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インフィニタ・ストラーダ - (2022/12/15 (木) 18:14:57) の編集履歴(バックアップ)


インフィニタ・ストラーダ

【いんふぃにた すとらーだ】

ジャンル SFファンタジーカードバトル
(デッキ構築型カードゲーム)
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
メディア ダウンロード専売
発売元 おふぃす5656
開発元 AMGエンタテインメント
発売日 2014年4月22日
定価 基本プレイ無料(カードパック課金制)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 2014年クソゲーオブザイヤー携帯機部門大賞
バランス取る気無し
デッキ下限無しの先攻100%1ターンキル
コイントスの方がマシ
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

  • 2014年当時、家庭用ゲーム機ではまだ珍しかった「基本プレイ無料」のゲーム。
    ソーシャルカードゲーム『無限のストラーダ』から設定とイラストの流用が見られるが、
    キャラクターをシステム的に(むりやり)カード化したものではなく、実際のトレーディングカードゲーム(TCG)に近い「デッキ構築型カードゲーム」となった。
    • ……と思われていたのだが、ソーシャルゲームの理屈に無理やり戦略性をねじ込もうとしたせいか、基本ルール、カードパワーともに破綻しており、ゲームになっていない状態であった。
      • 本作はあくまで「基本無料でオンライン課金・対戦もあるトレーディングカードゲーム」であり、フレンドを作って得をする「ソーシャル」要素は無い。
      • バージョンアップ版や、実質的な移植版も展開されているが、本項では初代PSVita版を主に取り上げる。
+ PV(OPムービー)

システム・ルール

  • いわゆる「モンスター/クリーチャー」のカードしか存在せず、カードには以下のパラメータが設定されている。
    • 攻撃時のAP、防御時のHP、配置に必要なCOST。
    • 属性:サイバーズ(人間/黄)、ケルズ(天使/緑)、デモンズ(悪魔/赤)の3種類。
    • 種族:8種類あり、カードにより最大4種類を兼ね備える。
      神、天使、悪魔、精霊、不死、人間、機械、旧神。
    • 属性:17種類あり、カードにより最大6種類を兼ね備える。
      地、水、火、風、光、闇、善、悪、力場、物理、非実体、炎、冷気、電気、酸、音波、電撃。
    • 特技:常時発動している効果。カードにより最低2種類、最大6種類を兼ね備える。
    • スキル:場への配置後、スキル固有のコストを追加で消費して任意で発動できる効果。一部低レアリティカードは持っておらず、カードが持つスキルは1個のみ。
      • 「属性」のパラメータが2つあるが、これが正式名称である。
        「サイバーズ・ケルズ・デモンズ」は「勢力」などの方が良いのではないだろうか。
        (以降は区別の都合上「勢力」と呼称する)
      • 「特技」のテキストに従うと、17種類ある方の属性は「エナジー属性」と言うらしい。 表現が重複していてダサい。
  • デッキは同名カード4枚まで・合計20枚まで、ゲーム開始時の手札は5枚。
  • プレイヤーは「指揮官」となり、カード同様にHPが設定される。
  • ターン開始時にはデッキからカードをドローし、COSTの消費源となるMPが自動で補充される。
    • ドロー枚数は、手札が5枚以上なら1枚。先攻もドローするので、開始時の手札は事実上6枚。
    • 手札が4枚以下なら、手札が5枚になるまでドロー。(もちろんデッキ枚数という上限はある)
  • 場はプレイヤー1人がカードを5枚まで配置できる「スロット」によって構成される。
    • スロットにも3種類+中立の勢力属性が付与されており、中立以外ではマッチングによるパラメータの増減が発生する。
    • いわゆる「召喚酔い」があり、「急速展開」の特技を持たない限り、配置されたカードはそのターン中に行動できない。
    • スロット配置済みのカードに対して、カードを重ねることで強化が可能。
      • 支援:重ねたカード分のAPを上昇させる。
      • 進化:同名カードを重ねて、AP・HP両方を上昇させる。
  • 敵のカード配置済みスロットを選択すると、カード同士の戦闘となる。敵カードのHPを自カードのAP分減らし、HPをゼロにしたら墓場へ送る。
  • 空きスロットを選択すると「指揮官攻撃」となり、敵指揮官のHPを自分のAP分減らす。
    • 攻撃側は一切のダメージを受けない。
    • 指揮官攻撃されたプレイヤーは、カードを空きスロットへ移動させることで「機動防御」を行うことができるが、
      機動防御でカードのHPを超過したダメージは、指揮官へ貫通する。(通常の戦闘で貫通ダメージは発生しない)
    • 急速展開は先攻プレイヤーの1ターン目でも攻撃を宣言できる。
    • 敵指揮官のHPをゼロにするか、敵のカードを全て墓場へ送ると勝利。ギブアップもある。
  • 「任務」(ストーリーモード)に加え、「訓練施設」(CPU対戦)、オンライン対戦を行うことができる。
    • いずれのモードでも経験値・ゴールドを入手でき、経験値を溜めれば指揮官HPアップ、ゴールドを使えばショップでパックを購入できる。
    • ストーリーモードの各章をクリアすると、一度だけパックを入手でき、ゲーム内ショップで購入可能なパックも増えていく。
    • オンライン対戦では、非売品パックを報酬として入手できる。
  • 「カードパック課金制」で、PlayStation Storeで有料購入できるカードパックがある。

問題点

システム・バランスの問題点

デッキ枚数について

  • 20枚「まで」……上限はあるが下限は無く、1枚でも良い。デッキ切れによる敗北・ダメージなどのペナルティも一切無い。
    • デッキを初期手札の6枚以内にしてしまえば、望み通りの手札が初手で100%揃う。TCGや麻雀などで「積み込み」と呼ばれる不正行為と同等である。
    • カードを全て墓地に送られたら負けなので、枚数を減らすことに一応デメリットはあるものの、後述する高すぎるカードの性能ゆえに、初手を固定できるメリットが遥かに上回る。
    • デッキを最大の「20枚」に固定するとしても「同名カード4枚」「初期手札6枚」なので、目当てのカードを4枚投入すれば初手50%以上の高確率で引ける。
      • 参考までに、他のデジタルカードゲーム(DTCG)では「デッキ20~40枚」「同名カード2~4枚」「初期手札3~4枚」といった具合。

カードの能力について

  • 「レアリティが高いほど強い」というのはTCGの基本原則ではあるが、
    本作ではソーシャルゲームと同等かそれ以上にレアリティが区別され、実用に耐えるのはほんの一握りのレアカードのみ。
    (以降、課金パック・対戦報酬パックからの入手に限られる星4以上は「高レア」、星3以下は「低レア」と略記する)
  • 本作ではレアリティが星の数で表される。
    • 具体的なステータスは、最低の星1でAP200/HP200/COST2、星3でAP600/HP600/COST4、最大の星5でAP2250/HP2250/COST8など。
      • 能力値だけでなく特技・スキルも増えていくので、コスト比が釣り合っていない。
  • 有料パックからデッキ投入可能な「進化済みカード」を入手可能である上、大半が進化前カードと同コストという完全な上位互換。
    • 進化カード同士の進化でスキル・特技も強化される「超進化」も可能だが、「超進化済みカード」も同様にパックから入手可能。
    • ステータス差は進化・超進化で更に開く。星1でAP400/HP400/COST3に対し、星5でAP6000/HP5750/COST10など。
      • ポケモンカードだったら「ヒトカゲ2枚を場に出すとリザードに進化する。なお、いきなりリザードンを使ってもいい」というレベル*1
  • 進化によるHP・AP上昇は、厳密には「上書き」である。
    HPは回復できるメリットがあるものの、APは支援に比べれば微々たる上昇量である上、支援効果はリセットされる。
    • 進化・支援の併用は困難であり、進化済みカードの優位性を高めている。
  • 高レアの一応のデメリットとしては、コストの増加が挙げられるが、MPは自動で補充される上に補充値も多く、事実上問題ない。
    • 具体的には、ストーリーを進めると1ターン10以上、終盤は20以上補充されてコストを使い切る前にデッキが切れる。
  • 高レアが持つ「特技」「スキル」については、バトルのシステム面での影響が大きいため、後述する。

バトルについて

  • 「システム・ルール」の項目で述べた通り、あらゆる要素がモグラ叩き同然の先攻の圧倒的有利を助長している。
    • 先攻プレイヤーもドローする。3ターン目以降のドローは手札が上限5枚になるまでドロー。
    • 急速展開の特技を持たないカードは、全て召喚酔いする。
    • 急速展開があれば「先攻プレイヤーの1ターン目」でも攻撃宣言が可能。
      • これは後述する「本作最大の問題点」を担う一因でもある。
    • 攻撃側は一切のダメージを受けない一方で、防御側は機動防御だと貫通ダメージが発生する危険性まである。
  • スキル発動などを禁止する「ロック・先出し」はできるものの、「○○禁止無効」という能力が存在する上に、
    相手のカード配置・スキル発動を無効化するなどの「カウンター・後出し」がシステム上存在しない。
    • ただでさえ有利な先攻プレイヤーを止める術は無く、悪い意味での「ソリティア*2*3」そのものである。
  • カードに設定された数値が細かい上に、増減する要素も多く、難解。
    • AP1380/HP640のカードがあったり、AP100のカードが超進化するとAP275になったりする。特技・スキルによる増減も10%,15%,30%,75%といったキリの悪い数字ばかり。
    • 加減算は常に最新値で、掛け算に掛け算を重ねたり、掛け算したものを割り算したりするので、一桁目が0と5以外になることが多発する。
      AP600のカードに「AP75%アップ」のスキルを使う場合、1回目は600の75%アップで1050、2回目は1050の75%アップで1837(小数点以下の切り捨て)。
    • スロットと勢力の相性による増減値は、「アンマッチ:AP0.8倍 HP0.8倍」「マッチ:AP2.2倍 HP2.2倍」「ベストマッチ:AP2.5倍 HP4倍」。やはりキリが悪い上、ベストマッチとそれ以外の差が開きすぎている。
      • ストーリーモードではバトルごとにフィールドの属性が固定されているが、それを事前に知ることができないので、フィールドを見てからギブアップしてデッキを組み直すことがほぼ必須となる。
    • あらゆる意味で、全体的に高レア有利のバランスになっている。
      • 相性・特技・スキルのいずれの場合も、固定値ではなく割合(%)で増減するため、数百程度のステータスの低レアは雀の涙ほどで、数千以上のステータスの高レアは影響が大きい。
        ベストマッチのHP4倍効果を受ける場合、HP400だと1600(+1200)であるのに対し、HP5750だと23000(+17250)になる。
      • 高レアは強力な特技を複数持つことが多く、例えば「物理属性からの攻撃75%減少」「酸属性に対して攻撃力2倍」「星3以下からの攻撃1/2減少」という風になっている。
        特に「星2もしくは星3以下からの攻撃を、減少もしくは無効」という特技を持った高レアが多く、低レアの存在意義は殺されている。
      • 本編中盤(6~7章)以降のCPUは、このようなカードも大量に使用する。無課金・少額課金ユーザへの露骨な圧力で、難易度の調整や課金に対するバランス感覚が歪である。
      • 高レアは属性も複合的に、例えば「地・闇・悪・物理・冷気・音波」という風になっているが、こちらはむしろデメリットである。
        先述の通り「特定の属性からの攻撃を、減少もしくは無効」「特定の属性への攻撃力が増加」という特技が存在しており、属性が多ければ多いほど引っかかりやすい。
    • ほぼ全てのカードが、手札にある時と場に出た時で違うステータスになったり、何もダメージを与えられなくなったりする。
      「このカードであのカードにXダメージの攻撃を与えて破壊する」のような戦略を立てることはおよそ不可能。
      • 場で変動した数値は常に表示されており、ダメージ計算も当然自動で行われるが、カードゲームの醍醐味である戦略性はまったく活かされていない。
  • そんな中で一際輝くのが、戦闘を不要にする「自らを犠牲にして場のカードを墓場に送る」除去効果のスキル。
    • 効果対象も「敵味方問わず・敵のみ」「3勢力のうちいずれか1つ・勢力問わず全て」とパターンが豊富で、「敵のみ・勢力問わず全て」という最強除去を報酬パックから入手できる。
      • 「進化禁止」「スキル発動禁止」「機動防御禁止」などの禁止系スキルに対しては、「進化禁止無効」「スキル発動禁止無効」「機動防御禁止無効」という 小学生のケンカのような 耐性特技があるが、「除去無効」の特技は存在しない。
    • 「墓場のカードを手札に回収する」スキルが存在し、除去と回収の2枚だけのデッキを回し続けて勝利できる。
      • 相手はカードを出せば墓地へ送られて負け、出さなければ直接攻撃されて負け。すなわち「待ちガイル」である。
  • カードを組み合わせたコンボはせいぜい「除去と回収」、「特定の種族が配置されているとコスト減少」の特技を生かせる程度で、ドロー加速や手札破壊といった駆け引きなども無く、デッキ構築の要素は薄い。
    • 「レア度の違いによって絶対的に能力の違いが出る」「課金した方が有利」というのはソーシャルゲームによくある不文律であるが、
      ソーシャルゲームがそれでも娯楽として成り立つのは、ルールとして単純な分、手持ちの消費アイテム等の(リアルマネー・リアル時間含む)リソースのやりくりによって多少の戦力差は跳ね返す、「金と時間と物量と工夫でなんとかする」ことが可能なため。
      • プレイヤー同士の1対1、お互い同じ量の限られたリソースしか与えられないTCGに不文律をそのまま持って来れば、ゲームとして破綻するのは当然と言える。

オンライン対人戦について~「先攻100%1ターンキル」の存在

  • オンライン対人戦では、スキルを手札から発動できる特別ルールが 何故か 追加されたことでバランスが更に悪化しており、 本作最大の問題点を露呈している
    • 本来は、カードの配置コスト、スキルの発動コストで二重の負担がある。
      また、配置ターンには攻撃だけではなくスキルも発動できないため、急速展開カードに奇襲される=相手ターン中に破壊されるリスクを負う必要もある。
      • しかしこのルールなら、配置のコスト、破壊されるリスク、その両方を無視できる。
  • こちらではターン進行時の補充MPが10固定なので、コスト10超進化カードを次々配置するような単純なプレイはできない。だが…
    • 「死亡時にプレイヤーのMPを15補充する」という相手の攻撃を牽制するようなスキルのカードが、このルールでは「コスト1で手札からこのカードを捨てて、MPを15補充する(=14)」というとんでもないカードに変貌しており、事実上MP24スタートとなっている。
    • この状態から「空きスロットの勢力書き換えスキル(強制ベストマッチ)」「場のカードの攻撃力上昇スキル」「支援効果」を駆使して「急速展開」を徹底的に強化して指揮官攻撃を行うことにより、
      初手で必ず揃う6枚以下のデッキで 先攻が成功率100%の1ターンキルを行える、「待ち」に入ることさえ許さない「開幕10割即死コンボ」 が可能である。
      • 要するに「先攻を取った方が勝ち」ということで、カードゲームとしての存在価値は無に等しい。
      • 他カードゲームで例えるなら「エクゾディアパーツ*4初手で必ず揃う*5遊戯王OCG」「AとJの2枚だけで遊ぶブラックジャック*6」。
        本作における最良の戦術を皮肉って「待ちガイルVS10割即死コンボ」などとも、とにかく散々に例えられる。
      • 無課金でも手に入る除去+回収カードに対し、こちらの速攻を含む数枚のカードは要課金。無料でもクソ、課金すれば更にクソ。
  • 当然「除去スキル」も対人戦で手札から発動できる。
    • 先攻1ターンキルが成立しなかった=そのデッキを使わなかったor操作ミスをした場合、後攻は相手の場を除去スキルで一掃してからほぼ同様の手順を取ることで*7100%後攻1ターンキルが可能。
      • 1ターンキルを自粛したところで、手札除去スキルに怯えながら「先にカードを出した方が負け」という膠着状態で遊ぶことになる。
    • 本作はそもそもがマイナーな上に、このルール環境ではまともなオンライン対戦が望めるはずもない。
      • 掲示板などで対戦相手を募り、報酬パック・トロフィーを目当てに互いにデッキを1枚にして即決着orギブアップを繰り返す異様な光景の談合が行われる…ことでさえ、稀である。
      • 対戦部屋の全体的な仕様も、1対1の対戦とチャットが最低限できるだけでしかなく不便。
        プレイヤー名がPSNのID名で固定、個別レギュレーション設定不可、対戦部屋の名付け不可、パスワード設定不可、デッキ編集不可、多人数での観戦・チャット・入れ替え戦なども不可。
      • レギュレーションを自主的に設定しようにも、部屋に名前を付けることもできないし、チャットで話し合ってもデッキを組むのに出直さなければいけない。
        うっかり人違いでバトルを始めてしまったら、即ギブアップしなければいけない。元々が過疎なので、杞憂にしかならないが。
  • 先攻・後攻は自動で決まるので、究極的には先攻を祈るだけの介入不能な正真正銘の運ゲー。ジャンケンレベルの駆け引きすら無く、コイントスの方がマシ

有料カードパックについて

  • PSストアで購入できる有料パックは、パックごとにレアリティ固定、かつ価格がレアリティに比例して高くなる。
    しかもパックの収録カードリストが非公開であり、紐無しバンジージャンプ同然である。
    • 別にレアでも何でもなく高いカードは星の数が多くて強いという身もふたもない状況。
      • 一定以上のレアリティが課金専用というのはソーシャルゲームでよくある設定だが、排出率ではなく金額の設定に用いることは珍しい……というか、アコギすぎる。
    • 目玉商品となる強力なカードの紹介、収録内容の公開をしていない点でも、TCG・ソーシャルゲームと比べて手抜きと言わざるを得ない。
      • 一応、「サイバーズパック★★★」「12宮天使★★★★パック」など、パック名で収録カードは大まかに分かるようになっている。
        CPU戦・オンライン対戦で使われたカードなら、スクリーンショットを撮ればそのカードに限り内容を知ることはできる。パックの収録数と比べれば「多少」程度だが。
      • 「パック」と「★」の挿入箇所がズレている、カードテキストでは「☆」でパック名では「★」になるなど、細部に規則性が見られないが正式名称である
    • 無課金でも入手可能な星3カードは1枚100円、最高レアリティの星5カードは1枚308円。
      • 5枚入りパックだとカード1枚分程度の割引、星5カード1枚308円→5枚入りパック1234円となるが、これでも1枚あたり約250円。
+ 有料パック価格一覧
パック レアリティ 1枚 3枚 5枚
サイバーズパック ★★★ 100 250 350
ケルズパック
デモンズパック
電撃パック
レアパック ★★★★ 200 500 750
12宮天使パック
12柱悪魔パック
エージェント事務局パック ★★★★
進化カードのみ封入
257 617 1,028
創世の秘蹟パック ★★★★★ 308 771 1,234
  • 本作の販売スケジュールは以下の通り。本体+追加ストーリーは無料、パックは有料。
    • 2014年4月22日:本体(1~5章)配信、星3パック販売開始
    • 4月30日:6章配信、星4レアパック販売開始
    • 5月13日:7章配信、星4天使パック販売開始
    • 5月27日:8章配信、星4悪魔、星4事務局パック販売開始
    • 6月3日:最終章用追加データ「追加カード画像・エンディング画像」配信
    • 6月10日:9章+最終章配信、星5創世パック販売開始
      • 本体には「全11章のうち第5章までを収録」と書いてあるが、本体2.7GBに対して追加ストーリー数百KBなので、恐らくアンロックフラグを配信しているだけ。
        ただし、最終章だけは「追加画像」として300Mほどの別データが用意されている。何故それだけ別データになった?
    • カードパックの追加販売時にもゲーム本体はアップデートされておらず、元々ゲーム内に存在しているカードデータがアンロックされただけ。厳密な意味で「カードの追加」は行われていない。
    • これらのアップデート対応もわずか2ヶ月足らずで終了しており、TCGとしてもオンラインゲームとしても打ち切りのレベル。
      • ゲームデータは最初から最後まで完成されており、何故アンロック式・基本無料のカードパック販売にしたのか、理解に苦しむ。
        カードの定期的な追加が行われない以上、バトルにもコレクションにも目新しさは無い。
        商法の良し悪しを抜きにしてゲーム性だけを評価するなら、TCG、ソーシャルゲーム、どちらにも完全に劣っている。
    • 8月19日~26日の1週間のみ「サマーキャンペーンパック」が販売されていたが、既存カードの詰め合わせで失笑を買った。
      • 星3パックと同じ価格ながら、カードは星3~5まで、特に全種類の星5が収録されており、少々目を引いた。封入率がどうだったか、今となっては定かではないが。
      • 同時期にSCEが『PS Vitaで基本プレイ無料のゲームを遊びつくせ!キャンペーン』を開催しており、これに合わせたものだったと思われる。SCEはもう少しまともな作品を選んだ方が良かったのではないだろうか。
    • 同じく夏ごろに「その他調整」と称されたアップデートが行われているが、ゲームバランスの調整などは全く行われていない。
      • 「カードパック未開封のセーブデータ」をオンラインストレージへアップロードして、パック開封後にセーブデータをダウンロードすればパックを未開封に戻せる、
        つまり「有料パックの引き直し≒リセマラ」ができたのだが、アップデート以降それができなくなった、と言われている。
      • なお後述の通り、バージョンアップに伴い、別タイトルとして一部バランス調整は行われた。

その他の問題点

  • イラストについて
    • 受け手のセンス・評価基準にもよるが、イラストの多くは商業用ゲームのレベルに達しているとは言いがたい。元のソーシャルゲームからして業界内でもレベルは低く、コンシューマでは尚更。
      • その割に セクシャル(性的表現) でCERO:Dに指定されており、エロ要素で釣る気満々。
        超進化カードで女性キャラクターの露出を増やすものが多く、全裸で体育座りさせて、髪で乳首を、足の角度で陰部を隠しただけという、かなり過激なものもある。
      • 褒めどころ・エロの有り難味、鑑賞に耐えるものが無いわけではない。しかし、両手で数え足りる程度で、とても評価点にはならない。
      • メインキャラクターの多くを担当している鈴木典孝氏は、1990年代から2010年代現在までアニメ業界を中心に数多くの実績がある。発注の指示内容や仕事量の多さなど、何か問題があったのだろうか。
      • イラストに魅力を感じずプレイを見送ったユーザーも多いのではないか?と思われるが、上述の通り、ゲーム性が破綻しすぎていて、正直それどころではなかった。
  • 種族・属性について
    • 「神・旧神」「火・炎」「電気・電撃」。種族・属性ともに、多すぎて見分けのつかないものがある上、これらを組み合わせているカードもある。
      • 「電撃」とはKADOKAWA/アスキー・メディアワークスの「電撃」であり、「電撃パック」(『電撃マオウ』イラストレーター)のカード、『電撃プレイステーション』特典カードの専用属性である。名前を考え直した方が良い。
    • 最大で8種類の種族のうち4種類を併せ持つ、17種類の属性のうち6種類を併せ持つ、というのも盛りすぎ。
      • 「不死・人間・機械・旧神」という種族のあり方が疑われるカード、「物理・非実体」「光・闇・善・悪」という矛盾した属性を併せ持つカードなど、いくつかの設定も疑問。「光・闇」のような相反属性だけなら、よくある設定だとしても…。
      • 全8種族・全17属性を表示し、所属するものに色を付けて表すという画面の設計も最悪。文字数が多すぎて、一目では判別できない。
      • 紙のカードでやってみるなら読めないぐらいの文字数になると言えば、この異常性が伝わるだろうか。
  • UI設計について
    • 「種族・属性」の見た目でも分かる以上に、見た目でも動作でもUIの甘い作りこみが目立つ。
    • カードの情報は上から順に「名称」「勢力」「フレーバーテキスト*8」「特技」「スキル」である。
      • 特技がただでさえ多数存在するカードは、いちいちスクロールしなければいけない。
      • 普通のカードゲームのフレーバーテキストは、効果欄と関係無い場所や、特殊効果を持たないカードにだけ書いてある。
    • 見慣れたゴシック体・明朝体のフォントしか使われておらず、『ツクール』製のような安っぽさを感じる。
    • 「タッチによる分かりやすい快適な操作」を謳っているが、タッチ操作にしか対応しない。
      ボタンの大きさや反応速度も調整不足で、思い通りに操作できないこともしばしば。快適には程遠い。
      • ストーリーモードのスキップ機能は余裕でテキストが読める程度の速度にしかならない。
        一方で、スキップボタンが小さく反応が悪いため、「止めるのに失敗して戦闘前にセーブができなかった」という報告も多い。
        戦闘を挟んでもスキップが止まらない仕様も合わせて、連戦時は特に悲惨なことに。
    • 試合中は、殆どの行動の度に5~10秒ほど演出が入るため、試合のテンポは異常に悪い。もちろんカット不可。
    • ゴールド(ゲーム内通貨)で購入できるパックは、購入数があらかじめ設定されており、自由な増減はできない。1枚、5枚、10枚、所持金で買える分全部。
      • やがて低額パックを購入しようとすると10の次がいきなり1000以上になる。実際買う必要はほとんど無いが…。
      • カードの売却も「1枚、5枚、10枚、全部」の4通りでしかできない。また、一度売るたびカードリストが一番上に戻るため、まとめ売りには異様に手間が掛かる。
  • 誤植について
    • 数自体は(酷いものと比べれば)まだマシだが、致命的なものがある。
    • 電撃パック収録カードのテキストに「不二原理香」のクレジットがあるが、「不二原理」氏の誤植。
      • スタッフ・キャストの誤植は言うまでもなく非常に失礼なことだが、謝罪も訂正も行われていない。
    • トロフィーでも、よりにもよってゴールドトロフィーで「イニフィニタマスター」の誤植。
      • "infinita strada"とは、やや馴染みの浅いイタリア語表記だが、その発音を「イニフィニタ」と表記することは、間違いなく無い。
      • 恐らくローマ字入力で「i-nn-fi-ni-ta/インフィニタ」となるべき箇所の「i-ni-fi-ni-ta/イニフィニタ」というタイピングミス。打ち込んでみるとよく分かるが、"i"と"n"が頻出して紛らわしい。

評価点?

  • はっきり言って問題点しかないと断言していい。
  • 「基本無料」である以上、わずかながら評価点を見出す余地はあるが、以下のようなものだろう。
    • 「Time is money/時は金なり」ということわざにもある、金銭だけが全てではない「時間の大切さ」を強く実感できる(かも知れない)。
    • 無料で遊ぶだけでもほぼ間違いなくクソだと分かり、金をドブに捨てる可能性は低い。
      • とはいえ、それはそれで「見えている地雷」である。
      • そもそも、本作で致命的なのは「課金カードで先攻100%1ターンキル」「無料でもクソ、課金すれば更にクソ」。
        課金すればするほど、このゲームのつまらなさを理解させられるという点である。

総評

「有料体験版」「金を返せ」などと揶揄されるゲームは数あれど、本当に無料でもやる価値が無いゲームは、コンシューマーでは正に前代未聞。
「デッキ下限設定なしで積み込みできるカードゲーム」という非常にわかりやすい「壊れ」要素こそ存在するが、
異常に高いカードパワー、圧倒的な先攻有利のルールといった懸念要素も満載で、それらを積み重ねた結果、「先攻100%1ターンキル」も成立してしまった。
ゲームバランスは極めて悪く、「調整に失敗した」というより「バランスを取る気が無い」と表現する方が、結果的には近いだろう。

現在はバージョンアップ版・移植版で改善された部分も一応あるが、イラスト・キャラクター、デジタルカードゲーム、どちらが目当てでも、他の選択肢は非常に多い。
『ハースストーン』『Shadowverse』を筆頭に、基本無料のパック課金制・ネット対戦可能なデジタルカードゲームは多数配信されている。
実際のTCGをデジタル化したものにも、同じPSVitaで遊べる・3000円買い切り・アドホックパーティーで遠隔対戦にも対応できるPSPソフト『遊☆戯☆王ARC-V TAG FORCE SPECIAL』がある。
これらの競合タイトルにおいても、パワーカードのゴリ押しや下方修正などのバランスの悪さに振り回されることはあるだろうが、モグラ叩きに終始したり、カウンター手段すら無く1ターンキルが100%成立する本作よりはマシ。
本作より8年も前に発売されている子供向けアニメのキャラゲーである『ドラえもん のび太の恐竜2006 DS』でさえ、本作よりも本格的なカードゲームを楽しめるはずだ。

トロフィー目当てでも、対人戦のものが含まれているため、過疎の中ネットで対戦相手を探す、無くす覚悟で友達を付き合わせる、Vitaを2台購入する……いずれにしても厳しい道のりである。
よって、本作の存在意義はほぼ皆無と言えよう。無料で遊べるクソゲー入門用題材が関の山。


備考

  • 『クソゲーオブザイヤー』(KOTY)での審議の末、2014年携帯機部門大賞を受賞。
    • 登場当初は数値のインフレと除去が強すぎるという2点のバランスの悪さが指摘されていたが、課金させるための当たり前のものという反論、基本無料ゆえの審議の可否を問う意見もあった。
      しかし検証の結果、課金も含めた全カードのリストアップで除去対策が存在しなかったこと、更に100%1ターンキルが開発されたことにより「コイントスの方がマシ」という評価を決定的なものにしてしまった。
    • 基本プレイ無料タイトルとしてKOTY史上初のノミネート&大賞受賞。サービス初期の『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』が話題になったことがあったが、そちらは選外とされている。
      • 通称『タダ(ターダ)』。「基本無料(タダ)」であることと『インフィニ・ストラー』の後ろ2文字から。
        また、アニメ化もされた美少女ラノベ『インフィニット・ストラトス』と語感が似すぎている上、同じ2014年にはそちらもゲームを発売しており、混同しないようにする意図もあったと思われる。
  • 開発元のAMGエンタテインメントは、専門学校*10「アミューズメントメディア総合学院(AMG)」を中心とした『AMGグループ』に属している。
    本作は「産学共同ゲーム作品」として制作され、在校生・卒業生がプランナー、イラストレーター/デザイナー、声優として参加している。
    またその縁か、伊藤かな恵氏や加藤英美里氏など、同校を卒業した有名声優も参加している。
    • 卒業生という伝手(貸し)があるとはいえ有名声優の起用、「電撃」とのタイアップ、以前から存在していたソーシャルゲームなど、明らかに学生企画ではないお膳立ての形跡がある。
      プランナーというのも、プロデューサー/ディレクターよりも下の役職であり、基本的には商業ベースで制作されている。
      • 在校生の非は極めて少ないと思われるが、「専門学校制作のクソゲー」という誤解が度々見受けられる。
        逆に言えば、そう噂されるほど本作が商業レベルに達していないということでもある。これでは宣伝として逆効果ではないのだろうか…。
  • ソーシャルゲーム版『無限のストラーダ』は、GREEでは12年12月から、モバゲーでは13年2月から配信されていたが、14年8月下旬に2年未満でサービスを終了した。
    ヤマダゲームでも13年5月から配信されていたが、14年6月初旬から更新を停止しており、1年弱で事実上のサービス終了。その後15年春に配信を停止、完全にサービスを終了した模様。(別wiki参考資料)
    • ソーシャルゲーム業界自体に短命の傾向があるとはいえ、この状況で更にコンシューマへ参入するのは無謀だったとしか言えない。先に述べた通り、本作はアンロックに終始して、純粋なアップデートはほぼ行わなかった。

バージョンアップ版、移植版

  • PSVita版はバージョンアップ予定の延期を繰り返し、他機種への移植版の方が先に発売されている。
    • 移植版ではタイトルを『Eternal Destiny』と変更している上に、PSVita版の公式ホームページおよび公式Twiterも更新を停止して移植されていることを公表すらしていない。
    • これは『Eternal Destiny』=『インフィニタ・ストラーダ』=「クソゲー」という連想ゲームを避ける、言ってしまえば風評被害への対策と思われる。
      • KOTYで話題に挙がったこともあり、本作について検索すると、惨憺たる有り様が広がっている。
  • 本作を配信した同年、東京ゲームショー2014にて、『インフィニタ・ストラーダ 華』へのバージョンアップを2014年冬予定で発表。
    開発元のHP「AMG GAMES」に配信予定時期を掲載していたが、1年以上延期を続けた上、2016年2月からは掲載も外されてしまい、もはや完全にお蔵入り……と思われていた。
  • ところが2016年4月21日、Eternal DestinyとしてSteam版の配信を開始。
    • 販売形式が大きく異なり、日本円1000円程度+300円の有料DLC×全6回の買い切り制(総計2800円)で、ガチャなしで全カードが入手可能。
    • 英語字幕表示の対応、『華』での登場が一部予告されていた新システム・新カードの登場、デッキ下限枚数の設定などの追加・変更点も多い。
      • 特に、同カードや育成素材を使ってカードを育成するシステムの追加により、カード収集RPGの趣が強い作品となった。
      • 2017年6月まで1年以上アップデートを続けた結果、「マインスイーパーモード」やRPGツクール向け素材の配布など、Vita版と比べて独特の進化を遂げていった。
  • 2018年5月22日、当初予定されていたPSVita版の『インフィニタ・ストラーダ 華』が、突如として配信開始。
    • Steam版の好評を受けたのだろうか、発表から3年以上が経過してようやくである。
    • アコギな価格設定の基本無料・カードパック課金制はそのまま、ダンジョンモード用のスタミナ回復薬など新たな課金要素を追加している。
  • 更に3年後の2021年9月30日、『THE カードバトル ~Eternal Destiny~』のタイトルでSwitch版の配信を開始。
    Steam版をベースに多数の追加・変更点も確認できるが、「最終バージョン」と名乗る割には、疑問を残す部分もある。
    • Steam版DLCを同梱して1980円の買い切りにした代わりに、時短要素としてカードパック課金制を復活採用。
    • Steam版から更に新カード・新シナリオを追加収録した代わりに、既存カード・シナリオのボイスを全て削除。
      • 事実上の値下げをしながら追加要素を盛り込んだとはいえ、ローコスト・劣化仕様にするのはいかがなものか。
    • 一人用のカード収集RPGとしてのゲームモードしか存在せず、対人戦を行えなくなっている。
      • オンラインプレイ自体は、CPU相手のスコアアタック・ランキングが存続している。
      • もっとも、対人戦の評価は先述した通り。育成要素の導入で、まともな対戦バランスを望むのもより一層困難になっているので、賢明な判断かもしれない…。
    • 特技やスキルに大幅な見直し・下方修正が加えられ、同名カードの「合成」による強化ではじめて習得可能になったり、対象の属性を制限されたりするなどしている。
      • ヤケクソとも言えるレベルで膨大な数のCPU戦のモードや育成要素、収集要素がSteam版から更に追加されており、(そこまでやり込む意義があるかはともかく)1人用のカード収集RPGとしては破格のボリュームを誇る。
    • D3パブリッシャーからの配信で「THE」の名を冠しているが、SIMPLEシリーズとは一切関係ない。