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みんなでスペランカー - (2014/12/01 (月) 08:27:47) の編集履歴(バックアップ)


みんなでスペランカー

【みんなですぺらんかー】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション3(ダウンロード専売)
発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング
Tozai Games
開発元 Tozai Games
発売日 2009年3月26日
2011年12月21日(Tozai Games移譲後)
定価 1,300円
プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人)
分類 良作
ポイント 最弱ゲームヒーロー復活
みんなデスペランカー
操作性の悪さ、死にやすさも全部再現
クラシックドットでも遊べる
1人プレイも充実、でもみんなの方が楽しい


概要

ゲーム史上最も虚弱体質な主人公が活躍するゲームとして有名な『スペランカー』。その22年振りの続編で、今作は最も有名なファミコン版を元にした作品。
簡単にいうとグラフィックをリメイクしつつ、わざわざ当時の操作感や難易度を再現したスペランカーであり、やりごたえや笑えるほどの死にやすさは健在。

本作の特徴は最大6人のオンラインマルチプレイである。大方の予想通り非常にカオスな連帯責任ゲームができる。
リニューアルグラフィックはPS3相応のグラフィックでありながら、操作感は当時にかなり近くなっており、そのギャップだけでもかなり楽しめる内容である。
なお、クラシックモードと呼ばれるドット絵バージョンのモードも存在。ファミコン版の雰囲気ほぼそのままにプレイ出来る。

ただのリニューアル作品ではなく、新しいギミックや敵キャラが大量に増加しており、既プレイヤーでもやりごたえのあるゲームとなっている。


特徴

  • スペランカーのアクションには一切追加なし。ジャンプと使用制限のあるポーダブルファン・フラッシュ・爆弾で敵をやり過ごしつつ進んでいく。
    • ただアイテム自体は難易度を上げるという意味合いで増えており、鍵は6種類になった。その他、石板と呼ばれる収集要素があり、全て集める事で絵が完成するという仕組み。
    • スペランカーの実家のような安心感とは裏腹に、ギミックや敵キャラは大増量
      • 特に敵キャラはオリジナル版ではコウモリと幽霊程度しかいなかったが、今作では10種類以上にまで増加。本気でスペランカーを殺しに掛かっている。
    • また、既存のコウモリや幽霊も強化されており、特に幽霊は二回ファンを当てないと倒せない巨大幽霊や、ファンを当てると分裂してくる幽霊など強化版が出てくることも。
    • 操作感は若干差異を感じる部分もあるが、リニューアル・クラシックグラフィック共に殆どそのまま。下り坂で前にジャンプすると死んでしまう仕様等も全て健在である。
  • 最大の追加点・オンライン要素。
    • 本作のタイトルの由来ともなっているマルチプレイ要素。オフラインでは4人まで、オンラインまで6人までプレイできる。
    • どういうシステムになるかというと、まず残機はいきなり50くらいと大盤振る舞いなのだが、この残機は全員で共有する。
    • アイテム等も共有であり、例えば黄色・赤・青の扉があったとしたら、その色の鍵を所持している人が集まらないと突破出来ない。
      • よって息が合わないと、扉の前で待っている間にエネルギー切れで仲間が死んだり、慌てる余り余計なミスが増えたり、間違えて爆弾を設置して全員吹き飛ぶ等ということがままある。
      • エネルギーや爆弾、フラッシュといった攻略上必要となるアイテムと石版は、誰かが取っても一定時間で再配置される。それ以外のスコアアイテムや薬等の特殊アイテムは再配置されない。
      • トロッコ等の操作も難しく、先頭のプレイヤーがトロッコを操縦するのだが、6人乗っている事を考慮しないと、吹き上がる炎に後方のプレイヤーがあたって死亡という事も。むしろ無理に全員で乗るより2、3人ずつ行った方が安全と言える。
    • 尚、共有残機がゼロになってからミスすると、プレイヤーはそれぞれ仮死状態となる。30秒以内に他のプレイヤー仮死状態中のスペランカーに触れると復活するが、間に合わないと脱落となる。
    • 多人数を計算に入れたギミックも仕込まれている、3人以上掴まると切れる赤いロープや、3人以上乗ると沈む船等は知らずに全員で乗り込むと大惨事に。また3人以上掴まると伸びる黄色いロープがあり、これを使わないと収集できない石版もある。

評価点

  • リメイクとしての質の高さ。
    • 拘り深いプレイヤーからすると挙動がやや異なるようだが、普通に見れば十分過ぎるほど操作感覚が再現できている。
    • その上で、そこそこ違和感のない程度の追加要素が仕込まれており、新鮮な気持ちでもプレイできる、これまでのスペランカーにはない続編らしい続編である。
  • オンラインプレイならではのワイワイガヤガヤ感。
    • 本作のオンラインプレイはボイスチャットに対応しており、ファミコンゲームによくあった、足の引っ張り合いでもかなり楽しむ事が可能。扉の鍵を待つ間のハラハラ感すらも楽しめる。
      • 勿論、待っている間、おもむろに爆弾を置いてその場をパニックに陥らせる無理心中プレイ等も可能。野良プレイでは流石に嫌われるが。
    • ただ足を引っ張り合うだけではなく、残機ゼロのピンチの時はお互い助けあうプレイも可能で、初めてのマルチプレイながら完成度が高い。
  • 1プレイも充実している点。
    • ステージは100以上存在し、クリア後もチャンピオンシップモードという1ランク上の難易度にも挑戦可能。
    • なお、チャンピオンシップモードのお題はDLCでも配信されている。
  • グラフィック・BGM共に、リニューアル版とクラシック版をちゃんと用意している隙の無さ。
    • 前者はややリアルな描写になったスペランカーを操りプレイする。これだけでなく、BGMは既存のものが全てアレンジして起用されている。
      • しかもアレンジの多くはオーケストラ風であり、あの有名なメインテーマも恐ろしく荘厳なBGMとなっている。
    • 後者はオリジナル版とほぼ同じ。本作で追加されたBGMもあるが、ファミコン音源になっており違和感なく溶け込んでいる。
    • クラシック版はこれまで通りミスすると点滅してお馴染みのBGMが鳴るが、リニューアル版は死んだ要素によって様々なモーションをとる。
      • フラッシュや爆弾に当たると消し炭となって死亡、炎に当たると黒焦げになって死亡、落とし穴に落ちると打った足を庇いつつ片足で跳ねながら死亡、等々。スペランカーの死にやすさを上手く昇華してシュールな笑いを演出している。
    • なお、ゲームオーバーになると何処まで進んだ上でどういう死因で冒険が終了したか・・・という冒険報告が最後に表示される。
      • 敵に当って死ぬと「触れてはならないものに触れてしまい・・・」などと出てきて終わる。シュールの極み。
      • ちなみにプレイ内容によって称号が付く。アイテムの使用率等によって判定されるが、死亡率が高いとスペランカーをもじったデスペランカーなる称号を与えられる。
  • 初心者に向けた要素の数々。
    • 残機無限のチュートリアルモードを搭載。これで初見で陥りやすい「開始直後エレベーターから落下」があっても理不尽さを軽減できる。
      • ちなみにその時にちゃんと死因(ミス理由)が出るため、どうするとミスになるのかを自由に学ぶ事ができる。
    • オリジナル版でやり辛かったと評判のロープアクションにはロープアシストを搭載し、細かな操作ミスで落ちないようになった。オリジナルの理不尽さが良いという人のためにこのロープアシストはオフにもできる。

問題点

  • やはり若干オリジナルの操作感とは違和感が生じる点。
    • とは言っても微差であり、よほど拘りのある人でもなければ十分な再現度は確保されているだろう。
  • リニューアルグラフィックはやたら画面が暗く、見辛いところがある。
    • このためなのか、後にさらに高難易度バージョンとして『みんなでスペランカー ブラック』も登場、自分の周囲以外は見えないようになり、難易度が増した*1
    • 対するクラシック版は背景が真っ黒なため逆に他のドット絵がかなり見易くなっており、プレイしやすさという観点でクラシックを選ぶプレイヤーも多い。
    • 一方、リニューアル版はスコアアイテムの隠されている破壊可能な壁がわかりやすいという利点がある。

総評

レトロゲームリメイクブームに乗っかった便乗ゲームの1つでしかないが、その中でも高い完成度を誇る作品。
誰も想像しなかったスペランカーのマルチプレイはまったく新しい死んで騒ぐゲームという新境地を開拓し、ファンには暖かく受け止められた。
現在はエリア1のみ全てプレイ出来る(オンライン込み)「いまさら」みんなでスペランカー体験版も配信されており、プレイのハードルはかなり下がっている。