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オアシスロード - (2014/02/25 (火) 01:58:51) の編集履歴(バックアップ)


オアシスロード

【おあしすろーど】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 アイディアファクトリー
開発元 キライ製作所(現オダマ製作所)
発売日 1999年2月25日
定価 5,800円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 ゲームアーカイブス:2007年6月28日/600円


概要

本作は発売元は異なるが、1996年にガストから発売された「メールプラーナ」の続編にあたる。
全体的に簡素な作りであるが、どこか悲しげな世界観とBGMが印象的な作品である。


世界観

オアシスロードの歴史は、生命の木に守られた楽園を失い、ヴリトラの炎と呼ばれる神災より始まった。文明の歴史は3000年を超え、緩やかに寒冷化し砂漠になりつつある。
多くの人々はまだ暖かい南の地に移り住み、牧人は定住し畑を耕す。街には人影が減り、荒廃の度をさらに進めていく。産業は廃れ、その技術も失われ、そして街の交流も遠くなり、自給できない街は砂に埋もれていった。
人類は黄昏の時代を迎えつつある・・・。 (以上ゲームアーカイブスの紹介ページより)


特徴

本作におけるプレイヤーの目的は、衰退していく世界を旅し地図を作り、街と街の交流を復活させ、過去の遺跡から失われた知識を回収することにある。
上記の目的に沿ってゲームを進めていく中で、世界の歴史や各地の風俗、登場人物の物語が断片的に語られていく。
本作の登場人物は、ゲーム開始当初に名前入力をすることができるプレイヤーの分身たる主人公と、13人のキャラクターである。
13人の登場人物たちは6つのグループに分かれており、主人公はそのいずれかに参加することになり、参加したグループのメンバーがメインの登場人物となる。
主となる物語はほぼ一緒であるが、最初に選んだグループにより微妙に変化する。
ゲーム開始当初、地図はほとんど空白であるが、主人公たちが探索を繰り返すごとに記載される情報が増えていき、最終的には地区内のすべての街と遺跡を発見するとその地区はクリアとなり、物語が進展し舞台が別の地区へ移動する。
街もただ存在しているだけではなくて、条件を満たすと発展し、買えるものが増えたりする。条件の中にはここで売っているものを他の街でいくつか売ってくれといったものがあり(逆もある)、それを実際に行うと金が稼げるばかりか、地図中に品物の絵が書き加えられ、これを繰り返すと見た目に地図がにぎやかになっていく。
地図中には街や遺跡の他、アイテムを拾えたり、戦闘がおこる場所が存在する。
地図の移動中は常に食料が消費され、これが無くなるとゲームオーバーとなってしまう。
戦闘システムに関しては、多くのRPGで取られているオーソドックスなコマンド選択型のものとなっている。パーティは最大5人であるが、メインとなるキャラクター以外は道中で捕獲することができる動物がメンバーとなる。


評価点

  • 本作を評価する上で外せない点は、練り上げられた世界観と旅を彩る音楽であろう。
    物語は意外とあっさりしたものなのであるが、旅をしている地区や街、遺跡に対する説明がなかなかに興味をそそるものであり面白く、また音楽も曲数こそ少ないながらも物語の雰囲気や地区ごとの特色をよく表すものとなっている。
    また、物語の随所に少しずつ謎がちりばめられており、簡素なゲームながらも続きを気にさせ飽きさせない工夫となっている。
  • 本作の衰退する世界を復活させていくという行為が、地図の作成という行為とうまくリンクしており、徐々に先のマップに行くごとに明るくなっていく音楽も相まって、実感の伴ったものとなっている。
  • これらが相まって、本作はとても印象に残りやすい。

問題点

  • 本作の問題点としては、全体的な作りこみの甘さが指摘されている。
    たとえば、セーブデータを選ぼうにもオアシス1、オアシス2と書かれているだけで他の情報が一切記載されていないため、複数のセーブデータを作る場合に不便である。
    他にも、以前に読んだテキストを読み返せる機能があるのだが、記録がどこの街や遺跡のものなのかといった情報が欠落しているため選びずらく、使いにくい。
  • 一応食料の概念が導入されているが、本作では簡単にお金が稼げてしまうため、お金が尽きて食料が買えずゲームオーバーになるといったことはほぼない。
    当然お金を稼がなければならないが、これもかなり簡単な作業であり、ただ面倒なだけである。

その他

  • 本作の面白味は各所に散らばる話の断片を集めて、各自の頭の中でくみ上げながら話を進めることにあるため、物語そのものはかなりあっさりしている。
    そのため、物語を読み解く能力がそれなりに必要である。

総評

  • 本作の特徴を短くまとめるならば、雰囲気や音楽は良いが、作りこみに甘さが見られる作品といったところであろうか。
    シンプルながらも他の作品とは違う独自の味を持つため印象に残りやすい作品でもある。
    現在ではゲームアーカイブスで配信されているので、興味を持ったならやってみるといいだろう。

余談

  • 本作は音楽担当を除いてたった2人の人間により制作されたという。