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フェアリーフェンサーエフ - (2016/06/27 (月) 12:51:05) の編集履歴(バックアップ)


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フェアリーフェンサーエフ

【ふぇありーふぇんさーえふ】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション3
発売・開発元 コンパイルハート
発売日 2013年10月10日
定価 通常版:6,980円
リミテッドエディション:8,980円(共に税別)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 なし
ポイント シリアス寄りの『ネプテューヌ』
快適性に特化したゲームデザイン
健在の敏樹節
あのシリーズとは関係ありません
なんて強さだ、圧倒的すぎる(味方が)


概要

  • コンパイルハートの新ブランド『ガラパゴスRPG』第1弾として制作された新作RPG。
    • 『ガラパゴスRPG』とはJRPGより更にニッチな「コンパイルハート製ゲームのファンのみに向けたRPG(要は冥界住人向け)」を指す。開発は『ネプテューヌシリーズ』のスタッフが担当。
      • そのため、戦闘を始めとする各システムは『ネプテューヌ』を発展したものとなっている。
    • タイトルを略すと『FFF』『フェアフェン』になることや天野喜孝や植松伸夫の起用など某有名RPGのパロディ的内容となっている。
      • 実際のビジュアルやシステムは似ても似つかないが*1。ネプテューヌでのいじりようといい、スタッフはスクエニに思うところでもあるのだろうか?
    • シナリオライターには『鳥人戦隊ジェットマン』『ギャラクシーエンジェル』『平成仮面ライダーシリーズ』でも知られる井上敏樹を起用。氏の持ち味である、一癖も二癖もある魅力的なキャラ造形は健在。
      • また、配役に氏の脚本を務めた作品において起用率が高い俳優・村上幸平氏が起用されている。
    • 作曲には植松伸夫氏率いるEARTHBOUND PAPAS、ニトロプラス作品の楽曲を手掛けるZIZZ STUDIO、アイディアファクトリーの作曲家が参加。
    • ちなみに戦闘時に味方のHPが少なくなったり、戦闘不能になったりするとBGMが変化する。
  • バトルシステム
    • 本作ではアクティブターン制のバトルシステムを採用している。
      • 簡単に言えば敵味方関係無く行動順が回ってきて、行動によって行動順が遅くなる
      • 極端に言えばFF10を拡張したようなシステムである
    • 攻撃と待機はワンボタンで操作可能、メニュー選択式に比べテンポ良く入力できる。
    • 主人公や仲間には固有コマンドというアクティブ、スイッチ型の能力を持つ
      • スイッチ型はONにすることでメリットとデメリットが両方が発動する
    • テンションゲージは攻撃力と防御力に影響を与える。
      • また一定値まで貯めることでフェアライズ(変身)が可能。変身中は強力な必殺技が使用可能になる。
  • フューリーと妖聖
    • 本作の設定の中核にある存在であり、武器とそれに宿る精霊のようなもの。
    • 各キャラ固有のフューリー&妖聖は一切変更できないのだが、WPというポイントを消費して技の習得・パラメータの強化ができる。
      • パラメータ強化はレベルアップとは別なので、キャラを好きなように補正できる。
      • 各キャラのフューリーにはメインフォームと呼べる武器形態の他、5パターンの形態も使用することができる。これは事前に設定したコンボによって即座に切り替えられる。
    • 固有ではない、野良ともいえるフューリー&妖聖が存在しており、作中ではこれらを回収していくのがメインの流れである。
      • 回収した野良フューリーは武器としては使われず、妖聖だけをサポーター(というか装備品)として連れていくことができる。
      • 妖精にはランクとレベルが設定されており、これが高いと物理/魔法、攻撃力/防御力の4つのパラメータをより多く強化できる。
    • 妖聖の役割は装備品としてだけではなく、女神や邪神に刺さっているフューリーを引き抜くのに使用できる。
      • フューリーには妖聖の効果に近いものが設定されており、引き抜いたフューリーは以後妖聖の効果を補正してくれる。ただし、組み合わせの変更は不可能なので注意が必要。
  • ワールドインフルエンス
    • 引き抜いたフューリーは、ワールドインフルエンスと呼ばれるシステムに使用できる。
    • フューリーを地面に突き立てることで、既定範囲内に存在するダンジョンにフューリーごとに決まった効果を与えることができる。
      • 基本的にプラス効果とマイナス効果が存在しており、プラス効果だけというものはない(マイナス効果しかないものはある)。
      • ダメージや消費の倍増、基礎ステータスの変化といった効果は敵味方双方に適用される。ダメージ倍増などはマイナス効果扱いなのだが、速攻で撃破する自信があるならあえて使うのもあり。
      • ダンジョンを発見するという効果もあるのだが、ダンジョンの情報を得て解放されないと発見できないのでおまけとみて問題はない。
    • フューリーにはレベルに比例して効果範囲が拡張する。
      • ワールドインフルエンスはフューリー間の距離が近いと剣を突きさすことができないため、レベル=一つのダンジョンに付与できる効果の数となる。
    • 難点としては、ワールドインフルエンスに使用したフューリーは装備できないということ。そのため、装備用とワールドインフルエンス用は分けておいた方がいい。
      • フューリーによってはダンジョンのエネミーが変化するというものもあるので、クエストなどを考えるとどれか氏らは使わざるを得ない。
    • 特定のパッシブスキルの代わりになる効果もあるが、ほとんどの場合で習得は簡単なので正直不要この上ない。
  • ダンジョンやストーリーの進行などは概ねネプテューヌシリーズに準拠する形となっている
    • 特徴的なダンジョンとしては、「シュケスーの塔」というものがある。最初は5階までしかないが、それ以上はワールドインフルエンスをしているフューリーの数と同じだけ階層が増える。
      • ストーリー進行にはほとんど関与しないのだが、フューリーを入手するのに必要なので完全クリアには必須。
      • 当然改装が増えるとどんどん敵が強くなるのだが、前述の通りワールドインフルエンスをすると装備として使えないのでこちらは弱体化しやすくなる。

評価点

  • つなこ氏による女性キャラクターは可愛い。男性キャラも決して手を抜かれることなく、ちゃんとキャラが立っている。
    • 頭に剣が突き刺さった緑の生物やらコミュ障気味でうっかり主の秘密を暴露してしまうロボやら、愉快なキャラが目白押しである。
    • 女性キャラも色々魅力的なキャラがいるのだが、残念ながらエンディングはメインの二人だけ。
  • 戦闘がヒーローものっぽくて格好いい
    • 前述の通り、仮面ライダースタッフが関与しているためなのかスキルなどの演出が仮面ライダーを意識している様子が見える。
      • 使用するにあたってスキル名をコールする際、各妖聖が電子音声っぽく喋る
      • ネプテューヌシリーズでおなじみの変身機能もあり。また、変身すると熱いBGMに切り替わる。
  • 快適でプレイが苦にならないシステム。
    • UIはクセが無く扱いやすい。
    • 通常時や戦闘時などあらゆる場面でのロードがほとんど無い。
      • 必殺技や通常技などを初めとする全ての演出をスキップ可能。このためテンポの良さは数あるRPGの中でもトップクラスである。
      • 演出をスキップできるゆえか、上記の技の演出は全体的にド派手でかなり力が入ったものとなっている。見応えも十分。

賛否両論点

  • テキストから溢れ出る井上敏樹テイスト。
    • 氏の作品を知っている人はピンと来たかもしれないが、その予想は概ね当たっている。
    • 主人公ファングからして飯の事ばかり考える享楽主義者の上イケメンを自称するナルシスト。 ストーリー開幕時点で食い逃げで逮捕・投獄されており、「タダ飯が食えるから出たくない、一生ここで暮らす」とか言い出し、刑罰で食事がままならなくなる可能性を聞いて脱獄を決意 という流れからもういろいろおかしい。『仮面ライダー555』の主人公・乾巧と『超光戦士シャンゼリオン』の主人公・涼村暁を足したようなキャラと言えば井上ファンにはわかりやすいだろう。
      • そんな彼と言葉のドッヂボール的な夫婦漫才を繰り広げるアリン、そして二人を下僕として使おうとするティアラとメインキャラからしてこれである。
    • 敵も秘密の企業で苦労の多い中間管理職のキャラクターが登場するなど、設定面も井上節満載。
    • ただし、ストーリーそのものはかなり王道的。「エキセントリックなキャラが超展開で暴れながらも、ストーリー自体は王道志向」というのもまた井上作品の常道ではある。
      • ピンチからのパワーアップ、ヒロインの危機とその救出など、抑えるところはしっかり押さえている。たまにボケが入るが。

問題点

  • 快適性の追求やロード時間の短縮のためか、そのほかの部分で犠牲になっている部分が目立つ。
    • PS3にしてはグラフィックがやや粗く、テクスチャのギザギザが目立つ。キャラクターのグラフィックは『ネプテューヌ』譲りのクオリティなのだが、マップのグラフィックはPS2初期レベルにも満たない。
    • 全体的なフレームレートがかなり低い。特に戦闘シーンでは常時10~15fps程度で、慣れるまでにかなりの時間がかかる。
  • ボスキャラの戦闘時の強さとストーリー上の強さが一致しておらず、一方的にボスをフルボッコにしているのに戦闘中或いは戦闘後に主人公が「なんて強さだ」などと言い出してストーリー上負けになっている事が多い。そういう展開自体は日本のRPGでは珍しくないのだが、本作ではネタにしか思えない程多い。
    • 特に顕著なのがバーナード(彼の担当声優が前述した村上幸平氏)というボスの初戦時。単体攻撃しかしてこない上に攻撃力も低く負ける要素が皆無なのに、敵の最初の行動後に主人公が「こいつ、これまでの敵と全然違うぞ」と言い敵のHPが減ると「圧倒的すぎる」「これまでか」という流れで戦闘が強制終了する。
    • 一応本作の難易度自体は低めではあるものの決して低すぎるわけではなく、手強いボスもいるにはいるのだが、そういうボスに限ってストーリー上は強敵扱いされていない。
  • 説明がややぶつ切り
    • 作中で問題となったのが、ヒロインの一人・アリンがさも体を売っていたような発言をしたこととメガテンでいうところのロウライトだった人がいきなりカオスダークになって登場したこと。
      • 前者は過敏な人が反応してしまい、後者は理由が描写されなかったので最後のシーンがちぐはぐに感じる人がいた模様。

総評

冥界住人向けというコンセプトである「ガラパゴスRPG」の第一弾ではあるが、その実は快適なUIなど意外と万人向けに作られている作品である。
「買うな。俺は買うが。」の普段の方がよほどガラパゴスである
ただし、繰り返しになってしまうがあくまで「コンパイルハート製のRPGとしては万人向け」というだけであるため、一般的なRPGと比べてしまうとどうしてもアクが強かったり粗の目立つ出来。
システムとして破綻している所はないので、安心して遊べる出来ではある。
王道的なRPGに飽きた、ちょっと風変わりなRPGをやってみたいというプレイヤーなら十分に楽しめるだろう。

その後

  • 限定版5万本がメーカー完売するなど売上は好調であり、PS4にてガラパゴスRPG第2弾『オメガクインテット』とPS4のリメイク作品『フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE(アドヴェントダークフォース)』が発売された。
  • 2014年には桜ノ杜ぶんこよりノベライズ『フェアリーフェンサーエフ ~砂塵のマントを纏う者たち~』が出版された。
    • 作者は鐘弘亜樹氏。他には『小説 仮面ライダーディケイド』(監修は井上敏樹氏)を執筆している。
  • 海外ではPS3版の他にSteam版も販売された…が、国内購入不可。
    • 検索はできるが、何故か購入ボタンが押せない仕様である。また代理店などから有効化キーを買っても日韓のIPから接続中は登録を拒否される(IP偽装などの非合法対応が必要)など、PCユーザーから大いに問題となった
    • 現在でも改善されてはいないが、同社のその他タイトルは「あなたの国では購入出来ません」とエラーメッセージが表示されるため販売元の設定ミスの可能性が高い。いずれにせよ日本ユーザーが買えない事実は返す返す惜しまれてしかるべきだが。

フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE

【ふぇありーふぇんさーえふ あどう"ぇんと だーくふぉーす】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション4
メディア BD-ROM 1枚
発売・開発元 コンパイルハート
発売日 2015年11月5日
定価 通常版:6,980円
リミテッドエディション:8,980円(共に税別)
備考 公式サイト
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 良作
その他 シナリオ、エンディングの追加
コンパイルハートでは珍しいオープニングアニメ

概要(ADD)

  • 『フェアリーフェンサーエフ』をPS3版より遊びやすく、新規シナリオまで追加したPS4版。
  • 邪神編や魔神編の新規シナリオを追加し、マリアノが仲間になるなどの新要素が追加され、ブラッシュアップした。
  • さらにエフォール、マリアノ、ロロ、ハーラーなどのエンディングが多数増加された。
  • 参加キャラが増えたのに加え、前線メンバーが6人に増え、色々なキャラが使用可能となっている。

評価点(ADD)

  • 後半部分がほぼ同じボリュームのものが2つ追加され、かなりボリュームアップしている。
    • 分岐条件は、特定の段階までに邪神に刺さった剣を何本抜いているか。女神はどうでもいい
    • 女神編は原作のシナリオそのまま。しかし、後述するように、そっくりコピーしたわけではなく、ちゃんと手が入っている。
    • 邪神編は「中盤に邪神が復活してしまったら」という前提のストーリー。シャルマンが主人公。シャルマンが主人公である。大事な(ry。ファングもいるが、加入が遅い。
      • しかし、このシャルマン、意外と好色なので当分一緒に行動するヒロインに手を出されないか心配される。シャルマンへの異性的興味ゼロなので恐らく大丈夫だが。
      • 邪神の影響で、ティアラの口調が悪くなる、ファングが社長になるなど色々なキャラの性格や立場が変化しているというカオスな展開となっている。
    • 魔神編は「中盤に邪神が消滅してしまったら」という前提のストーリー。2周目にしか突入できない、ある意味トゥルールート。実質隠しルートなので、敵が強い。
    • ルートによってエンディングを迎えられるキャラが異なっている。
    • 中盤以降に手に入るフューリーは、それぞれ入手方法が変化しているが入手自体は可能である。
  • 原作で説明不足だった点について説明が追加されている。
    • 目立ったところだと、上記の無印版の記事でも問題点に挙げている「ヒロインが体を売ったのでは?」「何でシャルマンは暴走したのか?」といった点。もちろん前者は誤解であった。
  • 難易度が追加されてやりこみ要素が増えた。
  • 人数が増えたのに合わせて、戦闘バランスもしっかり調整されている。
  • 一度でも参戦した仲間は周回後にパーティに加入したままとなる。
    • その為、ルートによって誰が最後までいるかなどは変化するが、2周目限定ルートのキャラ以外はWPなどに致命的な差は出づらくなっている。
    • 前線メンバーがイベントでパーティを抜ける場合、後衛に移る。

問題点(ADD)

追加シナリオの難易度が高め

  • 2周目限定である魔神編はともかく、邪神編は丁寧にプレイすれば無意識に突入するルートだが、最初は仲間が少なめと厳しい条件で始まる。
  • 一方、女神編は邪神編に比べると難易度は低めだが、慣れているプレイヤーにとっては条件が面倒(内容自体は無印と同じ)
    • ただ、これは初プレイであったり、邪神編の条件が満たせないような不慣れなプレイヤーは女神編へ、無印をクリアして慣れているであろうプレイヤーは邪神編へ選り分けたものだとすれば納得はいく。
  • 前述の条件もあって基本的に「取り返しが付かない」。ルートの分岐は意識してプレイすれば調整できるが直前に選択が出来るわけではない。よって準備が整ってない状態で難易度の高いルートに突入するとかなり苦労する。

賛否両論点(ADD)

  • 戦闘システムは特に進化していない。
    • メンバーが6人に増えた以外はあまり新しい要素がなく、良くも悪くもFFFのブラッシュアップである。
      • 元が相応に完成されているので、下手にいじらないでもいいとも言える。コンパの新システムは微妙なことが多いのでなおさら。

総評(ADD)

元が良作のものを、特に下げずに真っ当にパワーアップさせた品。ストーリーの量も実質2倍に。なので、破たんしている点はない。

一方で、いくらか追加された要素はあるものの、大筋は無印と大差ないシステムであるため、目新しさに欠けると言える。

いずれにせよ、しっかりと作りこまれてボリュームも十分、と「フェアリーフェンサーエフの完成型」と言える品となっている。
その為、本作の評価は、新規プレイヤーにとっては良作、前作をプレイしたプレイヤーにとってはそうでもない可能性がある、といった所だろうか。本作単品で見るなら、良作と言えるだろう。

余談(ADD)

  • 通してみると、「シャルマンは邪神が優勢な世界ほど幸せになっている」という何とも可哀想な結論に落ち着いた。
  • 魔神編では続編を匂わせる終わり方をしており、もしかしたら2が出るのかもしれない。あるいは、Fが増えるのかもしれない。