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GUNPEY - (2017/06/18 (日) 11:11:13) の編集履歴(バックアップ)


本ページではモノクロ・プレイステーション版『GUNPEY』とカラー版『GUNPEY EX』、DSソフト『音をつなごう!グンペイりば~す♪』、PSPソフト『GUNPEY-R』について扱っています。



GUNPEY

【ぐんぺい】

ジャンル アクションパズル
高解像度で見る
対応機種 ワンダースワン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 コト
発売日 1999年3月4日
定価 2,980円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 良作
備考 WS本体同梱版『20万本突破記念パック』
1999年11月11日/5,600円(税抜)

概要

  • ワンダースワン(以下WS)のローンチタイトルとして発売された、WSでも随一のアクションパズルゲーム。後に据え置き機用としてPS版も発売された。
    • 最終的な販売本数は約143,000本で、WS用ソフトとしてはかなりのヒット作である(販売本数は歴代6位)。
  • 監修はゲームボーイの産みの親として知られるゲームクリエイター・横井軍平氏。しかし完成を見届けることなく開発中に事故死してしまったため、本作が氏の遺作となった。
  • 本作はWSを縦に持って遊ぶ、いわゆる「縦持ちスタイル」のゲームである。
  • ゲームモードは延々と続ける「エンドレス」、決められたパネル数を消していく「ステージ」、全9面をクリアする「ストーリー」、練習に当たる「フリー」、2P対戦など。

ルール

  • 『テトリス』『ぷよぷよ』に代表される「落ち物ゲーム」とは逆に、パネルが下からせり上がってくるタイプのパズルゲーム。
    • 「/」「\」「∧」「∨」の4種類のパネルをカーソルで上下に入れ替えて移動させ(左右には移動不可)、縦10マス横5マスのフィールドの左右の壁をラインで繋ぐとラインを構成するパネルが消滅し、消したパネルの枚数に応じて得点が加算される。パネルがフィールドの上端まで到達するとゲームオーバー。
    • ラインは途中から枝分かれしていても、それが左右に繋がっていれば消滅させることができる。また、パネルが消滅する際にはゲームの進行が一時停止するが、その間もパネルを移動することが可能で、パネルを「あとづけ」してより多くのパネルを消去することが可能。
      • この消滅中に他のパネルを移動させるシステムは、横井氏が任天堂時代に開発に参加した『パネルでポン』の「アクティブ連鎖」の発展形といえる。
  • ルールはたったこれだけである。しかしながら、そこには時間を忘れて没頭する異常なまでの中毒性があった。
    • CMソングも「繋げて消すのがグンペーだ!」の歌詞を連呼するだけというもので、ルールとその中毒性を体現したものであった。

その異常なまでの中毒性について

  • シンプルかつとっつきやすいルールと操作性になっており、ゲーム初心者でも上級者でも手軽に遊べる。
    • ルール自体が「ラインを繋げて消す」というだけで、初心者にもわかりやすい。
    • また、操作はY1~Y4ボタン(十字ボタンのようなもの)でのカーソル移動とX3ボタンでのパネルの入れ替えだけであり(一応他に2ボタン使うが使用しなくても十分遊べる)これも非常にわかりやすい。操作のテンポも抜群。
  • それでいて難易度も非常に練りこまれており、やりこみ度は高い。
    • パネルがせり上がってくるスピードは得点の増加と共に徐々に速くなっていく。最終的にはほとんどノータイムでせり上がってくるようになり、一瞬の操作・判断ミスが即ゲームオーバーに繋がるため、長時間のプレイでもほどよい緊張感がある。
    • 消すだけなら簡単だが、より高得点を狙うとなると「あとづけ」や「離れ技」(ラインが消滅している間に、独立したもう1つのラインを作り、消滅数を増やすテクニック)などの様々なテクニックを駆使する必要がある。
      ラインを繋げてから消滅するまでの猶予は3秒ほどしかないため、予め後付け・離れ技を行いやすいようにパネルを配置しなければならない。パネルの数が多いとその配置を作り出す際に思わぬところでラインが繋がることもあり、常に考えながらのプレイとなる。
      • 他にもパネルが1列に偏ったときの対処など考える場面が多く、なかなかに戦略性が高い。このため簡単なシステムでありながら奥の深いゲーム性になっている。
  • 前述したようにゲーム自体は非常に簡単なため、初心者でも割と深くまでのめり込むことができる。
    • 操作しなければならないパネルは多いが、実際に操作できるパネルは1度に1枚ないし2枚だけである。このため慣れてくれば操作はほとんど反射に近くなるので、思考と操作のバランスが取りやすい。
    • 上述のテクニックも、要は「消えている最中に繋げる」というだけ。実に直感的なため、『ぷよぷよ』のような、上級テクニックとなると少々ハードルが高くなる他のパズルゲームよりも上達しやすくなっているといえるだろう。

総評

とにもかくにも中毒性が半端じゃない。やり始めたら止まらない。エンドレスモードを黙々とプレイしていたらいつの間にか数時間経っていた、などということがザラにある。
「面白いから何時間もやってしまう」というよりも、「気付いたら何時間もやっていた」という類のゲーム。良作パズルゲームではよく使われる言葉だが、まさに「麻薬ゲー」である。しかしその中毒性は歴代のパズルゲームでもトップクラスだろう。
そのため、ある程度時間がある時にプレイする事を推奨したい。手軽なゲームではあるが、どちらかというと通勤時間などに軽くプレイするよりも、休日の昼下がりなどに腰を据えてプレイした方がいいだろう。
その方が、「気付いたらどっぷりハマっている」という本作の醍醐味を味わうことができるからである。(もちろん、短時間のプレイでも十分に楽しめる作りになっている)

「点と線だけでも面白いゲームは作れる」と語った横井軍平氏の言葉通りの内容で、まさに横井氏の哲学である「枯れた技術の水平思考」を体現している本作。
単純でありながら奥の深いそのゲーム性は、老若男女、世代を超えて楽しめるはず。万人にお勧めしたい傑作パズルゲームである。

余談

  • 当初はタイトルのカタカナ表記が『ガンピー』となっていた。しかしこれが横井氏の遺作となったため、彼の名前である『グンペイ』が正式名称になった。
  • 続編にあたる『グンペイ リバース』シリーズがDSとPSPで発売されている。なお、開発は2作ともコトではなくキューエンタテインメント。

バリエーション

プレイステーション版

対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM
発売元 バンダイ
発売日 1999年12月16日
定価 3,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 良作

概要(PS)

  • 唯一の据え置き機用作品。
    • モード数など基本的な作りはWS版に準じているが据え置き機という事もあり比較的、対人対戦がしやすい。
    • 中断セーブに対応している。
    • エンドレスモードでのゲームオーバー時やレコード画面にてパスワードが表示されており、スコアランキング「グンペイ・全国チャンピオンシップ」に参加することも出来た。

GUNPEY EX

【ぐんぺい いーえっくす】

ジャンル アクションパズル
対応機種 ワンダースワンカラー(専用)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 コト
発売日 2000年12月9日
定価 2,980円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 良作
  • 新たにカラー専用となった作品。
    • ラインパネルが赤・青・緑の3色となり、同色のみでラインを構成させるとボーナスが付き、パネルの点滅時間も長くなる。
    • ノンキャラクター路線となり、ストーリーモードが無くなった。代わりにタイムアタックモードが実装されている。
    • 中断機能が搭載されプレイを気軽に中断できるようになった。また、プレイ中の壁紙を変更する事もできる。
    • ワンダーゲートにも対応し、スコアランキングに参加できた。

音をつなごう!グンペイりば~す♪

【おとをつなごう!ぐんぺいりばーす】

ジャンル 音楽×パズル
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 キューエンタテインメント
発売日 2006年10月11日
定価 3,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ポイント 復活のグンペイ
キューらしいポップなテイスト
どの辺が「音をつなごう」?

概要(DS)

ワンダースワンにて発売され好評を博した『GUNPEY』の続編。基本的なルールは変わりないが、作曲シーケンサ「音のおもちゃばこ」を始め独自の機能を多く追加している。

主な特徴(DS)

  • 新ルール「ブレイク」と機能が追加された。
    • 「ブレイク」ルールはラインを消した際に上方に位置するラインが消した分だけ下へと一気に下がっていく。
      これにより、ラインを新たに繋げるコンボテクニックも出来るようになった。
    • 従来通りの「オリジナル」ルールに選択する事も出来る。
    • DSの二画面による二つのフィールドで線を消す「ダブル画面」モードが登場。
    • タッチ操作に対応。
  • 初代グンペイやPS版で見られたキャラクター路線が復活した。
    • BGMやキャラクターもそれらを踏襲したものとなっている。
    • また、キャラクターごとにラインパネルをランダムで変更する「スロット」、タッチ操作が一切出来なくなる「ノータッチ」などの必殺技が追加された。
  • ゲームモードは以下の4つ。
    • フロンティア
      • 好きなキャラを選びライバルたちを倒していく。いわゆる「アーケードモード」。
    • エンドレス
      • 従来通りのゲームオーバーになるまでプレイを続けるモード。
    • タイムアタック
      • 30秒、60秒、90秒の時間内で得点を競う。
    • 面クリ
      • 面ごとに決められた数のパネルを消していくモード。
  • おまけモード
    • 音のおもちゃばこ
      • 内臓シーケンサ「ピコピコマシーン」による作曲シーケンサ機能。
        ゲーム中で集めた音を組み合わせて音楽を作る事が出来る。
      • 公式サイトではWEB用のピコピコマシーンもあり、作成した曲を投稿することも出来た。
    • ガンピー
      • ゲーム中に線を伝って様々なアクションを披露するマスコットキャラ。
      • ゲームをやり込んでいくたびにアクションが増えていく。彼のアクションをひたすら眺めるモードもある。

評価点(DS)

  • グンペイの面白さを損ねていない事。
    • 「ブレイク」ルールは上述の通り、コンボを繋げていく事ができ爽快感がより増した。
  • 「音のおもちゃばこ」もおまけながら好評。

賛否点(DS)

  • タッチ操作。
    • 慣れるとボタン操作よりもスピーディにパネルを消していける。
    • しかし、従来作に慣れ親しんだプレイヤーからは「オリジナルで熱中度を高める要素の一つとなった「もどかしさ」を完全に薄めてしまい、グンペイならではの面白さを削いでいる」という意見も見られている。
    • また、ノータッチもボタン操作のみに徹していれば完全にペナルティにならない要素となってしまっている。
  • 全体的にかなりカラフルな背景やポップで濃いめのキャラクターデザインとなっており、好みが特に別れやすい。

問題点(DS)

  • 「音をつなごう」というタイトルからリズムゲーム的な要素が付いていると思われがちだが、実際はゲーム本編にはリズム要素は全然無い。
    • むしろ後発のPSP版『GUNPEY-R』の方が「音をつなごう」のタイトルに相応しいゲームデザインとなっている。
    • 「音のおもちゃばこ」もゲーム本編と直結していない完全なおまけモードである。
  • カラー表示出来るゲーム機だが、『EX』で見られた三色パネルは出てこない。
    • これは『GUNPEY-R』も同様。
  • 一部ステージの背景が見づらい。

総評(DS)

DSならではの要素がグンペイと噛み合っているかは微妙なところだが、グンペイの面白さそのものは十分健在である。


GUNPEY-R

【ぐんぺいりばーす】

ジャンル 音楽×パズル
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 キューエンタテインメント
発売日 2007年1月11日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 良作
ポイント ルミネス風グンペイ
オートセーブ無しなのが地味に煩わしい

概要(PSP)

PSP用のグンペイ。従来作と異なり、かなりスタイリッシュな趣きとなっている。
こちらは海外で先行販売され、高評価を得た。

主な特徴(PSP)

  • 移り変わる音楽とスキンをバックにグンペイをプレイする。
    • スキンはムービーやレイヤーアニメで表現され、操作音やラインを消した音などが直接バックの音楽にリンクしている。
      つまり『ルミネス』をプレイするような感覚でグンペイをプレイするのである。
  • DS版同様、ブレイクルールが導入されている。オリジナルルールでプレイも可能。
  • 全体的なゲームモードは以下の通り。
    • チャレンジ
      • スキンを獲得していくモード。
    • シングルスキン、ダブルスキン
      • 手に入れたスキンをバックにしてプレイするモード。ダブルはスキンを切り替えながらプレイする。
    • グンペイ10x10
      • PSPのワイド画面を活かした横に長いフィールドでプレイするモード。
    • タイムアタック
      • 60秒、90秒、120秒の時間内で得点を競う。
    • VS
      • アドホック通信で2人までの対戦を行う。
    • クイックスタート
      • チャレンジモード・ブレイクルールで即プレイできる。

評価点(PSP)

  • やはりグンペイそのものの面白さは健在。
  • 最初に一気に読み込むためか、ロード時間がほとんど入らずプレイはかなり快適。

問題点(PSP)

  • オートセーブ未対応。なので、新スキンを手に入れるたびにセーブを手動で行う必要がある。
  • 一部スキンはラインが見づらくなる。

総評(PSP)

ルミネス風味になりながらも、グンペイらしさは健在。