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サンダーフォースIII - (2015/01/06 (火) 10:53:01) の編集履歴(バックアップ)


サンダーフォースIII

【さんだーふぉーすすりー】

ジャンル 横シューティング
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対応機種 メガドライブ
発売・開発元 テクノソフト
発売日 1990年6月8日
定価 6,800円
分類 良作
サンダーフォースシリーズリンク

ストーリー

 銀河暦890年。100年にわたるオーン帝国との戦いで衰退した銀河連邦は、状況を打破するためにオーン帝星の攻略を図る。
 オーン帝星は5つの惑星に点在する亜空間転移システムと無人防衛システム「ケルベロス」に守られており、連邦はこれに対抗すべく総力をあげ高機動戦闘機「FIRE LEO-03 "STYX"」を開発した。
 STYXがオーン帝国に立ち向かう。

概要

  • 『サンダーフォース』シリーズ第3作目。シリーズとしては初めて家庭用ゲーム機向けに一から開発された作品である。
  • 前作『II』ではトップビュー面とサイドビュー面を交互にプレイする内容だったが、本作からサイドビュー固定の完全な横スクロールSTGとなった。
  • システムもより洗練され、新要素も多数追加。後のシリーズの基盤を作った。
    • 全8ステージ。内、前半のステージ1~5に関しては、開始ステージを任意で選択可能。例えばステージ4から始めた場合、「4→5→1→2→3」とプレイしていく事になる。
    • 難易度はNORMAL、HARD、MANIAの3段階。
      • NORMALに限り、ミスした際のペナルティが「今装備していた武器とクローを没収」に軽減される。HARD以上だと、前作同様に標準装備以外の全ての装備を失う。
    • 自機のスピードを任意で4段階に変更可能になった。ゲーム開始時の初速はオプションで変更可能。
    • 一定時間自機が無敵になる「ブレイカー」に代わり、一定回数攻撃を防ぐ「シールド」が登場した。

装備

  • 武器は全5(+2)種類。武器アイテムを取得する毎に装備が増え、武器切り替えボタンで切り替え可能。前作の6(+2)種類*1から数が減少しているが、その分バランスは洗練されている。
    • TWIN SHOT(ツインショット) : (攻撃力4)標準装備。前方への2連ショット。
      • SEVER(セーバー) : (攻撃力16)アイテムを取るとこちらにパワーアップ。前方へ強力な2連レーザーを放つ。
    • BACK FIRE(バックファイヤー) : (攻撃力4)標準装備。前方と後方へショットを撃つ。
      • LANCER(ランサー) : (攻撃力6)アイテムを取るとこちらにパワーアップ。強化高速弾を前方へ1発・後方へ2発放つ。
    • WAVE(ウェーブ) : (攻撃力?)地形を貫通する超音波を前方へ放つ。
    • FIRE(ファイヤー) : (ミサイル攻撃力10か12、ショット攻撃力?)前方へ単発ショット、上下へミサイルを発射する。
    • HUNTER(ハンター) : (攻撃力2)高速追尾弾を発射。地形も貫通するが、威力は全武器の中で最も低い。
  • その他の装備
    • CLAW(クロー) : 前作から登場の補助装備。自機の周囲を回転しながら補助攻撃を行い、敵弾も防ぐ。本作からアイテムを1回取れば自動で2つ装備される様になった他、クローから放たれる補助攻撃が装備している武器に応じて変化する様になった。
    • SHIELD(シールド) : 敵の攻撃を三回まで防いでくれる。通常は青いが、耐久力が残り1になると赤くなる。

長所

  • 優れたゲームバランス。シリーズ内で最良だとするファンも多い。
    • 高難易度ながらパターン性が強く、繰り返しプレイで難所への対処法を覚えていけば確実に突破出来る作り。初見殺しが多く一見理不尽にも思えるが、攻略法さえ掴めば初期装備状態であってもギリギリで切り抜けられる絶妙な調整となっている。
    • 開始ステージの選択が可能になった事で自分なりの進め方を決められる様になり、攻略の幅が広がった。
    • 各武器の使いどころがハッキリしており、それぞれに活躍できる場面がしっかり用意されている。それでもハンターがやや万能な感はあるが、低威力故に撃ち負ける事も多い為、他の武器を食う程の強さにはなっていない。
  • 多彩なステージ構成。浮力で自機が押し上げられたり、地形が突然せり上がってくる等、各ステージに特徴的なギミックが用意されている。
  • 前作から向上したグラフィック。多関節によりグリグリ動く巨大なボスキャラ、ラスタースクロールや多重スクロールを用いた美しい背景は当時高く評価された。
    • 各ステージ開始時にレーダー画面が挿入され、ボスのシルエットや弱点が表示されるという、本作ならではの演出もある。
  • メロディアスでノリの良い名曲揃いのBGM。一部のステージではBGMと展開のシンクロも図られており、ゲームを盛り上げてくれる。

短所

  • 前述した様に初見殺し満載で、知らない内はなす術無くやられてしまう事が多々ある。突然火柱が吹き上がるステージ2や、前述した地形のせり上がりが存在するステージ4は特に凶悪。
  • シールドアイテムの出現数がゲームを通してわずか3個と少なめ。おまけに出現箇所がステージ2・3・4と前半に固まっており、後半のステージ6以降は一切出てこないというシビアさで、被弾への保険としてはあまりにも心許ない。
    • 残機がかなりの勢いで溜まる*2ので、仮にシールドが無くなっても残機によるゴリ押しが効くのは救い。
    • 後述するアーケード移植版ではこの辺のバランスが改善され、シールドの出現数が増えている。
  • アイテム取得時にMDお馴染みのノイズ混じりのボイスでアイテム名を音読するのだが、読み上げる度に水を差すようにBGMを一時中断させて名曲を台無しにしている。
    • 後にセガサターンに移植されたゴールドパック版で解消されるのだが・・・

総評

 シリーズの特色であった全方位スクロール型トップビューSTGとしての要素を完全に捨て去る、という大胆な決断の下に生まれた本作。正にシリーズの根幹を揺るがす事態であり、実際トップビューを廃した事に不満を述べるファンもいたものの、ゲーム内容的には横スクロールSTGとしてしっかりと作り込まれており、結果的には大多数のプレイヤーから好評をもって迎えられた。
 ガチガチの覚えゲー故に好みが分かれる面もあるだろうが、パターン学習型のSTGとしては間違いなく上質な一本である。

余談

  • 2P側にコントローラーを接続すると、1Pと2Pで操作を分担出来る様になる*3裏技が存在する。変則的なものとは言え、二人同時プレイに対応しているのはシリーズ内でも本作だけである。
  • 前作『II』と本作を手掛けたスタッフの一部はこの後ハドソンへ移籍*4。PCエンジン版サンダーフォースとでも言うべき内容の『ゲート・オブ・サンダー』や、ファンタジーな世界観が魅力の『ウィンズ・オブ・サンダー』といった横STGを手掛けている。

移植

本作はアレンジ移植も含め、様々な機種へ移植されている…のだが、殆どが微妙な出来で移植に恵まれているとは言い難い。

  • 本作発売から数か月後、アーケードへのアレンジ移植版『サンダーフォースAC』が発売された。家庭用作品がアーケードへ移植されるというのはかなり珍しい事である。
    • しかし、中身的にも見た目的にも『III』とあまり変わらない内容で、新規・ファン双方から受けが悪く、結局殆ど話題にならないまま姿を消した。
    • また、1991年にはこの『AC』をSFCへ移植した『サンダースピリッツ』も発売されたが、激しい処理落ちやBGMの大幅劣化等もあり評判が悪い。
  • 1996年、『サンダーフォースII MD』とのカップリング移植版『サンダーフォース ゴールドパック1』がセガサターンで発売された。唯一MD版をそのまま移植しているが、移植度は今一つとなっている。