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注意:このページでは、オリジナル版の『スターオーシャン1 First Departure』と、そのHD版『スターオーシャン1 - First Departure R-』について解説する。判定はいずれも「良作」。
スターオーシャン1 First Departure
【すたーおーしゃん ふぁーすと でぃぱーちゃー】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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メディア
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UMD 1枚
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発売元
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スクウェア・エニックス
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開発元
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トーセ
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発売日
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2007年12月27日
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価格
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5,040円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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268KB
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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アルティメットヒッツ:2009年12月3日/2,800円
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ後作の要素を逆輸入しシステムも一新 雑で未完成なストーリーと設定を整理し、シリーズの一作として纏め上げる 声優は豪華だが、原作からの変更には賛否あり
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スターオーシャンシリーズリンク
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概要
SFC用ソフト『スターオーシャン』のリメイク作品。
グラフィックとキャラクターデザインの一新、バトルシステムの大幅変更と、もはや別作品と言えるほど大幅にリメイクされている。
尚、タイトルロゴは『3』と同様のデザインであり、次回作のPSP版や『5』もそれに倣っている。
変更点・評価点
全体的に続編『2』をベースにあらゆる要素が一新されており、それらは『2』のPSP版にも応用されている。
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バトルシステム
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カメラ視点が低くなった他、高さの概念追加等、『2』をベースとして大きく変更された。
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改良点としては、「十字キー(アナログパッド)で自由な移動が可能」「敵ロックオン対象を手動で変更する際に時間が止まる」「通常攻撃が三段攻撃可能になり、必殺技でのキャンセルをかけられるようになった」点が上げられる。
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フルボイス化
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声優がシウス役の東地宏樹氏を除いて全交代され、メインシナリオとプライベートアクションの際にキャラクターがしゃべるようになった。
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後述の通り交代には批判の意見もあるが、交代後のキャストも宮野真守氏や生天目仁美氏、福山潤氏等の若手から大ベテランの若本規夫氏などといった有名声優を起用しており、演技力は申し分無い。
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シナリオ
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SFC版は原作者も認めるほど矛盾、説明不足、伏線放置が目立った出来だったが、本作では大幅な補完がなされている。
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特に魔王アスモデウス討伐に関しての言及はしっかり作中で行われ、理解しやすくなった。SFC版のように置いてきぼりを食らう事も無い。
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一部設定が変更されている箇所もあるが、殆どがオリジナルより整合性の取れたものになっている。
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アニメ
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一部イベントシーンにアニメーションを追加。更にOPには主題歌が用意されている。曲はあすなろの「Heart」。
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新キャラクター
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SFC版では本来の姿では仲間にならなかった「エリス」、『3』からのゲストキャラクター「ウェルチ」が新キャラクターとしてパーティーに加えられるようになった。
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エリスはSFC版ではどう足掻いても幸せな結末を迎えられなかったキャラであり、救済を望む声も多かった。今回はそれに応えた形になる。
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また、追加されたPAでキャラの掘り下げも積極的に行われている。
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特に、悲劇的な経緯から一歩引いた性格に収まるかと思いきや、度々覗かせる
妙に残酷で腹黒い
一面は印象強く、実質新規キャラクターに近い立場でありながらも既存キャラに負けない個性がある。
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一方、仲間にならない場合の消滅イベントも一新されており、アニメまで用意されるなどこちらも手が込んでいる。
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ウェルチは彼女のトレードマークである
「差し棒」を武器として登場。
全体的にネタ寄りの技が多く、最強技は『ヴァルキリープロファイル』を盛大にパロっている。
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ウェルチはこれ以降、シリーズの常連として
時代や世界観を無視して毎度のように登場する事になる。
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プライベートアクション追加
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既存の町での追加や最終ダンジョン前のシナリオやダンジョン、町代わりの施設にも追加されている。
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もちろんPSP版にてパーティに加えられる新規キャラのPAも追加されている。
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ロニキスとイリアのイベントでは次回作主人公の両親である事を意識したものがあったりなど、シリーズ後発作に触れたものもある。
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アイテムクリエーション関連
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こちらも戦闘システムと同じく続編ベースに改良された。
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また素材アイテムの大幅な追加により作れるアイテムの幅が広がり、同じアイテムを作る「複製」、セカンドストーリーから逆輸入された町の人のアイテムを盗む「ピックポケット」が追加された。
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ただ、酒類などキャラによってはPSPの規制の関係で作れないアイテムもある。
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スーパー特技
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パーティーメンバーで特定の特技を習得していると、それを組み合わせたスーパー特技が使用可能になる。
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これで更にアイテムクリエーションの幅が広がっている。
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ラスボスについて
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ゲーム全体の難易度に反してあまりの弱さが批判されたラスボスだが、本作では見た目も全く別物になり、大幅強化されている。
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HPの少なさなど、ヘビーユーザーからはまだラスボスとしては物足りないという声もあるが、全RPG中でもトップクラスの弱さなどと言われたSFC版とは比べるべくも無いほどには強くなっている。
賛否両論点
戦闘システム関連
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評価の高いセカンドストーリーベースになったことで、戦闘システム自体は良くなったと言えるが、『1』独自の要素だった「技を閃く」「敵との距離による必殺技の切り替わり」が廃止、「リンクコンボ」の弱体化などで「『1』の良さがなくなっている」という不満の声もある。
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技はLボタン、Rボタンに1つずつ、合計2つしかセットできなくなってしまったことも不満としてあげられる(術師以外の仲間キャラクターもセットされた技しか使用しない)。
イリアとロニキスの服装
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全体的なキャラクターデザインの変更を受けて、この二人がSFC版のように着替えなくなったことには残念な声が多い。
(本作ではこの二人は終始元々着ていた軍人服のままだが、SFC版では「それでは目立つだろう」と文明に合わせた装備に着替える。)
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SFC版ではロニキスは鎧姿、イリアは際どいハイレグ武道着姿である。
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一応、今作でもイリアが着替えようとするイベント自体はあるのだが、その時に何を渡しても「やっぱりこのままでいいわ」と却下されてしまう。
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これに対し、主人公であるラティは「って言うか、それって『大人の事情』だろ…」とメタ発言っぽい台詞を吐く。後述の『R』でのCEROレーティング変更もあり、表現の自主規制とも捉えられるが…
ワールドマップ
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本作ではワールドマップが追加された。
(SFC版ではワールドマップという概念は存在せず、ダンジョンと町の間もダンジョンと同じような道を歩いていく形だった。)
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原作では同じような道を延々走らされる為に道に迷いやすく精神的に疲れ安かった他、世界全体図も把握しにくかった。
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本作で普通のRPGのようなワールドマップが追加された事で遊びやすくはなったが、移動速度が遅い為、町から町への移動がダレやすい。
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これにより、プライベートアクションを発生させるために前の町に戻るといったことが面倒になってしまう。
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ペリシーを仲間にしてバーニィを呼べるようになると高速移動&地形無視移動が出来るようになる。
かなり快適になるが、仲間枠はそう多くないのでペリシーを固定させると他の仲間キャラの選択肢が少なくなってしまう。
問題点
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ラストダンジョン関連
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SFC版では、ラストダンジョンに突入してもある手順を踏めば、主な舞台である「惑星ローク」に戻ることが可能だったが、今作では不可能になってしまった。
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ロークには多数のPA、敵と5連戦して景品を獲得する闘技場等の多数のやりこみ要素が存在しており、セーブデータを別個にとる等しないとやり込めなくなってしまった点はかなり惜しまれている。
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隠しダンジョンは行き方が変わった為問題ないのだが、それなら他の要素にも対処法を用意してくれれば良かったのだが…。
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弓の大幅な弱体化
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ロニキスは魔術師ではあるが、SFC版では「INT(=魔力)を強化する武器を装備できない代わりに弓での通常攻撃が強力」というバランスのキャラだった。しかし、本作では弓が大幅に弱体化してしまい他の魔法使いキャラに比べて欠点ばかりが目立つようになってしまった。
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一番の問題は敵に中距離まで近付いてから弓を引くという弓の仕様。ロニキスは足も遅いので、敵が移動すると、あろうことか弓を持っているにもかかわらず、敵に追いつくまで追いかけっこするという訳の分からない事態になる。
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こういった仕様変更が加えられたにもかかわらず、相変わらず弓矢にINT増強の効果はなく、杖装備のキャラと比較して利点がほぼない。元々強すぎた弓矢の連射性を落とすのは妥当としても、せめて「敵との距離がどれほど離れていようとその場から射撃する」仕様は残すべきだった。
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グラフィック
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キャラクター、モンスター関係の絵はSFCからの流用が多いが、一枚絵でほとんど動かず、操作性にも影響する街やダンジョンのメリハリのない背景、簡素な3Dと化したワールドマップ等、PS1の手法を踏襲したグラフィックがSFC晩期のドット絵からは見劣りしてしまう。
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戦闘時の必殺技エフェクトも3D化の影響で見辛くなった。(もはや何が描かれているのか判別できない吼竜破、画面全体にエフェクトを表示する紋章術等、テクスチャの粗さが目につく)
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アイテム画像も3Dを使ったプリレンダ画像にリメイクされたが、同じ画像を複数のアイテムに使うというよくわからない状態になっている。(類似アイテムはほとんどが色違いか同じ画像。装備品も重複だらけで、少しパターンが多い程度。)
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音楽
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基本的には原作そのままだが、全体的にこもったアレンジになってしまい迫力が薄まっている。
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特に、テンポや迫力が求められる戦闘曲でその傾向が顕著で、トランペットの主旋律による勇ましさがスポイルされた「For Achieve」、テンポが遅くなっているうえにベースが弱く重厚さに欠ける「TENSE ATOMOSPHERE」などが良く指摘される。
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2004年に発売された「スターオーシャン サウンドトラック」のものが使い回されているが、COME ON BUNNYなどの新規BGMが追加されている。
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戦闘ボイス
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やはり声優変更は変更前の声に慣れ親しんだ人には違和感が強い。
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SFC版にあったロニキスのピンチ時の台詞「もう我慢できん」のウケが岡森諦氏の声と相まって(一部のファンには)非常によかったのだが、リメイクに際し削除されている。
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同様にネタ的な意味で人気だった檜山修之氏が力強い熱演をした回復魔法「キュアオール」も声優変更で目立たなくなってしまった。
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文字で表すなら「キュアッオォォォォォル!」とでもなる。最初に覚える全体回復魔法であり使用頻度も高い為、非常に印象に残る。
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相変わらずのドーンの不遇さ
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主人公の親友であるドーン・マルトーの扱いはSFCと変わっておらず、今回も序盤を過ぎると永久離脱する。出番の少なさも同じ。
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彼もパーティー復帰の要望の多かったキャラなのだが、マーヴェル(エリス)には救済の道が用意された一方、ドーンの運命は変わる事は無かった。ファンから
『Q.ドーンは仲間になりますか? A.ド━━━━('A`)━━━━ン!!!』
とネタにされたほど。
総評
リメイク作品の宿命ではあるが、原典に思い入れのあるファンからの評価は分かれやすい。
特に、フルリメイクによってシリーズ一作目であるSFC版の独自要素を撤廃した事は、キャラクターデザインや声優の変更等も含め残念がられた。
しかし、続編のシステムを元にした各種システムの変更は全体的に上手く調整されており、シナリオに関しても穴の多かったSFC版から大幅に補間が成されており、難易度も乱高下が激しかったSFC版と比べマイルドになっているため、十分に良リメイクといえる内容である。
スターオーシャン1 -First Departure R -
【すたーおーしゃん ふぁーすと でぃぱーちゃー あーる】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション4 Nintendo Switch
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発売元
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スクウェア・エニックス
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発売日
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2019年12月5日
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価格
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通常版:3,200円(税別) デジタルデラックス版:5,000円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:B (12歳以上対象)
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判定
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良作
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スターオーシャンシリーズリンク
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概要(R)
PSP版を元にしたHDリマスター版。
画質向上のほか、原作であるSFC版のキャラクター造形の再現も含めた追加がされている。
特徴(R)
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SFC版の原作声優による新規ボイスが実装。PSP版の声優と切り替えが可能となった。
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PSP版で追加されたイベントやムービーシーンのボイスはもちろん、SFC版から存在していた戦闘ボイスも改めて録り直された。
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原作声優は既にベテランの域に入っている声優や俳優本業の役者ばかりだが、きっちりと録り直しが行われており、兼役だったキャラも含めて同じという徹底した配役がなされている。
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英語ボイスとも切り替え可能。
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会話シーン等で表示されるキャラクターイラストも、SFC版のデザインを元にした新規イラストとPSP版のイラストを切り替え可能になった。
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新規イラストは、『4』のキャラクターデザインも行ったエナミカツミ氏が担当。
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衣装の装飾などの細部については、SFC版からのリデザインが行われている。
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フィールド上の移動に倍速化できる機能が追加された。
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主題歌はSHADOW OF LAFFANDORの『新しい一歩』へ変更。
評価点(R)
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エナミカツミ氏によるキャラクターデザインは、ほぼ文句なくSFC版を踏襲しつつブラッシュアップしたものとなっている。
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『4』のキャラデザのほか、スマホアプリ『スターオーシャン:アナムネシス』等でも現役でシリーズに関与している氏だけあって理解度は高く、癖がなく生き生きとしたデザインでキャラクターの魅力を引き出している。
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フィールド移動の倍速化により、バーニィに騎乗しなくてもフィールド移動でストレスを感じることは少なくなった。
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PSP版と同じ速度も選べるが、倍速化しないメリットが全くないため、基本的には倍速化で通すことになるだろう。
賛否両論点(R)
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新規収録であるため、声優は同じだがSFCそのままのボイスではない。
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上記のネタにされたヨシュアの「キュアオール」も絶叫ではなく普通の詠唱になっていたりと、SFCの印象に残ったボイスがそのまま聞けると考えると肩透かしを食らう可能性は高い。
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もっとも、このヨシュアの例で言えば、そもそも冷静沈着なキャラクターであるヨシュアとしては本作のようなボイスの方が本来であるというのも事実である。いずれの声優・役者もベテランとなっていることから良くも悪くも成熟しており、安定感のある本作の演技をどう評価するかは分かれるところだろう。
問題点(R)
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キャラクターデザインの切り替えはイラスト以外に反映されない。
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SFC版の衣装に切り替えても、ムービー、及びドットグラフィックの衣装はPSP版のままである。
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ムービーの作り直しはプログラム改修以上の手間が掛かるためある程度仕方ないと割り切れるが、ドット絵を2種類用意するぐらいはやって欲しかったところ。
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キャラクターイラスト・ボイス共に、キャラクター個別で切り替えることはできない。
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特にボイスはSFC版の原作ボイスとPSP版で声優の起用傾向が大幅に異なることもあり、キャラクターによってSFC版とPSP版を分けたいという声も少なくないと思われるため、それができないのは片手落ち感が否めない。
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約1年前にスマホアプリ『スターオーシャン:アナムネシス』でも同様に『1』『2』キャラのボイス切り替え機能が実装され、そちらはキャラクター個別での切り替えができるようになっていた。その配慮が好評に受け止められていただけに、開発が異なるとは言え同様のプロデュースが行えていないことが惜しまれる。
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しかしアニメムービーの場合は仕様上、音声データではなく動画データである為、各組み合わせごとにデータを丸ごと設けなければならず、その場合は容量が肥大化してしまうので難しいのかもしれない。
総評(R)
ベースとなったPSP版からの劣化点は一切無く、SwitchならばPSPと同様に携帯も可能。
倍速化やゲームバランスの再調整でより遊びやすくなっているため、新規プレイヤーを含め今から遊ぶならこのリマスターをオススメする。
また、PSPでのリメイクで不満を覚えた原作ファンに向けてSFC版準拠の追加内容も施されている。
原作要素の完全網羅というわけではないが、当時の声優がフルボイスで改めて演じるというものであるため、魅力を感じた原作ファンは新しく生まれ変わった本作を再び遊んでみるのもいいかもしれない。
余談
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テイルズシリーズと似た要素について
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『スターオーシャン』は元々『テイルズ オブ ファンタジア』を製作したスタッフたちが独立して製作した作品であった。このため原作の時点からして「テイルズのパクリ」扱いされてしまっていたのだが、今作の一部追加要素でさらにテイルズっぽくなった。例を挙げると、
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リメイクに際し追加されたアニメーションシーンを担当したのが多くのテイルズ オブ シリーズでもアニメーションを制作するProduction I.Gであり、作画監督も同じ人。
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本作は声優が一新されたが、新たにドーン役を務めた伊藤健太郎氏は『テイルズ オブ ファンタジア』で同じく“主人公の親友”で“序盤でパーティーから外れる”というポジションのチェスター・バークライト役を努めている。
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経緯からして特に問題というわけではないのだが、テイルズファン等から変な誤解を受ける一因になっている。
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なお、リメイク版にはオリジナル版のスタッフは関わっていない。
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ロニキスとイリアの服装のその後
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後にスマホゲームの『スターオーシャン:アナムネシス』に二人が参戦した際には、本作(リメイク版)ではなくSFC時代の服装で3Dモデルが作られた。
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この二人に限らずSO1のキャラはSFCのデザインが採用されており、本作の衣装変更は採用されていない。