「自分を止めてくれ」と懇願した挙句に「逃げろ」と促した直後に完全に意識を失い、脱出する主人公たちを追跡してくるが、
    マイナスたちの捨て身の特攻によりついに止めを刺され、感謝の言葉を残して消滅した。
    • この設定と展開には賛否が大きい。ただ「月の民」の設定などSF要素が目立つ『IV』においては世界観的にはそれほど逸脱してはいないという評価もある。
    • 終章・後編では過去作のボスが多数登場するから、「IV以外のFFI~VIの世界は真月によって滅ぼされたことになっている。これは原作レイプだ」という意見もある。しかしこれに関しては「I~VIの舞台となる世界がIVと同一次元上に存在する」と明言されたことは今まで一切ないので、あくまでファンサービスと考えるのが妥当だろう。
  • 「月の民編」で復活したゼロムスに立ち向かったフースーヤが最後どうなったのか、クリアしても結局明かされじまい。
    • ただ、分岐次第で死亡してしまうゴルベーザが生存していた場合、エンディングでゴルベーザがフースーヤの元に戻ろうとする場面が描かれているだけでも幸いではある。
    • 攻略本でのスタッフインタビューでもフースーヤの今後は当初から語られる予定はなかったとの記述がある。

不評点

  • Wii版は音関係がDS版4の流用であるため、DS版のアレンジに否定的なプレイヤーに不満を持たれやすい。
    • 新規BGMは概ね好評。また戦闘曲以外の曲は普通に聞ける。
    • また、効果音もDS版基準のためエフェクトと合わない部分もある。
  • 文字のフォントが鮮明すぎて違和感を覚えたり、敵の大きさが小さめだったり、スペースが充分にあるにも関わらず魔法欄が三列ではなく二列など、移植に関して若干、手抜きな印象を受ける。
    • 細かいところだが、ロード後に強制的にアイテムが整頓される、コンフィグにコマンドの「記憶」がない、コンフィグで常時ダッシュができるように設定できないといった問題も。
  • チャレンジダンジョンは中々ストレスフルな仕様。最深部にあるレアアイテムを入手することを繰り返すのだが、基本的にレアアイテムを入手できる確率は50%。苦労して最深部までたどり着いて手に入れたのがポーションやら目薬だったときには、冗談抜きでコントローラを放り投げたくなることも。
    • ただしそれでも携帯版に比べると遥かにマシな取得確率となっている。
    • リディア編のチャレンジダンジョンが異常に難しい。扉は全てアサルトドアーであり、一部の壁はデモンズウォール。しかもダミーの扉や壁が多数存在し、攻略情報無しだと延々と強敵と戦い続けることとなる。
  • 終章が単なる「ボスラッシュが続く長いラストダンジョン」扱いとなっている。
    • 終章ではセーブポイントごとにミニイベントが発生するが、今作で初登場したキャラの多くがたった一回のミニイベントにしか関わらない。結果、せっかく増えたキャラの描写が大きく不足することになる(集結編ではほとんどのキャラが活躍できない)。
      • これらについては各キャラクターの描写をユーザーの想像に任せているという解釈も存在する。
    • かつ1パーティ制なので、最後まで使われないキャラが多数登場することになる。
      • 一応、編成は可能だが、経験値は待機メンバーに振り分けられないのでキャラの育成に多少困る。
  • Wii版では携帯版の序章・セオドア編・カイン編が統合され「本編」となっている。だがカイン編は最後のフリーシナリオを除いた全フリーシナリオの結末とも言えるキーシナリオであり、本編を一気にクリアすると一部のフリーシナリオが「茶番」と化してしまう。
    • よってフリーシナリオ全てを楽しみたいと考えている場合、本編は「セーブをしますか?(セオドア編終了)」という表示がされた箇所で一旦中断し、他のフリーシナリオをクリアしてから本編を再開(カイン編開始)することを強く推奨する。
  • 真月編では各シナリオのデータの引き継ぎがあるため、各シナリオのセーブデータは別々に保存する必要がある。セーブに関する説明が不足しており、全てのシナリオデータを一つのデータにセーブしてしまって泣きを見た人も多い。この短所はPSP版でも直っていない。
    • ちなみにオリジナルの携帯アプリ版ではシナリオを選択する際などにセーブデータをサーバーに一旦保存するという独特の仕様。
    • スマフォ版では各章に3つまでのセーブスロットが存在する形式へ改善された。

総評

発表当初は携帯アプリでの展開とスクエニに対する不評とも相まってか、前評判は最悪とも言っていい。発売後も一部の前作ファンが穿った見方をする事もあるが、前作ほどではないにしろ十分に良作なゲームであるというのが世間の見解となった。
元々が携帯アプリという事もあるが現FFシリーズでは珍しい2D作品であり、システムなども基本はSFC時代のFFにプラス要素を付けたもののため、どちらかといえば『懐古向け』な作品でもある。


その後

関連作品『ファイナルファンタジーレジェンズ 光と闇の戦士』

  • 2010年に本作を手がけたスタッフが開発。携帯アプリでの新作として展開。
    • キャラクターの名前に「ククロ」「ルゲイエ」やエルフ・ドワーフなどの種族が登場するなど本作同様、FC・SFC時代のFFを強く意識した作品となっている。
    • 本作とは違い、携帯アプリでの完全新作という事もあってか知名度は低め。
  • このFFLは、2012年にiOS/Androidなど各種スマートフォンでもリメイク配信。

移植版『FFIVアフター』

  • 本作自体は、2011年3月24日に『FFIV』本編とカップリングしPSPに移植され発売。
    • 『FFIVアフター』初のパッケージ化であり、PVでもその事が強調されている。
    • 新規シナリオとして、前作『IV』と本作を繋ぐ物語である「Interrude」が初収録された。
    • グラフィックはPSP版FFI・IIに近く、「ツクールゲーっぽい」と批判されることもある。
  • 2013年11月25日に各種スマートフォン用に配信。
    • こちらは2Dではなく、DS・スマフォ版『FFIII』『FFIV』同様の3Dフルリメイク化がなされている。

IOS・Android版

  • DS版FF4のように3Dポリゴン化したもの。