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ドンキーコング2001 - (2017/01/20 (金) 22:09:36) の編集履歴(バックアップ)


ドンキーコング2001

【どんきーこんぐ にせんいち】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 2001年1月21日
定価 3,800円
判定 なし
ポイント スーパードンキーコングの移植作
移植の出来はハードを考えれば頑張っている
宣伝手法が問題となりイメージダウン
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク


概要

スーパーファミコンで発売された『スーパードンキーコング』のゲームボーイカラー移植作品。
過去にGBで発売されたシリーズを元にしつつ、SFC版に合わせてハンドスラップなどのアクションなどが追加されている。

SFC版と異なる点

SFCとGBの性能差から来る違いは数え切れないほど存在するので、ここでは細部の違いは挙げず、追加・大きく変更された要素を中心に記述する。

  • オートセーブの採用。前作で問題点として上がっていたセーブの不自由さが大きく改善されている。
    • それに伴い、SFC版でセーブポイントの役割を担っていたキャンディーコングの役割が変更。ミニゲームの担当になっている。
    • このミニゲームは後の項で述べるボーナスゲームとは異なり、通常のアクションを使用するもので、従来のボーナスステージから流用された物が多い。
  • ステージ2のマップのキャンディーの店とクランキーの家の位置が交換されている。
  • ステージ2-1「ウィンキーのどうくつ」の構成が変更。
    • SFC版オリジナルのコースが前半で、後半はオリジナル。コースがかなり長くなり。それに伴い、一部アイテムの配置が変更されている。
    • 全コースの中で、後述のシール追加による細かい変更はあっても、ここまで大きな変更がなされたステージはここだけである。
  • ステージ4-5「トーチライトトンネル」のスコークスが、コンテナを割ったら即画面全体が明るくなる「やみのスイッチトンネル」と同様の仕様に変更され、難易度の大幅低下と目に優しくなった。
  • エリア6の「どくガストンネル」「やみのスイッチトンネル」の間に新コース「クレムリンのどうくつ3」が追加。
    • 後のGBA版にも移植されていない本作唯一の追加コース。難易度が非常に高いが、スタート直後に3UPできるボーナスステージが隠されている。
  • 「シール」という収集アイテムが新規に追加。一部のコースに存在する緑色の10本バナナの近くにこっそり隠されており、ドンキーのハンドスラップで発見可能。
    • これに伴い、コースのごく細部が変更されているステージが存在する。
    • このシールはゲームのメインメニューから閲覧可能で、ポケットプリンタで印刷することも可能。
  • メインモードの「アドベンチャー」の他に「ボーナスゲーム」というモードがあり、ここから「ファンキーフィッシング」と「クランキーのミニゲーム」が遊べる。
    • 「ファンキーフィッシング」はエンガードに乗ったドンキーコングを操作し、釣り糸を垂らして魚を釣り上げるゲーム。タイマー制で、同色の魚を一度に複数釣り上げたり、タコのクロクトパスを釣り上げることによってタイマーが回復し、時間経過やゴミを釣り上げて船に入れてしまうとタイマーが減少する。スコアも記録され、同色の魚を連続して釣り上げることで発生する「KOMBO」などの特殊なシステムも存在する。
    • 「クランキーのミニゲーム」は、ドンキーの家からコンゴジャングルとは反対方向の島を辿り、キングクルールの船と戦うという内容。システム的には『ドンキーコング64』で多く収録されている的当てに近い。
  • 1周するとオプションに「スターバレルOFF」(SFC版のコンティニューバレル)「DKバレルOFF」が追加される。
    • これらのモードは上級者向けのやりこみモード的な立ち位置で、更にシールの配置も全て変更される。
    • シールの完全コンプリートにはこれらのモードでもシールをすべて集めなければならない。
  • BGMは大半が『スーパードンキーコングGB』からの流用で、流用されていない曲はSFC版から新規にアレンジされているものが多い。ただし、全くの新曲も。

評価点

  • ゲームボーイカラーの性能を考えれば、移植度は上出来といえるレベル。コースもほぼ忠実に再現されており、ゲームボーイの限界に迫ったタイトルと言える。
    • ボスも、ボスノーティが速くならないなどの問題はあるものの概ね忠実に再現されている。
    • 『スーパードンキーコングGB』に登場しなかったアニマルフレンドも、本作では全員が登場を果たしている。細かい変更・アイテム配置の調整こそあれど、SFC版の要素はほぼ全てが余すところなく移植されていると言ってもいいだろう。
    • 後のGBA版ではボスの行動パターンが大きく変更されているなどSFC版から変更された要素も多く、「オリジナルからの忠実さ」という観点ではむしろGBA版より優っているといえる点もある。
  • ゲームボーイカラー専用となったためグラフィックレベルが大きく上昇し、GBシリーズ共通の課題であった画面が見づらいという問題もかなり改善されている。
    • 流石にSFC版には遠く及ばないが、マップ画面などの再現度もかなり高い。
  • 「ファンキーフィッシング」は一見地味な内容だが、なかなかスコア稼ぎが熱いゲームであり、稼ぎだすとなかなかやめられない中毒性を持っている。
    • 後のGBA版でもプレイすることができた。

問題点

  • BGMの流用は同じSFC版を元にした曲が多いので気にならないものが多いのだが、『GB』でステージ曲用としてアレンジされた「キングクルールの船」はラスボス戦としては若干緊張感に欠ける。
    • また、クルール戦の途中で流れる偽EDのBGMはSFCとは異なり本物のED曲が流れる仕様になっている為、本作が初プレーの人は騙されやすくなっている。
  • アニマルフレンドに変身している間にセレクトボタンで自由に解除が可能だが、再度変身ができない。
    • このため「ふたたびふぶきのたに」の第2ボーナスに入る難易度が上昇してしまった。
  • 「オンボロ工場」や「やみのスイッチトンネル」は原作では完全に真っ暗になる為、屈指の難所とされていたが、本作では薄暗くなる程度に明度が落とされるだけで、非常に易化している。

総評

オリジナルであるSFC版が屈指の傑作であるだけに、本作も十分遊べる出来といえる。
しかし、任天堂にしては珍しく企業問題が問題点になるタイトルであり、この点だけ見ても手放しに良作とは言えなくなってしまっている。
3年後には、より完成度の高いGBA版が発売されたこともあり、今から本作をプレイする価値は薄くなってしまっている。

余談

  • 移植として宣伝されなかった
    本作がSFC版『スーパードンキーコング』の移植であることを伺わせる要素は公式ホームページのスクリーンショットくらいであり、パッケージ等には一切記載されなかった。
    そのため新作だと思って買って行く人は多かったと思われる。
    • 上述の通り、ハードの性能差を考えれば決してレベルの低い移植ではない。「あのスーパードンキーコングが手のひらに!」くらいの宣伝をしても良かったのではないだろうか。
    • 任天堂と言えば企業態度の良好なゲーム会社というイメージが強かっただけに、今回の宣伝の在り方には疑念を抱かざるを得ない。
  • 海外では、日本の2ヶ月前の2000年11月にSFC版の原題通りに『Donkey Kong Country』のタイトルで発売されていた。なぜ日本だけこのような販売戦略になったのかは不明だが、タイトルに関しては『スーパードンキーコングGB』のタイトルが既に使用されており紛らわしくなってしまった可能性が考えられる。とはいえ、リメイク作であることをひた隠しにしていたのは褒められた行為ではないが。