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ファンタシースター - (2015/05/27 (水) 23:03:21) の編集履歴(バックアップ)


ファンタシースター

【ふぁんたしーすたー】

ジャンル RPG
対応機種 セガ・マークIII、セガ・マスターシステム
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1987年12月20日
定価 6,000円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年4月21日/600Wiiポイント
分類 良作
ファンタシースターシリーズ


概要

セガが開発、発売したRPG。4Mカートリッジソフトとして鳴り物入りで発売されたSF-RPGである。
後にプラットフォームをメガドライブに移しシリーズ化された、「ファンタシースター・アルゴル太陽系編」シリーズの第一作目。

特徴・評価点

  • マスターシステム史上最高と呼ばれる、FM音源で奏でられる美しいBGM。同じくFM音源を使っている後続機のメガドライブの諸作品にも引けをとらない名曲がゲームを彩る。
  • 当時としては珍しい存在である、SFテーマのRPG。剣と魔法のRPGに対する別のアプローチとして、デコが荒廃世界の『メタルマックス』を、ハドソンが和風ファンタジーの『天外魔境』を発売し、そしてセガはSFである本作でのアプローチをした。
    • 只、SF的世界観にも関わらずキャラを蘇生させるのが教会だったのは御愛嬌。後のPS2リメイク版では別の施設に変更されている。
    • SF的世界観でありながら一般的なファンタジーRPGに登場するモンスターも出てくる。また、機械化された魔導師などSFとファンタジー世界のあいの子のような敵キャラが出てきたりなど、敵のバリエーションも非常に豊富。
    • また、主人公アリサはこの当時のRPGでさえ珍しい女性主人公。仲間にも動物キャラのミャウがいるなどメンバー編成でも当時としてはかなりの異色。
    • 宇宙船を利用して3つの惑星で冒険を進めていくというアプローチも当時としてはかなり異色、かつ破格のスケール。これにより世界の奥行きがさらに壮大に感じられる。
    • 宇宙船のほかに地上移動用マシンも3種類あり、それぞれに突破可能な地形が用意されている。
  • 滑らかなアニメーションで突き進むダンジョン。当時プログラマーであった中裕司氏が大いに腕を見せたとされる。
    • 余談だが開発時のダンジョンは製品版よりもさらに高速にアニメーションしていたが、あまりにも速過ぎてプレイに支障をきたしたためにウェイトをかけようかという話もあった(圧縮の結果ちょうど良い速度となったとのこと*1)。
  • エンカウントする敵のアニメーションもなかなかの動き。以降の作品でも敵のアニメーションは踏襲されている。
    • しかしながら敵によってはアニメーションが長すぎる敵(ゾンビ系など)もいるのがネックではある。とはいえ次回作以降ではこれも改善されている。

賛否両論点

  • 3Dダンジョン
    • ここで挫折した人が多い。特にSS版の『コレクション』時には、出版社から攻略本が発売されていない又は攻略サイトがない上に、自分がどこにいるのかが解る簡易MAPが存在しないので非常に迷う。
      逆に3Dダンジョンのマッピングに慣れている人には非常に熱いのであるが、ラスボスがいるマップはマッピングは不必要というくらい簡単なものである。
    • ファンタシースターII ~還らざる時の終わりに~』以降の作品では3Dダンジョンは採用されていない。
    • BGのパターンが足りなくて「横の扉が表示されない」というトラップも存在する。
  • どこでもセーブが可能な点。
    • 一見問題ないように見えるが、実は手詰まりの危険性をはらんでいる。
      • 特に地上への帰還手段が移動マジック・移動アイテムのみとなるエアキャッスルで発生する可能性が高い。*2
      • また、洞窟が連続しているところで、ライトペンダント無しで進入し、マップ内でサーチライトを落とす敵に出会わない場合、サーチライトが切れて詰む場合がある。(このように、ダンジョンのみセーブ不可能だったとしても、詰むパターンが存在する)
      • 制作者自身が「あの頃はRPGの作り方をよくわかってなかった」と弁明していた。
  • エンディングの後
    • 絶対一度はびっくりする。

問題点

  • ゲームバランスはやや大味気味。
    • 敵は同じ種族の敵が複数登場する形式なのだが、敵を一体ずつ選択する事が出来ない。
    • 敵全体を攻撃する事が出来る「銃」があるのだが、固定ダメージ+攻撃を外すことが無い仕様のため、強い銃ほどゲームバランスを崩しやすい傾向もある。単純に使わなければいいだけの話ではあるが。
    • エンカウント率が非常に高く、一、二歩歩いただけで敵が出てくることもザラ。
      • さらに3Dダンジョン内では敵から逃げると一歩後退する仕様のため、せっかく逃げることに成功したのにすぐにエンカウントしてジリ貧になることも事も。
      • 一応、敵から逃げる事が出来るアイテムやマジックは用意されているが使うのが煩わしい。
  • この時代としては仕方のない面もあるが、容量の都合でメッセージが全てカタカナ表示のためやや読みにくい。
    • これはSS版以降で改善されている。

その後の展開

  • 先述の様にアルゴル太陽系シリーズは本作の後にプラットフォームをメガドライブに移し『II』『III』『千年紀』と続く。
  • アリサ、ルツ、ミャウ、タイロンは2以降のシリーズのみならず、オンライン、ユニバース派生シリーズでも、それぞれ重要な役目、装備アイテム・ルームグッズなどのモチーフなどで登場している。

移植

ファンタシースター 復刻版

【ふぁんたしーすたー ふっこくばん】

対応機種 メガドライブ
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1994年4月2日
分類 良作
  • 復刻版の名の通り、中身はマークIII版そのままのプログラムである。
    • MDにはマークIIIとの互換性のあるモードがありそのモードで動かしているが、MDのFM音源では再生できない上にカセットの内部回路上にFM音源チップを載せていないため本作もBGMはPSGしか鳴らない。(プログラムがそのままなのでFM音源のデータ自体はある)
  • 元々は『IV』の最強コンビネーションアタック発動方法を送付すると抽選で本作が貰えるキャンペーンの賞品だったが、ユーザーの強い要望で一般販売されることになった経緯を持つ。

ファンタシースターコレクション

【ふぁんたしーすたーこれくしょん】

対応機種 セガサターン
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1998年4月2日
分類 良作
  • 初期4部作の移植作品。
  • 内容はほぼそのままだが、移動速度が変更出来たりセーブデータが増えていたりとより遊びやすくなっている。

SEGA AGES 2500シリーズ Vol.1 ファンタシースター generation:1

【せがえいじす2500しりーず ぼりゅーむ1 ふぁんたしーすたー じぇねれーしょん1】

対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 スリーディーエイジス
発売日 2003年8月28日
定価 税込2,625円
分類 良作
SEGA AGES 2500シリーズリンク
  • 初のリメイク作品。
    • 3Dダンジョンのフルポリゴン化を始めとするグラフィックの大幅な向上や台詞の増量、イベントスチルの挿入などがある。
    • キャラクターデザインやパッケージイラストはソニックチームが監修している。
  • 初回版にはシリーズ特典であるルーズリーフ型ライナーノートを収納するためのバインダーが付いていた。

SEGA AGES 2500シリーズ Vol.32 ファンタシースター コンプリートコレクション

【せがえいじす2500しりーず ぼりゅーむ ふぁんたしーすたー こんぷりーとこれくしょん】

対応機種 プレイステーション2
発売元 株式会社セガ
開発元 M2
発売日 2008年3月27日
定価 税込2,625円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 PlayStation2アーカイブス:2012年12月19日/800円
分類 良作
SEGA AGES 2500シリーズリンク
  • 初期4部作の国内版・国外版の他、『ファンタシースターII テキストアドベンチャー』、シークレットタイトルとして『ファンタシースターアドベンチャー』『ファンタシースター外伝』が収録されている。
  • SS版の仕様に加えてボタンカスタマイズに画面の明暗、敵の強さや獲得資金の増減難易度選択機能も追加された他、取扱説明書の原画イラストや当時の発売チラシなど関連資料も収録。
  • 復刻版セガサターンコントロールパッドfor"PlayStation 2"にも対応。
  • なお、リメイク版のデータは共有不可能となっている。

余談

  • 本作との同時期発売は「アフターバーナー」だった。容量は同じ4M(ビット)で価格も200円違うのみ。どちらかを選ばざるを得ないことも多かったであろうが、アーケードからのファンが多いセガユーザーの多くはアウアーアーアーを選んで涙を飲み、家庭用オリジナルの本作を買ったユーザーを羨んだという悲惨な逸話がある。
  • おまけがついているわけでもないのに、倍の大きさのパッケージで売られていた。
  • 今でこそ言われることはほぼ無くなったが、本作はタイトルを「ファンタジースター」、略称を「FS」と間違われることも多かった。
  • ダンジョンの奥深くにケーキ屋があるというイベントは本作発祥。その際の台詞である「こんなところにケーキ屋があってごめんなさい」は後のシリーズでも使われることになる。
  • さらに他のダンジョンの中にガスクリア販売がありその際も台詞である「こんなところに・・・」があるが殆ど知られてない。
  • シリーズ通じてのボスキャラとなる「ダークファルス」の正式なスペルは元々は「Dark Phallus」であるが、海外版では「Dark Falz(『III』海外版のみDark Force)」となっている。元々敵の名前の表示部分が8文字しかとれないのと「Phallus」のスペルがいろいろと不味い意味を含んでいたための措置だと思われる。
    • その後『PSO』にて「ダークファルス」の正式スペルは、海外版で展開していた「Dark Falz」に統一された。
  • サムスン電子がローカライズした韓国語版が存在する。タイトル画面も韓国版オリジナル。ハングルが8×16ドットで表示されるのは日本語版よりリッチ。ただFM音源に対応していないのが残念。
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