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スクウェアのトム・ソーヤ - (2015/02/18 (水) 09:41:32) の編集履歴(バックアップ)
スクウェアのトム・ソーヤ
【すくうぇあのとむそーや】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売・開発元
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スクウェア
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発売日
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1989年11月30日
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定価
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6,500円(税別)
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判定
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良作
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バカゲー
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概要
マーク・トウェイン原作の『トムソーヤの冒険』をモチーフにしたRPG。既に先にセタからトムソーヤのゲームが発売されていたのでタイトルに「スクウェアの」がついている。
キャラクターデザインは世界名作劇場のアニメ版のものをモチーフにしており、作中ではアニメのオープニングテーマのアレンジ曲も流れる。
システム
当時のRPGではまず見られないような斬新なシステムが数多く搭載されている。
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画面構成
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画面の上半分のみだけが表示されており、下半分は基本的に真っ黒で、会話内容・コマンド選択・戦闘中のパラメータ表示などに使われる。
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メニュー画面以外はほぼこの画面構成で統一されており、さながら映画館のスクリーンに投影されたような雰囲気を醸し出している。
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マップ
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当時のRPGに多くみられる「ワールドマップ」は存在しない。ほとんどのマップは数々の町とそれらをつなぐ森、各所の建物の屋内、マップを大きく二分するミシシッピー川で構成されている。
画面の縦幅が狭く横に長いため、縦方向への移動範囲は極めて狭く横に長いマップで構成される場合が殆ど。
多くのRPGで採用されやすいマス目移動ではなく、ドット単位でキャラが動く。
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特定のイベントをこなすと、移動速度が上昇する。初期速度の最大4倍まで加速する。
最初はかなり遅いが、2倍になるだけでもずいぶん快適になり、4倍では驚異的な速度で移動できる。
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アイテム
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RPGではほぼ標準である通貨や買い物のシステムは存在しない。アイテムはすべてどこかで拾う・人からもらう・所持している仲間を加入させる、などの方法で入手する必要がある。
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装備するアイテムは存在しない。
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セーブには主人公の初期アイテムであるテントを使う。屋内を除けばどこでもセーブ可能。
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仲間と成長システム
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仲間は主人公を含めて最大4人まで同行させられる。メニュー画面の「うちにかえる」コマンドで別れることができ、ごく一部の例外を除いて必ず同じ場所で何度でも仲間に加えることができる。
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当時の標準的なRPGと異なり、レベルの概念がない。戦闘で勝利するたびにHP、AP(攻撃力)、DP(守備力)、QP(素早さ)が少しずつ成長するようになっている。
ただし、HP以外のパラメータも増減の概念があり、上昇した直後はその分だけ最大値から減っている。休憩して回復することで初めてその時点での最大値まで能力値が回復し、成長が反映されるようになる。
成長の限界は各キャラ毎に決まっており、基本的には後半に仲間になるほど限界値が高い傾向にある。
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戦闘システム
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画面上半分に背景と敵が配置される。敵は最初は小さいシルエットで大まかにしか判別できず、攻撃を仕掛けに近づいてくることで初めて姿や名前が表示される。
パーティーメンバーが攻撃する際も、画面奥まで走って行ってから敵に殴り掛かり、戻ってくる演出となっている。
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戦闘では「たたかう」「アイテム」「ひっさつ」に加え、各キャラ独自のスペシャルコマンドを駆使して闘う。
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ひっさつはあらかじめメニュー画面で師匠と弟子となるキャラ、必殺技の名前を決めておくことで使えるようになる。
必殺に参加するメンバーの減少しているHPが敵全員の総現在HPよりも大きいと、敵を全滅させることができる。
条件を満たさずに発動すると、参加したメンバー全員がダメージを受けるなどリスクも高い。
また、戦闘開始直後の1ターン目は必ず失敗する仕様になっており、HPを減らしたまま必殺連発、などといった戦法は取れないよう調整されている。
バカゲー要素
このゲームを語るうえで避けられないのが、数々のバカゲー要素である。見ていて楽しいものもあれば、やりすぎなものまで多岐にわたる。
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とにかくコミカルな演出やテキスト。以下は主な事例。
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エンカウント時は目の前で爆発が起こり、主人公が目玉を飛び出して驚く。
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戦闘時には仲間たちはダメージを受ければコミカルなリアクションを取り、逃げる際には大きく顔は崩れ、戦闘不能時にはギャグ漫画のようにずっこける有様(ご丁寧にも状態異常表示は「こて..」)。
全滅時にはコミカルなような物悲しいような何とも形容しがたいBGMと共に、「きみたちのことは けっして わすれないよ。」などとメッセージが表示される。
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セリフにはなぜか長音が使用されず、波形で統一され(トム・ソーヤなら、トム・ソ~ヤと表記される)、何とも気の抜けた雰囲気を漂わせる。
ただし敵キャラの名前のみ長音で統一されている。
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町ごとにそれぞれ日本各地の方言でしゃべるようになっている(2番目の町、リバ~ウェストなら広島弁など)。
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主人公が無駄な行動をした時などには、わざわざ天使や悪魔がささやく
余計なお世話。ご丁寧にも、セーブデータが消えた際にもささやいてくれる。
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戦闘時のダメージ計算や残りHPは小数点第1位まで計算され、一桁の数値と共に初めて表示される。小数点第1位の数値が実際にHP等に使われるのは類を見ない。
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敵キャラのデザインは全体的にシュールかつコミカルさを前面に押し出している。
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ゴルゴ13そっくりの顔を持つ「カオフラワー」、犬の顔を持つ「いヌわし」、文房具のマジックインキを模した頭部をもつ「マジックマン」など、枚挙に暇がない。
普通の動物の敵も、やたら目つきが可笑しいものばかりである。
行動パターンもそちらの方面に豊富で、何の意味もないセリフで無駄にターンを消費する敵もいれば、ご丁寧にもヒントやお得情報を教えてくれる敵なども存在する。
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リセットボタンを押す攻撃。「○○(敵の名前)は ボタンを おした! それは リセットボタン だった!」のメッセージと共に、本当にタイトル画面に戻されてしまう。
全滅を強制される攻撃などでタイトルに戻されることは他のRPGにもよく見られるが、攻撃として堂々とリセットをされるのは後にも先にも本作だけであろう。
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なお、このリセットボタン攻撃を行う敵は2体いるが、片方はミニゲームの神経衰弱で極稀に登場するいわゆる罰ゲーム的モンスターで、もう片方は複雑な手順またはバグ技を駆使しなければたどり着けない隠しマップに登場する隠しモンスターとなっており、ゲームバランスに大きな影響は与えていない。
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この攻撃のほかにもセーブデータを消す攻撃をする「きろくむし」が有名で、2chや投稿型レビューサイト等でよく記述を見かける。
……が、実際には全くのデマであり、個人のゲームレビューサイト(現在は閉鎖)でいかにも体験したように書かれていたことが発端である。
解析データでもこれらの敵は確認されていない(2015年現在)。
評価点
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グラフィック
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80年代のFCのグラフィックとしては最高レベルの出来。綿密に書き込まれたドット絵は、19世紀のアメリカの片田舎の雰囲気や、木々の生い茂る危険な森などの要素をよく表現している。
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FCのRPGとしてはキャラのサイズが大きく、特に主人公のトムはバラエティに富んだアクションで楽しませてくれる。
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サウンド
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植松伸夫によるサウンドは良曲揃い。世界観との一体感も高く、グラフィックと合わせてゲームの雰囲気づくりに一役買っている。
プログレッシブ・ロックを髣髴とさせるような複雑な構成の曲なども。
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豊富なイベントやテキストの数々
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イベントやミニゲーム、隠し要素はFC時代のRPGとしてはかなり多い。
人々の会話テキストもかなり豊富で、2度目の会話では違うことをしゃべることも多い。
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高い自由度
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数々の作りこまれたイベントが用意されているのに対し、そのほとんどをスルーしてもクリアできてしまうほど自由度が高い。
道をふさぐような障害もほとんどなく、カヌーを入手して川を渡れるようになればほとんどの場所へ歩いて行けてしまう。
各種イベントをスルーするようなプレイは難易度が跳ね上がるものの、きちんと情報を得ながらプレイすれば制作側の想定したルートを外れることはまずない。
問題点
総評
高いエンカウント率、見た目に反して高い難易度、やや遅いレスポンス、シンプルすぎる戦闘システムなど粗は目立つ。
しかしこの時代としては高レベルなグラフィック、丁寧で小憎い演出、古き良きアメリカを表現した世界観、シンプルながらも爽快感溢れるストーリー、植松伸夫による印象深い音楽に魅せられた者は少なくない。