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はるかかなた - (2015/03/02 (月) 16:49:57) の編集履歴(バックアップ)
はるかかなた
【はるかかなた】
ジャンル
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エモーションノベル
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対応機種
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Windows XP~8
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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発売元
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SORAHANE
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発売日
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2014年5月30日
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価格
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9,504円(税込)
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レーティング
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ソフ倫:
18歳未満禁止
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判定
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クソゲー
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ポイント
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システム不具合で強制終了頻発 後付新設定と超展開 ハッピーエンドなら何をやっても赦されるご都合主義
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SORAHANE作品 AQUA - さくら、咲きました。 - はるかかなた
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WARNING!!!!!!!
18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。
概要
ヒューマンノベルを売りとするメーカー「SORAHANE」の3作目にあたる18禁ゲーム。
処女作『AQUA』が高評価を受けて注目を集めたメーカーであったが、2作目の『さくら、咲きました。』が不評ということで、起死回生を狙い発売されたと思われる。
主人公が同じ学校のヒロインたちと交流を持って親睦を深めたり、生き別れの双子(実妹)との再開を通しての心の成長を綴ろうとした物語。
過去2作とは打って変わってサイエンスフィクション的要素がほぼゼロであり、登場人物の心の動きや行動を見せることに特化した作品。
だが、発売当初は極めて不安定なシステムによってまともにプレイできるユーザーがおらず、その点のみが悪い意味で話題を集めていた。
後にシステムは(ある程度)安定し、シナリオについて本格的に語られるようになったものの、その中身はとても「感情の動き」を売りに出来ないような内容であり、KOTYeスレ等にて大きな議論を呼ぶことになった。
ストーリー
突然出会った妹と ――キスをした。
「もしかしてこれ……きす?」
その少女は、そう言いながら “未来リスト” と名付けられた手帳に ○ をつけた。
そこには “キス” “家族に会う” “ネギトロお腹いっぱい” と書かれていた。
「いまの……きすじゃない?」
誤解なく言えば、あれはキスではなく人工呼吸。
展望台で倒れていた彼女を助けるためのとっさの行動―― の、はずだったのに。
「お兄ちゃん、お帰り――って、どしたの? 疲れてるように見えるけど……」
俺と妹の 結衣 は、小さな頃から二人で過ごしていた。
里親であるシスターの 朝陽さんは、結衣のために今日は赤飯を用意していた。
恥ずかしがる結衣を尻目に、俺は結衣の成長を感じることができて、少し嬉しかった。
あの少女が気掛かりで展望台に戻ったら、そこには違う女の子がいた。
一生懸命に、一人で凧揚げをしながら。
全然飛ばないその凧揚げを手伝うと、女の子は無邪気に喜んだ。
「あたしは 心音 っていいます。 今日からあなたのことを、敬意を込めて……先輩って呼んでいいですか?」
「あっ、かなたちゃん…… ありがとっ!」
街中で偶然会った幼なじみの 雫 の荷物を受け取って、少しだけ足を速めた。
今日も喫茶 『シトランテ』 からもらった食材と、内職で仕上げた荷物を両手にいっぱい。
小走りで肩を並べた雫の位置は、前でも後ろでもなくて、いつもどおり隣に半歩…… それが俺たちの距離だった。
「……また会った」
家に戻ると、そこには朝に展望台で出会った少女が立っていた。
少女の名前は はるか。
はるかは、俺・かなた と同じ目、同じ髪、同じ雰囲気、そして俺が父親からもらった形見と同じ “青い羽” を持つ少女。
それもそのはず…… はるか と かなた は、双子の兄妹なんだから。
それが、はるかとかなたの……ちょっぴり不思議で、ちょっぴり切ない、恋物語のはじまりだった。
わたしのために泣いてくれて ―――ありがとう。
(公式サイトより)
キャラクター紹介
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公式サイトより引用・要約
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七海 かなた (ななみ かなた)
座右の銘:「一期一会」
クールでスマートな文武両道の主人公。
鋭い目つきや落ち着いた言動から密かな人気はあるものの、学園では浮きがち。
しかしそれは人付き合いに不器用なだけで、親しい相手には良き兄貴分として慕われている。
双子の妹である はるか とは髪や目の色がそっくりなものの、本人たちにあまり自覚はない。
趣味は展望台への散歩と、年のわりに老成したところがある。
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水城 はるか (みずしろ はるか)
座右の銘:「座右の銘って……なに?」
ある日突然やってきた、ふたごの妹と名乗るおとぼけ生物 (主食はネギトロ)。
浮世離れした外見と性格で、はるかワールドに周囲を巻き込む。
目の離せない危うい純朴さの反面、時として真実をズバリと射抜く。
興味を持ったことには無防備に突き進み、やりたいことを記した “未来リスト” を片手にいくつもの騒動を巻き起こすことになる。
かなたにとっては放っておけない相手だが、案外面倒見が良く、結衣や心音からは懐かれている。
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七海 結衣
座右の銘:「がんばれ、わたし!」
不器用で恥ずかしがりだけど、いつだって一生懸命なかなたの妹。
みんなからは可愛がられながら、少しずつ成長を見守られている。
兄に淡い思いを抱きつつも、はるかや雫のことを優先してしまう損な性分。
腹違いの妹であるためか、かなたとは顔立ちがあまり似ていない……が、兄妹仲は非常に良好。
料理を作るとなぜか“名状しがたい何か”と化してしまうため、一人で台所に立つことを固く禁じられている。
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泉 雫 (いずみ しずく)
座右の銘:「自分以上に、他人を愛せよ。」
気が付けばいつもそこにいる、頼りになる相棒役の幼なじみ。
誰からも慕われていて、なんでもそつなくこなしてしまう学園のアイドル。
しかし根は子供に近く、かなたと渚の前でだけ素顔を見せる。
家庭の事情で日夜内職に励んでいるけれど、苦労は決して人には見せない影の頑張り屋さん。
なぜか不幸なアクシデントによく巻き込まれる星の下に生まれたらしい。
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白羽 心音 (しらはね ここね)
座右の銘:「今を精一杯生きよう! この一瞬は今しかないんだから!」
喫茶店のマスコットを務める、ハチャメチャで元気印のちっちゃな後輩。
はるかとは幼なじみの親友で、奇妙な巡り合わせで再会した。
誰かが落ち込めばすぐに駆けつけて、そこに笑顔をもたらしてしまう。
実家である喫茶店 『シトランテ』 再興のために、今日も明日もトライアンドエラーに没頭中。
幼児体型に触れるのは、絶対のタブー。
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問題点
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過去作と比較すると細かいところが手抜きなCG
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過去2作はシナリオの完成度に留まらず、キャラだけでなく背景も非常に高いクオリティを誇っていた。
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が、今作では眼の書き込みなど、細かいところを中心に手抜きが行われている。
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ヒロイン数の少なさ
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過去作ではメインに加え、サブキャラと結ばれるエンド(Hシーンあり)も複数用意するなど、キャラゲーとしてもそれなりに評価を得ていた。
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が、今作ではメインヒロイン4人以外に攻略可能ヒロインは存在しない。
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あまりにも不安定なシステム面
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SORAHANEは過去2作で用いたシステムが非常に好評だった。
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これらは一般的なシステムに加え、シナリオプレイヤーなどが充実していた。一方本作では言語社作成の全く新しいシステムを採用したが、これが完全に裏目に出た。
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あまりにも不安定なシステムで、頻回の予測不能な強制終了が発生。メーカーの対応も後手に回り、それなりに動作が安定したver2.0が公開されるまで約2ヶ月もかかった。
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ただしver2.0でもボイスがズレたりBGMが再生されないなどのトラブルは多かった。
パッチ配布日
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バージョン
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主な修正内容
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セーブデータ引き継ぎ
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備考
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2014/05/30
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ver1.10
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記載なし
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ゲームスタート前に適用するよう指示あり
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2014/05/30
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ver1.11
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ver1.10のセーブ・ロード不具合の解消
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不可
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2014/06/07
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ver1.20
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オートセーブ機能の追加・既読判定機能削除
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不可
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修正が不完全だと公式サイトで謝罪
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2014/07/20
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ver2.00
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動作不安定や不具合の改善など
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不可
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強制終了バグが減り、かろうじて遊べるレベルに
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2014/10/31
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ver3.00
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記載なし
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不可
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強制終了バグはかなり減少
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2014/11/03
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ver3.01
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一部のエラーを修正
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ver3.00のみ可能
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表を見ればわかるが、セーブデータの引き継ぎがver3.00→3.01以外は不可能。
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超頻回のセーブ・ロードで必死にシナリオを進めても、パッチを当てて安定性を求めればまた1からスタート。
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しかも、何を思ったのかver1.20で既読判定機能が削除されたため、また1から…の繰り返しを余儀なくされた。
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発売前に明言していたシナリオプレイヤーは未だに実装されていない。
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メーカー・言語社としての公式謝罪は2014/6/2となっている。おそらくは深刻なバグがあることを承知で発売したと思われる。
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さながらユーザーは有料デバッグに参加させられたと言えるかもしれない。
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このような有様だが、メーカー公式サイトの記述を見るに「問題の原因は言語社側にある」というスタンスの模様。
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シナリオ面も良くない。特に結衣シナリオとはるかTrueシナリオの酷さは語り草となった。
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結衣シナリオは、結衣の実父(金と権力好きな医者、主人公の父に強い恨みを持っている)を二人で倒す、というある意味王道なシナリオ。
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なのだが、いつのまにか結衣が義妹であること、結衣はずっと主人公の実妹だと信じていたという大事な設定が完全に抜け落ちていく。
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KOTYeスレでは、結衣が義妹であったということがむしろシナリオをつまらなくしている、という指摘すらあった。
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しかも、ラストで路面電車に轢かれて血まみれで力尽きるCGが出てくるにも関わらず、エピローグでは五体満足で普通に生きてハッピーエンド。改造人間か何かなのか?
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はるかTrueシナリオはそれ以上に酷い出来。
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通常エンドでは、はるかは難病で呆気無く死んでしまうのだが、Trueエンドでは余命が長くなり、腎移植をすれば治るという新設定が突如追加される。
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更に、主人公も実は病弱だったという設定もまた突如加わる。
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血の繋がった双子であり、しかも二人共病弱であるにも関わらず、子作りを隔離病棟で繰り返し、当たり前だが妊娠する。
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どう見ても流産させないと危険だが、「臍帯血で治るかもしれないから」と出産を決意する。
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結局、はるかが妊娠中に主人公が周囲の反対も特に無いまま腎移植を決行。
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エピローグでは二人共元気に退院し、双子をはるかが出産。他ヒロインらに歓迎されながら大円団ハッピーエンド。
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以上のように、倫理的に突っ込みどころ満載なのに(そしてそれを生かすでもなく)軽く流してハッピーエンドにしてしまう力技に対して、KOTYeスレ等では『加奈 ~いもうと~』+『ヨスガノソラ』+『恋空』のいいところを取ろうとして、全てが裏目に出てしまったようなシナリオと例えられた。
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もちろんこの程度の話がSORAHANEが表現したいヒューマニズムなのだろうか、と多くのユーザーから失笑を買った。
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なお、結衣・はるかTrue以外のシナリオも、描写不足や後付新設定が多数見受けられ、物語のテーマをお世辞にも再現出来たとは言いがたい。
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各ヒロインの分岐までの共通ルート(全20章中10章)の中身は極めてありがちなラブコメ。出来自体は特筆するほど悪くは無いが良くも無い。
評価点
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昨今のエロゲと比較すれば、それでもCGや背景は良い方。
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ただしこのメーカーの水準を考えると評価点とは言えないだろう。
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音楽はそこそこ良い。「曲だけは評価点」というお馴染みの法則に該当してしまっているが。
総評
おそらくはメーカーはシステムに大きな欠陥があることを承知で発売したのだろう。
ただしエロゲー業界では完全なシステムで発売されることは珍しく、何かしらのパッチ修正はごく日常的に行われる。
それでもこの度を超えた強制終了バグは、まともにプログラミングしたのかすら怪しいと言わざる得ない。
(謝罪文でメーカー名のみ乗せ、代表者氏名を載せないなど、そもそも企業としてもあり得ないのだが)
最低限プレイできるようになるまでほぼ2ヶ月。それなりに安定するまで6ヶ月近くかかってしまったことはエロゲー史上に汚点を残すだろう。
その強制終了バグを乗り越えてもシナリオについては擁護不能。
ヒューマンドラマという鉄板かつ無難なテーマを選びながらも、帳尻合わせとしか思えない後付の新設定や前後関係を全く無視したご都合主義エンドでは誰も感動はしないだろう。
その中でも特筆すべきだった結衣√、はるかtrue√では、果たしてライターはこのようなシナリオでユーザーを本気で感動させようとしたのか、甚だ疑問であると言わざる得ない。
オタクから見ると大きな問題作となった『恋空』に近い要素を加えるなど、オタクが嫌悪する展開をわざわざ望んでいたのだろうか?
SORAHANEとしては、名誉挽回どころか汚名挽回となってしまったようだ…。
余談
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結衣ルートの顛末(路面電車に轢かれるも五体満足)はAA化されるなど、クソゲースレなどで話題になった。
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例え駅に停車直前の低速(10km/h)程度であっても、衝突エネルギーは、同じ速度ならかすり傷程度で助かるだろう軽自動車に衝突されるのとは次元が違う。
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1/2mv^2において、路面電車は30トン、軽自動車は1トン程度なので30倍の力がかかることになる。
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そういう意味では結衣は人間でないスーパーマン的な何かなのかもしれない。
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公式サイトでは未だに2014年5月30日発売予定となっており、公式ブログは5月28日で更新停止。もうこの辺のやる気の無さで出来の悪さも伝わってしまうものである。
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公式ニュースも11月30日でストップするなど、メーカーにはかなりの致命打が与えられた作品となってしまったかもしれない。