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Red Seeds Profile - (2015/05/08 (金) 04:12:54) の編集履歴(バックアップ)


Red Seeds Profile

【れっどしーずぷろふぁいる】

ジャンル アクションアドベンチャー

対応機種 プレイステーション3、Xbox360
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 アクセスゲームズ
発売日 2010年3月11日
定価 8,190円
分類 バカゲー
ポイント 国内では悲運の佳作


概要

  • 本作は2008年発売予定だったPS2ソフト『レイニーウッズ』を紆余曲折を経てPS3とXbox360で販売した作品。
  • ゲームのストーリーは低予算なホラー系海外ドラマの1クールをゲームで再現した様な物。ただしきっちり完結している。
  • 北米では『DEADLY PREMONITION』という名前で販売された。

初期の評判

  • PV等で紹介されたビジュアルやストーリーは既視感が非常に強いこともあって有名ドラマを模した奇ゲーだと思われていた。
  • しかしそれを覆したのが大手ゲーム批評サイトIGNが出した10点満点中2点という低評価。クソゲー好き以外買うなとでもいわんばかりのそれは、一部のハンターやKOTYを大いに期待させた。
  • 数年前の作品が元、PVのグラフィックが前世代でも問題無さそうな出来、ネットで公開されたボス戦が変、北米では20ドルというシンプル価格で日本ではフルプライス……。
    • これら多すぎる負の情報によって発売前から「見えている地雷」と認識され、小売にもほとんど入荷されず初週500本販売されたかも怪しいと言われた。

ストーリー

アメリカの静かな田舎町グリーンベイル。この古きよきアメリカを色濃く残す町で猟奇殺人事件が起こった。 一体誰が何の目的で?突然起こった殺人事件に住民は不安を隠せず、中には町に伝わる伝説を口に出す者もいた。 そんな騒ぎの中、町に見慣れない男が現れる。この事件を解決する為にやってきたFBI捜査官、フランシス・ヨーク・モーガンだ。 この田舎町に眠る闇、町に潜む異形の群れ、そしてレインコートキラーの伝説……。 もう一人の自分「ザック」と共に、ヨークは事件を捜査していくのであった。


特徴

ゲーム内容

  • プレイヤーは主人公ヨークの相棒「ザック」として事件を捜査していく。
  • 舞台となるグリーンベイルは8キロ四方のオープンワールドとなっており、自由に探索することができる。歩いて回るには広過ぎる為、『グランド・セフト・オート?』等のように車を使った移動がメインとなる。
    • 流石に本格的なオープンワールドゲームに比べると主人公がジャンプできなかったり進行不能の場所が多かったりと、移動の制約が多い。
  • ストーリー進行に応じて「常世」と言うダンジョンに入る事になる。ここでは「シャドウ」と呼ばれる亡霊達と戦いながら探索を進める。
  • 時間経過の概念があり、住民の行動パターンや店舗の営業状況、天気等に影響する。午前0時から午前6時までの時間では町全体が常世化して敵がうろつくようになる。
    • 時間経過はリアルタイムより少し早い程度で、他のゲームに比べるとかなり遅い。但し、タバコを吸ったり仮眠と取れば早く進める事が可能。
  • 主人公には空腹度、眠気度が存在し、時間と共に減少する。眠気度は0になると空腹度の減少が早くなり、空腹度が0になるとライフが減少するようになる。前者は睡眠や眠気覚ましのアイテムで、後者は食事や食料アイテムで回復する事ができる

世界観

  • B級映画が好きで、度々そのネタを振ってくる主人公ヨークを筆頭に個性的な人物が多数存在しており、田舎町グリーンベイルに住まう彼らの掘り下げが丁寧に行われている。
    • 初期のPVではグラフィックが微妙と思われていたが、実際の所一部を除いてそこまでひどくはなく没入感を高める役割は果たせている。ただし良い訳ではない。
    • 本筋とはほぼ関係ないキャラクターにも独自の物語がキチンと作られており、彼らがどのようなキャラクターなのかを知りたくなる。
  • ゲームの作成動機がアメリカの片田舎の町に魅せられたからと語るプロデューサーの言葉通り町は良くも悪くもリアリティがある
    • 自分の店に行く前に売店でポテトチップスを買う住人や、毎週同じ曜日、同じ店に行く住人、まばらながら常に見かける車等、町に人がいる雰囲気は常に漂っている
      • ただ開発能力の関係か外には主要人物以外の住人はいない。
    • 景観や雰囲気は良いが無駄に長い道、平均より少々高いガソリン、速度の上がらない初期のパトカー、主人公はFBIだから勝手に民間人の車には乗れない等ゲーム全体で機能美と様式美のどちらを取るかで後者を取ってしまった故の問題も多少ある。

自由度

  • 主人公は事件調査の為にストーリーの展開と共に様々な場所へ行くこととなる。集合場所と時間は決められている事もあるが無視しても翌日にまた指定される。
    • それらを全て無視して田舎町を満喫する事も可能。保安官達の態度がちょっと硬化してしまうが特に問題は無い。
    • 一部では本当に制限時間がある場合もあるが、その際は車から降りられなかったり燃料と車の耐久度が無限化すると言った処置がある。
  • 各地ではサブイベントが用意されており、捜査に役立つものが貰えたり、本編だけでは分からない住民達の一面を垣間見る事ができる。
    • 例えば雨の日に川の主を釣り上げてみたり、美人だが天文学的に料理が下手な婦警さんの料理を食べてみたり、店屋から聞いた心霊スポットに行ってそこに現れる幽霊をジェノサイドしてみたり等々。
    • 日々の生活に必要な資金はFBIから送金される。ヒゲを剃ったり、服を変えて身だしなみを整えたり、コーヒー占いをしたり、車で電灯をなぎ倒してみたりすると手当が送られてくる。
    • 釣り*1、ダーツ、レース等と言ったミニゲームも用意されており、(一応)ホラーゲームである事をつい忘れてしまうほど。
    • 収集要素としてトレーディングカードがあり、道端で拾えるものやサブイベントの報酬として貰えるものなど様々。
      • 主要キャラの他、NPCや敵、コーヒーやらスポンジのカードまである始末。
  • こうした点もあってこの作品を狙わずに作ったバカゲー扱いするプレイヤーは多い。

ストーリー関連

  • いくつかのエピソードが更にチャプターで区切られているものの、ストーリーが進むと共にチャプターがとても少なくなっていく。
    • 最初は町の住人の紹介等もあって少々冗長に感じられるが終盤は怒涛の展開となり、プレイヤーを飽きさせない。
    • メインストーリー自体はシリアスなのだが、主人公のキャラクター性を始め、随所にユーモアに富んだ会話やジョーク的な演出が盛り込まれている。
    • 基本的に海外ドラマの様に感じるものの、進行の節々で非常に切ない展開を見せ、心に残る終わり方を見せる。
      • ただ、主人公のプロファイリングからして半ば超能力じみていてとても普通ではなく、所々ぶっ飛んだ要素もある。リアリティと言う面はそこまで重視されておらず、超展開が嫌いな人は少々難があるかもしれない。
    • 結末は人によって後味が悪く感じられ、マルチエンディングにして欲しかったという声もある。
    • もちろん、あれでこそこの物語は終わると考える人も多い。
    • 全体的に良く練られているが、詳しくやったら疑問に思う細かな矛盾点も存在する。

操作性

  • 非常に悪い。前述のように、バイオハザードシリーズに近い操作性だが、それを劣化させたようなものである。
    • 初期装備の拳銃は弾が無限で、他の銃火器も初期の内に無限に撃つ事ができる物が手に入る。これがヌルくなると批判されず救済要素と考えられるほどアクションがひどい。
    • 攻撃時、銃を撃つ際は停止して敵を狙うが大まかな場所しか示されない。敵も敵でヘッドショット以外ほとんどのけぞったりしない。
    • しかも照準の移動はかなり癖があり、バイオ的な感覚でやると、正確に狙った場所を撃つのが難しい。
      • 具体的には、バイオ等は照準に合わせてカメラが動くのに対し、本作はカメラがほぼ固定された状態で照準を動かす事になるので、とにかく狙いにくい。
    • また、構えを解いた後しばらくすると勝手に銃をホルスターにしまう。敵がこっちに向かっていてもお構いなしである。
    • 唯一バイオ4に勝っている点は近接武器を構えたまま移動ができ、微妙な位置調整が可能な点くらいだろう。
      • そのせいか近接武器の使い勝手が非常に良く、複数人戦では明らかに射撃武器より素早い対応ができる。
      • また、全体的に射撃武器の能力も低い為、一部を除いて初期に手に入る無限に使えるレンチで事足りてしまう。
    • ボタンの配置変更は可能だが一部コマンドが何故か対応しておらず、振り分ける前のボタンを押さないと機能しない。
  • 町一つが舞台な為移動の際に車を用いるがたまに明後日の方向へ走りだし、ブレーキ以外の操作をほとんど受け付けなくなる。
    • 方向キーを少し押しただけで大きく曲がってしまったり、逆に思い切りハンドルを切ったのに上手く曲がれないなど、操作性も劣悪。
  • 操作中はミニMAPが表示されるがミニ過ぎて使えず、メニュー画面からMAPを見なければならない。
    • しかも主人公の向いている方向を上に設定する為見づらいことこの上ない。メニュー画面ではMAPの向きを変える事もできない。
    • 更にはどんなに縮小しても周囲数十メートル程度までしか一度に表示できず、慣れないうちは自分がどこにいるのかすらわかり辛い。
  • メニュー画面も奇抜さを尊重する為にユーザーの使い勝手を損なっている。
    • デザインは独特で味があるので、実に惜しい。

総評

  • 全体的な操作性の悪さと少し悪いグラフィックで全てを犠牲にしてしまった作品。しかしそれ以外は悪くないどころか近年あまり見ない出来の怪作。
  • 北米ではレビューサイトDestructoidが詳細なレビュー付きで(バカゲーとして)10点満点評価を出した事で状況は一変。
    • ゲーマー達のフォーラムでカルトホラーとして好評を博した事や、その値段の安さもあってAmazonを中心にジワジワ販売数を伸ばし、北米の有名なゲーム業界紙である『gamedeveloper』の表紙を飾り特集を組まれるに至った。売れ行きが好評な為かヨーロッパでの販売も決まり、NTSC-ukでは11/10なんて評が下されている。
    • こうした経緯のせいかIGNのレビューはある種晒し者になってしまっている。
  • 国内では値段と販売本数の点で再評価されるだけのプレイヤーがいないが、年季の入ったゲーマーからは『ミザーナフォールズ』や『GERMS 狙われた街』を思い出すとの声も出ており、美麗なグラフィックや快適な操作性に頼らず、シナリオと世界観で魅せるという今時の国内ゲーでは珍しい箱庭作品として一部で楽しまれている。
  • 多くの映像作品に対するオマージュが含まれており、それらを探し出すのも楽しみのひとつ。

余談

  • 操作性こそ悪いがゲーム自体は悪くないとされ、KOTYは選外送りとなった
  • 北米で好評だった為か販売を担当したIgnition Entertainmentが続編を発売したいと発言しており、ゲームプロデューサーも乗り気である。ちなみに出すなら前日譚になるとのこと。
  • ゲーム情報サイトGame Spotの発表したGame Spot BEST of 2010にてもっとも驚かされたゲーム部門を受賞、他にも他社のマイナーなGOTYやキャラクター部門にていくつか賞を獲得するなどした。
  • 2013年にPCとPS3でDeadly Premonition: The Director's Cutが発売された。
    • 日本版もPS3のみだが『Deadly Premonition レッドシーズプロファイル コンプリートエディション』のタイトルで2015年3月12日に配信専用で販売が開始された。価格は4800円。
    • ゲーム中のタイトルは海外版と同じ『Deadly Premonition: The Director's Cut』だが、内容はちゃんと日本語化されている。