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DEAD RISING - (2015/03/21 (土) 00:54:48) の編集履歴(バックアップ)


DEAD RISING

【でっどらいじんぐ】

ジャンル ゾンビパラダイスアクション
対応機種 Xbox360
発売・開発元 カプコン
発売日 2006年9月28日
定価 8,379円(税込)
分類 良作
バカゲー

WARNING!!!!!!!

本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。



概要

国内初のCERO-Zの作品。18歳未満の者が購入する事は禁止されている。
ジャーナリストのフランク・ウェストを操り、巨大なショッピングモール内にひしめく大量のゾンビを倒しつつ、スクープを得るのが目的。モールには多数の生存者もおり、彼らを救出して共に脱出する事もできる。
能力上昇は経験値制で、一定以上の経験値(PP)を取得するとレベルアップする。レベルに応じて技を習得したり、体力の最大値が上昇したりする。
PPはゾンビを倒したり、生存者を助けたりするほか、スクープ写真を撮ったりすることなどで貯まっていく。
ちなみに、本作のパッケージにはジョージ・A・ロメロのライセンスされた物ではないと書かれている。*1


ストーリー

コロラド州の平凡な田舎町ウィラメッテ。その町が突如軍によって完全に封鎖された。
フリージャーナリストのフランク・ウェストは、独自のツテからそこで何かが起こっていると知り、ヘリをチャーターして潜入取材を試みる。
案の定、ウィラメッテはゾンビ達が徘徊する陸の孤島になっていた。街の様子を撮影中、大型ショッピングモールの屋上ヘリポートに目をつけたフランクは、3日後に迎えに来るようヘリのパイロットと約束をした後、ショッピングモールに単身潜入する事にした。
ヘリポートにいた男はフランクにこう言う。「その目で確かめるがいい。ここは、まさに地獄だ」


評価点

自由度の高さ

  • 「ゲーム内時間で3日間生き延びる(ゲーム内の1時間がリアル5分で、3日間はリアル6時間に相当)」ことがクリア条件。ゲームオーバーになる条件は「フランクの死亡」のみ。誰が死のうと何をしようと関係ナシ、フランクさえ生きていればそれでいいのだ。
    • 「町にゾンビが溢れかえった謎を解明する」というメインストーリーがあり、主にそれを進めて行くことになるのだが、メインストーリーを完全無視してひたすらモール内の生存者を救助し続けるのもよし、ありとあらゆる武器を使ってひたすらゾンビを倒して回るのもよし、ゆっくりゾンビだらけのモール内を取材して回るもよし、3日間ヘリポートにぼーっと突っ立っててもよし。とにかく何をしようと自由。
    • 生存者を探してひたすら殺しまわる、といった残虐プレイも可能。デメリットもあまり無い。
      • 一部エンディングを見る事ができなくなる場合もあるが。

ホラーの定石を抑えつつも、ゲーム全体に漂うおバカなノリ

  • 本作に登場する様々な技や小ネタが「ライセンスされたものではない」と書かれてはいるものの、明らかに古今東西のゾンビ映画を意識した作り。
  • 主人公フランク・ウェストの異常とも思える強さ。
    • 高い所から落ちても、チェーンソーで斬られても、銃で撃たれても死なない。その辺にある物でゾンビを殴り倒したり、プロレス技をかけて倒したりと、まさに「フランク無双」状態。
    • モールという場所柄、回復アイテムがどこでも手に入るし持ち物に複数ストックできるため回復にはほとんど困らず、完全に無双状態と化す。ゾンビ1000人切りとか余裕。
    • そして、ゾンビが異様に弱い。数は多いがそれだけ。バットで殴る・植木蜂で殴る・ナイフを投げて刺す・プロレス技をかけるなど普通の倒し方の他、スケートボードで轢く・宝石を数回投げつける・ハンドバッグで数回殴ると言った行為で簡単に死んでしまう。レベルが上がれば、フリスビーを頭に当てたり、水鉄砲でヘッドショットを繰り返すことですら死ぬ
      • 一応、ゾンビは夜になると攻撃頻度や移動スピードが強化される。さらに後半は狂信者や特殊部隊なども現れるのだが、強力な武器があればそんな事は関係ない。
    • あまりの破天荒な行動とテンションの高さ、尋常外の強さからフランクは一躍人気キャラになり、『タツノコVS.カプコン ULTIMATE ALL-STARS』に参戦するまでに。ゴールドライタンとかと互角に渡り合えるフランクさんマジパネェ。
      • しかし、それでもフランクさんにしては大人し過ぎるとの声が強く、『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』に出演した際には性能が一新され、より原作に近くなっている。
  • 衣装チェンジで女性用ブラを着けたり、どうみてもロックマンな恰好をするおちゃめなフランクさん。
  • フランクさんはジャーナリストのため写真を撮るのがお仕事なだけあり、撮影に関するギミックが豊富。
    • 真面目な写真撮影もあれば、美女のえっちい部分を撮るアレな写真まで、色々な撮影方法がある。
    • また、写真を撮ると経験値が溜まる。内容が衝撃的なスクープ写真ならかなりのポイントが入り、ゾンビを狩ってるよりも効率がいい事もある。
    • NPCもカメラを向けられると意識してポーズを取ったり、撮られるのを嫌がって顔をそむけたりする。
  • 以上の事からわかるように、「ゾンビゲーム=ホラーゲーム」という、自社が作り上げた常識を完全に破壊した

豊富なアイテムを用いて様々な戦い方が可能

  • ショットガンやチェーンソー、鉄パイプ、鉈と言ったホラー映画の定番武器は勿論、拳銃やナイフもゾンビから無尽蔵に入手できる。銃器も銃砲店に行けば拾える。
  • 角材や刀、バット、電ノコの刃、ハンマー、フライパンと言った武器になりそうな物は一通り使える。ショッピングモールと言う場所柄、そう言った類の道具は様々な場所に落ちている。
    • 普通ならば武器として使わないであろうパラソルやベンチ、レジスターやおもちゃの剣まで武器として振り回せるし、そこら辺の植木や看板も投げつければ十分使える。ガスボンベやプロパンタンクも銃で撃てば立派な武器になり、芝刈り機ならゾンビを派手に刈り取ることができる。バケツでも缶ジュースでもハンガーでも、とにかく何でも武器として使える。中には実用的なものも多い。
    • モールに置いてあるものはほぼすべて武器になる」と言ってもいい。

衣装チェンジ

  • モール内の服屋で、帽子・眼鏡・服・靴の4種類をカスタム可能。自分だけのフランクでサバイバルを楽しめる。
  • 帽子には一般的な帽子からスキンヘッドや動物の被り物にコブンの頭。眼鏡にはホッケーマスク。服も一般的なスーツから子供服や女性服。靴はハイヒールや裸足と種類も様々。着替えても体形は変わらないので、体毛の多い筋肉男がピチピチの子供服や女性服を着て喜ぶ姿は笑いを誘う。
    • ムービー中はそれらの衣装がそのまま反映されるので、ネタに突っ走った格好でシリアスなシーンをぶち壊す事もできる。
    • 生みの親である稲船氏の内輪ネタなのか、衣装の中には『ロックマンX』の主人公・エックスのコスプレセットが「メガマン」名義で登場しており、条件を満たすと射撃武器としてXバスター(名義は『リアルメガバスター』)も使用可能となる*2。Xバスターは非常に強力で、攻撃力は射撃武器中最強である。これでゼロのコスプレセット&Zセイバーが用意されていればもっと良かったのだが……、そうならなかったのが惜しまれる。
      • ちなみに、『2』では「魔界村」のアーサーの鎧、『OFF THE RECORD』ではロックマンのブルースの衣装が用意されている。

圧倒的存在感を放つサイコパス達

  • 本作にもボスは登場するが、その全てがクリーチャーではなく、極限状況に置かれた影響で発狂したり、事態に便乗して悪事を行う人間(サイコパス)である。これは本作に「もっとも恐ろしいのはモンスターではなく、他でもない人間自身」というテーマが込められている、という事を示しており、従来のゾンビゲームと一線を画する点のひとつと言える。
    • 本作のサイコパスの例として、ピザなサディスト婦警にベトナム帰り、カルト宗教の教祖、新鮮な肉をお客様に提供するため人間をミンチにしようとする肉屋、生鮮食品コーナーを守る責任者、店の銃器を渡すまいとする銃砲店の店主、理性のタガが外れた引きこもり等々……。
      • 正気な人もいるが、大抵はその名称通りマジで精神異常を起こしている。中には子供が食われるのを目の当たりにして発狂した人や、略奪を行う人々から商品を守るため武装した人など、責めることが出来ない理由で発狂してしまった気の毒な人も…。
      • ただし、ストーリーに必須のサイコパスは少数で、ほとんどのサイコパス戦はサイドケース扱いとなっている。そのため、一部を除いて無理に倒す必要はない。
      • なお、サイコパスは倒すと死亡するが、サイコパスの一人であるポールのみ死亡せず、生存者として救出可能となる。
  • 実績項目が50と多め。

不評点

ロードが多め

  • ショッピングモールはいくつかの区画に分かれているが、区画を移動する時とイベント開始時にロードが挟まる。始終走り回るゲームなので頻繁に目にする事になる。
  • ロード中は予めモール内で撮影した写真が表示されるなど、退屈しないような配慮は為されている。
  • 360内にフルインストールする事で、ロード時間を短縮する事ができる。

メインストーリーを追跡しようとするとやや難易度が高い

  • 時間指定・場所指定のイベントが多い上、一度でも条件を満たせないと「真相は闇の中」となってしまい、そのプレイ中はメインストーリーを進めることが不可能になってしまう。初見で最後まで追うのはかなり厳しい。
    • 手ごたえがあるのも事実なので、一概に悪いとは言えないが…。
    • また、本作ではクリア後にレベルを引き継いで再び遊ぶことが可能なので、レベルを上げてから挑戦すればストーリーを進めるのは容易になる。

死亡時の仕様がやや不親切

  • 死亡すると表示される選択肢は「最初から始める」「セーブしたポイントまで戻る」「セーブして最初から始める」の3種類。
    • セーブして最初からだと、服装とレベルのみが蓄積された状態で始まる。
  • 要するに「その場復活」「コンティニュー」が無い。

迷惑な無線連絡

  • 無線によってフランクをサポートしてくれるオティスからの連絡が割と鬱陶しい。
    • こちらの場所や状況を問わず連絡してくる上、話が微妙に長い。が、受けないといつまで経ってもピピピピと鳴り続ける。ゾンビに囲まれている時、サイコパスとの交戦中等は特に困る。会話テキストが早送りできないのも拍車を掛ける。
    • しかも、ダメージや落下、フランクが何か行動を起こす等、ちょっとした事ですぐに交信が切れてしまうのだが、そういった場合でも「途中で切るなよ もう一度言うぞ」ともう一度最初から喋り始める。好きで切ってるわけじゃねーよ!
    • そんな彼につけられたあだ名は「KY」。まさに空気読め!とリアルで叫びたくなってくる。
      • そのオティスは後述の「∞モード」で敵として登場する。そのため本編の憂さ晴らしにボコボコにすることが可能。
  • なお、無線の難点は続編である程度解消された。

一部隠し要素の実績解放条件が厳しい

  • ゾンビを大量に撃破する実績「ゾンビジェノサイダー」は、ワンプレイで53594体*3のゾンビを倒さなければならない。
    • まともにゾンビを倒し続けた場合、ピエロソー*4だろうがリアルレーザーブレードだろうがまず時間が足りない。
    • 達成のためには車に乗ってひたすらゾンビを轢き続ける作業に徹することになる。それでもリアルで5時間(ゲーム内時間で60時間)はかかるため、単調な作業を続けることになり、退屈。「∞モード」でなければストーリーを完全無視することになる。
    • だが、達成すると上述した「リアルメガバスター」という超強力武器が使えるようになるため、達成する価値は十分にある。
  • クリア後の特典で出現する「∞モード」という長時間生き残る事を目的としたいわゆるサバイバルモードがあり、実績「7デイ・サバイバー」解除のためにはプレイが必須となる。
    • このモードは一定時間(ゲーム内時間で20分、リアルタイムで1分40秒)が経過するごとに体力が減っていく。そのため食料は落ちているものを拾ったり、モール内に出現する他の生存者・サイコパスを殺して奪うことでどうにかしなければならない。
    • だが、食料の数は限られている*5上、無闇に歩き回るのは自殺行為に等しいので、長く生き残るためには「生存者を倒して食料を集める→ある程度集まったら安全なところに立てこもる→死にそうになったら食料使用→食料が不足してきたら再び調達する→集まったら安全なところに立てこもって…」という立て篭もりプレイをしなければならない。立て篭っている間は特にすることもなく、ひたすら食料を使いつつ時間が過ぎるのを待つしかない。
    • さらにこのモードはセーブができない。ゲーム内の24時間がリアルタイム2時間。実績解放条件が7日間生き残る事。すなわち、14時間+ロード時間動かし続けなければならない。
    • それだけ苦労して手に入れるアイテムが『魔界村』の主人公アーサーのパンツ、というのはあんまりである。
  • 本編のみの実績「通信中毒」は、オティスからの全ての無線を一言たりとも逃さず聞くことで達成される。
    • これだけ聞くと簡単そうだが、前述の通り無線は些細なことで切れて「途中で切るなよ」、こちらの状況はお構いなし、そして無駄に長い。
    • ストーリーも進める必要があるため、他の実績と並行して進めるのも難しい。
  • もっとも、これらの実績は徹底的にやり込みたい人向けの要素なので初めからやらなければいいだけの事なのだが。

プレイヤーを選ぶ見た目とゲーム内容

  • 全体的に洋ゲー臭が漂うが、開発は国内メーカーのカプコンである。しかしプレイヤーにはそんな事は関係ない。
  • 北米版では人体切断描写や内臓描写があるため、ゾンビを刃物で斬ると見事なほど真っ二つに切れ、生存者が死んだりフランクの一部の技(ゾンビのみで人間にその技を使っても日本版と同じ描写)で内臓が出るが、日本版ではそう言った演出はなされない。
  • そのため一部の武器、例を挙げるとドリルでゾンビを刺して回転させる攻撃方法がある。北米版では遠心力で手足がもぎ取れ、時間がたつと攻撃範囲が狭くなるが、日本版は手足が取れないので攻撃範囲が広いままである。
    • ドリルは意識しなければゲーム中一度も使わないので、ゲームバランスに差があるとは言い難い。
  • ゾンビを真っ二つにする以外取り留めて利点の無い武器もあるため、どちらかと言えば北米版が推奨される。

生存者のAIが若干アホ

  • モール内で見つけられる生存者は、同行させて安全な拠点である守衛室まで送り届ける必要があるのだが、たまに変な場所でつっかえたり、妙なルートを通ろうとしたり、立ちすくんでゾンビに捕まったりと世話が焼ける。特に弱気なタイプの救出者で顕著。
    • もっとも、救出が必要なのは実績解除のためと一部EDを見る時だけなので、それ以外では別に助けなくても構わなかったりする。ただ、救出時に得られるPPは多いためPP稼ぎのためには救出が必要となる。
    • また、怪我で動けない生存者をおんぶしたり肩を貸したりしている時はゾンビの攻撃が目に見えて緩くなるなど、ユーザーに優しい工夫もある。
    • その他、本の中にゾンビが優先的に自分を狙うようにする効果がある物もあるのでそれを利用すれば大分楽になる。
  • 生存者の難点は続編の「2」で解消されている。

総評

生存者の救出に尽力したり、ひたすら立て篭もったり、気ままにゾンビを駆逐したりと、幅広いプレイスタイルで楽しめる作品。
高い自由度と納得できるレベルの行動制限が両立されており、ロード回数以外の重大な短所もないため、完成度は非常に高いと言えるだろう。
ゾンビ映画などを元にした様々な小ネタも取り入れられており、絶望的な状況ながらどこかコミカルな世界観の中で、気楽にプレイすることができる。


移殖

  • 本作はWiiで『デッドライジング ゾンビのいけにえ』としても販売されている。しかしゲーム内容は大きく異なり、世界観とストーリーを同じにした別作品と言っても差し支えない代物である。
    • 高い評価を得た『biohazard4 Wii edition』のシステムを丸々流用した作品なのだが、Wiiの性能でゾンビの「ワラワラ感」を表現するのはあまりにも難しく、wiiはスペックではHD機にどうしても劣ってしまう為、一部のグラフィックが初代PSと見紛うばかりに劣化してしまいゲームの内容以前の問題として酷評されてしまった不幸な作品ではある。
    • 本家とは違うアクションシューティングとして割り切れば十分遊べるが、生存者やサイコパスが何人か削除されていたり*6、生存者の救出を強制的にやらされたり(しかも救出に失敗するとゲームオーバー)、写真撮影やジャンプと言ったアクションも無くなっている。ゾンビ犬や新コスチュームなどの新要素はあるものの、自由度もボリュームもかなり低下しているので、本家とは比べない方がいい。また、時間経過やマルチエンディングも無く、一本道のストーリーとなっている。
    • なお、残虐表現が減ったためかWii版は対象年齢が「D」になっている。
  • iTunesのAPPSTOREに「デッドライジング・モバイル」として移植されている。サイコパスが登場しない。
  • この作品に合わせて、テーマソング(その名もズバリ『デッドライジング』。制作と歌唱はガガガSP)が新規作成されている。こちらはゲームの内容を端的に表現した、バカ全開の笑いを誘う歌詞が印象的な良曲である。

その他

  • 洋ゲーライクな作りが災いして、国内での販売数は芳しくはなかった。しかし、海外での販売数も含めるとミリオンセラーを達成しているため、商業的には成功と言えるだろう。
  • 映画『ゾンビ』(ジョージ・A・ロメロの作品)の権利元から訴えられたらしいが、連邦地裁に却下されている。
  • 後に『屍病汚染 DEAD RISING』という名で実写映画化された。ストーリーは『2』を下敷きにし、稲船氏が脚本の一部と監督を担当している。
    • だが内容はゲームとはまるで別物であるため、ゲームのような展開を期待してはいけない。また、純粋な映画としての評価も低い。


DEAD RISING 2

【でっどらいじんぐつー】

ジャンル ゾンビパラダイスアクション
PS3版
PC版
対応機種 PS3、Xbox360、PC
発売・開発元 カプコン
発売日 2010年9月30日
(PC版)2010年10月28日
(廉価版)2012年1月19日
定価 7,989円
(PC版)6,990円
(廉価版)2,990円
対象年齢 18歳以上対象
分類 良作

概要

「デッドライジング」の続編。キャッチコピーは「好きに、ヤれ」。基本的な概要は前作とあまり変わらないが、主人公がフランクさんからチャック・グリーンに変更されている。

ストーリー

ウィラメッテでアウトブレイクが発生して5年…。
アメリカ各地でアウトブレイクが発生し、人々は常に恐怖と隣り合わせの生活を送っていた。
元モトクロスのチャンピオンであったチャック・グリーン。彼はラスベガスのアウトブレイクで妻を失い、娘のケイティもその際にウイルスに感染してしまう。
その後、ゾンブレックスを買うためのお金を手に入れるためにフォーチュンシティを訪れ、如何わしい大会と知りながらも「テラー・イズ・リアリティ」に参加。見事賞金を手に入れる。
しかし、その直後にフォーチュンシティでアウトブレイクが発生。チャックはケイティを連れてゾンビの群れを掻き分け、セーフハウスに逃げ込む。
だが、軍隊の救助が来るのは三日後で、手持ちのゾンブレックスはない。チャックはゾンブレックスを探しにモールへと向かう。

ゾンブレックスを発見し、セーフハウスに戻ってきたチャックは驚愕のニュースを目にする。
なんとチャックがアウトブレイクの犯人に仕立て上げられていたのだ。
チャックは自分の罪を晴らすため、3日以内に真犯人を見つけることを管理人のサリバンに約束する。
はたしてチャックは、自身の罪を晴らし、無事にフォーチュンシティから脱出できるのか…。

変更点・追加点

  • クリア条件は前作と同じく「72時間生存する」だが、本作ではウイルスに感染した娘のためにゾンビ化抑制薬「ゾンブレックス」を探さなければならない。
    • ゾンブレックスは24時間ごとに投与しなければならず、投与に失敗した場合はその場でメインケースの進行が不可能(真相は闇の中)になり、バッドエンディングが確定する。
    • また、投与する時間(7:00~8:00)にはいちいちセーフハウスに戻らなければならないため、自由度が下がっている。
  • 前作に比べ、マップが広がった。
    • 本作は「より広く、より大きく、より多く、より自由度の高い」を開発コンセプトとしており、それはしっかりと実現されている。
  • 新たに「コンボ武器」が登場。
    • これは、二つのアイテムを組み合わせてより強力な武器を作るというシステム。例としては、バットと釘で「釘バット」、ボクシンググローブとナイフで「ナイフグローブ」、ウイスキーと新聞紙で「火炎瓶」など。
    • コンボ武器の組み合わせは「コンボカード」で知ることができ、コンボカードはレベルアップやサイコパス撃破、特定の救助者を救出した時に入手できる。
      • なお、カードがなくても組み合わせさえ知っていれば制作は可能だが、性能が劣化してしまう。
    • このコンボ武器は様々な種類があり、どう見てもライトセーバーな「レーザーソード」、コブンの頭に芝刈り機の刃をつけた「スーパースライサー」、クマの人形に軽機関銃を持たせた「フリーダムベア」など個性的なものも多く存在する。
  • 新たに金銭のシステムが導入。
    • ATMを破壊するなどして貯めたお金は質屋で物を買ったり、カジノのスロットで遊んだり、アトラクションで遊ぶことなどに使える。
  • 銃を構えたまま移動できるようになった。
    • 前作では銃を構えると移動ができない仕様だったため使い勝手が悪かったが、本作では非常に使いやすくなっている。
  • 生存者のAIが大幅に改善され、能力が強化。
    • 変なところでつっかえたり、明後日の方向に進むことが少なくなり、こちらの命令にしっかりと従ってくれるようになったため、救助が非常に楽になった。
    • 移動スピードやHPも上がっており、一部の攻撃的な救助者は銃器を持たせれば下手なサイコパスより強いレベルになるほど。
  • 圧倒的な存在感を持つサイコパスも健在。
    • 例としては、想像を絶する食材(おそらく人肉)を使った自分の料理を無理やり食べさせようとするフレンチシェフ、保安官気取りの警備員、愛国心が変な方向に向かった自警団、タネのない切断マジックで人を殺しているマジシャン、部隊が壊滅して発狂した軍人、チャックを敵視する変なレーサー等々…。
    • 今作のサイコパスはコンボ武器追加のためか全体的に強化されており、特に前述のフレンチシェフであるアントワヌは1対1で勝負した場合、今作最強のサイコパスとされることもある。
      • ちなみに、今回は救出可能サイコパスが(変則的だが)地味に増えていたりする*7
  • サイドケース(サイドストーリー)、要救助者が前作よりも増加。
    • サイドケースの内容も「アウトブレイクに全く気付いていないお婆さんを説得」「退職金回収と称してスロットを破壊しているカジノ職員を力づくで説得」「ATMから金を強奪する銀行マンの護衛」「自分だけが下着姿では恥ずかしいと言う女性をパンツ一丁で救助に向かう」「セーラー服を着た中年オヤジ(オタク)達の救助」など様々。
    • 要救助者も「チャックではなく荷物についていく女性」「アタッシュケースを手放さないため、アイテムを渡せないギャンブラー」「負傷しているが、プライドが高く肩を貸せない退役軍人」のような、個性的な人もいる。
  • 国内版・北米版問わず、人体切断描写や内蔵描写が発生するようになった。*8
    • ハンマーで殴れば部位が破壊され、刀で切れば真っ二つに割れ、爆発物で倒せばバラバラに砕け散るなどやりたい放題。ゴア表現が苦手な方は注意。
    • ただ、さすがに人間の敵に対しては部位破壊は発生しない。また、釘バットの特殊攻撃(頭をカチ割る)など欠損描写のある特殊攻撃はそもそも発動しない仕様になっている。
    • また、国内版では生存者の死亡デモが発生しなくなり、北米版でも前作にあった「殺された生存者から内臓が出る」という描写だけは発生しないようになっている。
  • CO-OPプレイが実装された。
    • 自分がホストになって協力してもらったり、クライアントとなって他のプレイヤーに協力することも可能。クライアント側はストーリーの進行は保存されないが、手に入れた金や経験値は記録できる。
  • 新たに『TERROR IS REALITY』モードが登場。
    • 作中の超人気番組「テラー・イズ・リアリティー」を独立して遊べる、いわゆるミニゲームモード。オンライン専用であり、4人による対戦を行う。
    • 計9種類の競技の内から4種のゲームをプレイし、最もポイントを稼いだプレイヤーが勝利となる。
    • 競技で獲得した賞金は、ゲーム本編に引き継ぐことが可能。本編では積極的に稼ごうとしない限り金が集まりにくいため、このモードでお金を稼ぐのも悪くない。また、稼いだ額によって特別なコスチュームが解禁される要素もある。
    • ただ、必ず4人の参加者が必要となるためマッチングに時間がかかるのが難点か。また、オフラインでの練習モードもないため慣れるまでは高得点を取りにくい。
      + TIRの競技紹介
    • ラムスターボール
      • 鉄網で作られた巨大な球体の中に入り、ピンボールの要領でバンパーに接触させ、ポイントを稼ぐ。ただし得点が入るのは「権利」を持つ選手のみとなっており、他の選手は「権利」を持つ選手のボールにぶつかり「権利」を奪う必要がある。
      • いかに「権利」を確保した状態で多くのゾンビを轢き、バンパーにぶつかるかが鍵になる。
    • ゾンボーニ
      • 車に乗ってフィールドのゾンビを轢き殺して血を採取し、その血を4ヵ所のターゲットの口に放射して得点を稼ぐ。
      • 得点が入るターゲットは限られているため、他のプレイヤーとの競り合いの中でうまくターゲットに血を流しこむ技術が求められる。
    • ボールバスター
      • バズーカ状の武器を使い、開閉されるドアの奥にいるゾンビを高台から狙い撃つ。
      • 定期的に出現するボーナスゾンビを撃つと「ジャックポット」、「フルオート」、「対戦相手の妨害」のうちどれかが発生するため、それをうまく活用する必要がある。
    • バウンティ・ハンター
      • スナイパーライフルを使い、ゾンビを狙撃する。風船付きのゾンビは高得点。
      • ゾンビは中央のステージに向かって進んでいき、一定数のゾンビが中央に到達するとジャックポットが発生し、中央に的が出現する。この的を撃ちぬくと高得点が獲得でき、他の参加者の妨害も行える。
    • パウンズ・オブ・フレッシュ
      • ムースヘッドを頭に装着してゾンビを跳ね飛ばし、秤に放り込む。重量があるゾンビほど高得点となる。
      • 跳ね飛ばせる数は少ないが楽に放り込める通常攻撃と、多くのゾンビを跳ね飛ばせるが放り込みにくい長押し攻撃の使い分けが重要。
    • ヘッドエイク
      • バケツをゾンビに被せ、スイッチを押すことでゾンビの頭を吹き飛ばす。被せたバケツの数が多いほど高得点となる。バケツと一緒に手に入るダイナマイトを使うと、他のプレイヤーが被せたバケツを外すことができる。
      • 大量にバケツを被せれば高得点ではあるが、欲張りすぎると他のプレイヤーの妨害を受けて数が稼げないため、適度に見切りをつけて点数を獲得するのが重要。
    • マスターシャフター
      • 槍を持ち、上から降ってくるゾンビを突き刺す。同じ落下地点に複数のプレイヤーがいる場合、ボタン入力によるバトルが発生し、バトルに勝利した者だけが得点を獲得できる。
      • バトルが発生した場合、参加した人数によって獲得できる得点も増加するため、積極的にバトルに参加すると高得点が狙える。
    • スタンドアップ・ゾメディ
      • スティックポニー、花、ドレスの3種類のアイテムをゾンビに装着して得点を稼ぐ。同じゾンビに3つのアイテムを装着するとボーナス点が獲得できる。
      • 相手プレイヤーがアイテムを装着したゾンビに自分のアイテムを装着し、ボーナスを取らせない立ち回りも必要となる。
    • スライシクルズ
      • チェーンソーをつけたバイクに乗り、ゾンビを切り刻む。TIRの最終ラウンドとなる競技で、本編の冒頭でもこの競技に挑戦することとなる。
      • 風船付きのゾンビは通常の50倍の得点となっており、このゾンビをいかに多く切り刻めるかが鍵となる。獲得できる得点はこれまでの競技よりも圧倒的に高く、多少の得点差ならこの競技だけで逆転することも十分可能。
      • 1位以外のプレイヤーはペナルティーを受け、順位によって開始までの時間が少し遅れてしまう。

不満点

  • ロードが非常に長い。本作最大の欠点。
    • HDインストールを行おうが何しようが異常に長い。十数秒の長時間ロードは当たり前。しかもマップを切り替えるたびに発生するのでしょっちゅうローディングで待たされる事になる。
    • PC版だといくらかはマシ。
  • 前作と同じく、メインケースを進めるとなると若干難易度が高め。
    • 相変わらず時間・場所指定が多く、やはり一つでも失敗すると真相は闇の中。また、サイコパスとの強制戦闘も多いため、レベルが低い1週目でメインケースを進めるのはかなり難しい。
      + 後半のネタバレ注意
    • 終盤になるとガスで強化されたゾンビが出現するのだが、このガスゾンビは「足が早く非常に攻撃的・攻撃力と耐久力が高い・振りほどきに複数のコマンドが必要・血を吐いてこちらの動きを止める」と、普通のゾンビとは比べ物にならない強さを誇る。
      • 一応、切断系の武器(ブロードソード、レーザーソードなど)なら一撃で倒せるのだが、とにかく数が多いため対処が難しい。油断するとあっという間に囲まれて体力を削られる。
    • ラスボスであるサリバンも厄介な相手。
      • サリバンは「通常状態ではこちらの攻撃を受け流して反撃する上、持っている武器を落とさせる」という特性を持っており、近距離武器で攻撃を当てるには攻撃後の隙を狙うしかないのだが、サリバンと戦う足場は狭く、攻撃を避けにくい。
      • また、足場の下はゾンビが大量にいる上、サリバンが銃撃やミサイルで攻撃してくるため下から遠距離武器で安全に攻撃というわけにもいかず、銃撃のせいで回復もさせてくれない。さらにミサイルは足場を破壊して不自由にする上、配置されている回復アイテムまで吹き飛ばしてしまう。
      • 簡単に倒せる方法はあるのだが、正攻法で挑むと非常に厳しい戦いとなることは必至。
  • 生存者の全員救出を狙う場合も難易度が高い。
    • 全体的にサイドケースの発生場所が離れており、次のサイドケースが発生するまでの間隔も短め。迅速に救出して連れて帰らないと間に合わない。
    • さらに、「シティに一度に出現する生存者は8人まで」という制限がある。ケースをいくつか放置したり、無線連絡がないものに気付かず放っておいたりすると、「オタクの集い」のような人数の多いケースが発生しなくなる恐れもある。
    • 前作と同じく無線連絡がないケースも用意されている。「秘密の鍵」のように達成しなくても特に問題がないケースや、「夫婦円満の秘訣」のように発見が容易、「金持ちの道楽」のように時間が長かったりすることが多いのだが、中には発生場所が分かりにくく、制限時間も短いケースもある。後述の「Tape It Or Die」が顕著。
    • 特にキツいのが3日目の午前中で、「ギャンブル中毒(連絡なし)」「耐えがたい空腹」「ナンパの極意」「保安官の凶行(サイコパス戦)」「秘密の鍵(連絡なし)」「ATMへ走れ!」「Tape It Or Die(連絡なし)」という7つのケースがほとんど間髪入れずに発生する。
      • また、「Tape It Or Die」は「無線連絡がない・発生場所が某所のスポーツ用品店の地下・制限時間が5時間程度と短い・出現人数が4人」と厄介な要素ばかり。普通に進めていてはまずこのケースの存在自体に気付かない。
      • さらに、時間をかけすぎると「迷惑な市民軍」が発生し、シティ中央の公園付近にスナイパーライフルを抱えた自警団(サイコパス)が4人出現してしまうため、連れて帰るのが難しくなってしまう。
  • 前作でもあった無線の問題点が一部そのまま。
    • 一応、スキップができるようになり、また受信するタイミングを選べるようになったため前作のような煩わしさは無くなった。
    • しかしやはり攻撃を受けると中断し、「すまない、もう一度頼む…」となる。
  • チャックの攻撃アクションが全体的に使いづらい。
    • 前作で強力だったフランクの「ニードロップ」はチャックでは「エルボードロップ」になっているが、攻撃後の硬直が長いので使い勝手が悪い。
    • チャックの技は単体相手のアクションが多く、大量のゾンビを一気に倒せる「ダブルラリアット」に代わるアクションが無いのも痛い。
    • また、低レベルでは「フロントキック」「ドッジロール」といった基本のアクションもできないためゾンビ相手でもサイコパス相手でも苦労する。
  • 軽快な移動手段の減少。
    • 前作で便利な移動手段だったスケボーの操作性が何故か改悪されている。スケボー自体の耐久力も大幅に減っており(ゾンビを4体轢いただけで壊れる)、移動手段としてはあまり使えなくなった。
    • 前作にもあった地下道は今作にも存在するが、置いてあるのはスピードのあまり出ない電動カートがほとんどになったため、素早い移動はしづらくなった。
      • 一応、バイクが置いてある(使用には一定条件を満たす必要があるが)所もあるので、それをうまくゲットできればスピードが出せる。
      • また、クイックステップ(移動速度2倍)というミックスジュースが前作よりも作り易くなっているため、これをストックしておけば多少はマシになる。ただ、レベルが低いうちはストックする余裕もないため、やはり不便。
      • なお、SUVなどの乗り物も鍵さえ買えば使える。鍵の値段は最低でも50万ドルはするが。
  • 相変わらず実績(トロフィー)取得の敷居が高い。
    • 前作の「∞モード」のような数時間ぶっ続けプレイは無くなっているが、ゾンビ大量キルの実績「ゾンビジェノサイダー1」は前作よりシビアで、72000体ものゾンビをワンプレイで倒さなければならない。入念な下準備を行い、サイドケースは完全無視、メインケースだけを消化してひたすらSUVもしくはチェーンソーバイクでゾンビを轢く作業に徹しないと狙うのは難しい。
      • ゾンビと車を再配置させるために何度もマップを切り替える必要も生まれるため、今作はロード時間の難点もあり違う意味で面倒に。
    • また、全ての近接武器を使用する「喧嘩番長」、全ての回復アイテムを使用する「大食漢」、全てのコスチュームを着用する「Chuck Greene:女装する?」、CO-OP中に全てのメインケースを消化する「ベストフレンド」といった収集系の実績が多めとなっており、時間がかかる。
  • 前日談にあたるパート「CASE0」と、フランクさんと共闘する真の最終章にあたるパート「CASE WEST」がDLC、それも360限定という仕様となっている。
    • スタッフ側は「360で始まったシリーズだから360限定にした」とのことだが、PS3とPC版を出している以上、それで納得できるユーザーは極少数であろう。
      • PC版に関しては言い訳できないのだが、PS3版に関しては実はCEROの問題なのでカプコンはむしろ被害者側であり、こればっかりはSCE側の責任である。360でも支払いはクレジットカード限定と購入ハードルが高いのも難点。
  • DLCコスチュームが強力すぎる
    • 着用すると特殊効果が付随する追加コスチュームDLC。テーマにそったコスチュームのフルセット(頭・顔・服・靴)が内包されている。
    • が、この特殊効果は 部位のどれか1つでも装備すればいい ため、全てのDLCを1つずつ装着すると「 防御力2倍、回復量2倍、移動速度上昇、重火器弾薬2倍、ゾンビに気づかれにくくなる 」以上を含みその他細かい効果全てが同時に付随した最強のチャック・グリーンが爆誕してしまう。
    • このためCo-opではDLCコスチュームを1つずつ着用したプレイヤーばかりと遭遇してしまう。豊富に用意された衣装が全く体を成していない。
    • DLCコスチュームは次回作にも登場しているが、そちらでは全て着用しないと効果が付与されないようになった。

総評(『2』)

  • 前作の不満点を解消しつつ遊べる要素を増やし、ゲームとしては順当に進化したと言っていい本作。
  • だがそれを差し引いても、あまりに長く、そして頻繁に発生するロード時間は満場一致で問題とされ、これを許容できるかどうかで本作の評価は分かれるだろう。


DEAD RISING 2 OFF THE RECORD

【でっどらいじんぐつーおふざれこーど】

ジャンル ゾンビパラダイスアクション
PS3版
PC版
対応機種 PS3、Xbox360、PC
発売・開発元 カプコン
発売日 2011年10月13日
(PC版)2011年11月24日
定価 4,990円
対象年齢 18歳以上対象
分類 良作

概要

「2」のマイナーチェンジ版。本作は「もしフォーチュンシティのアウトブレイクに立ち会ったのがチャックではなく、フランクさんだったら…」というパラレルストーリーにあたる。
シティを徘徊するゾンビの数が増加・サイドケースの制限時間短縮・一部の敵の強化などが施されており、『2』よりも難易度が上がっている。

ストーリー

ウィラメッテで起きたアウトブレイク、そしてその事件の真相を世に知らしめたフリージャーナリストのフランク・ウェスト。
生還後、本を出版したり、自身が司会の番組を持つなど一躍英雄となった。
だが、些細なスキャンダルから彼の番組が中止、さらに社会的に追放され、一転して落ち目のヒーローとなってしまった。
その後、育毛剤の営業を行っていたが、現役復帰のために「テラー・イズ・リアリティ」への参加を決意する。

無事に生還して賞金を得たフランクは、帰り道にショーの司会者であるTKとゾンビ人権団体「CURE」のメンバーの裏取引を発見する。
その様子をカメラに収め、戻る途中にアウトブレイクが発生。自身の過去の経験から、すぐさまセーフハウスに逃げ込むフランク。
だが、軍の到着は3日後で、ゾンブレックスのストックはゼロ。ウイルスに感染しているフランクはこのままでは軍の到着前にゾンビ化してしまう。
ゾンブレックス、そして新たなスクープを手に入れるため、再びフランクはゾンビパラダイスと化したフォーチュンシティに向かう…。

変更点・改良点

  • 「2」の大きな問題点であったロードが大幅に短くなった。
    • だが、今度はデータのセーブ・ロードの時間が少し長くなってしまった。
  • 全体的なテンポの向上。
    • 前述の通りロードが短くなったほか、回復アイテムの使用モーションが早くなる、スケボーが大幅強化、着替えた服装を戻す際のポーズがなくなるなど、前作に比べ若干快適にプレイできるようになった。
  • 主人公がチャックからフランクさんに戻ったことでカメラ要素が復活した。勿論、ショッキングシーンやエロショットを撮ったらボーナスが入る。初代に存在した「PPステッカー」も復活。
    • ただ、カメラを向けても生存者の反応が変わらなくなっているのは残念な点。
  • 攻撃アクションも「1」と同じものが使用できるようになった。
    • ただし、バランス調整からか一部のアクションは若干ながら弱体化している。
  • 新たに「Uranus Zone」というエリアが追加。
    • 遊園地をモチーフにしており、様々なギミックやユニークなコスチュームが満載なエリアである。
  • チェックポイントが追加。
    • チェックポイントはエリアに入った際などに記録され、死んだ場合などはセーブした所からの他、そのチェックポイントから即座にやり直すことができる機能。
    • いわゆる「その場復活」が可能になったことは本作の大きな改善点である。
  • 前作のケイティと同じく、フランクさんもウイルスに感染しているため一日に一度ゾンブレックスの投与が必要だが、今回は投与するのが自分なのでいちいちセーフハウスに戻る必要がなく、時間になったらその場で自分に投与できる。
    • そのため、セーフハウスに戻ることを意識する必要がなくなり、時間的な余裕ができた。ただし、こちらでは投与する対象が自分のため「投与失敗=死」なので、嫌でも集める必要がある。
  • 要救助者が「2」に比べ弱体化された。そのため、エスコートが若干難しくなっている。
    • ただ、これに関しては「2」のサバイバーが強すぎたという意見もある。
  • 新たな生存者・サイコパス・サイドケース・コンボ武器・アイテム・服装が追加。
    • 今作では前作の主人公であったチャックもサイコパスとして登場している。
    • ただし、入れ替わりでいくつかのサイドケース・何人かの生存者・サイコパス1名が削除されている。
    • コンボ武器は前作の「CASE WEST」で登場したものも全て制作可能になっている。
    • また、前作のダウンロードコンテンツの服装もシティ内のあちこちに配置されている。
      • ただし前作と違ってフルセットで着用しないと効果が発動しなくなっている。
  • ストーリー展開の一部が変更。
    • ネタバレになるので詳しくは伏せるが、主要登場人物であるサリバン、ステイシーの役割がガラリと変化している。
  • 新たな収集要素として金庫の鍵が追加。
    • これはUranus Zoneにある貸金庫で使え、中にある金やアイテムを手に入れたりすることができる。
  • 「TERROR IS REALITY」に代わり「サンドボックスモード」が追加。
    • このモードは''時間制限が一切なく、好き勝手にシティを探索できる。ゾンブレックスを投与する必要もない'代わりに、メインケースやサイドケースも発生しない。
    • シティの各所には「チャレンジ」が用意されており、それに挑戦することで金がもらえたり、好成績を出せばコンボカードが手に入ったりする。
    • このモードで獲得したお金や経験値は本編に持ち越すことができる。そのため、こちらのモードで経験値をためてからケース回収に挑戦するということも可能。
  • Co-opに参加すると、ストーリーに関係なく参加側は前作の主人公チャック・グリーンになる。
    • アクションは前作と同じなのでフランク独自のアクションが使用できないが、カメラは使用可能。
    • 喜びモーションを双方で近づいてやるとハイタッチする。(前作ではゲーム中でのコミュニケーション手段が皆無だったため、ジャンプや呼びかけ等で代用するしかなかった。)
  • トロフィー・実績の解除条件が全体的に緩和された。
    • 面倒な収集系は大幅に激減し、しかも舞台には必要数以上に用意されているという非常に優しいものに。
    • 難しいものが全くないわけではなく、歯ごたえのあるものもいくつかある。
      • 例としては、累計100000体のゾンビを倒す「マスタースレイヤー」、最序盤で救出できるDenyceという生存者を終盤まで連れ回す「デニース?」、CO-OPでサンドボックスモードのチャレンジ全てでゴールド評価を獲得する「フレンドからさらに多くのヘルプ」など。

不満点

  • バグがかなり多い。フリーズなどのヤバい系統の割合も高い。例としては…
    • 関係ない強化本で武器が強化される。また、本来ならば強化できないはずのコンボ武器も強化対象になっている。
    • とあるサイドケースをクリアしたのにクリアしていない状況になる。
    • エンディングでSELECTもしくは×ボタンを押すと 確実にフリーズする 。つまりスキップが不可能。(PS3版のみ)
      • 対処方法はなく、ボタンを押さずに最後まで見る以外にない。周回してナンボのゲームなだけに非常に面倒くさい。
    • サンドボックスモードで映画館に行き、映画を見ようとするとフリーズすることがある。
    • とあるアイテムをある攻撃方法で破壊するとワープする。
    • スケボーを使っているといきなり空を飛ぶ。
      • …など。そのほかにも多数存在する。
      • ただ、普通にプレイして発生するバグはあまりないのが救い。
  • 新エリアのUranus Zoneがかなり重く、ここだけfpsが著しく落ちる。
  • サバイバーの位置・出現日時・場所、アイテムの配置場所の大半が前作と異なるため、前作経験者は煩わしく感じる。
    • また、発生時間が変わっていないサイドケースでも着信がなくなって気づきにくかったり(「ロックコンサート」「別離…」など)、前作より救助に手間がかかる(「ATMへ走れ!」「親子喧嘩」など)ことが多くなっている。
    • 特に強化本の配置は大幅に変わっており、刃物強化やリーダーシップなど前作より楽に入手できるようになった物もあれば、体力回復量増加やバイク強化など入手が面倒になったものまで様々。
    • 最も、これらが全く同じだと「操作キャラが違うだけの手抜き」というレッテルを貼られるので仕方がないが・・・。
  • 「ビビらせポイント」が非常に鬱陶しい。
    • 新要素として追加された、倒れているゾンビ等に近づくとゾンビに襲われるというパニックイベント的なものなのだが・・・。
    • ゾンビそのものに驚くのではなく、発生時の効果音が他と比べてやたらと大きく設定されており、それのせいでビビらせているだけである。
    • 急いでいる時にやられるとイライラするだけな上、発生はランダムなのでタチが悪い。というか単純に心臓に悪い。
    • 中には曲がり角などの死角から飛び出してくるポイントもあるため、警戒のしようがない。さらにセーブポイントであるトイレの個室に潜んで奇襲をかけてくることまである。
      • 一応カメラを回転させて確認したり、壁を向いている棒立ちのゾンビや倒れているゾンビを攻撃するといった方法で対処は可能だが、いちいちそれをやるのは面倒であることに変わりない。
    • ホラーゲームというジャンルではあるが、おバカ要素のほうが強いこのゲームにおいて何故今更このようなものを追加させたのかは不明。

総評(『OFF THE RECORD』)

  • 大きな問題であったロード時間を改善、その他の要素も復活・追加された。そして何より我らがヒーロー・フランクさんが主役に返り咲いたのはファンを喜ばせ、本作は高い評価を得た。
  • ただ、今度はバグが多いことが不満点となってしまった。これらのバグがなければ文句なしの良作だったために惜しまれる。