「パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~ - (2015/01/15 (木) 18:29:12) の編集履歴(バックアップ)


パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~

【ぱろでぃうすだ しんわからおわらいへ】

ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 1990年4月25日
プレイ人数 1~2人(交代)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント パロディウスのAC初進出
以降のスタンダード
ランク上昇のインフレぶり
グラディウスシリーズ関連作品リンク


概要

  • パロディウスシリーズ第2弾で記念すべきアーケード版第1作目の作品。だが本作はグラディウスシリーズからまだ独立しておらず、グラディウスシリーズの第5弾扱いだった。
  • 元々はMSXで発売された『パロディウス ~タコは地球を救う~』(以下初代)を大幅にグレードアップしたものである。そしてサブタイトルも『グラディウスIII -伝説から神話へ-』のパロディ。

システム

基本操作

  • 1レバー3ボタン制、ボタンはそれぞれショット・ミサイル・パワーアップと、グラシリーズおなじみのUI。
    • 後述するベルパワーの一部も、ミサイルボタンで発動する。
    • 3ボタンでの操作が難しいという初心者プレイヤーのために、パワーカプセルを取ったら自動的にパワーアップする「オートモード」が搭載されている。この場合はショットとミサイルが兼用になる。
  • 高速でパワーアップゲージが回転し目押しによりその効果を実装できるルーレットカプセルなどは初代からの引き継ぎであり、後のシリーズ『極上パロディウス』などにも引き継がれる。またルーレットの目押しミスのペナルティ扱いとして「!?」というパワーマスがあり、ここでパワーアップボタンを押してしまうと全ての装備が剥がされてしまう(初代の「何~やそれ!」に相当)。

自機

  • ビックバイパー
    • グラシリーズおなじみの自機で、初代にも登場していた。本作ではたい焼き屋の親父。58歳。IまたはIIの1番装備がモチーフで、最もオーソドックス。
      • ミサイル:地面に着くと地形上をはって進む従来通りのミサイル。足が生えている。
      • ダブル:正面と前斜め上に通常弾を発射。連射は利かない。
      • レーザー:耐久力の低い敵を貫通する強力なレーザー。
      • オプション:グラシリーズおなじみの仕様の追従式。4つまで装備可。
      • シールド:グラI・IIと同じ正面に付くバリア。
  • タコ(Mr.パロディウス)
    • 初代に引き続き本作でも主人公。女物の下着を被っている。グラIIの4番装備がモチーフ。上下前後をカバーできるバランスの良い機体だが、他に比べて攻撃力が若干劣り斜めが死角になってしまう。
      • 2ウェイミサイル:上下に放射線状にミサイルを投下する。
      • テイルガン:前後に通常弾を発射。
      • リップルレーザー:広がるリング状のレーザー。
      • オプション:ビックバイパーと同様。
      • O-TRAP:正面に蛸壺を装備。
  • ツインビー
    • ツインビーシリーズの主人公。17歳。初代から数えてこれだけが完全新規追加キャラクターとなる。何故か機体色がウィンビーのようなピンク色。火力はかなり高いが、オプションの仕様上敵の多いところでは絶えず動き回らないとショットをばら撒けない。
      • ロケットパンチ:正面に貫通力のある拳を飛ばす。グラ2の「リフレックスリング」のように一定距離まで進むと戻ってくる(そちらよりも射程は長い)。
      • テイルガン:タコと同様。
      • 3ウェイ:正面と斜め上下に通常弾を発射。
      • オプション:ツインビーシリーズの分身のように、レバーを入れることで間隔が広がり停止すると自機に重なるタイプ。3つまで装着可。
      • フォースフィールド:円形の全方位型バリア。判定はかなり大きい。
  • ペン太郎
    • ペンギン(『けっきょく南極大冒険』『夢大陸アドベンチャー』の主人公で、初代にも登場していた)とペン子の子供。9歳。正面・地面共に火力は高めだが、ミサイルの性能がオプションの仕様に相殺されるなど、最も上級者向け。
      • ポトントーピドー:真下に発射され、地面に着くと地形上をはって進む貫通力のあるミサイル。名前は『グラII』の3番装備の「フォトントーピドー」のパロディ。
      • ダブル:ビックバイパーと同様。
      • スプレッドガン:当たると大きく爆発するショットで、爆風にも攻撃判定がある。グラIIIの同名武器とは違い、むしろスプレッドボムをショットにしたようなものといえる。発射時にレバーを上下に入れることで少しだけ射角をコントロールできる。
      • オプション:ツインビーと同様。
      • バブル:大きな泡に包まれる全方位型バリア。

ベルパワー

  • 初代にもあったベルパワーは、大幅な変更を加えて本作にも登場している。スーパーボムと菊一文字はミサイルボタン(オートモードではショット)で発射する。
    • 黄/スコアUP:取り続ける度に500→1000→2500→5000→10000とスコアが増加。取りこぼすと500に戻る。
    • 青/スーパーボム:超巨大な爆発が発生し、画面全体の敵を攻撃する。撃たなければ最大3つまでストック可。爆発に重なっている間は地形も通過できる。
    • 白/メガホン:自機の前にメガホンが付き、台詞で攻撃する。台詞は短いもの*1や長いもの*2まで様々。台詞は敵弾を消すことも可能。ただし、装着中はショットが撃てなくなる。
    • 緑/巨大化:一定時間自機が巨大化。同時に全身に攻撃判定が発生し地形も通過できる、いわゆる無敵状態になる。その間はカプセルは取れてもベルは取れず、ショットも撃てない。
    • 赤/菊一文字:初代にも同名武器が出ていたが、本作では全く別の仕様になった。発射後一定距離まで進み、止まって上下に長いビームを出す。この状態では敵を貫通し弾も消してくれる上、ビームに重なれば敵や敵弾を受け付けない。当然ながら、スーパーボムとの共有は不可。

特徴・評価点

  • 過去のグラディウスシリーズをモチーフに、あらゆる要素(時には他社作品さえも)を交えてパロディ化されたステージ。作りこまれたグラフィックと芸の細かさ。
    • 1面「アイランド・オブ・パイレーツ」:
    • 2面「ピエロの涙も3度まで」:シリーズお馴染みのモアイステージをモチーフにしており、モアイが巨大なピエロに置き換わっているが、それ以上に有名なのは2面中ボス「ちちびんたリカ」と思われる。
      元ネタはグラIIの最終中ボス「クラブ」だが、「リオのカーニバルの踊り子風の女性が、がに股且つ正面向きのままクラブのようなモーションで歩く(しかも腰も振る)」という姿はかなりのインパクトがあった。
    • 3面「ラビリンス お菓子城の謎」:初代にもあったお菓子の城ステージだが、縦横無限スクロールの迷路となっており、つぶつぶを撃ち壊して進むなど、グラIの2面の要素も持ち合わせている。
    • 4面「嗚呼!日本旅情」:モアイと並んでシリーズの定番とも言える火山面を、日本風に塗り替えたステージ。富士山から火山岩の代わりにナスが飛んだり、関取がまわしを脱いでレーザーのように飛ばしたりする。中盤に出る巨大な桜の木「はしりやサクラ玉吉」は初見殺しポイント。
      ボス「ブタシオ」を倒すと、上にあったコナミロゴの看板が落ちて来る。当然ながら当たり判定がある。この看板は、以降のシリーズ『極パロ』『実況』でもデザインを変えつつ登場する。
    • 5面「宇宙戦艦モアイ」:『R-TYPE』の巨大戦艦+モアイという異色の組み合わせ。ここではスーパーボム・菊一文字が背景の高速スクロールに流されて使い辛くなる。
    • 6面「軍艦マーチで今日もフィーバー!」:名前通りBGMが軍艦マーチの、パチンコをモチーフにしたステージ。
    • 7面「ビューティフル・ギャルズ」:ピンクの雲海と泡のステージ。泡に包まれた妖精が矢を連射してくる。
    • 8面「もっとも北の国から'90」:一部斜めスクロールの氷の洞窟ステージで、途中水の中に入るとスピードが半減する。
    • 9面「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」:初代にもあった墓場ステージ。ペンギン砲台のグラフィックが背景に合わせて血まみれの不気味な風貌に変化したり、中盤から雨が降り出すと自機も傘をさす。
    • 10面「タコの要塞」:最終面。仕掛けや敵配置、BGMに至るまでグラIのそれを模倣しつつ、終盤の電磁バリアが「シャワラン・ビューティー」というシャワー型になったり…など、作品のカラーに染まったデザインに置き換わっている。
      関係ないが、壁の中でペンギンの群れが手動で機械を動かす様子があったりする。
  • 本作の基板は回転・拡大・縮小が可能なもので、スーパーボムの爆発やOP・EDデモの演出、8面ボス「プーヤン」にダメージを与える度にどんどん膨れ上がって大きくなる演出に取り入れられている。
  • クラシックやグラディウス他自社作品をアレンジした、質の高いBGM。これは初代から引き継がれた要素でもあったが、コナミならではの「サウンドへのこだわり」とAC基板の大容量をもって更に磨きがかかった。
  • 印象的なSE・ボイス。
    • クレジット音*3やルーレットカプセル取得時のSE、ちちびんたリカや7面のザコ及びボス「ハニーみかよ」が発するセクシーボイスは、恐らく多くの人がゲームの外(特にバラエティ番組など)で耳にしたことも多いと思われる。

問題点

  • 最大の問題点は、外見やノリに反して難易度的にハードルが高いことにある。それというのも、本作にはリアルタイムでランクが上がる「タイマー難度」が採用されており、そのランク上昇のシビアさは後の『バトルガレッガ』に匹敵するほどである。
    • 特に「スピード」は装備するとランクがかなり上昇する。従来のように2~3速で進むと、普通に弾を撃ってくる敵でも弾幕を張ったり一点めがけて連射する上、比較的序盤でも打ち返しが発生するほど相当辛くなるため、「2面クリアまでは0速を遵守、以降8面まで1速のままで進む*4、オプションは最大でも3つまで」など、終盤まで徹底して装備を控える」ことが鉄則。
    • 「シールド」も、装備している時間が長くなるほどランクの上昇が大きくなるため、なるべく装備しない様にしなければならない。特に全方位型は範囲がやたら大きいため、あくまで緊急回避用に装備し、すぐに使い切るようにするのがベストといえる。
    • ベルパワーも強力だがシールドと同じだけランク上昇するため、ストック型のスーパーボムや菊一文字などは計画的な運用が必要となる。
    • 同じくオートモードが、前述通り装備がランク上昇に深く関わっているためかえって仇となっており、初心者向けを謳った割に本末転倒。初心者でもマニュアルを使用せざるを得ない状況になってしまっている。
      • 更に言えば、ミスすることでランクが下がるため、中盤で意識的に残機潰しを行うことも攻略法に繋がる。ちなみに、コンティニューすればリセットされる。
    • 3ボス直前でミスしてしまうと、カプセルが出なくなるため復活が非常に困難。
    • ノーミス状態での、9ボス直前の唐傘の大群*5と分裂する骨の連携攻撃は、オプションの仕様上動き回りが必要なツインビー・ペン太郎にとって1周クリアの最大の壁と言われる。不覚にもミスしてしまった場合の復活は、保険カプセルを取りこぼしてしまったらミスして取り直し、ルーレットもあえて取り尚且つ完璧に目押ししなければならない。
    • ちなみに本作は過去のグラディウスシリーズのようなエブリエクステンドではなく、初期設定では2回限りとなっているため、溜まった残機を消費してランクを下げるといったようなことは不可能。ただしコンティニューシステムは用意されている。
  • 以上のような仕様のため、1周ノーミスクリアはシリーズの中でもかなり難しいと言われている。ただしランク上昇を抑えることを知ってさえいれば、1周クリア自体はそう難しくはない。2周目は更にハードルが上がるので、活路を開くには装備調整や残機潰し、ベルパワーをフル活用しなければならない。
    • それでも後の『セクパロ』に比べればはるかにマシではあるが…。
  • 先述のランク上昇を踏まえた上で、1周に付き全10面という長丁場(しかもエンドレス)を戦い抜かなければならないという厳しさも、問題と言えるかもしれない。
    • 『ACグラIII』の冗長さを反省したのか、全体にかかる時間はそちらに比べて短いが…。

総評

MSXのみで発売され「知る人ぞ知るゲーム」という認識だったパロディウスが、アーケードに進出したことで、一般プレイヤーにその名が知られるようになったきっかけの一作。
それだけに、見た目の派手さに反して爪に火を灯すようなプレイを強いられ、折角のお笑い要素を楽しむ余裕をも奪うほどにランクシステムが足枷となったことは、流石に惜しまれる。
ビジュアル面やBGMはプレイヤーに強いインパクトを残し、多数機種への移植(下記参照)で幅広い層にアピールされ、以降の続編も本作を基準としたものとなるなど、本作の残した功績は間違いなく大きいと言える。

移植

移植にはかなり恵まれている(PS・SS・PSPはカップリング)。全てコナミ自身より発売、且つ内製。FC・GBはサブタイトルを外して移植された。

  • ファミリーコンピュータ版(1990年11月30日)
    • FCの性能上色数が大幅に減っていたり、任天堂規制によりちちびんたリカが別のキャラ「ミス・ミシタリーナ」に差し替えられた。しかし、それ以上にゲームに支障をきたしてしまうほど処理落ちが激しいことが問題。
      • ちちびんたリカは後発のGB版ではしっかり登場している為、むしろハード上の制約ではないかと思われる。リカの衣装はサンバ風でとにかく飾りが多く、動かすのはFCの処理能力ではかなり辛かったのではないだろうか?
    • 後に発売されるPCE及びSFC版は、かなりACよりの移植度で処理落ち関係もほぼ解決しているため、FC版の立場が薄らいでしまったのは否めないところ。
    • それでも上記の問題を除き、むしろこれだけ移植できた事が評価されており、アレンジされたBGMも素晴らしい出来で、流石は技術力のコナミと言う他無いだろう。
  • X68000版(1991年4月19日)
    • AC版とほぼ変わらない完璧な移植精度を見せた代物。
    • OPでのタイトルロゴ回転をソフトウェアレベルで再現したり、X68k全機種での問題ない動作を実現している。
  • PCエンジン版(1992年2月21日)
    • 容量の都合で5・8面が削除されたものの、グラフィック再現度に関してはかなり高い。
    • タイトルから選択できるおまけステージがある。
  • スーパーファミコン版(1992年7月3日)
    • PS&SS版発売までは家庭用において最もACに近い移植。AC版の難点だったインフレランク上昇もかなり緩和されており、初心者でも安心して遊べる様調整された。
    • オリジナル面も追加されたが、内容はともかく元々長い本作をより冗長にしているように感じられる(AC版と同じ全10面に+1。それとは別にタイトルから選択出来るおまけステージもある。ここはプレイヤーにもよるが)。
    • ちなみに、任天堂規制の関係でちちびんたリカが腰を振らなくなったが、メガホンの使用時に「腰振らせてよ!!」という修正をネタにした台詞がある。