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ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!! - (2014/02/19 (水) 19:15:43) の編集履歴(バックアップ)


ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!!

【みによんくしゃいにんぐすこーぴおん れっつえんどごー】

ジャンル シミュレーション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 アスキー
発売日 1996年12月20日
価格 初回限定版:?円
通常版:8,800円(税抜)

概要

雑誌『コロコロコミック』に連載され、第2次ミニ四駆ブーム*1を牽引した『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』初のゲーム化作品。
主なストーリーや登場人物は原作の国内編に準拠しているが、主人公はオリジナルであり原作と異なるところも多い*2

本作の特徴

基本的には「レースに参加し、優勝して次の大会に出場する」を繰り返していくだけだが、マシンのセッティングが以下のような凝ったシステムになっており、ミニ四駆のシミュレータとしての側面を持つ。

  • マシンは「ボディ」「シャーシ」「ギア」「モーター」「電池」「ターミナル(電極)」「タイヤ」「ホイール」「ローラー」から構成され、前後で違うタイヤやローラーをつけられるなど、細かなカスタマイズができる(ただし、ストーリーモードではクリアするまでボディとシャーシを変えることができない)。
    • それぞれのパーツには耐久度があり、長く使うと劣化して性能が落ちるが、モーターだけは少しだけ消耗した状態(ピーク)で最高の性能が引き出せる。
  • マシンはセッティングだけでなく改造やメンテナンスもできる。改造ができるのはボディと特定のタイヤで、ボディはカラーリングの変更や軽量化(肉抜き)、太いタイヤをはかせるための加工などができ、タイヤは溝を掘ることでグリップ力が高められる。メンテナンスはギアやタイヤなどの耐久力を回復させることができ、モーターを慣らし走行(ブレークイン)することで性能を上げられる。
  • 最後のレースである「スーパーグレートジャパンカップ」の車検に合格すると、そのときのマシンのデータがパスワードで保存される。このパスワードを入力するとフリーバトルモードで自分がセッティングしたマシンが使用できるようになる。

評価点

  • ゲーム中に登場するパーツがタミヤ公式のグレードアップパーツであることをはじめとして、性能や総重量・車高・空気抵抗、改造の有無によってマシンの性能が微妙に変わるところやレース前の「車検*3」の存在など、現実のミニ四駆レースの再現性が高い。
    • レース中はミニ四ファイターの実況も入り、コースアウトや1位争いのデッドヒート、終盤での追い上げなどの熱いレース展開を見せることがある(原作に登場したキャラクターでも普通にコースアウトする)。また、フリーバトルモードはパスワードを持ちよれば簡単に対人戦ができることから、現在でもネット上で大会を開く有志がいる。
  • ストーリーモードの内容は原作に比べるとはかなり端折られているが、星馬兄弟や三国藤吉、鷹羽リョウたちとレースができるというキャラゲーとしての魅力は十分に発揮されている。ただし、原作と違って(?)彼らのセッティングは本格的であり、マグナムトルネードのような必殺技は使ってこない。大神学園の3人もイベント戦以外では実力勝負をしかけてくる。

残念な点

本作は子どものころにクリアできなかったゲームとして名前を挙げられることが多い。というのも、本作には実際に走らせる以外にマシンの能力を知る方法がなく、攻略のヒントもほとんどない*4という、文字どおり暗中模索の状態で攻略をしなければならなかったからである。

  • その中で最も分かりにくかったのが「熟練度」。レースの優勝や改造・メンテナンス、特定のイベントクリアなどで上昇する経験値のようなもので、熟練度が高いとコースアウトしにくくなる、シャイニングスコーピオンの色が変化しやすくなる*5、ボディを改造してどんなシャーシにも載せられる(クリア後限定)などの効果があるのだが、ゲーム中では隠しパラメータになっているうえに具体的な効果を誰も教えてくれないので、意味がよく分からなかった人も多いのではないだろうか。
  • セッティングの自由度が高いということは、適切なセッティングを探すのが難しいということでもある。それに加えてパーツの値段はどれも高額であり、選択を間違えるとレースに勝てない→パーツが劣化して速度が落ちる→レースに勝てない…という悪循環に陥って詰む
    • 特に詰みやすいのが、サマーレースとオータムレースの出場権が得られなかったときに参加する「共通予選」。規定タイム内にゴールすればよいだけなのだが、共通予選への参加が決まるとクリアするまで他の町に行けなくなり、負けが込むと態勢が立て直せなくなる。模型店のレースに参加してポイントを稼ぐことはできるが、1回に獲得できるポイントが少ないうえにパーツが劣化しているとここでも勝てなくなり、ジリ貧に追い込まれてしまう。
  • また、マシンのセッティングとレース以外のゲーム内容が薄く、単調で飽きやすいこともマイナス点と言わざるを得ない。
    • ストーリーモードは原作のあらすじを組み直しただけのシンプルなものであり、進行は先に紹介した共通予選を除けば完全な一本道である。また、ゲーム内のほとんどのイベントが原作の登場人物どうしの会話で終わってしまうため、主人公の存在意義が薄い。
    • 当然のことながらプレイヤーはレースに干渉できないので、レース中は自分のマシンを見守るだけになる。盛り上がる場面があるとはいえ、ミニ四駆が走る姿をずっと見ているだけというのはさすがに単調である。ミニ四ファイターの実況のパターンが少ないことも単調さに拍車をかけており、特にコーナーが多いコースでは何度も同じ台詞を見ることになる。
  • 公式レース限定のBGMが非常に良い出来なのだが、本当に公式レース限定でありフリーバトルでは(公式レースのコースを選択しても)聴くことができず、普通のレースの曲になってしまう。
+ クリア時のご褒美

SGJCに優勝するとご褒美としてシャイニングスコーピオンのゴールドメッキボディをもらえる。
が、このボディは一切改造ができない仕様となっている
重量は全ボディ中最軽量である為肉抜きは度外視できるが、カウルを削ることもできない為、大径タイヤが装着できない
結果、実際のスピードは肉抜き・大径ワンウェイホイール装備の通常のスコーピオンやサイクロンマグナムに負けるという本末転倒なマシンになってしまう。

余談

  • パッケージの注意書き「 烈と豪は入っていません 」は笑い話として語り草になった。Wikipedia等でも「当たり前のこと」と茶化されている。
  • 佐上模型店のある最初の町は原作・アニメでは「風鈴町」なのだが、なぜか本作では「朝日町」になっている。

総評

セッティングの自由度の高さや最後までどうなるか分からないレース展開など侮れない面白さを秘めている。
しかし、当時の購買層である小学生向けのゲームとして見ると、不親切な点や内容の薄さが目立つ。
特に、最大の魅力であるはずの「自由なミニ四駆のセッティング」が説明不足のために、ストーリーモードの難易度を高める要因になってしまったのが惜しい。

その後の展開

  • 本作のあとも「レッツ&ゴー!!」のゲームは複数発売されている。1作を除いていずれもミニ四駆レースのシミュレーションゲームになっていること、小学生相手とは思えない難易度の高さになっていることが共通している。
    • ミニ四駆GB Let's&Go!?(1997年 GB/アスキー):リアル寄りだが、「空力」「ダウンフォース」などのキーワードやレース中に1回だけ加速できる「気合」のシステムなど、ある程度の原作再現もある。
    • フルカウルミニ四駆スーパーファクトリー(1997年 SS/メディアクエスト)
    • ミニ四駆爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGPハイパーヒート(1997年 PS/ジャレコ)
    • ミニ四駆GB Let's&Go! オールスターバトルMAX(1998年 GB/アスキー):『ミニ四駆GB Let's&Go!』の続編。
    • 爆走兄弟レッツ&ゴー!! エターナルウィングス(1998年 PS/ジャレコ):続編『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』までのキャラクターが登場。自分でマシンを操作できるようになったが、それはもはやミニ四駆ではない気が…。
    • ミニ四駆レッツ&ゴー!! POWER WGP2(1998年 SFC/任天堂):5対5のチーム戦を1人でこなす忙しさも含めてゲーム性が格段に向上、シナリオもなかなか熱い。実は数少ない「任天堂制作の版権ゲー」でもある。
  • 本作で初登場した「シャイニングスコーピオン」はキット化された*6あと原作・アニメにも登場し、国内編ではミニ四ファイター(アニメのみ)、ワールドグランプリ(WGP)編では中国チームの持ちマシンとなった。