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SDガンダム外伝2 円卓の騎士 - (2015/05/11 (月) 11:56:37) の編集履歴(バックアップ)


SDガンダム外伝2 円卓の騎士

【えすでぃーがんだむがいでんつー えんたくのきし】

ジャンル ロールプレイング
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ユタカ
開発元 トーセ
発売日 1992年12月18日
定価 9,975円
ポイント 前代未聞・最大13人パーティによる軍団RPG
画期的かつ独特なシステムを多数搭載
オーダー武器でバランス崩壊
経験値がないのでやりこみ度は薄味
SDガンダムシリーズリンク


概要

バンダイのカードダスの『SDガンダム外伝 円卓の騎士編』のストーリーをゲーム化したもの。
なお、これの発売の少し前にはファミコンで同じものを題材にしている『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団』が発売されている。


特徴・評価点

  • レベルアップシステム
    • 本作に経験値は存在せず、仲間の増加によってレベルアップする。レベルはパーティー全員で共有し、また加入キャラによってレベルの上昇値は異なる。
    • よって装備のためのお金稼ぎ以外に戦闘の必要はない。逆に言えばゲームを進めて仲間を増やさない限り、どんなに戦闘してもレベルは上がらない。
    • これは後の『クロノ・クロス』や『ファイナルファンタジーXIII』を先取りしたシステムであると言えよう。
  • Aボタンの代わりにBボタンで通行人に話しかける事によって、対象を自軍に勧誘できる。一般人は勿論、敵陣営のキャラクターも可能。
    • これによって仲間になるキャラがそれなりにいるため、それっぽいキャラを見つけたらとりあえずBボタンで話しかける癖を付けよう。
      • この行動によるペナルティはない。明らかに因縁がありそうな敵もリアクションを取ってくれる。
        皇騎士ガンダム「仲間にならないか(Bボタン)?」 戦士ハイザック「子供の遊びに付き合っている暇はない。」
        皇騎士ガンダム「仲間にry(Bボタン)?」 邪騎士ザクエス「…」
    • ちなみに騎士ギャプランや呪術士フォウ等、敵陣営のキャラも僅かながら仲間にできる。
  • 武器のオーダーメイド
    • 武器屋では自分で武器を作成できる「オーダー」というシステムがある。
    • 名前を自分の好きなように決める事ができ、また払ったお金の分だけ性能を自由に設定できる。
      • 設定が意外と細かく、単純にパラメーターMAXが最強とはならない。
      • また、交換屋(カードダスのHP分を価格として取引)で魔法を封印することが可能、終盤になるが何度でも全員のHPを回復する剣を作り出すことも可能。
    • 更には名前に特定の単語を含める事で、特殊効果を付加する事も可能。
    • 非常に個性的で面白いシステムであるが、とある問題点も存在する。詳しくは後述。
  • 本作にMPの概念は存在しない。魔法や特殊攻撃を行う場合は、HPを削って発動する。
    • このためボス戦では上手く考えて行動する必要があるが、上手く活用すれば宿屋に泊まらずとも全回復ができる。
  • シナリオの内容はやや低年齢向けであるが、キャラゲーとしては悪くない出来。
    • その場限りで退場したりフェードアウトする敵が多く、因縁を持つ敵自体は少ないものの、その強さや突拍子もない行動で強烈な印象を残す敵が多い。
    • シナリオのごく一部や選択肢(「はい」「やだ」といった具合)にふざけたギャグがあるが、気にならないレベル。
      • こう言う表現はSDガンダム系のゲームでは割とあったものである。FC版の騎士ガンダム三部作でもテキストの随所にコミカルな表現を交えていた。
      • また、「やだ!」という選択肢が主人公の意思を表す重要なイベントも存在する。
  • BGMの出来が素晴らしい。ゲーム中の全BGMが名曲と言っても良い出来である。特にタイトル画面の曲は素晴らしいの一言。
    • グラフィックも当時としては高クオリティであり、『ドラクエV』や『FFV』と比較しても決して見劣りしない。
      • 原作では途中で容姿が変化したキャラがいたが、その再現はFC版では容量の都合で皇騎士(キングⅡ世)のみだったのに対し、本作では他の仲間も原作同様に変化する。
      • 全体的には綺麗なグラフィックなのだが、ミスも少数ながら存在する。後述のデュラハンジオングのように一目でわかるモノも。
  • RPG史上でも類を見ない、総計13人のパーティを組む事が可能。
    • FC版『ナイトガンダム物語3』では仕様上仲間にできなかった闇騎士ももちろん加入する*1。13人の円卓の騎士によって構成されたパーティーは正に圧巻である。
    • 序盤はともかく終盤は流石に入力がしんどくなってくるが、それを補うのがオートバトルの優秀さ。
    • 行動優先順位、使うアイテムの種類、HPが何分の何になったら回復行動を取るか・・・等、非常に細くオートバトルの設定が可能であり、ザコ敵戦闘ではオート任せでも問題なく進行できる。仲間が揃ったゲーム後半でも入力が苦になる事はない。魔法の使用にMPではなくHPを用いるため、オートバトルで大ダメージを受けた際の立て直しも容易である。
    • デフォルトのままでは貴重なアイテムを勝手に使ってしまう等の欠点があるが、設定を変えれば使わなくなる。
  • 難易度は少々高めだが、ゲームバランスが破綻している訳ではない。攻撃魔法や特技を上手く駆使すれば、強敵の撃破も十分可能。
    • 流石にボス戦は辛い戦闘が多いが、理不尽な攻撃を仕掛けてくるボスはラスボスと悪道士α・アジール*2くらいである。
    • 他のボスは能力が頭1つ抜けている皇騎士ガンダムを主軸にし、特技→回復のゴリ押しで戦えばなんとかなるため、難易度こそ高めなものの他のRPGと比較して理不尽という事はない。
      • また、ほとんどの特技はHPを1/4~1/2消費するため、闇雲に特技を連発してもボス戦では逆にピンチになってしまう。なので考えて戦う必要がある(特技ゲーというわけではない)。

問題点・好みの別れる点

  • ストーリーは他のSDガンダム外伝系に比べるとやや短めで、削られたキャラも多い(主に敵キャラクター)。
    • 一方で何故か人間キャラは比較的よく登場している。『機動戦士Zガンダム』をイメージしたストーリーがつけられている剣士ロザミア*3など、仲間に加えられるようになっているキャラも多く優遇気味。
    • 削られたキャラクターは敵味方問わずかなり多く、敵キャラに至っては半分近く削られている。おかげで終盤になると序盤のボスキャラがザコキャラに成り下がって出現したりもする。そんなに容量が少なかったのだろうか?
  • レベルアップシステムについて
    • 先述の通りレベルは仲間を増やす事で上がる。戦闘の必要性が薄いため、レベル上げしてゲーム進行を楽にできない一方で、慣れればサクサク進める事もできる。
    • これだけだと面白い試みのシステムであるが、問題は、強制加入以外のキャラ(=任意に仲間にするキャラ)がそれなりにいる事である。
    • 仲間になる事を知らないまま、あるいは忘れたまま進めると、レベルアップのチャンスを逃してしまう事になる。
    • つまりプレイヤーの力量によってゲームバランスが大きく変動してしまうのである。チャンスを逃すと段々と後半に響いてくるため、ここにプレイヤーの力量が問われる事になる。よってゲームバランスや難易度の評価がプレイヤーによって別れやすい。
      • 一応、途中で手に入る銀の円盤で以前行った地方へは戻れるので何人かは後でも仲間に加えることが可能ではあるが。
  • 「武器オーダーシステム」
    • 先述の通り、特定の単語を名前に入れる事によって、様々な特殊効果を付与できる。その効果は毒・睡眠・回復・蘇生と実に豊富。
    • しかしこれをフル活用すると、ゲームバランスを覆すような強力武器が序盤に、しかも容易に量産できてしまう。更に効果の重複も可能。
    • 尤も、これは事前に情報を知っているという前提の上での話である。本作はネットのない時代の作品であり、作るにはゲーム雑誌や友人等から情報を仕入れるか、自分で試行錯誤して気付くしかない。
  • 装備品の格差
    • オーダー武器を別にしても各円卓の騎士専用装備がかなり強力でキャラクターの格差を円卓の騎士間でも広げてしまう。
      • 皇騎士は序盤でヴァトラスの剣を筆頭に各章で鎧を随時入手できる。極めつけに最終章では「ほぼ999のダメージを叩き出し、HP吸収効果持ち」のキングキャリバーを入手する。
      • 一方で専用装備の無い円卓の騎士やサブキャラ達はほぼ市販品で装備を賄うハメになり、ものすごい手間がかかる。いっそ必要最低限の装備だけ持たせて特技と回復アイテム使用要員として用いるのが良いだろう。
        特に最初に仲間になる円卓の騎士プラスは専用装備も無しで特技も微妙…*4序盤である故のバランス調整にしてももうちょっと何とかならなかったのであろうか…。
  • 本作の敵エンカウントは歩数ではなく時間制で発生するため、その場で立ち止まっていても敵と遭遇する。戦闘後はポーズを掛ける習慣を付けよう。
  • アイテムごとについている重量の数値は一見何の意味もないように見えるが、重量の数値が多いほど敵とエンカウントしやすくなるというシステムがあるので、アイテムが増える終盤になるほどエンカウントが増大する。
    • 隠しイベントで入手できる「銀のはにわ」を入手すれば多少エンカウント率が緩和される。同時に手に入る「金のはにわ」は逆にエンカウント率を上昇させるため、入手後早めに処分する必要がある。
  • 秋の章に登場するダンジョンでは、ある場所を調べて隠し階段を発見しないと先に進めない。
    • 怪しいと言えば怪しい場所にあるのだが、ノーヒントの上に、隠し階段というトラップ自体が他のダンジョンには一切存在しないので、少々意地悪ではある。
  • 最終ダンジョンには円卓の騎士しか連れて行けない。これ自体は特に問題ではないのだが、存在意義がほぼないキャラが生まれてしまった。
    • 終章序盤で加入する騎士ディジェはまだいいとして、騎士クリス、剛戦士Gキャノン、銀騎士ビギナ・ギナの3人は加入タイミングが最終ダンジョンorラストボスの手前であり、実質レベル上げ用のキャラになってしまっている。
      • ちなみに騎士クリス(女性)は初期装備に貴重品かつ騎士系キャラの最強装備の「魔法の盾」と「魔法の鎧」を持っているため、
        「仲間に加える→装備を脱がせる裸のまま捨てる(※仲間待機所行き)」という鬼畜な所業をするプレイヤーが続出する。
      • さらにはラスボス戦の手前で仲間にできる銀騎士ビギナ・ギナに至っては、本当に全く出番がないのにもかかわらず、装備品が全て専用品(白銀の剣・白銀の盾・白銀の鎧)になっていたりと無駄に凝っている。さらに特殊技の「必殺」はその名の通りどのような敵でも(解析によるとラスボスですら)一撃で倒すことが可能だったりする。
      • FC版は円卓の騎士メンバー以外のキャラは全く仲間にできなかったので、その他の仲間が加入することそのものは良いのだが、本作に隠しダンジョンやクリア後のおまけダンジョンのようなやりこみ要素は一切ないので、終盤の加入キャラは仲間に加えて冒険する舞台が本当にない
  • ある特定の行動をすると闇騎士が仲間にならない(正確にはパーティに12人までしか入れられなくなる)。
    • 特定の行動とは、所持金0G時にカードを預ける。この行動を取ることで、オーバーフローした金額が入手できる。
      • 最も簡単な方法としてはゲーム開始直後に皇騎士のカードを入手し、薬草を売ることで大金を入手できる。だが、前述の通り、円卓の騎士が揃わないという代償は非常に大きく、更に厄介なことに相当数の攻略本・攻略サイトに裏ワザとして書かれている。
  • その他の細かな問題
    • 「はい・いいえ」という選択肢のみ、何故かA・B両ボタンが決定扱いになっている。
    • サウンド出力の切り替えが記憶されず、ゲームをセーブして再開すると「ステレオ」に戻ってしまう。
    • 敵キャラ・デュラハンジオングの脚の部分のグラフィックが真横にズレている。同じ高さの剣はズレていないので、表示ミスではなくドット絵自体がズレてしまっているのだと思われる。かなり目立つ。
    • 敵キャラ・魔術士バウンドドックの額の黄色い部分が描かれていない。
    • エンディングをよく見ると、ベルトーチカが2人登場している。しかも片方は体が若干小さい。

総評

問題点はそれなりに多いものの、キャラゲーとしては概ね好評ではある。
秀逸なストーリーやBGMなど評価されるべき点もあり、神ゲーと称する人も少なくない。
ちなみに、エンディングではカードダス展開での次回作にあたる『SDガンダム外伝 聖機兵物語』へ続く事を匂わせているが、ゲーム展開はされなかった。


余談

  • カードダスについて
    • とある場所でハイパースペリオルドラゴンのカードダスが入手可能。これは当時のカードダス展開における次作品「聖機兵物語」で登場するスペリオルドラゴンEXであり、当時の雑誌で"オマケ要素である"と明言されていた。
    • カードダスの「クラウンナイト」「バーンナイト」が「クラウナイト」「バーナイト」になっている。誤記か、文字数の節約か、恐らくは後者だろう。
  • 最終章の最初に挑む事になる洞窟は、イベントも何もない只の通過ダンジョンなのだが、攻略本(バンダイ版、講談社版の両方)で「悲劇の洞窟」という名前で呼ばれている。何かイベントが予定されていたのだろうか?
    • ボンボンの漫画において洞窟内で嵐騎士が闇騎士に刺されるシーンがあるのだがこのシーンを再現したかったのではないだろうか?
  • 前作『ナイトガンダム物語』および次回作『聖騎兵物語』はアニメ化されているが、本シリーズのみアニメ化されていない。
    • 理由は、セルアニメが主流だった当時に主人公キングガンダムII世(絢爛豪華で殊細かい鎧を着ている)を描かせると、アニメーターが殺されると言われるほど膨大な作画量を要求されるためであった。
  • 裏ワザとして13人のパーティを組んでバーサル騎士鈴木に会いに行きそこでレベルを99に出来ることがある