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SIMPLE1500シリーズ Vol.92 THE 登山RPG 銀嶺の覇者 - (2010/10/26 (火) 21:33:47) の編集履歴(バックアップ)


SIMPLE1500シリーズ Vol.92 THE 登山RPG 銀嶺の覇者

【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむ92 ざ とざんあーるぴーじー ぎんれいのはしゃ】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
発売元 D3パブリッシャー
開発元 ?
発売日 2002年3月28日
定価 1500円
ポイント そこに山があるからだ
備考 関連作品リンク

概要

D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ「SIMPLE 1500」の1作。
「登山」という物をRPG化したソフトで、プレイヤーは登山者という名の戦士達を操作して山という名のバトルフィールドに挑み、様々な障害・困難という名のザコモンスター共に打ち勝ち、山頂という名のボスモンスターぶっ倒さなけらばならない。

特徴

パーティ

まず4人1組のパーティを編成する。パーティキャラは、次の4つの職業がある。

  • アタッカー
    • パーティにいないと、そのマップのボス「山頂」に挑む事ができない。
    • 攻撃力が高い、所謂「戦士」。必殺技は、前列にいる時は単体に、後列にいる時は全体にダメージを与えられる。
  • クライマー
    • パーティにいると、マップ上での移動速度が上がる…というか、いないとすっげーノロい。
    • 素早さが高く、戦闘では真っ先に攻撃できる。必殺技の効果はアタッカーと同じだが、威力は劣る。
  • シェルパ
    • パーティにいないと、キャンプ(休息)が行えない。
    • 防御力とHPが高く、瀕死の味方を庇う事もある。必殺技は列に関係なく単体攻撃だが、威力は平凡。
  • ナース
    • 戦闘中に味方を回復できる唯一の職業。HPが減った味方に単体回復を行う。
    • 必殺技は全員のHPの大幅回復。
    • 回復以外の行動は、後列では味方の攻撃・防御・素早さのどれかをアップする「注射」、前列では敵の能力をダウンさせる「注射」。後者の注射は1ポイントだけダメージも与えられるが、通常攻撃は行えない。 …とまあ、太字の部分の特徴が原因で、全ての職を1人ずつ入れざるを得ず、実質編成の自由度は無いに等しい。
      せいぜいボスバトル時にアタッカーを増やした即席パーティを作るぐらいだろう。
      多くのパーティを作ればそれだけ攻略は楽にはなるが、1日ごとに人数に応じた「給料」が引かれていく。
      資金が0になるとそのマップでは敗北となる。

マップ

  • ゲームの舞台となるマップは、「富士山」「アルプス」「アンデス」など6種類あり、順番にクリアしていく事になる。クリア済みのマップに再度挑む事もできる。
  • マップには「洞窟」というイベントマスがあり、そこにパーティを送ると資金を入手できる。入手額はランダムで、1度入った洞窟は消滅する。洞窟は1マップに4個所出現するが、出現場所はランダム。

バトル

  • 戦闘はシンボルエンカウント式で、高山病・落石・凍傷といった現実の登山における障害が擬人化してモンスターとして襲いかかってくる。
    • 山頂に近付くと、中ボス「守り神」(とザコ2匹)との戦闘がある。倒さないと進めない。
    • 山頂では、そのマップの大ボス「山頂」(とザコ2匹)との戦闘があり、倒すとその山を征服したとしてクリアとなる。クリアするまでに消費した時間・資金によってクリアランクが決まり、全てのマップをAランク以上でクリアするとエンディングを見る事ができる。
  • 戦闘はオートで行われる。プレイヤーにできるのは、特定の敵を集中攻撃させる「突撃」、資金を消費して4種類のお助けキャラを呼び出す「アイテム」、最寄りのキャンプ場所まで退却させる「逃げる」という3つの指示のみ。
    • 全員のHPが0になると全滅し、そのパーティは「遭難」扱いになる。一定時間内に救助しないと多額の資金を失う。
    • パーティの「やる気」を意味する「スピリットゲージ」という物があり、時間経過やダメージを受ける事で減っていく。減ると移動速度が落ちる上、0になったパーティは強制的にバトルから逃げ出すので、キャンプさせて回復させる必要がある。

問題点

  • 仲間にできるキャラは何人もいるが、職業とレベルが同じキャラは完全に同一のステータスとなる。
    • 顔グラフィックやセリフ、組み合わせの相性などは存在しない為、名前以外に個性は一切無い。
    • 装備品やステータスアップアイテムも存在しない。
    • しかもキャラの人数は無駄に多く、パーティ編成にいちいち時間がかかる。
  • どのマップも戦闘と洞窟以外のイベントは一切無い上、マップの形自体も広さが違うだけで、ただ真上の山頂を目指すのみという内容。殆ど「作業ゲー」である。
  • 戦闘は敵味方共に、クリティカルが全てのカギを握るという「クリティカルゲー」である。いくらレベルを上げたパーティでも、後半のボスはHPが異常に高い為、いつまでもクリティカルを出せないとHPより先にやる気を無くして逃げ出す確率の方が高い。
  • データをセーブし、リセットして再開すると味方のHPが全快している。リセットではなく「ロード」のコマンドで再開した場合は変化なし。
    • ダメージを受けた状態でセーブせずに元のデータをロードすると、逆になぜかHPが減った状態で再開される。明らかにバグである。
  • 戦闘中にメッセージスピードを切り換えられるが、ロードすると初期化される。まあ切り換えてもあまり変わりは無いのだが。

総括

障害となる現象をモンスターに見立てて登山をRPG化するという企画自体は非常にユニークではあった。
しかし実際はそのユニークさのみが全てで、「ただザコを倒してボスを倒すだけ」の作業ゲーとなってしまった。
まさに「そこに山(という敵)があるから」挑む、それだけの代物だった。
企画の段階では、面白いバカゲーになりえていたのかもしれないのだが…。