「FANTAVISION」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
FANTAVISION - (2014/02/25 (火) 23:15:20) の編集履歴(バックアップ)
FANTAVISION
【ふぁんたびじょん】
ジャンル
|
パズル
|
|
対応機種
|
プレイステーション2
|
発売・開発元
|
ソニー・コンピュータエンタテインメント
|
発売日
|
2000年3月9日
|
定価
|
5,800円(税別)
|
ポイント
|
画面はキレイ、システムも独特 しかし、何かが足りない印象
|
概要
-
SCEがプレイステーション2発売直後に打ち出した一本。花火をテーマにしたパズルゲームである。花火が主題として扱われている作品というのは、意外と珍しい。
-
ちなみにSCE製のPS2用ゲームは本作が初で、ローンチソフトは全てサードパーティー製である。
システム
-
プレイヤーが操作するのは「マーカー」というアイコン。スティックで操作して地上から打ち上げられた花火をまず「キャッチ」する。
-
花火には赤・青・緑・ワイルドの4種類があり、同じ種類の花火を3つ以上集めてからフラッシュ(爆発)させる。これが基本になる。
-
ワイルドは何色にもなれる。これを活かして例えば赤赤赤ワイルド青青…といった風にワイルドを挟んで別の色の花火をキャッチすることも可能。これは「デイジーチェイン」という高得点を狙う上での基本テクニックである。
-
なお、キャッチした花火はリリースすることも可能。そのままでは別の色の花火を取れないのでこれも重要なテクニックである。
-
一度キャッチした花火は若干寿命が延びるのでとりあえずキャッチという戦略もありである。
-
花火が爆発すると火花が飛び散る。この火花が同じ色の花火に当たると、当たった花火も爆発して連鎖的にコンボが稼げる。
-
色とは別にそれぞれの花火に個別に爆発の種類が設定されている。火花が長く残る、広範囲に散る、散った後小玉がさらに爆発するなど。
-
時折アイテムが出現することがあり、これを組み込んでフラッシュさせると様々な恩恵が受けられる。アイテムはワイルド扱いなので、単純に使い勝手が良い。
-
星形のアイテムを8回フラッシュさせた後に登場する特殊なワイルド花火をフラッシュさせると、スターマインモードに突入。ワイルドをフラッシュさせた際に用いた色の花火がひたすら大量に打ち上がるので高得点のチャンス。チェインを狙うなら一色が良いが、三色のスターマインが最も高得点になる。
-
花火がフラッシュせずに一定時間経過すると消滅する。消滅する度に画面下のプレイゲージが減っていき、ゼロになるとゲームオーバー。
-
一定時間の間プレイゲージを尽きさせずに経過するとステージクリア。メインモードはこの繰り返しで8ステージを遊ぶ。
評価点
-
グラフィックの完成度はPS2全体で見ても随一。モノが「花火」という「見て楽しむ」ものなので、やはりこのグラフィックはうれしい。
-
花火の種類は多彩で、ひたすらチェインして大量爆破させた時の爽快感は抜群。スターマインモードの大量の花火は圧巻。これいて処理落ちもほとんどないのだから、PS2のパワーを早々に見せつけたと言える。
-
ステージ内のプレイをリプレイとして保存しておくことも可能。
-
全体に漂う80'sな雰囲気は良く出来ている。
-
ネオンで明るく照らし出された街並みは、和風な花火からは一線離れたどこかサイケデリックな雰囲気を醸し出している。
-
説明書やデモに登場する家族が、どことなくべたべたなアメリカンホームドラマの印象になっており、心和む。
-
BGMはどことなく幻想的で、雰囲気は非常にいい。特に後半戦の宇宙ステージは、宇宙で打ち上がる花火というとどこかミスマッチな感じだが、BGM合わせて評価は高い。
-
イメージに合ったBGMと華麗な花火により、見ている分には非常に楽しい。
-
映像付きのチュートリアルが用意されており、見るだけでも基本的なシステムなどが理解できる。
問題点・賛否両論点
-
非常にとっつきづらいシステム。
-
画面内に登場する花火は概ね4個1セット。寿命は大体2セット分ほど。このため、画面内における選択肢が基本的に花火8個分程度と非常に少なく、3色のみ+大量のワイルド花火というパズルとしてはいささか過剰とも言えるほどシンプルな構成にもかかわらず、フラッシュさせるにさせられないという事態が頻発する。
-
テクニックとしては、キャッチした花火は寿命が延びることを活かし、常にフラッシュできるだけの花火を抱えた上で寿命が尽きるギリギリまでため込んで爆発させる…というのがあるが、いずれにせよ初心者は簡単にゲームオーバーになるほどの難易度。うまく美しい花火を仕上げるのはかなりの慣れが必要。
-
慣れてしまえば、むしろキャッチしてフラッシュさせて…の繰り返しになってしまうため、色の少なさもあり作業感が強くなってしまう側面もある。
-
薄いボリューム。メインモードと難易度の上がったエクストラモード、それに最大チェイン数を競うチェインアタック以外に遊べるモードが存在せず、後はオプションやリプレイ、チュートリアルのみ。
-
ステージ自体はノーマルと全く同じ8ステージである。ゲーム内容は変わっているが、見た目の変化は少ない。
-
一つ一つのステージはそれなりに長いが、パズルとして見るとむしろ長丁場になりがちなので、気軽に遊びづらい。
-
操作性も良好とはいえない。画面内に大量の花火が飛び散る上、マーカーの移動が常に一直線なので、目標にしていない花火を偶然拾ってしまうことがしばしば。
総評
一見万人向けに見えるが、最初のハードルがなかなか高く、慣れるまではかなり大変なゲーム。
最大チェイン数やハイスコア争いなど、やりこめる要素もそれなりにあり、奥は深いがそれでもボリュームの薄さもあり徹底的にやりこむには向き不向きもある。
どちらかというとPS2のスペックを試すための実験作という趣も強く、癖のある一作になっている。