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ラジアータ ストーリーズ - (2015/01/29 (木) 09:03:15) の編集履歴(バックアップ)



ラジアータストーリーズ

【らじあーたすとーりーず】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トライエース
発売日 2005年1月27日
定価 8190円
判定 なし
ポイント 2005年クソゲーオブザイヤー次点
コミカルな世界観
豊富なキャラクター
説明不足の鬱シナリオ
弊害の多いシナリオ分岐
色々と惜しいシステム
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

『スターオーシャン(以下『SO』)』などで有名なゲーム開発会社、AAA(トライエース)製のRPG。
SO3?』に続く二作目のPS2作品。
歌手の玉置成実が歌う楽曲「Fortune」をテーマソングに起用するなどして話題となった。
パッケージイラストで手を取り合う少年と少女が印象的だが、実はその2人の運命は…。


特徴

世界観・ストーリー

大まかに言うと人間と妖精の諍いを主軸に据えたストーリーになっており、人間の生活圏と妖精(人間以外の種族全般)の生活圏がはっきりと区別されている。

  • ビジュアルからも解るとおり雰囲気は全体的にコミカルになっている。
    • 「扉を殴ってから開ける」という本作独特の不思議な動作がある。ようは「扉を調べると、2度ノックしてから開ける」だけなのだが、その効果音が「コン・コン」ではなく、ムチをふるっているかのような「ビシ!ビシ!」という炸裂音。しかも腕のモーションがボディブローめいている。初めは誰でも驚く、激しく疑問に思う、しかしプレイし続けると慣れてしまうから不思議。
    • もうひとつ、本作をプレイすれば忘れられないであろう独特の動作が「競歩」。左アナログスティックを大きく倒すと「走り」、わずかに倒すと「歩き」で移動するが、その中間では「競歩」になる。主人公のクネクネした動きが妙に生々しくキモカワイイ。
    • マップのオブジェクトや宝箱を調べる際のアクションに至っては・・・詳細は後述。
    • 序盤から中盤にかけてはオーバーアクションありボケツッコミありのコメディタッチが目を引く。・・・が、いきなり序盤でヒロインが瀕死の重傷を負ってしまうという鬱展開も発生する。その場に居合わせた妖精により一命を取り留めるのだが、それが引き金となり後半のシナリオでは・・・。
    • 中盤以降のテキストでは「アニソン」「コンタクトレンズ」といった、世界観を怪しくする言葉も出る。それに戸惑いを感じた人もいれば、そうしたユルさ気さくさ明るさを本作の良さに挙げる声もある。

タイムスケジュールシステム

ポーズ中・戦闘中・キャンプメニュー中などを除き、「現実世界の1秒」で「ゲーム内世界の1分」が経過する(つまり24分で1日)。この世界のキャラクターにはひとりひとり違った日常生活があり、それぞれ時刻によって起床・移動・仕事・学業・食事・趣味・スパイ・買いもの・睡眠…等々めいめいの行動をしている。

  • 本作は『どきどきポヤッチオ』『ガンパレード・マーチ』『魔法先生ネギま!1時間目』といった偶然性やAIのテイストがあるゲームとは正反対に、旧来のストーリー主導型RPGを大規模化したような、フラグ、イベント、テーブル、チャートを駆使するアプローチで組み立てられている。よく言えば、職人による作りつけの上質な箱庭。悪く言えば、融通が利かない予定調和の人形劇。
    • 趣向やプレイ時間の差で「自由度が高い」「自由度がない」というまるで正反対の評価に結びつくことも。

戦闘システム

ボタンを押すとロックオンしている敵へ攻撃に向かう仕組み。ガード、ステップ回避といった動作もあり、マイルドなアクション性がある。アイテムの使用、仲間への指示なども行える。

  • シンボルエンカウント形式になっており、一度倒した敵シンボルはゲーム内時間の日付が変わるまで消滅する。
    • 全体的にマップの道幅が狭いため、襲い掛かってきた敵シンボルを躱すのは難しい。弱い敵とのエンカウントを無効化するアイテムなどもないので、敵の視界に入らないように移動する必要がある。
  • 『SO』シリーズで使用されている、戦場を自由に移動して戦える戦闘システムを基にしている。
    • 主人公は片手剣・両手剣・斧・槍の4種の武器を使い分けることができる。
      • 訓練場などに各武器の「練習メニュー」が用意されており、クリアしていくと後述のボルティブレイクを早々に覚えたり強力な武器を入手できる。
    • 主人公のHPがゼロになるとゲームオーバー。セーブ時点からのやり直しになる。
    • 各技を自分でつなぐ「連続技」というシステムがあり、どの攻撃をどの順序で繰り出すかメニューから設定変更できる。
      • ザコ相手なら「隙の小さい技の連発で素早く押し切りたい」、強敵なら「ガードブレイク技を冒頭に置いてヒット&アウェイで戦いたい」など、場面によってプレイヤーが欲する攻撃内容を変えるといった戦略的な要素がある。
    • パーティは4人まで組めるが、操作できるのは主人公1人で、仲間を直接操作することはできない。
      • 仲間の装備品やスキルも各キャラごとに決まっており、変更することは出来ない。
      • 仲間への指示は命令コマンドで行う。個別の命令や全体への命令があり、バリエーションは豊富。
    • 「リンク」という陣形のようなシステムがあり、発動時には仲間が主人公と同じ動作をし、用途に応じた使い分けができる。
      • リンク発動時には主人公と仲間がそれぞれ持っているスキルを共有した状態になる。また、リンクを維持したまま戦闘に勝利する事で仲間のスキルを覚えることもできる。
      • リンクが発動すると仲間が主人公の周囲に集まることを利用し、「強力な攻撃がきたらリンクを発動し仲間を引き寄せて回避する」というテクニックが一部攻略本に掲載されている。
    • 「ボルティゲージ」というステータスがあり、命令やリンクを使うときに消費する。
      • 溜めていくと必殺技の「ボルティブロー」、満タンまで溜めると超必殺技の「ボルティブレイク」を放てる。ボルティブローは主人公専用の技でボルティブレイクは主人公と一部の仲間が使える。ボルティブレイクを使ってくるボスキャラもいる。
      • ボルティゲージはパーティ全員で共有するものなので、仲間に使わせてしまったら自分が使えなくなることには注意。

スターオーシャンシリーズでの戦闘が、戦士に武闘家や紋章術師などの特徴の分かれるキャラクターを「自分で自由に操作」して戦う(当然それ以外のキャラはAI操作ではあるが)事に重点を置いたものとするならば、今作での戦闘は、特徴の分かれる様々な仲間を、命令や陣形など「自分の指揮で操作」して戦う事に重点を置いたものと言えるだろう。 プレイヤーは主人公しか操作出来ず、さらにその主人公も最強クラスの仲間と比較して脆いといった点は、その重視した部分の違いから来るものだと思われるが、スターオーシャンシリーズの戦闘を期待していたプレイヤーからは、本作の比較的地味な戦闘システムを残念がる声も挙がっている。

特殊アクション「蹴る」

町中やフィールド上では主人公に「蹴る」という特殊アクションがある。

  • 宝箱を開けるのに必要があるほか、オブジェクトを蹴るとアイテムを入手できることがある。
  • 本作では触れただけでは戦闘にならない敵シンボルがいるが、蹴ると必ず戦闘になる。
  • この特殊アクションの最大の特徴はキャラクターを蹴ることができることにある。
    • 大半のキャラクターは1回蹴ると怒られるだけだが、2回蹴るとバトルになり、所謂「蹴りバトル」を行うことができる。
      • 「蹴りバトル」に勝つと、その日は勝った相手を蹴り放題になる。特にメリットがあるわけではないが。
    • 「蹴りバトル」は隠しを除く仲間キャラクター全員に挑むことができる。挑んだところで関係がこじれたりはしない。「蹴りバトル」で仲間になるキャラクターもいる
    • 仲間にならないキャラクターにも「蹴りバトル」を挑むことができ、これでしか戦闘モーションが見れないキャラクターもいる。
    • 中には非常に戦闘能力が高いキャラクターもいるため、序盤から終盤のボスクラスのキャラと戦うこともできる。

隠しダンジョン

AAA定番のクリア後の隠しダンジョンは本作でも健在。一度クリアすると行くことができる。本編後半のシナリオと違い、ノリは終始コミカル。

+ ...
  • 序盤では、本編で戦う機会のなかった地龍・水龍を含む「四龍」と戦うことができる。
    • さらにこのダンジョンにしかいない「珍龍」が登場する。その珍妙なビジュアルと台詞回しは必見。
  • 中盤では、本編で故人となっている「主人公の父親」が登場。そのキャラクターを垣間見ることができる。
  • 『ヴァルキリープロファイル』から「ヴァルキリー(レナス)」「レザード・ヴァレス」がゲスト出演している。
    • 「ヴァルキリー」は仲間にすることが可能で本作で唯一の中立に属する仲間である。当然、人間編でも妖精編でも仲間にできる。
    • 「レザード・ヴァレス」は本作の魔術ギルドとの関連を示す描写があるが、明言はされていない。
  • 隠しダンジョンで定番のボスキャラである「ガブリエ・セレスタ」と「イセリア・クイーン」も登場。本作向けにビジュアルがかなり変更されている。
    • 特にガブリエ・セレスタのビジュアルはネタ方面に突き抜けており、その容姿と戦闘直前のとある事故のせいで、必ずバックアタック(味方全員混乱)で戦闘が始まる*1
  • 一度隠しダンジョンをクリアしてからもう一度行くと、本作のストーリーの根幹に関わるあるキャラクターと戦うことができる。残念ながら倒してもエンディングが変わったりはしない。

その他

  • 正式なタイトル名では「ラジアータ」と「ストーリーズ」の間に半角スペースが入る。公式・攻略本・雑誌記事などいずれも統一。理由は不明。パッケージ等の日本語ロゴではスペースではなく短剣符(†)に近い図形が入っている。
    • ちなみに本作はプレイヤーから「ラジアータ」と略称されている場合が多い。感想等を探す際は「ラジアータ ストーリーズ」ではなく「ラジアータ」で検索するといいかも。

評価点

豊富なキャラクターたち

キャラ数の多さが特徴的。本作最大のやりこみ要素でもある。

  • その数、約250人。タイムスケジュールシステムにおける個々のタイムスケジュールとキャラの多さにより、街や村が非常に凝った作りになっている。
    • NPCが多いゲームも、同時並行的に行動しているゲームも珍しくはないが、本作はとにかく物量と個性に富んでいる。城の衛兵といったいわゆる「モブキャラ」、同じ姿の「色違いキャラ」はごくわずかで、ほとんどの人物は容姿・喜怒哀楽の表情・状況ごとのセリフ・特殊モーション、さらに一部キャラは制服・私服の2バージョンまで専用に作られている。もちろん自動生成ではない。
  • 仲間は(主人公自身や一時参戦のキャラも含めて)全177人。戦士、僧侶、魔術師、盗賊、モンク、暗殺者、農夫、老人、子供、エルフ、ゴブリンなどなど多種多彩。立場・性格・経歴などが細かくひとりひとりに設定されており、これが広告媒体での宣伝に使われた。
  • これだけの量のキャラクターがいるにもかかわらず、キャラ被りがほとんど起きていない
    • 各キャラクターはたいへん個性的かつ魅力的で、本作のファンアートにはストーリーと無関係なキャラのみを描いたものも数多い。
    • バトルでは性能がかぶるキャラは出てくるが、各キャラの所属勢力(人間編ではギルド、妖精編では種族)によってある程度タイプの差別化が出来ている。

問題・賛否両論点

後半のストーリー分岐

+ ...

主人公は序盤から人間側の傲慢狭量な面を垣間見せられたあと、中盤に「人間勢力で戦う」か「妖精勢力で戦う」か、どちらか一方を選択することになる。

  • ストーリーそのものは、人間編で人間側の内情を、妖精編で妖精側の内情を詳しく追う内容。パラレルワールドながら2編の情報が補完し合っている。片方だけでは不明な点が多いが、両方を見れば物語全体を把握できるようになる構成。
    • 鬱シナリオの度合いが強烈なのは妖精編のほう。人間編はヒーローっぽい展開…でもやっぱり鬱。
  • 分岐による影響はかなり甚大。
    • 「戦う」の文字通り、人間と妖精が決別し、最終戦争を行う。メインヒロインが妖精側へついたためなのだが、その経緯も鬱と毒がないまぜになっている。
  • そもそも分岐のその時まで、主人公は一貫して人間側で生活してきている。妖精編に進むと今まで育ってきた世界を否定することになり、後味やカタルシスがものすごいことになってくる。
    • だが、人間編と妖精編の分岐を選ぶイベントは「電波に苦しむヒロインが主人公の家を訪ねて別れを言う」というものであり、そこで「ヒロインを追わず人間側に居続ける」のは「ヒロインを軽視する・見捨てる」も同然。つまり人間側と妖精側、どちらを選んでも後味が悪い。
    • ただでさえ鬱なストーリーなのに、「主人公の明るい性格」「中盤までのドタバタ成長物語」「ほどよいデフォルメが効いた可愛らしいグラフィック」「人間編・妖精編のポップな各EDテーマ」…これらとのギャップがすさまじく、終盤の鬱っぷりがより際立っている。
  • 選ばなかった側の勢力は徹底的に壊滅してしまう。和解・共存ルート、人間と妖精のどちらにもつかない中立・仲裁ルート、全てを総括する真ルートといったものは存在しない
  • …という、シナリオや分岐それ自体は主題や好みの問題と言えなくもないが…そのほかに本作の評価・感想ではよく「説明不足」「描写が不充分」「演出がいまいち」といった指摘が挙がる。
    • 人間編では主人公とヒロインの出会いが少なく、最後までモヤモヤさせられる。一方妖精編では登場人物の心理をプレイヤーに伝えきれておらず、ところどころ強引になっている。
    • 人間編・妖精編の両方をプレイしたとしても解明しないアイテムや用語がある。
    • エンディングが漠然と、それでいてアッサリとしている。極めつけの妖精編ラストは考えオチ。
    • 加えてインタビューのスタッフ発言。以下要約。
      • 「RPGという表現の都合上あのように描いたが、設定からすれば一面にすぎない。真相は違う」
      • 「皆の好きなように考えて、プレイヤーの数だけ話がある。だからこのゲームはラジアータストーリー『ズ』
  • 漫画版『The Epic of JACK』『The Song of RIDLEY』ではそれぞれ人間編、妖精編のハッピーエンドが描かれている。シナリオに納得のいかなかった方はぜひ読んでみていただきたい。
    • 本作で漫画版それぞれのエンディングを迎えることができたなら、この作品の評価は一変していたであろう…。

分断される仲間キャラクター

  • 本作で仲間にできるキャラクターは、ごく一部を除き「人間側(ラジアータ王国)」か「妖精側(エルフ・ドワーフ・ゴブリン・オークらの連合軍)」のどちらかに属している。ストーリー分岐後は、選ばなかった側のキャラが全員仲間から外れ、以後は二度と仲間にならず主人公と敵対関係になる。
    • これは分岐前に仲間にしたキャラクターも例外ではなく、「人間側のキャラクターばかり仲間にしたけど、妖精側につく」というようになると、一気に戦力が減少する。逆も然り。
    • 分岐で選ばなかった側のキャラは、以後フィールドにザコ敵として登場するようになる。分岐前のザコ敵は虫・動物・魔法生物が大半であり、分岐後初見時のショックは相当なもの。かつての知人や話せたはずの種族が、経験値稼ぎの対象、移動の邪魔者となる不気味さ。戦っているとものすごく複雑な心境になる。ちなみにエンカウント時・打倒時・勝利時などの演出は分岐前といっさい変わらない。本当にザコ扱い。
      • なお戦闘、イベントともに流血や傷口といった表現はない。ただし一部イベントで青アザがついたり、一般兵の死体が転がったりはする。そんなのRPGのお約束だろ、と言いたいところだが、物語が全面戦争状態なだけに「戦闘=殺し合い」なのか?という不安・気持ち悪さがジワジワくる。
  • 分岐後にしか仲間にできないキャラも多く、全員を一度に仲間にすることは不可能(キャラクター図鑑の登録は次周へ引き継がれるが、仲間参加のフラグは各周でリセットされる)。
    • 仲間キャラのうちには「そのキャラの配下全員を仲間にする」という条件の者が複数いる。そのため、キャラクター図鑑のコンプリートを目指すのであれば、何周もかけてコツコツと積み重ねるプレイは無駄足。やるなら人間編と妖精編の計2周を厳密なスケジュール管理でやり遂げなければならない。
  • 人間側の女性には好感度が存在し、いわゆるデートイベントもひとつ用意されている。だが、セリフのない非常にささやかなもの。そもそも人間編を進めない限りそのイベントは起こらない。エルフ側にも女性はいるが、妖精編に好感度・デートイベントのたぐいはない(経緯を考えれば当然だが)。

主要キャラクターの扱い

  • ストーリーに絡むメインキャラクター達が総じて扱いが悪く、どちらのストーリーでも主人公を除く多くが一般仲間化、あるいは行方不明、あるいは死亡となる。序盤から登場しプレイヤーの印象に残る人物もこれに含まれるため、後味が悪い。
    • いちおう漫画版(妖精編・人間編を描いた作品が別個に存在)や小説版ではメインキャラクターを中心に救済が施されている。ゲーム内容に不満なら読んでみてもいいかも。

タイムスケジュールの微調整のしにくさ

  • 本作のタイムスケジュールシステムにおいて、主人公もその中のひとりとして行動することになるのだが、それに伴う副作用や欠点もある。
    • 一定の時間が経過するまでストーリーが進行しなかったり、特定の時間にならないと発生しないイベントがあったりする。
      • 一応、主人公の家で眠ることにより時間を翌日朝7時まで飛ばすことはできる。しかし「家で就寝する」か「家に入る」と、それがトリガーとなってストーリーが進展する場面もある。「ちょっと時間を送りたい、でも取り返しのつかない進み方はさせたくない」なら、「目的の時間になるまでプレイを放置する」のが最も安全。その最適解はゲームとしてどうなのか…。
      • また、主人公の家は中盤以降、世界でたったひとつのセーブポイントになる。よって「そろそろセーブしたい、でも家に入ると物語が進むかもしれない」というジレンマが起こる。
    • キャラを仲間にするには、そのキャラと出会える時刻と場所を狙わなければならない。たとえば、ある人物に「あるアイテムを採ってきてくれ」と言われたので採ってくるも、深夜になっていてその人物に会えず朝まで持ち越し、など。
      • なお、誰が今どこに居るのかを知るためのシステム(レーダーや、知人に訊くなど)は特にない。下調べを兼ねてキャラをストーキングしてみる楽しみ方はアリだが、仲間集めをコンプリートする気なら攻略本または攻略サイトが不可欠。
  • また、約250人という数で圧倒される反面、「1人に1つのスケジュールを繰り返す」設計が不満に挙がっている。終盤の世界情勢に言動が合わなくなるという問題も出ている。

その他

  • フィールド(街道)はもちろん城や街もかなり広い。しかし地図が見にくいこともあって、初プレイ時は迷子になりやすい。ワープ装置もあるが設置箇所が少なく、どこへ行くにも無駄に走らされる。
    • 前述のタイムスケジュールシステム、セーブポイントの少なさにより、一般的なRPGにくらべて迷子になった場合のリスクがやや高め。
  • プレイヤーの後味・心象を悪化させた要因のひとつに、ラストダンジョンの流砂トラップがある。シンボルエンカウントのおかげでザコ戦は少ないものの、進んでは砂に落とされ、また進んでは落とされる無間地獄。それまでのダンジョンにはなかった陰湿な仕掛けであり、多くのプレイヤーが突然の難易度上昇に心を折られた。
  • 宣伝CMでは主題歌と共に超美麗アニメーションが流れていたが、本編では全く流れない。勿論オープニングでも。ただし主題歌はゲーム中のある場所で何度も聞ける。

総評

仲間の扱いや戦闘の物足りなさ、CMアニメ詐欺、説明不足の鬱シナリオで叩かれた作品。発売からしばらく「人間編・妖精編とは別に真ルートが隠されているはずだ」など悲嘆の声が噴出した。大作として期待されていたことと国内29万本の売上による反動から「クソゲーオブザイヤー2005」にノミネート。完全版も廉価版も出ないままマイナー化し、発売から数年後には中古数百円の値段で落ち着いた。

「クソゲーオブザイヤー2007」以降のノミネート作品ほど商品として酷いわけでもなく(それでも新品8000円は割高だったろうが)、AAAに付き物のバグは特にない。タイムスケジュールシステムもキャラの多さと相まってなかなか凝っており、活きた世界を作ろうとした、その意気込みは評価できるだろう。またビジュアルワークは秀逸で、大人数のRPGにありがちな似たり寄ったりのキャラ造形があまりない。街は室内も丁寧に設計されており、大作らしい贅沢な出来となっている。

同時期に販売され「クソゲーオブザイヤー2005」「大作」「ある一方向に偏ったシステム」「シナリオの評判が悪い」「ユーザーインタフェースを考慮していない」「俺は好き」など同じような見出しで語られがちな『ローグギャラクシー』とはよく比較されるが、クソゲーというには程遠く「なんでノミネートされたのか解らない」という声も少なくない。しかし、「説明不足なシナリオ」や「痒いところに手が届かないシステム面」に問題があることも否めず、色々と惜しい作品であることは間違いない。発売数年後の現在でも「自分の期待や好みとは異なる内容に落胆した者が多かった」いわゆる「ガッカリゲー」として扱われることが多い。

余談

  • 本作スタッフが関わった『ラジアントヒストリア』が2010年11月3日ニンテンドーDSでアトラスより発売された。名前が似ているだけで中身は別物。大方の予想を裏切り良い評価が多い。
  • 主題歌提供した玉置成実氏をモデルにしたキャラクターがおり、仲間にすることもできる。発売当初はファミ通にてこのキャラを使ったやり込みを募集していたが全く来なかったのか結局掲載されることはなかった。