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いっきおんらいん - (2014/12/01 (月) 09:38:58) の編集履歴(バックアップ)



いっきおんらいん

【いっきおんらいん】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション3(PlayStation Store)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売・開発元 サンソフト(サン電子)
発売日 2009年6月29日
定価 1,800円
600円(2012年7月3日価格改定)
プレイ人数 1~2人(オンライン最大12人)
分類 バカゲー
ポイント 二人で駄目ならみんなで一揆だ!
OPからしてメタ要素爆裂
コンセプトの多くはみんなでスペランカーと同じ
農民と代官軍に分かれた6対6のバトルが売り
2年経ってアップデートされるなど、会社からは大事にされている

概要

クソゲーというジャンルを生み出した『いっき』をリメイクした作品。約25年振りの新作である。
同じコンセプトの『みんなでスペランカー』とは違い、有名なファミコン版よりもその原作となるアーケード版を元にしている。ただしOPでネタとしてあげているのはどう見てもファミコン版である。

ゲーム内容はオリジナルのいっきと変わらず、鎌を相手に投げつけて敵を倒しつつ、クリア条件を満たしていくという内容になっている。
ただしキャラクターには若干の性能調整が施されており、OPでも「ドットの色しか違わない」と自虐した権べと田吾もいわゆるマリオとルイージ的なビジュアルの差別化が行われている。
本作にはHD画質で描かれた3Dグラフィックのごーじゃすモードと、昔のドット絵を再現したくらしっくが存在するが、くらしっくのドット絵も今回の差別化に対応して改変が施された。

本作は、同コンセプトのみんなでスペランカーとはセットで語られることが多い。 だが、オリジナルの良さをそのままに追加要素を加えたスペランカーとは違い、本作は「オリジナルの不便さや突っ込みどころをそこはかとなく解消しつつ元のゲームに追加要素を加えた」ゲームである。

ストーリー

相変わらず、悪い代官からのキツイ年貢に喘ぐ農民達。しかしそんな悲痛な声をお代官様は聞き受けてくれません。
「こうなったら一揆だ!」勇敢な農民達の戦いが始まった。

特徴

  • 本作は、PVでもネタにされているように、伝説のクソゲーと呼ばれ笑いものにされた不遇のゲーム『いっき』を、現代にパワーアップさせて蘇らせることを目的とした作品である。
    • 公式サイトでは、原作の良さを受け継ぎつつ、不満点を解消した内容としている。
      • ただ、最大の突っ込みどころの一つである竹槍の仕様はほとんど変わっていないなど、良くすべき点は変更し、不便であっても本作にとって味と見なされた部分はほぼそのままとなっている。
    • 鎌投げは従来通り自動的に敵の方向を向いて投げる仕様なのだが、本作ではさらに右のアナログスティックを倒しながら撃つことで任意の方向にも撃てるようになり、使い勝手が向上した。
    • 本作では、キャラ性能にそれぞれ差別化が図られており、農民軍代官軍でそれぞれのキャラがミラーとなっている。
      • 特に2Pキャラとなる田吾は、色こそそのままなだが姿がヒョロヒョロなノッポに変更され、固有の能力も持つようになった。色こそ逆だが明らかにルイージを意識した内容である。
    • アイテムはいろいろ増量されている。相も変わらず竹槍は鎌(手裏剣)を投げられなくなるネタアイテムだが、壁を貫通するという利点がついた。
      • その他、自機を強化する要素が続々と増加した。ステージ中のギミックも増加しており、単調にならないような工夫がなされている。
    • 一人モードのステージの増加。
  • 公式でも「今度のいっきは4面で終わらない」と豪語するように、それなりに追加され、さらにゲームルールも追加された。
    • すたんだぁど:小判を規定枚数集める。対戦では争奪となり、プレイヤーを倒すと集めていた小判を落とす。制限時間の時点で多く小判を持っている方、または全ての小判を手に入れた状態を数秒間保つことで勝利。
    • じきそれぇす:ゴールとなるお代官様のところまで障害物競走をする。対戦では敵チームに攻撃をしてダウンさせて妨害することも可能。
    • きゃぷちゃ・ざ・米俵:陣地に米俵を規定数持っていく。米俵を担いでいるうちは移動力が落ちてしまう。
    • ですまっち:純粋に敵とキルを取り合うモード。一人プレイでもオンラインでも規定数を倒した時点でクリア・勝ちとなる。
      • なお、オンラインにも残機が存在し、残機を増やすためのボーナスとして、仙人から投げ渡される謎の「おにぎり争奪」もある。
      • オンラインでは、残機がなくなると敵の陣地に捕らえられてしまう。助けるには味方が捕縛されたプレイヤーに接触し、戦線に復活させる。

評価点

  • 良い意味で開き直ったうえで、ゲームを面白くしようとしている努力が見られる点。
    • 「いっきのどこが面白くてどこが駄目だったか」ということをよく把握したうえで作られており、良い感じに強化されている。
    • もっとも、シングルプレイでは相変わらず一人か二人で一揆するしかないのだが……。
      • なお、本作で追加されたスコアアイテム千両箱は、高いスコアを得られるが、一定時間プレイヤーが喜びのあまり大笑いして身動きがとれなくなって隙ができるというデメリットがある。わざわざリスクの高いスコア稼ぎアイテムを用意している点は流石と言うべきか。
        なお、千両箱は厳密にはオリジナルのAC版が初出で、FC版では登場しなかったアイテムである。
  • ギミックやルールを増やしたことで新たな楽しみを見出したこと。
    • 足をとらわれ動きにくくなる草むらや肥溜め、攻撃すると転がってくる丸太、ひょっこり顔を出してきてプレイヤーを転倒させるモグラなど。
    • 単調と言われてしまえばそれまでだったオリジナルだったが、それよりもハラハラする要素を追加した。
  • キャラクターに性能の差を付けることで、オンラインで役割分担出来るようにした。
    • 主人公の権べとそのミラーである新米忍者は、射程こそ短いが二連射が出来る、その差別化キャラである田吾とベテラン忍者は一射しか出来ないかわりに射程が長いなど。
    • また、隠しキャラとして、腰元や幽霊といった、アイテム回収・攻撃のできない妨害専用キャラという変化球なキャラもいる。
    • 本作では新キャラ「与作」が追加されている。巨体を活かし、クワを振り回して敵弾を防ぐ能力を持ち、オープニングでごんべたちと共に代官に直訴している。
  • HDグラフィックとファミコンのドットグラフィックを両方用意している点。
    • みんなでスペランカーと同じではあるが、やはりレトロゲームには嬉しい配慮ではある。
  • BGMのアレンジが秀逸。
    • 全てが和楽器を活かした和風情緒全開のアレンジとなっており、特にプレイ中に流れるあの特徴的なBGMはかなり激しいアレンジになっていて聴き応え抜群。曲自体はFC版の音源を基にしている。
    • 追加されたBGMも、先述のテーマをイメージしつつ作られており、ゲームの雰囲気を損ねていない。
      • 追加BGMは当然くらしっくでもファミコンテイストのものが聞ける。
  • 何故か2周年記念でアップデート。
    • 値段が下げられたのもこのアップデートの後。二年も経ってから小型とはいえアップデートを行うその気概は、オンライン要素のあるコンシューマーゲームとしてはなかなか優良な方と言えるのではないだろうか。

問題点

  • 値段がやや高めだった。
    • 現在こそ2周年を祝して600円と求めやすい値段になっているが、当初は1,800円というかなり強気な値段で、「クソゲーのために金をドブに捨てたくない」と愚痴を言う人が多かったのは事実。
  • ボリュームはやや薄い。
    • ルールこそ増えたが、マップはそれぞれのルールに合わせた専用のものが基本1つ用意されているだけで、あまり何度もやっていると飽きてしまうのは確かである。
  • 自分の足音がややうるさくて鬱陶しく、それでいて逆に敵プレイヤーのSEがカットされているので寂しい。
    • 基本は自機の足音しかしないため、足音によって敵を察知というのは出来ない。
    • あのシュールなミスのジングルが流れるからこそ楽しいのだが、相手を倒しても倒れるだけ。敵を倒せたかよくわからない時があるうえ、少々寂しい。
      • なお、みんなでスペランカーは味方のSEも聞こえるため、連鎖的に死亡するとミスの時に流れるBGMも連鎖するというシュールさで楽しむことが出来た。
  • レトロゲーマーからすると田吾のデザイン変更は賛否が少し別れる。
    • ただ、ルイージに差別化が図られた時の流れを考えればむしろここは改良と捉えるべきと言える。

総評

バカゲーはあくまでバカゲーだった!
そのシュールな世界観や設定はそのままに、オンラインで見知らぬプレイヤーと『いっき』が出来るという発想は誰も思いつかなかったことだろう。
伸ばすべきところは伸ばし、改善すべきところは改善するなど良質なリメイク作品の一つであることは間違いない。
クソゲーという一般的な評を覆す程の内容かと言われると首をかしげるところがあるが、値が下げられた今では十分出費に見合った内容にはなってはいる。

余談

  • 2013年までは公式ツイッターでしばしばつぶやきが投稿されていた。
    • なお、最後の投稿はなんとスペランカーからエールを送られ、それに感謝するというものだった。
  • 「東京エンカウント」第13回にて声優の中村悠一、杉田智和、下野紘が今作をプレイした。
    • 収録時にプレイしていたのは日本全国で彼ら3人のみだったらしい。