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キン肉マン マッスルグランプリ2 - (2014/12/08 (月) 07:19:49) の編集履歴(バックアップ)
キン肉マン マッスルグランプリ2
【きんにくまん まっするぐらんぷりつー】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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アーケード
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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バンプレスト アキ |
稼動開始日
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2007年6月21日
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分類
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良作
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ポイント
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キン肉マン29周年作品(一応) 運命の5王子・完璧超人参戦 キン肉マン ビッグボディの全てが明らかになった(?)ゲーム 覚醒システム、返し技システムを搭載 オリジナルキャストを多数起用
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キン肉マンゲームリンク
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キン肉マン マッスルグランプリ2 特盛
【きんにくまん まっするぐらんぷりつー とくもり】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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バンプレスト アキ
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発売日
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2007年9月25日
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定価
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7,140円
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分類
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良作
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概要
『キン肉マン マッスルグランプリ』の続編。基本的には前作にキャラクターを追加したバージョンアップ版だが、いわゆる覚醒システムとなる「真・火事場のクソ力」システムを搭載。
また、原作にもあった一部のキャラが使える「返し技」が本作で採用された。特に多いキン肉バスター破りは父子どちらでも破られる。
本作では、原作の「キン肉星王位争奪編」に登場する運命の5王子が揃った。これに伴い、ラスボスは前作の悪魔将軍からスーパーフェニックスにチェンジした。
また、ゲーム出演歴はあったものの、声優は代役が起用されていたネプチューンマンとビッグ・ザ・武道の完璧超人タッグ「ヘル・ミッショネルズ」がオリジナルキャストで参戦したのも話題となった。
特に、原作では最初からやられ役として、ほとんど戦闘シーンのなかったキン肉マン ビッグボディが参戦したことには驚きの声があがった。
システム
前作のシステムはそのままに、本作では『マッスルグランプリMAX』で暫定的に搭載されていた「クソ力システム」が本格導入され、従来の体力点滅による強化に加え、新たに時限強化が追加。攻撃重視、防御重視、火事場のクソ力と3つのブースト効果が得られるようになった。
これに伴い、逆転勝利、いわゆる「
死ななきゃ
安い
」を推奨するようなゲーム演出が追加され、体力点滅から逆転するとレニー・ハートの「GREAT!」という賞賛の声が得られる。
超必殺でトドメを指すと、画面下からオーディエンスの顔が現れる演出も追加された。
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真・火事場のクソ力
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本作で追加された覚醒システム。打撃、組み、技ボタンを同時に押すことで発動し、選んだクソ力に応じた効果を得られる他、コンボを受けていてもそれを弾き飛ばして発動が可能。
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発動時間はテンションゲージの蓄積量に準じ、ゲージMAXで発動した場合さらなる特典がつく。一度発動すると終了時にテンションゲージはゼロになり、そのラウンド中は真・火事場を二度と使えなくなる。さらにペナルティとして、発動したキャラのテンションゲージ増幅量がラウンド中半減する。
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攻撃重視:通常打撃をほぼキャンセル出来るようになる。ゲージMAXの状態で発動すると一部の打撃がガード不能になる。
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防御重視:弱攻撃でよろけなくなる。また、投げ技に対して根性補正が働くようになり、どんな大ダメージの投げを喰らっても、最後の1ドット時でない限りは耐え、トドメを刺されない。ゲージMAXの状態で発動すると中よろけもしなくなる。
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火事場のクソ力:9ゲージ技を除くゲージ技が使い放題になる。さらに必殺技の打撃が別の技でキャンセル可能に。ゲージMAXの状態で発動すると超必殺技も使い放題になる。ただし超必殺技はダメージ補正がかかる。
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その他の新要素
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ポジションチェンジという新アクションを追加。その名の通り立ち位置を逆転させる。
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ダッシュ投げなるものも追加。こちらの名前の通り走りながら相手を投げる体勢に入れる。
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その他、インターフェイスとしては、テンションゲージがより見やすくなった。
登場キャラクター
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前作『MAX』の33名に加え、新たに6名追加
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キン肉マンスーパーフェニックス
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キン肉マンゼブラ
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キン肉マンマリポーサ
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キン肉マンビッグボディ
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ネプチューンマン
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ビッグ・ザ・武道:ネプチューンキング(ビッグ・ザ・武道のバリエーションキャラ)
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アーケード版では、ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道はタイムリリース。
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また、既存キャラクターに新コスチュームがいくつか追加された。その一部は前作『MAX』のストーリーモードでのみ登場・使用できたものである。以下はその一例。
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キン肉マン:王位争奪編のKINコスチューム(原作版)
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ロビンマスク:鎧を外した軽装バージョン
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バッファローマン:ヅラを外したバージョン
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ラーメンマン:救世主
評価点
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かなりの数のキャラクターを網羅。
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前作のPS2版である『MAX』の時点で十分に多かったが、更に追加された豊富なラインナップ。運命の5王子、ヘル・ミッショネルズの参戦は喜ばれた。
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アーケードゲームとして考えれば、前作のアーケード版に比べて飛躍的な充実ぶり。まるで揃っていなかった悪魔超人達も本作では勢揃いしている。
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前作では、II世キャラの存在で初代枠が少なかったのを疎む声も一部であったが、初代キャラの網羅で前作ほどしつこく文句を言われることは少なくなった。
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運命の5王子は、これまで今一つゲームでの採用率が少なかった。が、本作では目玉の参戦キャラとして大々的に紹介され、OPムービーでもメインを張っている。なお、声優は全員初代TV版に準ずる。
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なお、キン肉マンソルジャーはキン肉アタルの方であり、本物のキン肉マンソルジャーは登場しない。
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前作より高いオリジナルキャスト採用率。
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ヘル・ミッショネルズは、これまでのゲームでは代役が演じていた中、このゲームではオリジナルキャストの採用が適ったため、特に話題となった。
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同じく肉ゲーでは代演が多いキン肉アタル(ソルジャー)も、前作に引き続き、千葉繁が起用されている。
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キン肉マン ビッグボディの作り込み。
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原作ではその全貌がまるでわからないまま倒されてしまい、格闘ゲームに登場できるほど技の手数がないはずのビッグボディだが、本作では様々な技を用意したうえで参戦を果たした。技はイメージぴったりによく練られており、原作を知らない人なら「ビッグボディってこんな超人なんだ」と勘違いしてもおかしくないレベルに違和感がないほど。
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性能面では、早々に倒されてしまったためか、見た目とは裏腹に体力が最弱に設定されている。更に巨体なので食らい判定が大きいのも問題。威力の高い超必殺を受けるだけで、体力を9割持って行かれてしまうほど。
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相手が攻撃重視の際、点滅時には3ゲージの技であっても6割減るのもザラ。そのため知らない人には「相手のキャラの技の威力がおかしい」と勘違いされてしまうことも。
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なお、意図的な低火力に設定されているはずのベンキマンとの打ち合いすらしんどくなってしまうほど。
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一方で彼自身の火力は高い。超必殺技では唯一平均して半分以上の体力を持っていくなど、攻撃力に特化したロマンファイター。波に乗った時の攻めはかなりのものである。若干技が大振りで使いにくいのは難点だが。
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強力
の神にそそのかされただけあって、技のほとんどには強力が付く他、エントリー国がカナダということでカナディアンが付く技も存在する。
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超必殺技はどちらも他の運命の5王子に負けないほど格好良く演出されており、加えて個性的なものになっている。SFCの肉ゲー『DIRTY CHALLENGER』でなぜかマリポーサの偽マッスル・リベンジャーを必殺技としていた時代と比べれば、大変な優遇である。
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メイプルリーフクラッチ:カナダの国旗にもあるもみじの形に敵をマウントし、相手の頭をマットに叩きつけるというもの。原作で設定だけは存在したが本作でついに映像化。
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マッスル・インパクト:本作オリジナルの超必殺技。ボディービルダーよろしく筋肉を見せつけながら敵を殴打し、最後に相手を空中へ打ち上げた後、相手をパワーボムの形にマウントした後、高速で何度も縦回転しながら落下してマットに沈める。言うまでもないが、キン肉星三大奥義の1つではない。
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他にも「強拳」というネタ技が存在する。そこから出る隠し派生技「強力奮迅猛怒涛」はかなりの威力を誇るが、前段階の強拳を放った時点でゲージを全て使い果たすうえ、派生の入力受付が短い。あげく上記の超必殺のほうが火力が安定するばかりか、「強力奮迅猛怒涛」のモーションも一瞬。なんでこんな技を作ったのかというレベルのネタ技であるが、しかし変な魅力もある技。
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オリジナルキャストである平野正人が「
強力
ドラゴンスリーパー!
」「
強力
スイング!
」など、非常にノリノリで演じており、全キャラと見て比較してもそのテンションの高さは異常に抜きん出ている。「アニメでもそこまでハイテンションじゃなかっただろうに」と突っ込みが入りそうなほど気合が入っている。
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あまりにもテンションが違うせいか、「声優が違うのでは?」という声もあるが、紛れも無くご本人である。
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ちなみに格好良いだけではなく、超必殺技を食らうとたまに「やめてくれ……」という原作を彷彿とさせる情けない台詞も吐く。
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その他、新規キャラの再現度の高さ。
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上記のビッグボディだけでなく、5王子はそれぞれ個性的であり、かつモーションの再現度は相変わらず高い。
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例えばキン肉マンゼブラは他の一部超人も使う鉄柱攻撃を持つだけでなく、一部の技のモーションでは腕の中に鉄球を潜ませる演出があり、モーション終了後に鉄球を捨てるアクションがある。
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覚醒システムによる逆転要素の増加。
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キン肉マンらしい逆転勝利を演出しやすいシステムであり、駆け引きにもより緊張感が高まった。
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レニー・ハートによる逆転勝利後の「GREAT!」という賛辞は、地味ながらもテンションのあがる演出である。
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なお、覚醒発動すれば単純に有利というわけではなく、失敗するとペナルティがきつく一転して不利になるため、そういう意味でも緊張感のあるシステムである。
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一部のキャラに返し技が追加された。
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例えばキン肉バスターをかけられている際に特定のコマンドを入力すると、それに対するキン肉バスター返しが発動させられる。戦略的に重要になってくるばかりではなく、これを使った魅せプレイも出来る。
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特に万太郎とケビンは、9ゲージ技のミレニアムを除けば、原作どおりケビンの返し技が非常に豊富であり、本作では強キャラと言われている万太郎の試合中の選択肢を大分狭めることが出来る。
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だからといって、返し技の存在する技の価値がそこまで下がったわけではない。一例をあげると、「キン肉バスター」は相変わらず発生時間、ダメージ、コスト比のパフォーマンスに非常に優れた必殺投げである。返し技もテンションゲージを消費することもあって、依然勝負の駆け引きには欠かせない技となっている。
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また、「執拗に同じ技をかけて新しい技を試合中に開発する」といったお馴染みの展開よろしく、同じ技をかけ続けることがある種のフェイントになり、返し技を前提に行動する相手に甘んじて技を受けさせて、実は違う技をかけていたという面白い展開になることも。
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演出面のさらなる強化。
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原作の名勝負を再現した対戦カードの組み合わせになった場合、その組み合わせに応じたBGMに変化する。名場面で流れていた定番曲『奇跡のマッスル・ドッキング』などは、アニメを見ていた人なら思わずニヤリとするだろう。
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前作と同じく『HUSTLE MUSCLE』は続投しており、本作ではⅡ世キャラが入ればそれだけで流れやすくなっている模様。レジェンドとの対戦で流れるとさながら卒業試験や超人タッグ編を彷彿とさせる対戦カードとなる。
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特にアニメ王位編オープニングテーマとして人気の高い、『ズダダン!キン肉マン』が1番限定とはいえ流れるのは嬉しいサプライズである。流れるのは5王子同士が主であり、テンションが上がること間違いなし。
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やり込みの要素ととして、アニメの名場面を集めていく「コレクション」モードもある。原作通りの相手に原作通りの技をかけることに成功すると、金または銀のメダルが表示され、コレクションモードで当該アニメシーンの一枚絵を見ることができる。
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ただ単に原作通りの技を掛けるだけだと銀のメダルになり、一枚絵もモノクロとなる。更にコスチューム・試合会場も同じにすると、メダルが金になり、カラーの一枚絵になる。
問題点
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オリジナルキャストが参加しているにも関わらず、前作登場キャラの担当声優はそのまま。
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代役の稲田徹が悪いわけではないのだが、特に悪魔将軍はせっかく北川米彦が武道の役で再び本作に参加してくれるなど、絶好の機会だっただけに一部のファンからはガッカリする声があがった。
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位置入れ替えが実装されたことで、「大ジャンプ」が最早ただ邪魔な技になっていること。
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空投げ失敗の際にこれが出てしまうことが多く、大きな隙を晒す、敵を追撃出来ないなどかなりの痛手。その分緊張感はあるが。
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キャラ性能に影響を及ぼすバグの存在。
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ペンタゴンやカーメンが持つ相手を制止させる技を、真・火事場のクソ力発動中にほぼノーリスクで出せてしまうバグは、基本的な立ち回りとして組み込まれるほど定着してしまった。
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もっとも、この二体のキャラ評価は良くも悪くもないので、バランスを大きく崩す内容ではないのだが。
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ゲームバランスがやや崩れた。
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本作でも3強や3弱と言われるキャラの強さと弱さが目立ち、それらの差がやや目立って開くようになってしまった。とはいえどのキャラも勝てないわけではなく、当時乱発されたおかしなバランスの他ゲームに比べれば、本作は十分ゲームとして成立するバランスレベルではある。
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前作で強キャラといわれたペンタゴンとザ・ニンジャはかなり株を落としたが、その代わりにザ・魔雲天、本作のラスボス・スーパーフェニックスが強キャラとして君臨。前作のラスボスである悪魔将軍は継続して強いといわれている。
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スーパーフェニックスは超必殺技を3つも使えるなど、初代のラスボスということもあってかなり優遇されている。
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前作の強キャラに対する弱体化度合いがやや極端。
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先述のようにペンタゴンやザ・ニンジャなど、前作で強いと言われたキャラは軒並み弱体化されたが、どれも極端に性能を低くし過ぎて単に使いづらいキャラになってしまった。特にザ・ニンジャは下記のように3弱と呼ばれるまでになった。
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所謂「3弱」と呼ばれているのはザ・ニンジャ、スカーフェイス、プラネットマン。プラネットマンはともかく、前者2人は人気キャラだけにファンはがっかりしたと言われがち。
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特に、ザ・ニンジャに至っては前作において3強の一角を担っていただけに使い手のショックは大きかった。
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それ以外にも万太郎やサンシャインなど、一芸に特化した超人が目立って強いと言われており、全体的に見るとややキャラ差が目立つ結果となってしまった。
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ベンキマンは意図的に最弱調整されたキャラであるが、実は意外と彼と相性の良い相手もいる。ガード不能+テンションゲージを下げる飛び道具技「詰まらないものですが!」や凶器(デッキブラシ)攻撃を持ち、意外とリーチ面で優位をとれることもある。
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そのためか、なんとベンキマンは底辺争いの低評価キャラの中に名を連ねていない。先であげたビッグボディなどとは相性的にむしろ有利。
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『MAX』と違い、本作の家庭用移植版『特盛』では追加キャラなし。
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II世ファンからは、第3回人気投票で10位を獲得するなど堅実な人気のあったガゼルマンや、セイウチンなどアニメ版のレギュラーの追加を求む声もあったが、叶わなかった。
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裏を返せば、原作における要のキャラクターはほとんど網羅してしまったため、話題性を作れるキャラを追加するのが難しかったとも考えられる。ただし、アキが開発を担当した肉ゲーで参戦していたキン骨マンやⅡ世のノーリスペクト(後に再登場したボーン・コールド、ハンゾウのみ。)の未参戦は残念がられている。
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元々、本作は前作と違いアーケード版稼働開始から家庭用版発売までが短かったため、キャラを追加する暇がなかったとも考えられる。
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一部のキャラクターのあっても良さそうなコスチュームバリエーションが揃っていない。
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特に不足感があるのはネプチューンマン。本作においても喧嘩男やザ・サムライコスチュームは用意されなかった。
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ゲームモードの削減(家庭用版のみ)
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『MAX』にあったゲームモードの内、バーサス、ストーリー、団体戦、サバイバルモードが削減されている。
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特に2人対戦用のバーサスがなくなったため、2人対戦を行うにはアーケードモードでの乱入を利用する必要がある事に批判が強い。
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一見問題がないように見えるが、一回対戦するごとにゲームオーバー画面→タイトル画面を挟む必要があり、大変テンポが悪くなるため。
総評
前作の完成度の高さをさらに良くしつつ、追加キャラも比較的上手く溶けこませている。
特に、ビッグボディファンにとっては、驚くほどにキャラが優遇されており、その強力の力を思い知らせることが出来るだろう。
その他、ヘル・ミッショネルズの声がオリジナルキャストで聞けるなど、嬉しい要素満載である。
キャラクターの追加要望はやはり存在することや、相変わらずキャラゲーにしてはわりとまともなバランス調整から、続編も望まれた。
が、やはり続編というにはやや変わり映えがなかったせいか、家庭用版のセールスがいまいちだったせいかは不明だが、マッスルグランプリシリーズは本作で打ち止めとなった。
現代であればアップデートなどをしやすい環境になっていることから、元よりバランスが比較的安定している本作の続編リリースを求める声は未だにある。
その他
『特盛』には、ゲームアーカイブとしてファミコンの『キン肉マン マッスルタッグマッチ』『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』を収録。