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Shantae - (2019/06/29 (土) 20:41:46) の編集履歴(バックアップ)


Shantae

【しゃんてぃ】

ジャンル アクション
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対応機種 ゲームボーイカラー
発売元 カプコン
開発元 WayForward Technologies
発売日 2002年6月2日
配信 バーチャルコンソール
【3DS(海外のみ)】2013年7月18日/$4.99
判定 良作
ポイント GBC末期の傑作
海外で不動の人気を誇る
Shantaeシリーズ
Shantae / リスキィ・ブーツの逆襲 / 海賊の呪い / Half-Genie Hero


概要

海外にてゲームボーイ終息期に発売された、アラビアンな世界観を舞台とした正統派アクションゲーム。
魔人のハーフである Shantae (シャンティ)が奪われた蒸気機関を取り戻すため女船長 Risky (リスキィ)率いる海賊団と戦う物語。
キャラクターが敵味方共にゲームボーイのゲームとは思えない程によく動きしかも可愛い。このゲームの売りの一つ。


ストーリー

むかしむかしのこと…。

Sequin Landでは各地のガーディアン・ジーニーたちが光の魔法の力で人々を恐ろしい魔物や災厄から守っており、その力によって人々は長きにわたり穏やかな暮らしを享受していました。
やがて、ジーニーの中には人間と恋に落ちる者も現れ、彼らの子孫は本物のジーニーほどの魔力は無いけれども、少なからず魔法の力は受け継いでいました。

主人公のShantaeもそんな「ハーフ・ジーニー」の一人で、Scuttle Townという小さな漁村を守っていました。
しかし現在では純粋なジーニーはほとんど消えてしまい、Sequin Landでは徐々に邪悪な力を持つ者たちが蘇りつつあるのでした。

ある日、女海賊Risky Bootsは大勢の部下を率いてScuttle Townを襲撃し、Shantaeの伯父Mimicの発明した蒸気機関を盗むことに成功します。
Shantaeは伯父の発明品を取り返し、ハーフ・ジーニーである自身の力を村のみんなに認めてもらうためにRiskyを追うこととなり、村を出て冒険に出ることになります。

果たしてShantaeはRiskyの企みを阻止してSequin Landを守ることできるのでしょうか…。


特徴

  • Shantae
    • 主人公であるShantaeは、自身のポニーテールを主な武器として使い、ダンスで変身するというユニークなキャラ。
    • ダンジョンで幽閉されている守護者からダンスを教えて貰う事で、猿、象、蜘蛛、ハーピーに変身することができる様になる。
      それぞれ、壁を登る、体当たりで障害物を破壊する、蜘蛛の巣や木の幹や岩肌に張り付く、空を飛ぶといった特殊なアクションを駆使し攻略していく。
    • 髪による攻撃以外にも、ショップでサマーソルトキックの様な蹴り技や、エルボータックルなどの技を習得したり、魔法アイテムを購入して使う事により多彩な攻撃ができるようになる。
  • マジカルダンス
    • セレクトボタンを押すとその場でリズムを取り始め、上下左右ABボタンを画面に表示されているマークのタイミングで押すことにより踊る。押すボタンの順番によって変身したり街へのワープが可能。
      勿論、ボタンの順番を他のキャラクターから教えて貰ってから能力が発揮されるので、教えて貰うまでは順番通り押しても何の効果も出ない。
  • フィールド
    • 街中以外は全て2Dアクションステージとなっていて、街から街へ行く道中も長く、途中で分岐があったり、隠し通路があったりと一本道ではない。現代で言うところの「メトロイドヴァニア」系統の作品である。
      • 一定時間が経つと昼夜が入れ替わる。夜になると敵の体力がになり非常にタフになる。
        しかし、夜になることで特定の場所に妖精(収集アイテム)が現れたり、キャラバンが転々と移動したり、夜しか開かない店などもあって、単に敵が強くなるだけではない細かな作り。
    • 色々なところにパワーアップアイテムが配置されている。手に入れる為には変身能力を使う以外に、特定の魔法アイテムを使用しなければ入手できない物もあり、ちょっとした探索&謎解き要素となっている。
  • ミニゲーム
    • 所々でリズムゲームや障害物競走などのミニゲームが盛り込まれていて、ゲーム全体にメリハリがつけられている。中でもリズムゲームは難易度が5段階あり、やりこみ要素的な部分も。

評価点

  • グラフィックのクオリティが高い。
    • GBC末期ということを考えてもドット絵の出来は素晴らしく、登場するキャラクターたちはザコ敵に至るまで皆生き生きと滑らかに動き回る。
    • 特にShantaeは主人公ということもあり、豊富な変身パターンやダンスで華麗な動きをみせてくれる。ぬるぬる踊るダンスやステージクリア後の宙に浮くShantaeの浮遊感は一見の価値あり。
    • 細部まで描きこまれたカラフルな背景はもはやGBCのゲームとは思えないほど美麗。
      • ダンジョン内で暗がりに行くとShantaeの色が暗色になるなど演出面でも凝っている。
      • 一部の地下ダンジョンのみではあるが、ゲームボーイカラーではハードの都合上難しい多重スクロール演出まである。
    • タイトルやメニュー画面、ゲームオーバー画面などではShantaeやライバルRisky Bootsの大きなビジュアルも用意されている。こちらも美麗な出来映え。
  • BGMもゲームの雰囲気に合わせた良曲揃い。
    • 全体的にアラビアンな雰囲気の曲になっているが、ダンジョンやボス戦などはそういった縛りはなくバリエーション豊富で曲数も多い。
  • 多彩な仕掛けと良好なゲームバランス。
    • ブロックを重ねて鍵を入手したり、Shantaeに属性を付与して磁石のようにオブジェクトを引き寄せるなど、パズル的な仕掛けが多い。
    • 変身能力や魔法を使って攻略していく場面も多く、フィールドやダンジョンの多彩な仕掛けはゲームを盛り上げてくれる。
    • 操作性、ゲームバランスも良好で前述のように収集要素も豊富なため、広いステージを自由に探索するのが楽しい。
    • ライフを増やす「Heart Holders」を獲得するか否かで自分で難易度を調整できるゼルダライクなシステムを採用している。
      • ただし、『ゼルダ』と異なりボスを倒してもアイテムは出現せず、ライフを増やすには各地の探索が必要になる。

問題点

  • 全体マップが無いので風景が似ている所では迷いやすい。
  • 画面に対してキャラクターが大きめ且つ、フィールドが縦にも広いので、高い所からの落下時に下が見えず即死の針や穴に落ちたりしやすい。
  • 無限湧きするザコ敵がプレイヤーに重なるように湧いて回避不能な事が時々起きる。
  • ゲームオーバーになると直前の進行状況は保たれるが、再開場所が最後にセーブしたセーブポイントからになるので序盤は移動が大変。
    ダンジョン内でゲームオーバーになってもセーブポイントからやり直し。セーブポイントは各街、キャラバン、ダンジョン近く、計9箇所のみ。
    一部ダンジョンでは近くでセーブすると、空が飛べない内はダンジョンまで遠回りしなければ行かれなかったり不親切設計。

総評

アラビアテイストの独特な世界、なめらかに動くドットキャラ、独創的なシステムが相まって高いクオリティのアクションゲーム。
発売時期の関係かカプコンがパブリッシャーでありながら、国内で発売されなかったのが非常に惜しい一作。


余談

  • かなり難産なソフトだったようで、構想自体はなんと94年頃からありSNES(海外版スーファミ)対応ソフトとして開発されていたが、その後ハードウェアの変更やいくつもの試作品を経てようやくGBC末期の02年に発売できたとのこと。
  • 長年プレミアソフト化していた本作だったが、2013年7月18日からニンテンドー3DSでのバーチャルコンソールとして配信開始され入手しやすくなった…とは言っても 海外版3DSおよびニンテンドープリカ が必要。
    続編のようにローカライズもSteamでの配信もされていないので、シリーズ内で特に日本でのプレイのハードルが高いのが残念な所である。
    しかし開発元WayForwardはDSiware、3DSの両方で良作と呼んでいいタイトルを多く作っており、いずれも日本では発売されていない。それらの為に海外版3DSを購入するのもまた一つの手でもある。
    • なお、本作及びGBA向けに開発していた未発売の続編をめぐりカプコン・WayForward社間でひと悶着あった結果カプコンから版権を買い直したため、VC版にはカプコンのロゴが入らない。
    • ちなみにオリジナル版自体は出荷数が少なかったこともあって当然ながらプレミアがついており、昨今の海外でのレトロゲー収集ブームもあってかオークションではソフト単品でも日本円で約6~7万円、箱・説明書つきの美品は20万円以上で取引されている。
      • こうなってくると上述の通り海外版3DSを買った方が遥かに安いので、そういう意味でもどうしてもプレイしたい人にはVC版の購入を薦める
  • 本作は上記の通りローカライズされていないが、次回作以降は現在ではローカライズが実現しており、日本語版を手軽に楽しむ事が出来る。
    • まずシリーズ三作目である『Shantae and the Pirate's Curse』が『シャンティ -海賊の呪い-』の邦題でローカライズされ、3DS/Wii U用ソフトとして発売された(3DS版はパッケージ&ダウンロード販売。後にWii U版のダウンロード販売が開始された。)。
    • 更に後に二作目の『Shantae: Risky's Revenge』も『シャンティ -リスキィ・ブーツの逆襲-』の邦題でPS4/Wii U用ソフト(ダウンロード専売)としてローカライズされた。
    • 2016年には四作目『Shantae: Half-Genie Hero』が発売。こちらはやや訳がぎこちないものの最初から日本語にも対応している。
      • 2018年5月31日に海外版のDLCを全て収録し翻訳を全改訂したswitch/PS4向け完全版『シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー アルティメットエディション』が発売された。
  • 日本ではマイナーなシャンティだが、海外では絶大な人気を誇る。
    • 北米最大の総合掲示板「reddit」で「『スマブラfor』に参戦してほしいキャラクター投票」が行われた際には、シャンティが見事第1位にランクインしている(参考リンク)。
      この縁もあってか、後の『スマブラSP』では、スピリットとしてシャンティとリスキィ・ブーツが収録された。