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マリオ&ルイージRPG3!!! - (2017/10/01 (日) 14:53:18) の編集履歴(バックアップ)


マリオ&ルイージRPG3!!!

【まりおあんどるいーじあーるぴーじーすりー】

ジャンル ブラザーアクションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 アルファドリーム
発売日 2009年2月11日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント マリオ&ルイージRPGシリーズ第3作目
クッパが主役級のプレイヤーキャラとして参戦
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

マリオとルイージの兄弟二人組による冒険を描く『マリオ&ルイージRPG』シリーズの第3弾。
マリオとルイージの冒険に加え、クッパが主役級の立場でプレイヤーキャラクターとして参戦することで話題を呼んだ。

当時ニュースなどで話題だった「メタボリック症候群」が元ネタである「メタコロ病」が作中に登場するなど、社会風刺ネタが多い。


ストーリー

平和なキノコ王国に、突如からだがふくれ、コロコロと転がり続けてしまう恐ろしい病気「メタコロ病」が流行り始めます。
スターの精もさじを投げた病の原因を探るべく、マリオとルイージが再び冒険に出ることになりました!

一方、いつものようにピーチ姫をさらおうとしてマリオに撃退されてしまった大魔王クッパ。
かれは森の奥で怪しげな商人から、とっても強くなれる「ラッキーキノコ」をプレゼントされます。

「マリオに勝てる!? 本当か!?」
キノコをひとのみしたクッパですが、様子が激変!
まわりのありとあらゆるものを吸い込み始めてしまいました。

そのままピーチ城にたどり着いたクッパは、キノコの効果でマリオたちを吸い込んでしまいます。
クッパのからだに吸い込まれたマリオたちは?
そして、キノコ王国の運命やいかに!?
(取扱説明書より引用)


特徴・過去作品からの変更点

ブラザーアクションやアクションコマンドなどの基本的なシステムは、『1』『2』から特に変更されていない。
また、『2』同様、DSの二画面を利用した演出が多用されている。

クッパが主役級プレイヤーキャラとして参戦

  • 今作の最大の特徴は、クッパがプレイヤーキャラになったことである。
    • これまでも『スーパーマリオカート』を初め、様々な作品でプレイヤーキャラとして登場しているが、今作ではマリオ&ルイージと共に「主人公」としての役割を担っている。
    • 『マリオRPG』や『スーパーペーパーマリオ』でも、利害の一致からクッパがパーティーインすることはあったが、今作ではクッパは独自に行動し、マリオ&ルイージはクッパの体内からクッパを陰ながら支援する形となっている(クッパはマリオたちと協力関係にあることを知らない)。そのため、マリオ&ルイージ視点だけでなく、クッパ視点でも冒険が進んでいく。
    • このためクッパが事実上の主人公とも言える扱いとなっており、海外版では『Mario & Luigi: Bowser's Inside Story』とシリーズで初めてタイトルにクッパ(Bowser)の名が刻まれている。
    • クッパはX、Yボタンで操作する。

フィールド

  • マリオ&ルイージ側とクッパ側を切り替えながら進めていくことになっている。
    • クッパは広いフィールドを探索し、強力なアクションで道を作り出していく。パンチ、ファイア、ボディプレスなどのアクションがフィールド上で使用可能である。
    • マリオ&ルイージはブラザーアクションを駆使しながらクッパの体内を探索し、発見した器官を刺激してクッパの力を増幅することでクッパの冒険をサポートしていく。
      • クッパが水を飲むと体内が水没し、今まで行けなかったエリアに行けるようになるなど、クッパの行動がマリオ側に影響を及ぼすこともある。
      • マリオ&ルイージも、中盤からはクッパの体の外に出て探索を行えるようになる。

バトル

  • マリオとルイージは、アクションコマンドを成功させていくと「バッジメーター」が溜まっていく。最大になったメーターをタッチすることで、HP回復や攻撃力上昇などの効果が得られる
    • 今作から通常攻撃のアクションコマンドはタイミング判定が複数段階になった。よりシビアなタイミングでボタンを押すと、ジャンプ攻撃は二回になるなど、与えられるダメージが上がっていく。
    • バッジメーターによる効果はマリオのバッジで、メーターが溜まる条件はルイージのバッジでそれぞれ設定出来る。もちろん条件が難しいものになるほど達成時のメーター増加量が上がる。
  • 「スペシャルアタック」はSPを消費する兄弟の合体技(初代のブラザーアタックと同じ仕様)。
    • また、A/B以外にも十字キーを使用する技も新登場。
  • クッパは、パンチ、バキューム、ファイアを使用して戦う。スペシャルアタックは、部下であるクッパ軍団を呼び出して攻撃を行う。「ボコスカクリボー」「ボコスカカメック」など、技名も豪快。
    • スペシャルアタックの操作はタッチペンになっている。タッチやスライドなど、操作方法は技によって異なる。
  • 巨大化したクッパが巨大ボスと戦うイベントも存在する。かなり豪快で迫力満点。
    • このバトルでは、DSを縦にしてタッチペンやマイクを使用する。

評価点

前作の不評点を踏まえて多くの改良が施されている。

  • クッパが主役級のキャラになり、大きく脚光が当てられている。
    • 任天堂代表であるマリオシリーズの主人公になったが、相変わらずよく喋る
      • わがままで癇癪持ちという欠点だけでなく、王を名乗る者としての責任感や友情に厚いという長所、時折見せる愛嬌のある一面などがきっちり描写されている。
      • 特にラスボス戦やエンディングでのクッパはファンから「カッコいい」と非常に高い評価を得ている。
  • もちろん、マリオとルイージの活躍もしっかりと描かれている。
    • 二人は今までどおり「台詞がない」ので、本来のRPGの意味「役割を演じるゲーム」にそったあらすじが展開される。
      また前述のとおりクッパはよく喋ってくれるので、ドラクエタイプのRPG&近今のJRPG、両方のスタイルがブレンドされて楽しめるのだ。
  • 『2』同様、DSの性能を利用した演出・操作。
    • バトルのハチャメチャ感は前作以上のものとなっており、賑やかで面白い。
    • 特に巨大な敵とのバトルとして「DS縦持ち」「タッチペンとマイクによる操作」が初登場。
  • クッパのアクション・操作感は、マリオ&ルイージとはしっかりとした差別化がされている。
    • 強力なパンチやファイアで、障害物を豪快に排除していくのはクッパにしか出来ない行動といえるだろう。同じ敵相手でもクッパとマリオ&ルイージでは対応方法が変わってくる他、一部敵の反応も変わる。
    • 戦闘で防御する際はマリオ&ルイージと違い、甲羅でのガードとパンチが必ず両方使える。*1どちらでも防御できる攻撃でも、甲羅とパンチで反応が変わる・両方使う事で初めてカウンターができるなどバリエーションは多く、敵の動作でどちらに攻撃が来るかを見切るマリオ&ルイージとは上手く差別化されている。
    • クリボーやノコノコなどのクッパ軍団が活躍するスペシャルアタックは、マリオ&ルイージとは違いタッチペンが必要な内容になっている。
      • ただし後述するバキュームなどによりボタン操作の余地を残すことで、タッチ操作の押し付けになることを避けている。
  • クッパの新アクション「バキューム」の存在。
    • クッパのみ使える戦闘コマンドブロック「バキューム」を使う事により、敵キャラ毎に様々な事が起きる。このバキュームがマリオ&ルイージと比べてかなり戦闘を有利にしてくれる。
    • 起きるイベントは相手を無力化したり状態変化を起こしたり自分のHPを回復したり、はたまたマリオ&ルイージでの戦闘に切り替えるなどなど多岐に渡り、それぞれ面白い反応を見せてくれる。通常状態でバキュームが使えない敵でも相手の状態が変わる事でできるようになったりと結局ほぼ全ての敵に使えると言っていいので、初見の敵が出る度バキュームの反応がどうなるかを楽しみにできる。
  • 前作の不評点の1つだったミニゲームの少なさが改善。
    • 数種類のミニゲームをイベントでそれぞれ数回行う事になる。
  • 前作の反省からストーリーをカラっと仕上げ、「対比」と「信頼」をテーマとした良質のものとなった。今の時代が忘れたことを、思い出させてくれる。
    • 任天堂らしさを前面に押し出したものであり、今作でもコミカルな要素は健在である。
  • ブロキャット集めや闘技場などの追加により、前作で不評だったやりこみ要素不足が解消された。
    • 強化されたボスと戦える闘技場や、スペシャルアタックを失敗するまでエンドレスに続けられる場所が追加され、アクションが得意なプレイヤーが腕を試す機会が増えた。
  • 過去作品同様、2Dで丁寧に描かれたグラフィックは評価が高い。
    • マリオ&ルイージ、キノピオなどのサブキャラクターはかわいらしく、クッパはカッコよく(時々かわいらしく)描かれている。リアクションも豊富で見ていて飽きない。特にクッパが操作できる事目当てで買った人には満足が行くだろう。
  • BGMも素晴らしい。
    • 特にラスボス戦のBGMはそこまでの流れも含めてマリオシリーズとは思えないほど熱い。エンディングのBGMも演出と相まって温かい気持ちになれること請け合いである。
  • キャラクターのボイスも豊富。
    • 台詞こそないが、マリオやルイージのしゃべるシーンの要所要所でよくしゃべってくれ、公式で設定付けの少ないマリオとルイージのキャラクター性を垣間見ることができる。
  • 今作も、アクションが苦手なプレイヤーと得意なプレイヤーに対する配慮はしっかりとされている。
    • 特にバッジメーターの条件はもちろん簡単なものも用意されている。自分のアクションの腕に合わせて設定可能である。
    • チュートリアルが丁寧に行われるため、初心者でも冒険に行き詰ることは少ない。
  • フィールドアクションの区別が判りやすく、R切り替え等での混乱がかなり減っている。
    • ただし、マリオ操作時に間違ってクッパボタンを押して体内マップから出てしまう、といったような事はまだある。

問題点

  • セーブポイントは比較的頻繁に用意されてはいるが、それでもいくつか「ここでセーブしたいのにできない」と思える箇所が存在する。
    • クッパの体内における拠点となる「キノピオひろば」にセーブポイントがない点が上げられるが、そこにセーブポイントがあるとクッパを操作している時でどこでもセーブ可能になってしまうので仕方ないと言える。
  • フィールドマップで行ける場所が少ない。
    • 同じ場所を何度も行き来するせいで、人によっては飽きるかもしれない。一応、ワープゾーンを設けるなどの配慮はされているが…
  • ワープゾーンの位置が少々微妙。あまり使い道がないワープゾーンがある一方で「ここにあれば良かったのに」と思える箇所もある。
    • 特にクッパのスペシャルアタック挑戦場所がワープゾーンから少々遠いためあまり気軽に挑戦できない。
    • ワープゾーンはクッパ用とマリオ&ルイージ用に分かれていて、本来共有でなら丁度良かったはずのものをそれぞれ半分ずつしか使えないように割り振ったような状態になっているので、一方のキャラならワープゾーンですぐ行ける場所だがもう一方のキャラでは非常に遠い道のりを歩きまた帰る必要がある。
    • 因みにワープゾーンが無い側のキャラでその場所へ行く必要が無いという訳ではない。
  • 闘技場に挑戦できるのがマリオ&ルイージだけ。クッパ用の闘技場が存在しない。
    • 特に巨大クッパVS巨大ボス戦はよく出来ているだけにもったいない。
  • ダッシュの類ができない。
    • クッパだけは途中習得するアクションによって少し早く移動する事もできるが、マリオ&ルイージでフィールドマップを行き来する際には、移動の遅さに苦痛を感じる事もある。
      • クッパが速く移動できるアクションにはスライディングパンチとスパイクボールがある。スライディングパンチはそれなりに序盤に習得できるが見違えて速くなるものでもなく、一方スパイクボールは前作のブラザーボールに該当するものではあるが習得が終盤である。
  • CMで宣伝されているほどには、クッパとマリオ&ルイージでお互いに影響を与え合わない。マリオ&ルイージがクッパに影響を与えるのはイベントの時限定である。
    • 一部体内フィールドに戻ってアイテム回収などをしたい場合、そのイベントがあった場所までクッパで行かなければならない。
    • クッパから影響を与えるのもマリオ&ルイージを操作するのがメインで、クッパ側の操作は放置か多くても必要な際にボタンを押す程度である。イベント中以外はクッパを動かすとマリオ&ルイージは体内マップ選択画面にまで戻ってしまい、両方同時に操作する事は無い。
  • 一部スペシャルアタックがバランスブレイカーである。
    • 特に「はね~るメット」が強力。攻撃対象こそ単体だが、その分威力が高く消費SPが少ない。何よりマリオのPOW(攻撃力)だけをダメージ計算に用いるため、POWの劣るルイージで使っても威力が落ちない。割と早い段階で入手できるのも高ポイント。
      • マリオに「ハラハラブーツ(装備者のPOWが2倍になるが、攻撃を受けると即死)」を持たせると…。
    • ただしスペシャルアタックを含めた、アクションコマンドの難易度が前作に比べてタイミングがシビアになったなど全体的に高く、失敗すれば殆どダメージを与えられずに終わるスペシャルアタックも多いため、アクションの腕前にゲームバランスが大きく左右されるようになった部分もある。
  • ミニゲームが強制イベント。
    • 成功できるまでストーリーを進められず、終わるまでミニゲーム以外の事はできない。シナリオが進むにつれてだんだんと難易度は上がっていくので、アクションが苦手な人はひょっとすると立ち往生する事もあるかもしれない。ついでにどれも失敗の度コインが減る。
    • 以前やったイベントミニゲームを再びやりたいと思ってもプレイできない。
  • ラスボスが弱い。
    • アイデアこそ面白いものの、行動がワンパターンでHPが低い。折角BGMの出来がいいのに勿体ない。
    • 前作のラスボスがかなり強い部類であっただけに、本作ラスボスの弱さが一層際立ってしまった。
      • 特に、ラスボスが弱いことについては毎回マリオシリーズで言われていることである。
      • とはいえ、「誰でもクリアできる難易度」に公式が調整しやすい方向性にあるのである程度は仕方のない面があるが。
    • その分、闘技場の最高クラスのボスはシリーズ屈指の強さである。

まとめ

EDを見た多くのプレイヤーに「いい話を見せてもらった」と思わせるだけの魅力を持った良作である。
アクションやゲーム内容も過去2作の長所をさらに伸ばし、反省点を改善させたことで、今まで以上にハチャメチャで賑やかなものとなった。
プレイヤーの腕前に合わせた配慮もきちんとされており、初心者でも行き詰まりにくく、上級者も飽きにくい絶妙なバランスを作り出している。

キャラクターの扱いの悪さも改善を見せており、特に今まであんまりな扱いだったクッパに大きくスポットが当てられている。
クッパファンはもちろん、いつもとは一味違うクッパを見たい人にも必見である。

出来の良さは売上にも反映し、70万本を達成した。前作のリベンジを願っていた製作陣もホッとしていることだろう。


その後